検察当局ただ唖然
不逞の陰謀計画
愈々仮面を剥がるる邪教
断乎治安維持法に
大本教大検挙事件はその後専ら京都地方検事局指揮の下に京都亀岡、綾部の各地でおびただしい証拠品の整理に全力を挙げてゐるがその取調べとともに不敬の数々が一層明確にされて来たが更に係官をして唖然たらしめてゐるのは従来治安維持法違反として処罰し得るや否やの点に多少の疑念があつたのが証拠物件の取調進捗とともに最早動かすべからずと思はれる迄の事実が所々に発見されて来た事である
即ち問題は単に一々の言動、章句に止らず同教の根本精神ともいふべき『国家立直し』のお題目の中に恐るべき不逞の陰謀計画が秘められてゐた事が具体的に証明されて来たもので、彼等のいふ『立直し』とは取りも直さず我国建国の根本に重大なる批判を加へ総ての教義言動はこれを基礎として出発してゐたといつても過言なきものといはれてゐる
此の点に関しては検察当局も特に重大視し目下司法長官会同で上京中の吉益大阪控訴院検事長も特に早く今明日中に帰任し検挙の報告を受け来る十六日再び総長に報告のため上京することとなつた