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第六節 道の栞 第一巻中(二)

インフォメーション
題名:第6節 道の栞 第一巻中(二) 著者:
ページ:675 目次メモ:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :B195501c2406
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]『神の国』大正14年8月8日号
道の栞第一巻中(二)
六一 雲の上の大宮人より、賤が伏家の賤に至る迄、憂きに漏れたるものはなし。故に人は神より外に力とすべきは無し。人の身の上は草の葉に置ける露の如く、野山に咲ける花の如きものぞ。朝の栄へもタベの衰へとなり、実に果敢なく、頼りなきは人の身の過ぐ世なり。食事する間も死の影は絶ヘず人の身を襲ひつゝあり。
六二 現世は斯の如く、果敢なき亡ぶべき国なれども、何時までも栄へに充ちて亡びざる国は神の御国なり。
 限りなき生命を得らるゝは神の国高天が原なり。高天の原ヘ導く案内者は瑞の霊なり。
 心清めて案内者に従ひ、神の御国の民となりて限りなき幸ひと、生命を得よ。
六三 天津御空も、天が下も、天帝の御恵遍く充ち満てり。神の御恵の中に育つ身であり乍ら、悔んで暮すは皆心からなり。
六四 速かに罪を悔ひ改めて直日の霊を全くすべし。神は人々の身魂に直日の御霊を授けて、その身霊に限りなき強き力を添へ玉へば、直日の霊を全くするものは、その身よりも魂よりも美はしき光を放つべし。
六五 直日の霊は、人の身を照らして、道を明かにするものぞ。
六六 悔い改めて、我が教ゆる道に来れ。重き罪科も清まりて、神の慈を与へられん。御恵みを得るも得ざるも、人々の心一つの持ち様である。
六七 信仰を強め神に依りて行為を全くせよ。涙の雨も晴れ行き、心の曇りも吹き払はれ、美はしき御神の御許に救はれん。常に喜び充ち溢れ、憂き事は全く失せて、其影も止めず。
六八 天より瑞の霊を降し給ひて、世の中の民草の為に、救ひの道を開かせたまへり。罪に満ちたる者よ。速かに来りて神を讃美せよ、楽しみ多き神の御国に救ひ給はん。救はるゝも救はれざるも、唯信仰と行為との如何によるものと知れ。
六九 人の身体も魂も皆神のものなり、故に神に仕ヘんと思ふものは、其身も魂も残らず神に捧げて、世の為道の為に祈るべし。
七〇 神は人々の行かんとする所を、隠れたる所より能く見知り給ふ故に、正しき道に歩まんとするものゝ身と心を守り給ひて、安く到らせ給ふ。
七一神の試みに逢ふ事なくして高天の原の神の御国に救ひ上げられん事を、心清めて一筋に祈るべし。
七二 天帝は無始無終の霊と、無始無終の力とを以て、無始無終の万物を造り玉ふ。其の御力は又無始無終であるから、何一つ能はぬと云ふ事なき結構な世の元の誠の大神である。故に人は頼み求めて与へられぬと云ふ事はないのである。求めて与へられず、頼みて救はれざるは、其の心に住める鬼の業によるものぞ。神の幸はひを受けんとするものは、速に心の中の悪魔を逐出すべし。
七三 全智全能なる神の御徳の、天に成りませる如くに、時到りて地の上にも、神徳は全く備はりて、救ひの主現はれたるなり。下津磐根の竜の舘に。
七四 此の筆先は、神の内流伝達の教なれば、此世の光である。故に此の文を読みて深く信仰を養ひ、行為を全くせば、盲目も眼の明く力を授かる。
七五 此の筆先は、此の世の助け舟である。誠の生命の綱である。人の霊魂の誠の糧である、此世の宝は此の外になし。此世の続く限りは朽ちぬ宝ぞ。
七六 天帝は瑞の霊を世に降して、神の御使となし、罪に曇れる世の中に住める盲目聾の行先の幸なきを憐み玉ひて、瑞の霊の口を藉りて、その手を取らせ、安きに導き、霊魂の行方の幸はひを、審さに守らせ給ふ、瑞の霊を救ひ主として仰ぎまつれ。
七七 金銀財宝満つるとも、罪となるべき道は歩む勿れ。誠の宝は天国の鍵なり。金銀は此世の宝、夢の世の宝、仮の宝である。万劫末代持てぬ宝である。此の世の宝は虫喰ふ宝、朽つる宝、錆る宝である。
