霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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由松急病

インフォメーション
題名:由松急病 著者:出口王仁三郎
ページ:445
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-31 18:51:00 文字数:826 OBC :B129900c74
秋の夜(よ)はやうやく更(ふ)けて臥龍亭(ぐわりうてい)に物(もの)書きをれば眠気(ねむけ)もよほす
読みかきに疲れたる身を休めむと夜具(やぐ)敷きならべ横たはりたり
うつらうつら華胥(かしよ)の国へと進み行けば一天(いつてん)公り雷(かみなり)とどろく
不吉の夢
雷鳴(らいめい)はますますはげしくなりゆきて吾(わ)が弟(おとうと)の頭上(ずじやう)におちたり
弟の由松(よしまつ)雷(らい)に相(あひ)打たれ死せしと思へば夢なりにけり
弟は相(あひ)も変(かは)らず吾(わ)が道に反抗態度をつづけゐたりき
由松(よしまつ)の身を気づかひて神前(しんぜん)に供物(くもつ)を献(けん)じ祈願をこらせり
神前(しんぜん)に心(こころ)清めて祈(の)りをれば朝鶏(あさどり)の声清(すが)しく聞え来(く)
役員等(ら)は日の出と共により来(きた)り井戸を囲みて水浴(すゐよく)始むる
吾(われ)もまた弟の夢が気にかかり井戸端に立ちて水を浴びたり
急電
水浴(すゐよく)をすまして朝の拝礼をつとむる折りしも急電来(きた)れり
急電を取る手おそしと開(ひら)き見れば弟(おとうと)急病と記されにけり
電報の趣(おもむ)き開祖に言上(ごんじやう)し旅装(りよさう)をととのへ穴太へ向(むか)ふ
従者(じうしや)には慶太郎(けいたらう)文助(ぶんすけ)両人が監督のためしたがひ来(きた)る
三人(さんにん)は須知山(すちやま)峠をよぢのぼり野山の紅葉(もみぢ)をほめつつ休らふ
須知山(すちやま)の峠に立てば丹波栗(たんばぐり)いがを割りつつ赤き実(み)見せをり
栗の木の木(こ)がげに立ちより赤き実(み)を三(み)ツ四(よ)ツ拾ひむきつつ喰(く)ひゆく
水清(きよ)き台頭(たいとう)を越えて大原(おほはら)の新屋(あたらしや)にて暫(しば)しを休(やす)らふ
一銭の茶代(ちやだい)を払ひぼつぼつと枯木(かれき)峠をよぢのぼりゆく
このあたり狼(おほかみ)出ると人のいふ樹木(じゆもく)茂(しげ)れる谷間(たにま)なりけり
枯木坂(かれきざか)南に渡れば榎峠(えのきたうげ)蒸したる栗の実(み)並べありけり
人の居(ゐ)ぬ店の栗をば三人が三銭払ひ三皿(みさら)喰(く)ひたり
三銭の栗におのおのあきにつつ昼飯(ひるめし)すみしと坂下(くだ)りゆく
八木一泊
三(さん)ノ宮(みや)保野田(ほのだ)の里(さと)をてくてくと観音峠の頂上につく
檜山(ひのきやま)須知(しゆうち)蒲生野(こもの)は知らず知らず話の中(うち)に通り過ぎたり
観音坂(くわんのんざか)頂上に立ちてながむれば天神山(てんじんやま)は眼下(がんか)に横たふ
村肝(むらきも)の心そぐはぬ三人が園部を過ぎて八木(やぎ)町(まち)に入(い)る
虎天(とらてん)の井堰(ゐせき)の側(そば)なる福島の支部に休らひ茶をすすりたり
十二里の山坂(やまさか)越えし吾(わ)が足は棒の如くになりて動かず
動かざる足も全く御神慮(ごしんりよ)と思ひてここに一泊をなす
四方(よも)八方(やも)の話に文助(ぶんすけ)慶太郎(けいたらう)等(ら)夜(よ)を更(ふ)かしつつ吾(われ)を守れり
朝未明(みめい)福島館(やかた)を立ち出(い)でて一行四人(よにん)穴太に向(むか)へり
又(また)しても吾(われ)を逃(にが)してならないと福島一人(ひとり)加はりにけり
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