山川は清くさやけし月日さすこの地の上に生ける幸思ふ
若返り若返りつゝ天地に幾度生れん神ゐます国
花に酔ふ若き春の日いつしかに青葉の峰に移る天地
寒くとも八十八夜の苗代に種蒔かざれば秋は実のらず
雪霜にたへ忍びつゝそら豆の春を待ち得て花にほふなり
相生梢のつくづく眺むれば雪の中より若芽ふき居り
夏の日に緑栄ゆる銀杏の梢も冬の寒さにたへつゝ
初春の野には雪あり霜もありされど千草は芽をふくみ居り
霜寒き夜半の嵐も降る雪もしのびて春に匂ふ白梅
若き日の手に持つ鎌に鍬の柄は造化に仕ふる神業なりけり
身をきたへ魂を練りつゝ世にたゝむ時にそなへよ昭和青年