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一七 世人の誤解
インフォメーション
題名:
17 世人の誤解
著者:
愛善苑宣教部・編
ページ:
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B100600c17
001
神がかりになられてから十三日間絶食され、
002
七十五日間
不寝
(
ねず
)
の行をさせられ、
003
大きな声を張りあげて世人に警告を与えると共に改心を迫られました。
004
しかし無知識な世間の人からは気狂いと見られるだけでした。
005
またそのころ綾部には
頻々
(
ひんぴん
)
として火災があり、
006
原因は放火らしいということでしたが、
007
一向に犯人がつかまりませんでした。
008
千田町の材木屋が焼けた頃、
009
開祖様は神がかり状態で、
010
011
「世界に大きなことや変わったことが出て来るのはみな、
012
金神
(
こんじん
)
の渡る橋であるから、
013
世界の出来事を考えたら神の
仕組
(
しぐみ
)
が分かりて来て、
014
誠の改心ができるぞよ。
015
善き目ざましもあるぞよ、
016
また悪しき目ざましもあるから、
017
世界のことを見て改心いたされよ。
018
今の
間
(
うち
)
に改心いたさねば、
019
どこに飛火がいたそうも知れんぞよ」
020
と大きな声で叫ばれていたのを近所の人が聞いておって、
021
もしかするとお直さんが火をつけて回るのかも知れないと思って警察へ密告したので、
022
留置場へ入れられ訊問を受けられました。
023
がそのうちにほんとうの犯人が判って放免されました。
024
その代わり警察の注意により、
025
組内の人が集って小さな座敷牢を作ってそこへ入れられることになりました。
026
開祖様が座敷牢へ入れられてからは、
027
大槻鹿造が意地悪く厳重に監視して、
028
わずかしか食事を差し上げませんので、
029
元来小食の開祖様も時には空腹を感じられましたが、
030
神様が腹の中から、
031
032
「直よ、
033
これをしゃぶれ、
034
これをしゃぶれば力がつく」
035
と教えられたので、
036
開祖様は時々自分の掌をなめて、
037
力をつけておられるのをお見受けしたということであります。
038
開祖様はどうかして牢から出たいと思われましたが、
039
取り締まりが厳しいので、
040
いっそ自殺しようかとまで考えられたことがあります。
041
そうすると神様が
042
「そんなことをしたって死ねるものじゃない。
043
お前は大望な御用をさせねばならん大事な身体であるから、
044
黙っておれば満月の夜にだしてやる。
045
たとえここでお前が死んだところで、
046
神の命令に逆らって死んだのでは、
047
死んでからの霊はいま座敷牢に入っておる肉体と少しも変わった事はない」
048
と云われましたので、
049
死ぬにも死なれぬことになりました。
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