五月十五日までに両本部を取り壊せ
けふ王仁三郎が請書
【京都電話】結社禁止の大鉄槌を下されて潰滅し去つた不敬大本の亀岡天恩郷綾部総本部の建造物取壊し指令を内務省より受けた京都府では入洛した内務省永野事務官を交へ薄田警察部長、杭迫特高、永岡保安、豊原警務各課長等と十八日午前二時過まで協議を重ね十八日朝鈴木知事の決裁を経て午前十一時府令第二百十五号を以て
綾部大本総本部亀岡天恩郷、南桑田郡曽我部村宇穴太瑞象閣、相楽郡木津町城南別院、加佐郡新舞鶴町昭和分院の五ケ所は法令に基き昭和十一年五月十五日迄の期限を附し地上一物も留めぬ迄に破却を命ずることとなり
かくて同日午後一時半中京刑務所支所に収容中の王仁三郎に鈴木知事の名を以て破却命令書を伝達した王仁三郎は予てこの事あるを予期してゐたものの前回の検挙当時に比し余りにも峻厳なる当局の処分に一瞬色を失つたが慄へる手付で『破却命令相受候事正に相違無之候、出口王仁三郎』と請書を認め茲に手続を完了した