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第五章 瑞月聖師の御役

インフォメーション
題名:第五章 瑞月聖師の御役 著者:井上留五郎
ページ:91 目次メモ:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :B116500c05
 瑞の御魂変性女子としての教祖即ち聖師様の御役は御神諭に明示してある通りミロクの御用であることは申すまでもありませぬが、今そのミロクの御用を簡単に要約すれば
一、教義上より云えば、一々万々確固不易の(たて)の神示即ち過、現、未を通じて(あや)らざる、いわゆる五大教と、操縦与奪その権我に在りという(よこ)の神示、即ちこれを中外に施して(もと)らざる、いわゆる三大教とを合わせたる教義(惟神の大道)が大本の教義であって、いわゆる三五教であります。この三五教を世界に宣布実現し地上に天国を樹立せしむるのがミロクの御用でありまして、御神諭にいわゆる「世界の人民を神心に捻じ直して、松の世ミロクの神世に遊ばす神界の大謨(たいもう)な御用」であります。
一、霊学上より云えば、厳の御魂と瑞の御魂との合同の働き、即ち伊都能売(いづのめの)御魂(みたま)の御働きであります。
一、機織(はた)の仕組より云えば、申すまでもなく経糸と緯糸とにて錦の機織(はた)を織り上げる結構な御用でありますが、この錦の機織(はた)については二様(によう)の意義があります。一つは前述の如く天授の真理より成る真の教え、即ち三五教のことであり、今一つはこの三五教が弘布せられて世界が至善至美の神の国となった状況を形容せられたものであります。
 さてココに注意すべき肝要なことがあります。それは厳瑞両神柱の並立時代(明治三十二年より大正七年まで)と、厳の御魂の神柱ご昇天後との関係についてであります。
 並立時代においてはザッと申し上げますと、開祖様は経糸を腰に巻き厳然として機織(はた)台に腰をかけておられたのであるから、常にすこしの揺ぎも(くる)いも間違いもなかったのであります。聖師様は傍らより緯糸を織り込まるるのであるから、いわゆるサトクが落ちたり、糸が切れたり、節が出来たり、歪んだりしながら立派な紋様が織り上がりつつあったのであります。かく並立時代においては開祖様は父親としてのお働き、聖師様は母親としてのお働きでありましたが、開祖様ご昇天後は聖師様単独(ひとり)経緯(たてよこ)を兼ねらるることとなったのであります。即ち伊都能売御魂のお働きに進まれたのであります。このことが注意すべき要点でありまして、詳しいことは霊界物語第七巻総説、及び十一巻の巻頭、言霊反しの部に説示してありまして、大正五年九月までは開祖様のご境遇は周囲の関係上純然たる経の御用ばかりをお勤めになることが出来なかったので、多少緯の御役をも兼ね行われたのでありましたが、大正五年五月神島が開かれ九月より以後は顕真実に初めて本来の経ばかりの御用に御きまりになったのであります。聖師様は明治三十三年一月より顕真実の緯の御神業に奉仕され、開祖様ご昇天と共に前述の如く御役が進んで来たのであります。またサトクが落つるとか糸が切れるとか云うことも普通の失敗の意義ではなく、千変万化に身魂を使用して神業に奉仕さるる神的大活動、大苦心を示されたものであります。このことについて聖師様は左の如く語られております。(大正十二年十二月十六日教主殿においてご訓話の一節)
「神業発展の結果開祖様は昇天して第二の御経綸に移られ、従って自分の役目も変わってきて全部機織(はた)を受け取ったのであるから、この点を注意して貰わねばならぬ。このことは神諭に明示してあるに拘らず、中にはヤッパリ変性女子は瑞の御魂であるから物にうつり易いとか、言行に裏表があるからよく審神(さにわ)せねばならぬとか、緯役の悪役であるから注意せねばならぬとか、常に批評的態度を取る人がかなり多いので経綸上非常に差し支えを来すのである。自分が腰に経糸を巻いていると云うことをせめて主なる人々になりと理解して貰っていたならば、ミロクの御用実現について万事好都合であったであろう。しかしそれも無理はない、今は緯糸の仕事が多忙な時であるから、そればかりに気がつき経糸が眼に入らぬのである云々」
 今ここに厳の身魂、瑞の身魂、伊都能売身魂について神示の一節を摘録しておきます。
「……前略……大地の一霊四魂の分布は、即ち前記太陽の図に準じて知るべきである。そうして厳の身魂は、荒魂、和魂最も重きを占め、瑞の身魂は、奇魂、幸魂最も重きを占めているのである。
 次に伊都能売身魂について略述すれば、この身魂は、一に月の霊魂とも云い、五六七の身魂と称せらる。五六七の身魂は、厳の身魂に偏せず、瑞の身魂にも偏せず、厳、瑞の身魂を相調和した、完全無欠のものである。そうして伊都能売の身魂は、最も反省力の強き活動を備へている。太陽の如く常に同じ円形を保つことなく、地球の如く常に同形を保ちて同所に固着することなく、日夜天地の間を公行して、(めい)となり、(あん)となり、或いは上弦の月となり、また下弦の月となり、半円となり、満月となり、時々刻々に省みるの実証を示している。かくの如く吾人の身魂の活用し得るを、伊都能売の身魂と云うのである。伊都能売の身魂の活動は、時として瑞の身魂と同一視され、或いは変性女子の身魂と誤解さるる事がある。
 伊都能売の身魂は、変性男子の身魂にもあらず、また変性女子の身魂でもない。完全無欠の神霊の活用である。
 かくの如く自由自在の神人たることを得ば、始めて、五六七の活動をなし得るのである。云々」(霊界物語霊主体従第六巻二七六 体五霊五第6巻第26章「体五霊五」(通巻276章) 及び神の国九〇号以降「伊都能売」参照)
 かく大本に二大開祖の出現されしことと、聖師様がミロクの大神の聖霊の顕現であることとは、大本の特色中の特色であって、吾々信者としては深く省みねばならぬことであります(附録索引により参照のこと)。
 この機会に大本教主の御役についてお取次しておきます。

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