㈣ 次に大本の根本思想を成せる立替立直の理論に付案ずるに、
㋑ 立替立直を必要とする理由を説きたる文献は甚だ多く、教祖ナカの筆先は過半立替立直の必要を力説したるものにして、之を集録したる天之巻及火之巻は合計七百頁に及ぶも其大部分は立替立直の必要に付きての反覆縷述に尽きたり其の主なるものを挙示すれば、
天之巻第三八頁明治三十五年旧七月十一日附筆先には、今の世界の上に立つ人は、一つも誠の善の事は致して居らんぞよ。艮金神が表に現はれて世界の洗替を致すから是からは何事も上から露見れて来るぞよ。今の世界の落ちてゐる人民は高い処へ土持許り致して年が年中苦しみてあるなり。上に立ちて居る人は悪の守護であるから気儘放題好き寸法強い者勝の世の中でありたなれど、見て御座れよ是から従来の行方を根本から改正さして了ふて、刷新の世の治方に致すから今迄に上に立ちて居りた人は大分辛う成りて来るから……。
火之巻第八一頁明治三十五年旧七月二十五日附筆先には、日本の国が獣類の世に成りて仕舞うて此儘で置いては同胞相食を致すやうに成るから、明治二十五年から気を付けてありたぞよ。此の世は末法の世で末法の世はまだあるなれど此儘で置いたら国は薩張り潰れて仕舞ふから、此世が来るは見て居る故に此方頑張りたのでありたのぢや。此方は何千年何万年の将来の事が見えるのであるぞよ。頑張りたり斯んな我の強い守護神を此世へ出して置いたら皆の神か困ると一致が出来て此方を艮へ押込みなされて此頑張るものが無くなりて、楽に成りて段々と世が悪く成りてさうする間に仏事が蔓りて外国の教に従ふて獣の世の中となりて仕舞うて艮之金神が蔭から見て居れば、矢張り申してある通りの世に成りて天の規則も用ゐずに強い者勝ちの世になりて、大神様の神力も無くなるのは此世を持ちて居りなされた神さんの世の持方が悪るき故に大神様もお困りに成つて神も人民でも同一事であるぞよ。
同第四六一頁明治四十三年旧四月十五日附筆先には、斯の結構な日の本の神国を外国魂の悪神に自由自在に汚されて神は誠に残念なれど、時節を待ちて返報がやしを致すのであるから、心に当る守護神人民は一日も早く改心致して元の日本魂に立帰りて居りて下されよ。日本の結構な○○○を外国へ上りて居る悪神の頭やら眷属に自由自在に致されて○○は○人と同じ事になりて、一つも威勢と云ふ事がないから見苦しい四つ足斗りの覇張る世になりて、往きも還りも成らんやうに致して了ふて神地の大神へどう申し訳をいたすのか誠が判らんと申しても余りであるぞよ。
同第四六八頁明治四十三年旧四月十八日附筆先には、斯の世に恐い大神が世に落ちて居りた故に今まで世に出て居られた神々様の放縦な行り方で政治を致されて、後も前も構はずに其時良かれで仕放題の世の持ち方で薩張り世は暗黒と成りて了ふて日本の国に神の威勢が無きやうに成りだから、極悪神の思はく通りの時節に成りたから(中略)日本は結構な神国と申せども今の日本は上から下まで薩張り曇り切りて外国人よりも劣りて居るから、神国の威勢と云ふものは少しも無いから外国人に見下げられて了ふて、何一つ日本の云ひ前が立たん事に成りて来て居るぞよ。(中略)是だけ世界に沢山王がありては治まらんから神が表に現はれて、七王八王を陣曳いたさして日本の誠の神国の万古末代動かぬ一つの王で三千世界を治めるぞよ。(中略)今の政治の行り方は一から十まで偽で固めた其場のがれの行り方であるから、此世が薩張り暗黒で世の乱れ方と申すものは神からは目を開けて見られん醜るしき状態に成りて昔の元から極つた誠の神の道が無くなつて了ふて、人民の通る道も無いやうに世が下りて居るぞよ。途中から出来た枝の神が斯世を自由に致して恐いもの無しで世を持ちて居りたから、世界の今の体裁。
