一、荒魂は神勇なり、和魂は神親なり、奇魂は神智なり、幸魂は神愛なり、即ちいはゆる霊魂にして直霊なるものこれを主宰す。
俗学朦眛不霊にして真理を識らず、荒魂と和魂をもつて心の体となし、奇魂と幸魂をもつて心の用と為し、直霊の何物たるを知らざるは実に悲しむべきの至りなり。
二、荒、和、奇、幸を四魂といふ。しかして荒、和を経とし奇、幸を緯と為す。
三、荒魂は勇なり、勇の用は進なり。和魂は親なり、親の用は平なり。幸魂は愛なり、愛の用は益なり。奇魂は智なり、智の用は巧なり。
四、勇智愛親は不易の道にして、進巧益平は前節に記する如く、唯その用のみ。これをもつて時に随ひ事に触れて百出千化す。一套をもつてこれを視るべからず。
五、勇の用は進のみにあらず、奮なり、勉なり、克なり、果なり。
六、親の用は平のみにあらず、修なり、斎なり、治なり、交なり。
七、愛の用は益のみにあらず、造なり、生なり、化なり、育なり。
八、智の用は巧のみにあらず、感なり、察なり、覚なり、悟なり。
[#図 四魂の体と用]