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一八 お筆先の発端
インフォメーション
題名:
18 お筆先の発端
著者:
愛善苑宣教部・編
ページ:
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B100600c18
001
ある時開祖様は神様に向かって、
002
003
「こんな大きな声で怒鳴っておりましては、
004
他人が
気狂
(
きちが
)
いとしか思わず、
005
自分の肉体も苦痛ですから外の方法で神様の御意志を伝えるようにして頂く訳には参りませんか」
006
とお訴えになりますと、
007
008
「よしそれでは筆を取れ」
009
という御命令でありました。
010
座敷牢の中に筆のあるはずもなく、
011
もしあったといたしましても目に
一丁字
(
いっていじ
)
のない
[
※
一文字も文字が読めないという意
]
イロハのイの字も御存知ない開祖様のことですから、
012
字の書けるはずもありませんので、
013
躊躇しておられますと、
014
重ねて、
015
016
「お前が書くのじゃない、
017
神が書かすのであるから、
018
疑わずに筆を取れ」
019
といわれました。
020
そこでその辺りを見回されますと一本の釘がありましたから、
021
その釘をお持ちになりましたところ、
022
不思議なことには開祖様のお手が自然に動いて、
023
座敷牢の柱に何か書けたのです。
024
しかし何が書けたのか開祖様にはわかりませんでした。
025
これが開祖様のお
筆先
(
ふでさき
)
のはじまりで、
026
後には筆を持って半紙にドシドシお書きになりました、
027
大正七年開祖様ご昇天までに約一万冊(半紙約二十枚綴)のお筆先が出たのであります。
028
開祖様の御意志でないに拘らず、
029
自然に手が動いて文字を書く……そんな馬鹿なことがあるものかと、
030
知らない人は直ちにこれを否認しますが、
031
開祖様の神がかりの初めに、
032
開祖様の御意志でないことを開祖様の口から叫ばれたのと同じことで、
033
ただその方法が違った迄のことです。
034
開祖様の口を使う代わりに、
035
開祖様の手を使って神の御意志を発表されるだけのことです。
036
これを心霊研究の方では自動書記現象と云って、
037
その実例は少なくありません。
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