天之巻一七六頁大正元年旧七月四日附筆先には、何程神力の有る大元の先祖でも天は天の先祖なり。地は地の先祖が構はねば天ばかりでは地は思ふやうに守護ぬから天と地とが一致になりて統治るぞよ。今までは天地揃ふての世で無りた故に悪神の世で利己主義の行り方で在りたから、強いもの斗りが上へ上りて悪神の恐がる活神がなかりた故に、渡りて来られん筈の悪神が仏教と学とを輸入て来て日本の国を茲まで汚したのであるぞよ。(中略)日本の国の上の守護神が外国の施政方策の真似を致して全然大将を看板に致して、利己主義の暴政をいたすから日本の国の今の此の有様であるぞよ。(中略)日本の神の誠の道を外国の政治に致して神様の御力を隠して了ふた故に、人民の中の鼻高までが神を蔑視して居るぞよ。(中略)外国の世の持方は日本の国には間に合はんぞよ。世を立替致して元の日本の世の持方の国体に建直すのであるぞよ。火之巻一七八頁大正三年旧九月十七日附筆先には、日本の国は根本の霊能元素の国であるから世界に一と申して二の無い神国であるぞよ。此日本の結構な神国は何時に成りても外国の自由には成らん国であるのに、こんな見苦しき国に成りて了ふたのは日本の守護神がサツパリ悪に覆りて居るからであるぞよ。斯ういふ事になるのは世の元の大神様の附々の守護神の精神が悪るき故に斯う言ふ事に成りたのであるぞよ。天の王の御先祖様と御成なさる尊い霊魂の附々の一の番頭、二の番頭の精神が元来悪しき故に、世界一の霊の本の国を斯の様な見苦しき国に致して了ふて、今の日本の有様神なき国同様であるぞよ。
同第二五八頁大正五年旧五月十四日附筆先には、斯の世へ出て居れる神の精神が悪いから世界中の何も知らん人民が知らず知らずに悪魔に成りて、此状態で世の建替を致さずにおいたら日に増しに斯の世の人民が鬼と悪蛇と悪魔斗りに皆成りて了ふて身魂がヂリヂリ減りに人が無くなるぞよ。残りて居る人民も何う仕様にも仕様の無い如うになりて、人民を供喰に致すやうに成りてそれはいやらしい世になりて、斯世が一旦絶滅て了ふぞよ。是までとはモ一つ叶はん世に成りて一日増しに霊魂が無い如うに成りて了ふ処までの事が判りて居るから、日本の根本の天の御先祖が撞能大神様であるのに、粗末な事に為てをいて枝の神やら日本の国へ渡りては来られん外国へ上げてある国(国は極の誤か)、悪の向ふの先祖が日本の御系統を巧い事に抱き込みて学で日本魂を曳抜きて了ふて、日本の神徳の無いやうに元からの国、悪の仕組通りにトントン拍子にここまでは面白い程昇れて来たのが九分九厘で悪の輪止と成りて、悪の霊が一寸も利かんやうに善一筋のミロク様の根本の良い世に戻るのであるから……。
同第三四〇頁大正六年旧九月三十日附筆先には、元のミロク様の世の間は誠に善き世でありたなれど暮れて行くに従ひ元の御血筋の行方では辛うて能う堪らん神が出来て、終には多勢の神の自由に致して来たのであるぞよ……斯の世一切の事を致すには何の身魂も拵えて置かねば成らんから、上の霊魂と下の霊魂と中の霊魂と三段に立別けてありたのが暮れて行く世に連れて、下の霊魂にエライ間違が出来て上の霊魂を押込める如うになり、上が下に下が上に大の字逆様の大きな間違が出来て来る事が能く見えて居りたから、○に十を書かして白い所を二分八分は真黒に致して、明治二十五年の初発に知らしてある通りに世界が成りて居るぞよ、何事も物件が皆逆様に覆りて居る斯の世を本へ捩ぢ直さねばならぬから何に付ても大望ばかりであるぞよ。日本の身魂が外国の身魂に化り切りて了ふて居るから、皆四つ足の精神であるぞよ。外国の四ツ足の頭が日本へ渡りて来て外国よりも勝りて悪き行方を致して今の体裁。