七八 我が行先を安全に、何処までも力となりて連れ添ふて来るものは、神に尽せし信仰の力のみ、飯食う間も無情の風は、容赦なく吹き荒ぶ。人は其の時の用意怠る勿れ。
七九 此世の縁の切れる時、其身に引添ふて、何処までも友となり、力となるものは、何々なるぞ。黄金の万能力か、いないな然らず。親子兄弟姉妹か、いないな然らず。山か田地か家倉か、いないな然らず。仏の引導か、それでも無い今の坊主の力は遺体を墓場まで送る丈のもの、それから先は行く処を知らぬ。外道の教は滅びの教。神の御国に、そぐはぬ教。然し身魂相応の必要な教。
八○ 然らば何んぞ、××か××か将た××か××か。之等もやつばり人造教。神の御心に叶はぬ教。神の内流伝達に非ず自然界の教なり。
八一 此等の神道は、此世の替はり目に、予言者として瑞の霊の先走り、何時何時までも霊魂の為にはならぬ教。
八二 誠の救ひの道は今迄は無し。世の切り替へに就て、天より瑞の霊を降し玉へり。瑞の霊より外に人の身魂の行手を照らす霊なし。
八三 外の教をこぼちて、我田へ水を引くと云ふものもあらん、あるべき筈なり。盲目許りの暗の世の中。無理もなし。
八四 斯道の取次は、心得た上にも心得て慾は微塵も持てん道である。慢心と貪慾は、神第一の嫌ひ者。
八五 宣伝使よ。神は価なしに、汝等に神徳を授けたまヘり。人にも亦其の通り価なしに、神徳を分つべし。
八六 寄進かけせん等の勧誘はならぬ道。唯神徳を人に与へよ。人の信仰に任せよ。
八七 人に神徳を伝達し、誠の神の道へ導かば神守り玉ひて、無くてはならぬものを授けたまふべし。
八八 此筆先は神の仕組であるから、綾部でなくば発表出来ぬ人目忍んで夜の夜中に神が憑りて、真如の手を藉り認めて置く。
八九 汝等神の誠の道に歩む時、汝等の家の親兄弟、伯父、伯母、友達等是を妨ぐる時の心得は如何にするか。神に従ふや。家に就くや。人につくや。
九〇 瑞の霊の教は、神の直々の言葉なるぞ。人の口より出る言葉は皆悪魔ぞ。慾と嫉の舌の毒。是にまかれてしまへば、早其時より悪魔の仲間入り。
九一 真の神は、人々に霊と力と体とを与へ給ひし誠の父なり。汝等を生みし父母は、限りある現世の暫時の間の肉体だけの父母なり。神は誠の父母、肉体の親は仮の父母なり。
九二 神は仮の父母を粗末にせよとは教えたまはず。肉体の親を敬愛せざるものは、神の御心に叶はず、慎むべし。
九三 誠の父の言葉は、一つもあだし言葉無し。肉体の父母の言葉は自愛に溺れて誤れる言葉多し。愚かなる親は、我子を善き者にし、幸はひなる者にせんと思ひて、却て悪しきもの、不仕合せなる者に落すなり。
九四 神を信仰するには勇気と忍耐が最も大切である。忍耐の無き信仰は実を結ばず。
九五 神の教に従へば、此世に心配事もなく、過ちもなし。嬉し嬉しで安楽に世を送る事を得らるゝなり。此世が思ふ様に行かぬのは、神の御心に背いてゐる人である。
九六 世界万物の凡の取締りは、天之御中主の大神一名大国常立尊。日の御国の取締りは天照皇大御神。月の御国の司は月読の神。世界人民の霊魂を治める神は素盞嗚尊。此大地の主は大国主命。天地の間を構ふ神は百千万の金神。金神の凡ての取締りは艮の鬼門の大金神。之を表鬼門と云ふ。坤の裏鬼門の金神是は姫神なり。大神独りの外の神々は何れも天使にして大神の顕現なり。
九七 瑞の霊は、此世の救ひ主。神々へお詫する役。此世を開く役。取次信者に神徳を取次役。神の善悪を調べる役。お広間を守る役。神の言葉を取次いで書き残す役病一切を封じる役。其外に世界の事は一切天帝へ取次ぐ役。
九八 瑞の御霊の許した取次は、誠の取次である。誠の取次は大なる苦労あり。人に譏られ笑はれ。色々と付け込まれて警察署ヘ引かれ、疑はれる事もあるべし、去れど少しも心配する勿れ。天の命重き者は其身に苦労多きを知れ。神の蔭からの守りあれば、塵程も此世に怖るべきものは無し。心安かれ。
明治三十七年旧四月十二日神示
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