愈々一ヶ月の後
大本教に引導
棚町検事けさ帰京
大本教大検挙の結果を視察しその取調経過を聴取するため去る九日内務省相川保安課長と共に京都出張中の大審院検事棚町丈四郎氏は京都府警察部、同地方検事局との連絡、証拠品の検討、綾部、亀岡等の現場視察を終へ一週間振りに十六日午前七時卅分東京駅着列車で帰京した、午前十時報告書重要な証拠品の写し等を携へて登庁した同検事は直に木村大審院次長検事と共に総長室に入り約一時間半にわたり光行検事総長に委細報告をなすとともに今後の方針につき重要協議を遂げ正午前散会した
この結果既報の如く不敬罪に治安維持法を併せ適用する根本方針はいよいよ確立されることとなつたが、今後の取調は山積する数千点の証拠品に基き王仁三郎以下四十六名の検挙者一々に対し詳細な聴取書を作成せねばならぬので起訴までにはなほ一ヶ月以上の日数を要するものと見られる