同第三四九頁大正六年十月十六日附筆先には、是迄の行り方は体主霊従の世でありたから、悪の霊は全部平げて了ふて善一筋、誠一筋の世に致して世界を一つに丸めて神国の世に致すぞよ。(中略)世に出て居れる守護神も日本の国を外国の四ツ足に自由自在に好き寸法に好い弄物に為られて、天地の御先祖様へどう申訳が立つか何うして御詑を致すぞよ。外国の悪神の頭目が日本の先祖よりも一段上に上りて茲まで世界を自由に乱らした事が我と我手に露見て了うて居るが、日本国は洋○では世は立ちては行かんぞよ。今の日本の○○○○○○○沓○○○日○○の大将が何処と無く飛び歩行ては未だ世が治まる処へは行かんぞよ。根本の大神を日本の人民の○○○も一段下に致して居りて○○十〇〇〇〇斯世を拵えた天地の先祖を○○○○○○一段下に落して天地の大神を日本の地面に置いて与るのじやと申して大きな誤解を致して居るから……。
同第七頁明治三十一年十一月三十日附筆先には、世界の大洗濯が始まると上が一旦は破れるし下も砕げて了ふぞよ。上から汚れて来て居るから下の制統は出来は敖さんぞよ。斯う成る事は前の世から詳く判りて居る元からの活神で無いと三千世界の世を持つのは自己よしの行り方では斯世は持てんぞよ。上の大将を致すものが自分から好くして置いて人を後廻しといふ如うな精神でありたら、斯世が治まると云ふことは何時になりても無いぞよ、下方を上に立ち居るものが守護て与らねば斯世に口舌は絶えは致さんぞよ。是迄の世は強い者勝と申すのは我好かれの行り方で有りたから、上の一番大将が悪いので無い、一の番頭の政事が悪き故であるぞよ。
天之巻第一五一頁明治三十五年旧三月八日附筆先には、余り世界が悪開けに開けて手の附様が無い様に乱れて了ふて苦しむ人民が多数出来て居るから、一年なりと悪の世を縮めて早く世を替へて金輪王の世に致して、皆の人民を善くしてやりたさに艮の金神と出口直の此苦労であるぞよ。
同巻第八三頁大正五年旧十一月八日附筆先には、あまり此世に大きな運否があるから何方の国にも口舌が絶えんのであるから世界中を桝掛を引いて世界の大本を創造た天と地との先祖の誠の王で万古末代善一つの神国の王で世を治めて口舌の無い様に致すぞよ。
同第二〇二頁大正七年旧正月二十三日附筆先には、日本の国は世界中に亦と無い結構な神国であれども今の人民は冥加が尽て居るから、外国の方が何も彼も日本よりは良いと申して是迄に外国人に精神から従ふて了ふて、今の日本の上下の体裁往きも還りも出来まいがな。(中略)斯の結構な日本の神国を斯の様な醜悪き有様に致して悪の頭の皮を脱いて全部化を現はして了ふぞよ。日本の国は二度目の天の岩戸開きを致して日本は日本の誠の御血筋と元の天照大御神様の世へ神政を捩ぢ直して世の大本からの御血筋で万古末代世を建て行く世が参りて来たから、体主霊従身魂の世の末であるから可い加減に往生致すのが徳であるぞよ。
同第一一二頁明治二十六年旧七月十二日附筆先には、明治の人民は昔の剣より今の菜刀と申して金さへ有りたら、何も要らぬと申して慾ばかりに迷ふて人に憐みといふことをちつとも知らずに田地を求め、家倉を立派に建て我物と思ふて居れども世が元へ還るから昔の日本魂でないと、此先きは一寸も行けぬ世になりて昔の剣が世に出るぞよ。昔の剣が世に出ると申すのは日本魂の誠の人民の光りが現れて世界の間に合ふ様に成ることであるぞよ。
