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二二 教祖と大槻鹿造
インフォメーション
題名:
22 教祖と大槻鹿造
著者:
出口澄子
ページ:
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B124900c24
001
ご開祖の
一代
(
いちだい
)
に常に教祖を
攻
(
せ
)
めた男が居ります。
002
初めにおよね姉さんを力づくでさらっていった
大槻
(
おおつき
)
鹿造
(
しかぞう
)
であります。
003
この男は
侠客
(
きょうかく
)
のような男で、
004
弁舌
(
べんぜつ
)
は達者で今でいう弁護士のような話術の達者なものでした。
005
教祖は特別、
006
この西町がきらいで、
007
ことに西町に集まる三人の町の顔役は一番きらいでした。
008
それは教祖は日本の純粋の神であり、
009
三人は外国の悪い神の
系統
(
ひっぽう
)
というわけで、
010
教祖にかかられた神をきらってあらゆるボウガイをしたのであります。
011
それで教祖も鹿造たちを改心させなければならぬので、
012
毎日西町に行かれ、
013
およね姉さんと鹿造に天地の道理を説かれました。
014
大本の歴史にあったことと、
015
日本および世界に実地におこったことを比べてみると、
016
大本は世界の型をするところであるということが分かるのでありますが、
017
教祖と鹿造の型、
018
私とおこと姉さんの型も、
019
神さまの啓示として理解できるのであります。
020
そのことが分からんと、
021
ただのつまらぬ話でありましょう。
022
大本の歴史におこったことは、
023
どんな小さいことでも、
024
一つ一つ意味がありまして、
025
後で世間に大きく映ってから、
026
神さまからさせられていた型であることがわかるのであります。
027
西町の近くまで教祖がゆかれますと、
028
西町に寝ているおよね姉さんは「また、
029
新宮
(
しんぐう
)
から来るッ」と叫んで
炬燵
(
こたつ
)
の中にもぐり込んでしまい、
030
蒲団
(
ふとん
)
の中から目ばかりむいていました。
031
そうして教祖を誰よりもこわがりました。
032
教祖はおよね姉さんの見舞いに来られると、
033
自然に腹の中から声が出て、
034
035
「およねよ、
036
改心いたされよ、
037
○○は強いものがちの神、
038
これからは世が変わるぞよ」と申されました。
039
それを聞くと、
040
およね姉さんは、
041
苦しんで、
042
よけいに荒れていました。
043
大槻鹿造はそのうち教祖の、
044
本宮
(
ほんぐう
)
の元屋敷を売ってしまいましたので、
045
教祖は一時、
046
住むところもなくなりました。
047
私が
八木
(
やぎ
)
にやられたのはそのころです。
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