昭和青年に与ふ 出口瑞月
村肝の心にもゆる赤誠のほのほを照らす昭和青年
まちまちに人の姿は変れ共心はひとし昭和青年
ぢつとしてをれない昭和青年の心に匂ふまことの誌かな
大理石たたみて建てし月の宮のかたき心をもたまほしけれ
救い主今伊都能売の観音はときはの松のかげにおはせり
櫟生の林は霜にいたむとも梢にめぐむ春の色かな
山も野も青くもえたつ春の日の心をもてよ昭和青年
千秋充満寿の苑にめばえたる言葉の花ぞ永久なるべし
神業にいそしみ乍らつかの間を借しみて生れし誌ぞこの誌
よしやよし丹波の霧は深くとも青年の意気月日とかがやふ
昭和5年11月4日、於明光殿
昭和青年昭和5年12月号