同第一五頁明治二十九年旧十二月二日附筆先には、人民は世が開けて余り結構になると元の昔の生神の苦労を忘れて勝手気儘に成りて全然世が頂上へ登りつめて、誠の神の思ひを知りた人民は漸々に無くなりて利己主義の行方ばかり致して、此世を強い者勝ちの畜生原にして了ふて神の居る所が無い様に致したからもう此儘にして置いては世界が潰れて餓鬼と鬼との世に成るから、立替を致さな成らん事に世が迫りて来たのであるぞよ。四足の守護神が覇張つて上へあがりて日本の神国を汚して了ふて此世は真暗闇であるぞよ。
火之巻九八頁明治三十六年旧六月四日附筆先には、是迄の世は大将が無い同様の世に成りて強いもの勝の世でありたから、自分さへ宜けりや他人は如何様成らうとも構はん世に成りて居りたから、二度目の天の岩戸開きを致して新つの世に致して神世一代の事此世一切の事を改め……。
同第一二五頁明治三十七年旧二月十一日附筆先には、日本の国は日本魂でなくば世が続かぬ国であるのに、露国の悪神の霊魂が日本へ渡りて来て他の苦労で此世を盗みて好き寸法の世の持方いたして、日本魂の胤を無茶に致して自己さへ宜けら良いと申して栄耀栄華の仕放題の世の持方に日本の神の分霊を上へ伸上げて巧い事に抱き込みて、此のままで続かさうと思つて居る露国の極悪神の企謀を神は能ふ見抜いて居るから、此方には水も漏さん経綸を致して置いての二度目の世の立替であるぞよ。
天之巻第一〇一頁大正七年旧正月十二日附筆先には、爰まで悪る開けに開けた世界を根本から革正いたして、今後は体主霊従主義といふ様な醜るしき世は無い如うに致すのであるから、是ほど大望な事は末代に一度ほか為られんのであるから、神も中々骨が折れるぞよ。是ほど世界中が曇り切りて居る世の中を世界中を水晶に致すのであるから骨が折れるのも当然であるぞよ。斯の極悪の世を立替へて了ふて末代口舌の無い如うに大神様の御血筋一つの世に立直しをいたさねば、世界の苦舌が絶えんから人民の心が悪るなる計り何時になりても国の奪り合ひ計りで治まりは致さんぞよ。日本の国は本が霊主体従であるから、外国の霊魂は来る事の成らん様に立別けて在りたので、誠に穏かに在りたなれど世が逆様に覆りて今日本の状態であるぞよ。薩張り上下へ世が覆りて了ふて日本の神国を四ツ足が渡りて来て上から下までの醜るしさと云ふものは天地の誠の神からは眼を明けて見る事が出来んぞよ。斯の世を結構と申して大きな取違ひを為て居りて良いと云ふ事も悪いと云ふ事も可非の判らん、見苦しき四ツ足が上へ上りて大将などとは凄まじき事なれど、斯ふ云ふ世が一旦は出て来ると申す事は地球を創造る折から良う判りて居るので日本の国には外の身魂では能う為もせず解りも致さんぞよ。
同第八〇頁大正四年旧十二月二日附筆先こは、仏事は悪のやりかたで在りたぞよ。もう是からは仏では治まらんぞよ。
火之巻第一一九頁明治三十七年旧正月十一日附筆先には、艮の金神はもう斯世へ出さん心算で世に押籠めておいて好き寸法の世の持方未だ為足ないで、内地雑居などと云ふ如うな事を許して外国と混ぜ交ぜの世に致して、此状態で続いて行くやうに思うて日本の国の自由に致したが茲までに致したら本望であらう。是から返報がやしを致すぞよ。日本の人民大部困しむぞよ。
天之巻第八頁明治二十六年……月……日附筆先には、お照しは一体七王も八王も王が世界に在れば、此世に口舌が絶えんから日本の神国の一つの王で治める経綸が致してあるぞよ。外国は獣の○であるから○○に致すぞよ。この日本は神国の世であるから肉食なぞは成らぬ。国を余り汚して神は此の世に居れんやうに成りたぞよ。世界の人民よ改心致されよ。元の昔に戻すぞよ。びつくり箱が明くぞよ。神国の世に成りたから信心強きものは神の御役に立てるぞよ。今迄はカラと日本が立別りて在りたが神が表に現はれてカラも天竺も一つに丸めて、万古末代続く神国に致すぞよ。