霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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薫陶

インフォメーション
題名:薫陶 著者:出口王仁三郎
ページ:458
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-30 20:57:00 OBC :B119300c104
二十八歳の春
丹波より弟子きたれりと長沢氏いとねんごろに迎へたまへり
月見里(やまなしの)神社(やしろ)の前にぬかづきて道の前途をいのりたりけり
長沢氏幽斎室(いうさいしつ)にみちびかれわれおごそかに帰神(かんがかり)せり
幽斎(いうさい)のさまをうまらにつばらかに朝夕(あさゆふ)説かせ給へる師の(きみ)
師の(きみ)審神者(さには)をうけて高熊の山の修行のたふとさを知る
師の(きみ)母堂(ぼだう)豊子(とよこ)一入(ひとしほ)にわれいつくしみて神器を給へり
師の(きみ)にともなはれつつ清水湾わたりて三保(みほ)(やしろ)(もう)でぬ
三保津彦(みほつひこ)三保津姫(みほつひめ)(かみ)祀りたる(うづ)(やしろ)神言(かみごと)()
御社(みやしろ)宝物(はうもつ)(あま)羽衣(はごろも)を師のゆるし得てをろがみにけり
白砂(はくしや)青松(せいしよう)つらなる三保(みほ)の浜に立ちて気高(けだか)き富士の高峰(たかね)(をろ)がむ
おのづから心すがしも大空(おほぞら)(そび)ゆる雪の不二(ふじ)()をがめば
羽衣(はごろも)の松の木蔭(こかげ)にたたずみて昔がたりを聞かされにけり
三保(みほ)(うら)磯辺(いそべ)さぐりてめづらしき(あま)石笛(いしぶえ)さづかりにけり
春の()の波にかがよふ海原(うなばら)白帆(しらほ)(うか)べるさまのすがしも
(あら)遠州灘(ゑんしうなだ)はあなたよと(ゆび)さしわれに(をし)ゆる師の(きみ)
つつましきわが師の(きみ)は道に()へる車夫(しやふ)にも頭()げて通らす
師の(きみ)のごとき温厚(をんこう)篤実(とくじつ)の人は今まで見あたらざりけり
やうやくに(よはひ)四十を重ねたるわが師の(きみ)(すこや)かなりけり
三保(みほ)の浦あとに夕海(ゆふうみ)わたらへば波間(なみま)にうかぶ雪の富士ケ()
下清水(しもしみづ)師の(きみ)(やかた)にかへり見れば不二の高峰(たかね)を包む夕雲(ゆふぐも)
月見里(やまなしの)神社(やしろ)の前に端座して師の(きみ)とともに石笛(いしぶえ)を吹く
石笛(いしぶえ)()もさやさやに(ひび)かひて不二の高峰(たかね)神使(しんし)寄り()
小夜(さよ)()くるまで幽斎の修行して神のをしへを(かうむ)りにけり
われ()しと聞きて東京其他(そのた)より地方信者の(つぎ)つぎあつまる
師の(きみ)の徳をしたひて(つど)ひくる人の多きも修行せんとて
日に(よる)に幽斎修行にいそしみてますます神の尊さを知りぬ
いざさらば国へ帰れば(きみ)がため御国(みくに)(ため)(つく)さむと雄健(おも)ひぬ
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