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二九、世界宗教連盟と人類愛善会

インフォメーション
題名:29 世界宗教連盟と人類愛善会 著者:大本教学院・編
ページ: 目次メモ:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :B100800c29
001 入蒙後、002聖師は明智光秀の城趾・亀山を天恩郷(てんおんきょう)と命名し、003その建設に着手されました。004この城趾は大正八年に大本の手に入っていたのですが、005瑞祥館(ずいしょうかん)006バラック式の大道場と小さな食堂が建っているだけで、007雑木雑草のしげるに任せてありました。
008 聖師はまず大本瑞祥会本部を亀岡より綾部に移し、009自ら基礎工事監督の任にあたって光照殿(こうしょうでん)の造営にかかり、010世界宗教連盟を画策されたのであります。
011 聖師は綾部に参拝した()松年(しょうねん)氏を先駆者とし、012大正十四年陰暦四月十二日、013松村真澄(まさずみ)氏に全権をゆだねて世界宗教連合会の成立をうながすべく、014北京に派遣することにされました。
015 北京では熱心な仏教家として知られた(こう)徳磁(とくじ)氏が、016李松年氏より伝えられた使命を果すべく準備を整えていました。017松村氏は、018折から北京に滞在して一行の来意を伝え聞いて歓迎の意を表すべく心待ちに待っていた章嘉(しょうか)活仏(かつぶつ)と会見し、019将来を約し、020かつこの際、021中国において世界宗教連合会の発起せられたることの機宜に適したこと、022蒙古入りの消息などを伝えたところ、023章嘉活仏は自分の本懐もここに存するといって固き握手を交換しました。
024 かくして松村氏の一行は、025中国における各宗教の本部をおとずれ、026各代表者に神意を伝え、027ここに大正十四年五月二十日、028北京悟善(ごぜん)社において世界宗教連合会の発会式を挙げ、029まず東亜の宗教的連盟を確実にして、030しかるのちに西漸することに方針が定められたのであります。
031 聖師の提唱によって万教同根の真理の上に立ち、032普天教(ふてんきょう)033道教、034救世新教、035仏陀教、036回教、037仏教、038キリスト教の一部によって、039ここに世界宗教連合会が生まれ、040総本部を北京におき、041東洋本部を亀岡の天恩郷におくことになりました。
042 世界宗教連合会の設立に引つづき、043六月九日、044聖師の提唱によって綾部に設立されたのが人類愛善会であります。045総本部は後に亀岡に移され聖師が総裁に推載されました。
046 人類愛善会の主旨は、047次の如くであります。
048人類愛善会主旨
049 本会は人類愛善の大義を発揚し、050全人類の親睦融和を来たし、051永遠に幸福と歓喜とに充てる光明世界を実現するため、052最善の力をつくさんことを期するものである。
053 そもそも人類は本来兄弟同胞であり、054一心同体である。055この本義に立帰らんとすることは、056万人霊性深奥の要求であり、057また人類最高の理想である。058しかるに近年世態急転して世道(せどう)日にくらく、059人心日にすさびてその帰趨(きすう)真に憂うべく、060おそるべきものがある。061かくの如くにして進まんには、062世界の前途は思い知らるるのである。
063 されば吾等はこの際躍進して、064あるいは人種、065あるいは宗教等あらゆる障壁を超越して人類愛善の大義にめざめ、066この厄難より脱し、067さらに進んで地上永遠の光明世界を建設しなければならぬ。
068 これ実に本会が(ここ)に設立せられたる所以である。
069   大正十四年六月九日
070 聖師はさらに八月ジュネーヴにおいて開かれる第十七回万国エスペラント大会に西村光月(こうげつ)氏を出席せしめられ、071大会後はパリに欧州本部を設立され、072エスペラントによる機関誌〝Oomoto Internacia〟(国際大本)およびローマ字雑誌「日本人」を発行して、073各地に支部を設けられました。074ことにドイツの「白色旗」、075ブルガリアの「白色連盟」と提携して活動しました。076機関誌「国際大本」は、077四十数ヵ国にわたって読者を獲得しました。
078 一方内地においては、079大正十四年十月「人類愛善新聞」が機関紙として発行されることになりました。
080 人類愛善会の崇高な理想は人々の注意をひき、081内地はもちろん、082朝鮮、083台湾、084満州、085中国、086南北アメリカ、087南洋、088東印度の各地、089フランス、090イタリヤ、091チェコスロバキヤ、092ドイツ、093スイス、094ブルガリヤ、095ハンガリヤ、096ポーランド、097ペルシャ、098スペインなどの各地に支部が設置され、099その主旨に共鳴入会する人々が続出しました。

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