今の間に道の礎固めむと人目忍びて神書をあらはす
あらはせし神書は残らず大槻の家にあづけて知らず顔にゐし
大槻にあづけ置きたる吾が著書を園部の浅井が持ちてひろむる
浅井はな子西田元次も学浅く仮名文字ばかりで書きて渡せし
浅井はな子西田元次の両人は町々村々ひそかに布教す
善助反抗
両人が宣伝したる信徒を探知し善助破壊してまはる
古谷の頤使に甘んじ善助は極力吾れに反抗なしをり
今となり元老顔はして居れど吾れに極力反きし彼なり
吾が道に反抗したる役員は今日は残らず帰幽してをり
大本の盲目役員に頤使されて馬鹿正直の善助か狂ふ
迷信姉妹
禿蛸の娘二人の姉妹は簑笠つけて綾部に上れり
檜山樽屋旅館に宿泊をことわられたり二人の姉妹
立替が近づきたりと姉妹は簑笠つけて綾部に詣づる
三代を背なに負ひつつ書を読める吾が姿見てあざ笑ひをり
善助を叔父に持ちたる姉妹は迷信一入深かりにけり
吾れゆけば変性女子が来りしと顔をしかめて逃げ去りにけり
豚小屋
大本は迷信連が集りて乱痴気騒ぎの恥をさらせり
四辻に醜けき小屋を立て並べ世界の鏡と威張る役員
綾部町役場の吏員はこれを見て金神さんの豚小屋といふ
四辻のもとの古屋に十二戸が合住居して世の種と誇れり
これからは世が変る故吾れわれはみろくのやり方すると誇らふ
豚を飼ふ小屋にも劣る家を建て世界に鏡を見せるとほざけり
あまりにも非常識なる役員の日々の行動見る目つらかり
迷信鼻高
洋服の紳士を見れば四つ足が立ち歩きすと彼等はあざける
われわれがみろくのやり方を世界中にひろめて見せうと雄猛びてをり
心安きみろくの神世に神様がなさるといひつつ筆先のみ読む
これまでの世のやり方は悪魔ぞといひつつ村々を廻る善助
善悪がわからぬ様なくらがりの世界に瑞の霊がしたといふ
素盞嗚の神の霊が世の中を畜生道にしたとほざけり
大神の直々の霊は吾れなりと盲者連中が威張るをかしさ
因縁の身魂で無くば立替が出来ぬと鼻を高め居るなり
瑞霊頁如
海潮の外には今度の御用する霊はなしと開祖の筆先
御開祖の筆先を見て役員はつまらぬ顔を並べゐたりき
役員に対して開祖は厳かに瑞霊真如にしたがへと宣らせり