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悲痛悲哀

インフォメーション
題名：悲痛悲哀 著者：出口王仁三郎
ページ：331
概要： 備考： タグ： データ凡例： データ最終更新日：2024-10-31 18:51:00 OBC ：B129900c58
如月(きさらぎ)八日(やうか)日露戦役(せんえき)始まりて
熱信連(れん)はいきり立ち
それ見たか御開祖(ごかいそ)の筆先通(どほ)り
一分(いちぶ)一厘(いちりん)ちがひない
これからいよいよ天(てん)と地(ち)の
三千世界の立替(たてかへ)ぢや
立直(たてなほ)しぢやと大本の
十二(じふに)のわからぬ役員が
鼻うごめかす面白さ
日露戦争は我国(わがくに)の
戦(いくさ)のかちになる事は
神の経綸(しぐみ)でわかりゐる
さはさりながら日(ひ)の本(もと)が
たとヘロシヤに勝てりとて
三千世界の立替が
全然(ぜんぜん)出来るものでない
まして世界の立直し
そんな大謨(たいもう)が着着(ちやくちやく)と
出来るものではなからうぞ
いよいよこれが三番叟(さんばさう)
世界の立替(たてかへ)完成は
今後十年二十年
三十年を経(ふ)るとても
ミロクの御代(みよ)は来(きた)らない
大きな望(のぞみ)をかけ過ぎて
後(あと)で後悔するなよと
懇懇(こんこん)さとせど盲信者(まうしんじや)は
なに海潮(かいてう)が知るものか
三千世界の大本の
神の示しの御筆先
どこどこまでもちがやせぬ
外国(ぐわいこく)魂(だま)の海潮(かいてう)が
神の経綸(しぐみ)の邪魔をして
そんなたわごとほざくなと
耳にもかけぬ役員の
心の底ぞ憐(あはれ)なり
これを聞くより役員は
一層(いつそう)敵意を含みつつ
朝(あした)夕(ゆふ)べに苦しむる
済度し難(がた)きは無知識の
半狂乱(はんきやうらん)の盲信と
吾(わ)れは悲痛の思ひして
日日(ひび)に頭(あたま)をなやましぬ
ああ惟神　惟神
神のよさしの時待(ま)ちて
彼等(かれら)が迷夢(めいむ)をさましやり
正(ただ)しき誠の信徒(まめひと)と
生(い)かしやらむと明け暮れに
心を砕(くだ)くせつなさよ
この情態(じやうたい)を見るにつけ
胸は裂(は)りさく思ひなり
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