大本教の処分
内外地に亙り解散を命じて
明春徹底的に掃蕩
大本教の処分について内務省ではかかる邪教は社会から一掃する必要があるといふので同教を解散処分に付することに決定したことは既報したが治安警察法第八条によつて解散命令を発する時期は行政処分と司法処分の平行を期するため大体教主王仁三郎以下幹部の起訴決定の前後と見られてゐるので同教の解散も明春になつて断行される模様である、即ち京都府警察部及び京都検事局では多数の証拠物件を押収し徹底的解剖に努めてゐるが王仁三郎等に不敬罪の事実がありしかも神庭会議と称する集会を試みて国体変革その他の問題に言及してゐる事実があるので内務省では治安警察法第八条
安寧秩序を保持するため必要なる場合においては警察官は屋外の集会又は多衆の運動若くは群集を制限、禁止若くは解散し又は屋内の集会を解散することを得、結社にして前項に該当するときは内務大臣はこれを禁止することを得
を発動、同教の解散を命ずることになつてゐる、この際地方の分院支部の解散問題について多少の意見はあるが内務省としては大本教の幹部が右の不敬不穏の意思をもつて布教に当り結社構成の目的があつたものと見て亀岡、綾部の両本部は勿論内地海外にわたり同教の分院、支部は一斉に解散させ全く大本教を掃蕩する意向である
また大本教に関係ある昭和神聖会及び同教の傍系団体の昭和青年会、坤生会(婦人会)については今後の取調の進行によつてあるひは検索の手が延びるか知れぬがまだ不敬その他の確証は挙がつてゐない模様である、しかし右団体は大本教と深い関係があるので大本教解散の際は同時に解散命令が発せられることになる様である