昭和青年に与ふ 出口瑞月
山河は清くさやけし眼かがやう日の神国に生れし幸思ふ
眼耀ふ金亀法威を背景に生れし汝は昭和青年
神苑の日々にひらくる状に似て末頼まるゝ昭和青年
時じくに花匂ふなる神苑に更生の意気漲る青年
若人の心は雄々し足曳の山をも抜かん勇気持てれば
愛善の月の宮居の永久に動かぬ心持たましきかな
風早の天恩郷の花園に汝は匂へる白梅の花
櫟生の林も春陽に芽ぐみたりいざふるひ立て昭和青年
神業を那須野ケ原の若草は踏まれにぢられ厚き花咲く
花明山の神苑に生ふる若草は朝な夕なに吾魂をひく
楽しみの一つなりけり若松の日々に栄ゆる緑の色は
この誌の月日と共にひろごりて国の御楯となれよと祈る
われも亦力を添へん神苑に生ふる若木の幹に梢に
青年の意気は天をも衝くと聞くわが神業の力となさばや
あやまたじおかさじものと朝夕に心してゆけ神の大道を
更生の年を迎へし吾れも亦汝若人と共に進まん
「昭和青年」昭和六年四月号