艮の金神は此世の閻魔と現はれるぞよ、とあり。之等を通じナカの筆先に現はるるところは日本は霊能元素(霊主体従)の国にして世界無比の神国なり。然るに日本の現状は上下相争ひ同胞相食み獣類の世と化したり。日本が斯る醜悪の世界と為りたるは上に立つ為政者、上流階級は外国の邪神に憑依せられ外国思想に魅せられて、其の本来の精神を失ひ体主霊従の施政方策の下に外国の文物制度宗教政治を模倣して利己、欺瞞、無責任の政治を為し誠の神の道を踏み外し下に在る人民は上の為す所に従ひて遂には日本魂を失ひて自己主義、物質主義の悪魔と為りたるが為なり。而して日本は今や優勝劣敗弱肉強食の紛乱状態に立至りて将に破滅淪亡の危殆に頻せり、斯の危急を救ふ為には正に二度目の岩戸開なる根本的の立替立直を為し、従来の外国模倣体主霊従の政治を革正し人民を改心せしめて、本然の日本魂に還らしめ日本の誠の御血筋の統治の下に、天照大御神の神世の政治に立替へざるべからず。而して国際間に戦争の絶へざるは各国分立して互に其領域を争ふが為なれば神の力に依り諸国を統一して日本の神国の万代動かぬ一王の下に統治し世界の人民斉しく平和幸福を楽しむ世と為すべきなりと謂ふに在り。次に王仁三郎の筆先(ナカの筆先を表神諭と称し王仁三郎の筆先を裏神諭と称す)並に其の著述に就き立替立直を必要とする理由を観るに、
瑞霊神諭集(前同証第二八三三号王仁三郎の筆先を集録したるもの)第六四頁大正八年一月五日附筆先には艮の金神国常立尊が三千世界を五六七の神代に立直すに就いて変性男子の御魂が世界一切を調査致して見れば、余り大きな間違と誤解で神も呆れるより外は無いぞよ。今の政治といひ教育といひ宗教といひ実業といひ軍事といひ何から何まで、日本の精神が皆抜けて居るから逆様ばかりで神も手の附けやうがないから、矢張り元の神世からの経綸通りに埓よく致して立替へてしまはねば到底この儘にして立直すといふ訳には行かぬから。
同第二〇九頁大正八年四月十三日附筆先には、日本は結構な神国であり、天子は天照皇大神様の直系の生神様であるから是れ位立派な神国は此の広い世界に外には一つも無いなれど、日本の国の守護神、人民は全然四ツ足の精神と日本魂を摺替られて了ふて今の人民の行状是れでは到底神国の責任が果せぬから、永らく出口の手で充分に気を附けたのであるぞよ。(中略)敬神尊皇愛国の精神が日本の天賦の日本魂で在れども、今の日本の学者は神の建てた神国と云ふ事を忘れて居るから何程立派な尊皇愛国論を唱導致しても肝腎の皇祖の神が判らぬから御魂が無いから何程骨を折つても駄目であるぞよ。
神霊界大正六年三月一日号掲載「大正維新に就て」第一三頁(出口王仁三郎全集第一巻第三四九頁に皇道維新に就てとして収録)には、今や天運茲に循り来つて皇道発展と成れるが故に、神聖なる皇訓を宣揚し、万世一系の天津日嗣天皇の神権を発揚し給ふに当つては、必ずや回天回地の大威力を発揚し、一躍して天下統治の皇謨を大成し給ふは、国常立大神の顕現に伴ひ、誠に易々たる業たるを確信する次第である。されど現代の制度と其政治の方針は二千有余年来輸入したる世界野蛮劣等国の弊政の模倣にして、皇祖の御遺訓に示し給へる国体の根本義と、絶対的に矛盾して居るのである。故に国体の精華を発揮すべき神聖なる大日本皇国を経綸するには必ず祖宗の御遺訓を奉戴して適材を適所に用ひ以て、皇国天賦の経綸を施行せしめて天賦の天恵を開発するに努力する時は、回天回地の偉業は天祐と御稜威に因りて忽ち奏功すべきは開祖の神諭昭かに之を示し玉ふ。
