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雌伏の時

インフォメーション
題名:雌伏の時 著者:出口王仁三郎
ページ:363
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-31 18:51:00 OBC :B129900c63
第二十聯隊出征軍人におひねりお肌守(はだまも)りをおくれり
旧四月十日小学校庭に大本役員出征兵をおくる
異様なる姿を為せる大本の役員たちを兵士はさげしむ
さげしまれ(わら)はれながら役員は得得然(とくとくぜん)神徳(しんとく)を説きぬ
肌守の神徳
肌守(はだまも)り道に捨てたる軍人の生きて(かへ)りし者なき(とし)なり
第二十聯隊全滅せし(とき)に生き残りし(へい)数人ありけり
肌守(はだまもり)鼻紙(はなかみ)にせし軍人は(いづ)れも悲惨の目に会ひしなり
不思議にも大本信者のつは(もの)は二人ありしが生きて帰れり
役員は迷信なれども信徒(まめひと)は信仰強く助かりしはや
信仰の(まこと)しあれば弾丸の()()る中も安全なりけり
迷信は迷信として信仰の強き者らは救はれにける
迷信におぼれて正しき大道(おほみち)にさやれる者は(みな)滅びたり
著述精励
大本の役員たちのさわぎゐる(いくさ)(とし)を著述に(いそ)しむ
この時に著述し置かずば後年(こうねん)(いとま)()きをさとりし(ゆゑ)なり
第二子誕生
()が妻の腹は日に日に太りつつ歩く(たび)ごと息使(いきづか)ひ荒し
布袋腹(ほていばら)かかへて妻は朝夕(あさゆふ)に炊事に(はた)にいそしみてをり
臥龍亭(ぐわりうてい)(しよ)を書きをれば母屋(もや)(かた)嬰児(えいじ)の泣き声(きこ)()にけり
驚きて母屋(もや)に急げば()が妻はいと安安(やすやす)分娩(ぶんべん)してをり
(うま)れたる子をしらぶれば女子(ぢよし)なりき意外の()れは(ちから)(おと)せし
()が妻は泰然としてほほゑみぬ今度(こんど)産児(さんじ)も割れてゐるとて
五月(ごぐわつ)みそか旧暦四月十六日()第二女(だいにぢよ)は無事に(うま)れし
二女梅野
第二女(だいにぢよ)に神にちなめる梅野(うめの)てふ名前を附して届け出にけり
女子(ぢよし)二人窮乏(きうぼふ)きはまる(いへ)(うち)(うま)れて(こころ)(いさ)み立ちたり
役員らはモウ是非はなし二人まで女子(ぢよし)の子(うま)れたりとささやく
どうしても二人の子供ができた(うへ)はいなされぬとてつぶやく虎島(とらしま)
虎島(とらしま)のおもわくがらりと(あひ)(はづ)れ目をむき(くち)をとがらしてをり
虎島(とらしま)嬰児(えいじ)の世話をするといひ開祖に近づき()れをそしれり
日日(かが)()べて役員会議は(ひら)かれぬ根本(こんぽん)(われ)を排斥なしつつ
皇道政治
三才の朝野(あさの)(せな)に負ひながら(われ)は古典を歩みつつ読む
我国(わがくに)の古典を日夜(にちや)読み()けり皇国(くわうこく)(だま)を養ひにけり
我国(わがくに)は皇道政治にあらざれば治まり得ずと堅く思へり
皇道政治実行せむと思ふにも経済法の革正(かくせい)第一なり
皇神(すめかみ)御言(みこと)のままに地の(うへ)を統一するは経済なりけり
我国(わがくに)の経済を根本(こんぽん)立て直し御代(みよ)の光を世界に()らさむ
かく思ひかくはかりつつ(われ)はただ皇道学をいそしみにけり
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