神前の祝詞を終り御開祖はにこにこしながらわれを招かす
招かれて御前に進めば御開祖は神示をわれに伝へ給へり
御神示は末子澄子と結婚の式をあげよとの仰せなりけり
神示にはわれ背かじと答ふれば開祖は喜び役員を集むる
御開祖の召集によりて鷹ノ栖の四方平蔵かけつけ来る
平蔵の報告により正信をはじめ役員広前にあつまる
反対者あまたあれども神示なればいなむ由なくうべなひにけり
正信をはじめ春蔵竹村は掌中の玉をとられし面もち
大神の示教なりせば永劫に動かす術無しわれの役柄
神様の仰せなれども上田氏の素性調査を必要といふ足立
平蔵と足立は調査員となり穴太方面さしていでゆく
婚談をやぶらんとして正信はわが行状をしきりに批判す
春蔵と竹村二人はふくれつつ早早わが家をさして帰れり
正信は青菜に塩をふりしごと顔色しなびてしよげかへりをり
平蔵は足立を伴ひはるばると穴太をさして急ぎいでゆく
第一に八木の福島方に入りわれの経歴素性をしらぶる
穴太より移りて住める八木町の斎藤方にききあはせにゆく
斎藤家の話を聞きて正信はひとしほ顔色あをざめしといふ
平蔵は欣喜雀躍斎藤家に感謝の言葉残してかへる
福島は神のまにまにまかしをり是非の答へをなさざりにけり
平蔵と足立は穴太に出張し系図や血筋を調べて帰る
平蔵の報告により御開祖はよろこび神に感謝したまへり
御神示は確固不易と御開祖は神前に静坐感謝し給へり