霊界物語第一巻第十八章霊界の状勢第一三三頁には、却説天界は天照大御神の御支配であつてこれは後述することにするが今は地上の神界の紛乱状態を明かにしたいと思ふ。今迄は地上神界の主宰者たる国常立尊は「表の神諭」に示されたる如く、已むを得ざる事情によつて引退され給ふてゐられました。それに代つて太古に於て衆望を担うて国常立尊の後を襲ひ給ふた神様は現在は支那と云ふ名で区劃されてゐる地域に発生せられたる身魂であつて盤古大神と云ふ神である。この神は極めて柔順なる神にましまして決して悪神ではなかつた故に衆神より多大の望みを嘱されて居給ふた神である。今でこそ日本と云ひ支那と云ひ露西亜と云ひ種々に国境が区劃されてゐるが国常立尊御神政時代は日本とか外国とかいふやうな差別は全くなかつた。ところが天孫降臨以来国家と云ふ形式が出来上り所謂日本国が建てられた。従つて水火沫の凝りてなれるてふ海外の地にも国家が建設されたのである。偖て所謂日本国が創建され諸々の国々が分れ出でたる時、支那に生れ給ふた盤古大神は葦原中津国に来り給ひて国祖の後を襲ひ給ふた上、八王大神と云ふ直属の番頭神をお使ひになつて地の世界の諸国を統轄せしめられた一方、所謂外国には国々の国魂の神及び番頭神として国々に八王八頭と云ふ神を配置された。丁度それは日本の国に盤古大神がありその下に八王大神がおかれてあつたやうなものである。日本本土に於ける八王大神は諸外国の八王八頭を統轄し、その上を盤古大神が統轄し給ひましたが、八王八頭は決して悪神ではない。天から命ぜられて各国の国魂となつたのは八王であり八頭は宰相の役である。斯ふ云ふ風なのが今日国常立命御復権までの神界の有様である。さうかうするうちに露国のあたりに天地の邪気が凝り塊つて悪霊が発生じた。これが即ち素盞嗚尊の言向和されたかの醜い形の八頭八尾の大蛇の姿をしてゐたのである。この八頭八尾の大蛇の霊が霊を分けて国々の国魂神及び番頭神たる八王八頭の身醜を冒し、次第二神界を悪化させるやうに努力し乍ら現在に到つたのである。然るに一方印度に於ては極陰性の邪気が凝り固つて金毛九尾白面の悪狐が発生した。この霊は各又霊を分けて国々の八王八頭の相手方の女の霊にのり憑つた。而して又一つの邪気が凝り固まつて鬼の姿をして発生したのは猶太の土地であつた。この邪気は凡ての神界並に現界の組織を打ち毀して自分が盟主となつて全世界を妖魅界にしやうと目論見てゐる。併し乍ら日本国は特殊なる神国であつて此の三種の悪神の侵害を免れ、地上に厳然として万古不動に卓立して居る事が出来た。此悪霊の三つ巴のはたらきによつて諸国の国魂の神の統制力はなくなり、地上の世界は憤怒と憎悪と嫉妬と羨望と争闘などの諸罪悪に充ち満ちて終に収拾すべからざる三界の紛乱状態を醸したのである。茲に於て天上にまします至仁至愛の大神はこの儘にては神界、現界、幽界も共に破滅淪亡の外はないと観察し給ひ、国常立尊を御召出し遊ばされ神界及び現界の建替を委任し給ふことになつた。さうして坤之金神をはじめ金勝要神、龍宮乙姫、日出神がこの大神業を補佐し奉ることになり、残らずの金神即ち天狗達は各分担に従つて御活動申上げ白狐は下郎の役としてそれぞれ神務に参加することになつた。茲に於て天津神の嫡流におかせられても木花咲耶姫尊と彦火火出見命は事態容易ならずと見給ひ国常立尊の神業を御手伝ひ遊ばすこととなり、正神界の御経綸は着々もの歩を進め給ひつつあるのである。それと共に夫々因縁ある身魂は凡て地の高天原に集まり神界の修業に参加し御経綸の端なりとも奉仕さるることになつて居るのである。抑々太古葦原瑞穂中津国は大国主命が武力をもつて天下をお治めになつて居た。天孫降臨に先だち天祖は第三回まで天使をお遣しになり、終には武力を以て大国主命の権力を制し給ふた。