昭和青年に与ふ 出口瑞月
久方の天恩郷に産声をあげてかがやく昭和青年
人生の春をしめたる青年の心の色は緑ただよふ
青年の春によき種まかざれば如何であるべき秋の実りは
人心曇りたる世に浅薄なマルクス主義をこよなく喜ぶ
天地は一度にゆすり青山はかるるも動くな昭和青年
山川も草木もかれん世の中をよみがへらせよ神の恵に
常夜ゆく闇のとばりは深くともまよふな青年岩戸を開け
手ばなしてまだ歩み得ぬ幼子もみそのを護る昭和青年
この書のいや次々にひろごりて国の柱となれよと祈る
久方の天津御空を衝く如きいきのありたし昭和青年
若き日の苦労いとはず道の為世人の為に尽せ青年
ありとある国のことごとこの書の光り輝く時ぞ待たるる
もと真心をあはせ心を一にして進めや進め日の本の道
「昭和青年」昭和六年二月号