霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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仙境

インフォメーション
題名:仙境 著者:出口王仁三郎
ページ:377
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-30 20:57:00 OBC :B119300c087
二十八歳の春
神の翼に(いだ)かれながら (たま)は駿河の富士(もう)
富士の高嶺(たかね)にわが(たま)たちて 秋津島根をみはるかす
神の使(つかひ)皆神山(みなかみやま)に われを松代(まつしろ)つれてゆく
山脈十字の信濃の国は 永遠の(いしづゑ)(まも)
富士の高嶺(たかね)皆神山(みなかみやま)を あとにわが(たま)帰り来る
(まなこ)()ませば小夜(さよ)()け渡り (みね)の松風()にしみる
此処(ここ)何処(どこ)よとよくよく見れば 稜威(みいづ)高熊(いはほ)(ほこら)
高熊(たかくま)御山(みやま)の四十八宝座 雪の降る()を静座する
(よる)は淋しい松吹く風の 音も(きこ)えず(しも)()
寒さひだるさこらへて一人 ()くる霜夜(しもよ)に道辿(たど)
天津御国(みくに)根底(ねそこ)の国も 悟りそめたる(ほら)の中
夜風(よかぜ)身にしむ淋しさ襲ふ ()ゑと(かわ)きが身に迫る
(つち)火水(ひみづ)御恩(ごおん)を悟り 神に感謝の(なみだ)する
猛獣(まうじう)毒蛇(どくだ)(せい)あるものは 淋しさたすくる守り神
人の社会のかたじけなさを 悟る天下に敵はない
敵や味方とけじめをたてる 人の心の浅間(あさま)しさ
人は(さら)なり山川(やまかは)草木(くさき) どれもわが身のたすけ(がみ)
月の御国(みくに)や日の神国(かみくに)に (たま)はかけりて道を知る
神のよさしの神業(しんげふ)終へて 一人帰りし宮垣内(みやがいち)
(かね)太鼓(たいこ)でわがゆく先を 返せ戻せと山さがす
呼べど叫べど影さへ見えぬ 母の心のいたましさ
妙霊(めうれい)教会五軒町(ごけんちやう)の稲荷 易者(えきしや)に問へどもあたらない
近所株内(かぶうち)(かしら)を集め 吐息(といき)つく朝われ帰る
父の奥都城(おくつき)産土の宮に (もう)で帰りしこの(あした)
何処(どこ)如何(どう)してお前はゐたか わけをきかせと皆が言ふ
わしは神様秘密の御用 時が()るまであかせない
すいたお(なか)麦飯(むぎめし)くへば 猫にあらねど(のど)がなる
七日(なぬか)七夜(ななよ)の疲れの為に (なに)白河(しらかは)夜船(よぶね)こぐ
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