大国主命も力尽きたまひ現界の御政権をば天命のままに天孫に奉還し、大国主命御自身は青芝垣にかくれて御子事代主命と共に幽世を統治し給ふことになつた。この時代の天孫の御降臨は現在の日本なる地上の小区画を御支配なし給ふ為ではなく、実に全地球の現界を知食すための御降臨であり給ふた。しかしながら未完成なる世界には憎悪、憤怒、怨恨、嫉妬、争闘等あらゆる邪悪が充満してゐる為に天の大神様の御大望は完成するに到らずに従つて弱肉強食の修羅の巷と化し去り地上の神界現界は殆んど全く崩壊淪亡しやうとする場合に立到つたのである。かかる情勢を見給ひし天津神様は命令を下し給ひて盤古大神は地上一切の幽政の御権利を艮金神国常立尊に再び御奉還になるの已むなき次第となつた。茲に盤古大神も既に時節の来れるを知り従順に大神様の御命令を奉戴遵守し給ふた。然るに八王大神以下の国魂は邪神の為めにその精霊を全く汚され切つてゐるのでまだまだ改心することが出来ず、種々と悪策をめぐらしてゐたのである。なかには改心の兆の幾分見えた神もあつた。かくの如くにして国常立命が完全に地上の神界を御統一なし給ふべき時節は既に已に近づいて居る神界の有様は現界にうつり来つて神界平定後は天津日嗣命が現界を治め給ひ、国常立尊は幽政を総攬し給ひ、大国主命は日本の幽政をお司りになる筈である。しかし現在ではまだ八頭八尾の大蛇金毛九尾の悪狐及び鬼の霊は盤古大神を擁立して幽界及び現界を支配しやうと諸々の悪計をめぐらしつつあるのである。然しながら従順な盤古大神は神界に対するかかる反逆に賛同されないので邪鬼の霊は自ら頭目となり、赤色旗を押立てて色々の身魂をその眷属に使ひつつ高天原乗取策を講じてゐる。そこで天よりは事態容易ならずとして御三体の大神が地上に降臨ましまして国常立尊の御経綸を加勢なし給ふことになり、国常立尊は仮の御息所を蓮華台上に建設して御三体の大神様を奉迎し給ふこととなるのである。とあり、前掲文献の中最後の「霊界の情勢」と題する文章は立替立直を必要とする地上現界並に神界の情勢を綜合解説したるものと謂ふぺきも、文意稍通じ難き点ありと雖も之を要約すれば、地上神界に於ては主宰神たる国常立尊隠退後盤古大神其の後を襲ひ、八王大神をして地の世界の諸国を統轄せしめしも、諸国に発生せる邪神が八王大神に憑依し、邪神の跋扈跳梁の結果世界は諸罪悪に満ち遂に紛乱状態を呈するに至れり、地上の現界に於ても天孫の御降臨は現在の日本なる地上の小区画を支配し給ふ為には非らず、実に全世界の現界を知食す為なりしも、未完成なる世界には邪悪充満し為めに大神の大望は完成するに至らずして、弱肉強食の修羅の巷と化し去り神界、現界共に崩壊淪亡せんとするの現状に在るを以て、茲に地上神界並に現界を根本的に大革正し此の危急を救はざるべからずと謂ふに在り、
以上の如く立替立直を必要とする理由として説く所もナカより王仁三郎と其の思想的発展に伴ひ次第に綿密と為り王仁三郎は其の大成したる前示大本教義に従ひて、立替立直を必要とする理由を地上現界並に地上神界の双方に分ちて説くに至りしものと謂ふぺく、之を通して其の根本を為すは大宇宙の独一真神たる天御中主大神(天照大御神)の宇内統理の理想にして、地上の神界、現界は共に大神の大理想に反し悪鬼邪神の跳梁の結果霊主体従の本義を忘れ社会万般体主霊従(悪)の思想の下に支配せられ、為めに自己主義、物質主義と為り、優勝劣敗、弱肉強食の邪悪の世相を来し破滅に頻するに至れるものなれば、社会万般の指導原理を霊主体従の本義に還元し世界を一国に統合して大神の宇内統理の理想を実現せざるべからずと謂ふに在り、