霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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神愛

インフォメーション
題名:神愛 著者:出口王仁三郎
ページ:567
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-30 20:57:00 OBC :B119300c085
二十八歳の春
月のま(した)白梅(しらうめ)(かを)り 二月八日は風()え渡る
月の白梅(しらうめ)薫れる夜半(よは)を 浄瑠璃(じやうるり)語るも五人連れ
浄瑠璃(じやうるり)語るを三人(みたり)の男 無理にひきずりかつぎゆく
恋のかたきと三人(みたり)の男 打つやら蹴るやら桑畑(くはばたけ)
桑の(はたけ)にうちのめされて ぢつとこらへた一時間
死んだと(おも)たか三人(みたり)の男 石橋背中(せなか)になげてゆく
上田(うへだ)勝公(かつこう)がこの場へ(きた)り 三人(みたり)の男を追ひ(ちら)
神の(めぐみ)手疵(てきず)は浅く 頭かかへて起き(あが)
兄の危難を聞いたる舎弟(おとと) 棍棒(こんぼう)うち振り飛び()だす
三人(みたり)の男にうちすえられて 頭わられて舎弟(おとと)は帰る
その()寝られず喜楽亭(きらくてい)に一人 頭かかへてもの思ふ
痛さ苦しさその()()ねず 朝の枕に涙する
(ぬし)の難儀も知らない牛が 腹をへらして鳴いてゐる
牛の鳴く()に母(おどろ)いて 来て見りや喜楽は(あけ)()
一目(ひとめ)見るより母驚いて 声を限りに泣き沈む
母の泣く声寝耳(ねみみ)を通し ほのかに(きこ)ゆる()が悩み
八十こしたる祖母上(そぼうへ)までが すすり泣かせる(まくら)もと
父がないとて虐待すると 母の恨みを聞く(つら)
女あさりし()が天罰を 知らぬが仏の祖母と母
神の恵みの鉄鎚(てつつゐ)うけて とみに(かは)りし()(あたま)
薄い布団に頭をかくしや 熱い涙がにじみ出る
人は(うら)まじ(みな)()が心 すめる鬼()が恨めしい
頭なぐりし三人(みたり)の男 神国(みくに)の人として()れた
三人(みたり)の男はわたしの為に 世界無比なる救世主
(こころ)改め天地(てんち)の神に 痛みこらへて手を(あは)
如月(きさらぎ)九日(ここのか)(ゆふ)べの月は わたしの心を照らしてる
一人寝床(ねどこ)小夜(さよ)()けわたる 窓を叩いて過ぐる風
夢か(うつつ)かわしや白雪(しらゆき)の 富士の神山(みやま)神使(かむつか)
神のよさしの松岡(まつをか)神使(しんし) (われ)をかかへて天翔(あまかけ)
思ひきや富士の御山(みやま)御使(みつかひ)とききし夜更(よふ)けの物静かなる
白梅(しらうめ)の花の匂へる()が居間の夜更けを覚めてもの思ひけり
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