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霊界物語
如意宝珠(第13~24巻)
第20巻(未の巻)
序
凡例
総説歌
第1篇 宇都山郷
第1章 武志の宮
第2章 赤児の誤
第3章 山河不尽
第4章 六六六
第2篇 運命の綱
第5章 親不知
第6章 梅花の痣
第7章 再生の歓
第8章 心の鬼
第3篇 三国ケ嶽
第9章 童子教
第10章 山中の怪
第11章 鬼婆
第12章 如意宝珠
霊の礎(六)
霊の礎(七)
余白歌
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(B)
(N)
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第一二章
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
〔六七四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第20巻 如意宝珠 未の巻
篇:
第3篇 三国ケ嶽
よみ(新仮名遣い):
みくにがだけ
章:
第12章 如意宝珠
よみ(新仮名遣い):
にょいほっしゅ
通し章番号:
674
口述日:
1922(大正11)年05月14日(旧04月18日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年3月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
聖地では、高姫、黒姫、若彦、紫姫ら幹部が集まって、夜もすがら秘密の話にふけっている。高姫は、元々青雲山から持ってこられて埴安彦が桶伏山に隠していた、黄金の玉がバラモン教に奪われたことを明かした。
高姫、黒姫、若彦は、その責任の所在を巡って言い争いになる。その声を聞きつけて、言依別命が部屋に入ってきた。
悠然としている言依別命に対して、高姫は、黄金の玉紛失の事態の責任を問う。しかし言依別命は、すべて神様の仕組がしてあるから大丈夫だと請合う。
そこへ、夜警の鬼丸から、お玉の方と黄金の玉が戻ったと注進があった。言依別命は祝意を表して立ち、宣伝歌を歌った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-04-18 03:39:38
OBC :
rm2012
愛善世界社版:
266頁
八幡書店版:
第4輯 247頁
修補版:
校定版:
276頁
普及版:
121頁
初版:
ページ備考:
001
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
も
照山
(
てらやま
)
の
002
麓
(
ふもと
)
に
建
(
た
)
てる
高殿
(
たかどの
)
は
003
錦
(
にしき
)
の
宮
(
みや
)
の
社務所
(
ながとこ
)
と
004
世
(
よ
)
に
鳴
(
な
)
り
渡
(
わた
)
る
秋
(
あき
)
の
風
(
かぜ
)
005
紅葉
(
もみぢ
)
の
錦
(
にしき
)
散
(
ち
)
り
敷
(
し
)
きて
006
寒
(
さむ
)
さ
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
む
時
(
とき
)
もあれ
007
頭
(
かしら
)
に
霜
(
しも
)
を
戴
(
いただ
)
きし
008
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
009
黒姫
(
くろひめ
)
、
高姫
(
たかひめ
)
、
青彦
(
あをひこ
)
や
010
紫姫
(
むらさきひめ
)
は
終夜
(
よもすがら
)
011
眠
(
ねむ
)
りもやらずヒソヒソと
012
秘密
(
ひみつ
)
の
話
(
はなし
)
に
耽
(
ふけ
)
り
居
(
を
)
る。
013
高姫
(
たかひめ
)
『
皆
(
みな
)
さま、
014
高
(
たか
)
い
声
(
こゑ
)
では
云
(
い
)
はれませぬが、
015
玉照彦
(
たまてるひこ
)
様
(
さま
)
、
016
玉照姫
(
たまてるひめ
)
様
(
さま
)
御
(
ご
)
両人
(
りやうにん
)
も
大切
(
たいせつ
)
だが、
017
それよりも、
018
もつともつと
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
根本
(
こつぽん
)
の
生粋
(
きつすゐ
)
の
神政
(
しんせい
)
成就
(
じやうじゆ
)
のお
宝
(
たから
)
が
紛失
(
ふんしつ
)
したのを
皆
(
みな
)
さま
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
ますか』
019
青彦
(
あをひこ
)
は『エヽツ』と
頓狂
(
とんきやう
)
な
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
し、
020
驚
(
おどろ
)
いて
仰向
(
あふむ
)
きに
倒
(
たふ
)
れようとしてやつと
身
(
み
)
を
支
(
ささ
)
へた。
021
高姫
(
たかひめ
)
『コレコレ、
022
青彦
(
あをひこ
)
さま……お
前
(
まへ
)
の
名
(
な
)
は
若彦
(
わかひこ
)
ぢやが……つい
口癖
(
くちぐせ
)
になつて
云
(
い
)
うたのだから
怺
(
こら
)
へて
下
(
くだ
)
されや。
023
若葉
(
わかば
)
の
色
(
いろ
)
は
青
(
あを
)
いから
若彦
(
わかひこ
)
でも
青彦
(
あをひこ
)
でもよう
通
(
かよ
)
ひますからな……
然
(
しか
)
し、
024
ちつと
気
(
き
)
を
沈
(
しづ
)
めて
聞
(
き
)
いて
下
(
くだ
)
さい。
025
外
(
ほか
)
の
人
(
ひと
)
に
斯
(
こ
)
んな
話
(
はなし
)
が
聞
(
きこ
)
えたら
高天原
(
たかあまはら
)
は
大騒動
(
おほさうどう
)
ぢや、
026
何
(
なん
)
とか
工夫
(
くふう
)
せねばなるまい。
027
こんな
事
(
こと
)
はまだ
誰
(
たれ
)
にも
言
(
い
)
うては
無
(
な
)
いのぢやが
本当
(
ほんたう
)
に
心配
(
しんぱい
)
の
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
て
居
(
ゐ
)
るのだよ』
028
黒姫
(
くろひめ
)
『
心配
(
しんぱい
)
な
事
(
こと
)
とは
何事
(
なにごと
)
が
起
(
おこ
)
りました、
029
妾
(
わたし
)
の
力
(
ちから
)
に
及
(
およ
)
ぶことなら
生命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
ててでも
御用
(
ごよう
)
を
聞
(
き
)
かして
貰
(
もら
)
ひませう』
030
高姫
(
たかひめ
)
『
実
(
じつ
)
はお
玉
(
たま
)
の
方
(
かた
)
がバラモン
教
(
けう
)
の
悪神
(
あくがみ
)
に
攫
(
さら
)
はれて
仕舞
(
しま
)
ひ、
031
今
(
いま
)
に
行方
(
ゆくへ
)
が
分
(
わか
)
らぬので
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
にも
申上
(
まをしあ
)
げ、
032
心配
(
しんぱい
)
をして
居
(
を
)
るのぢや』
033
是
(
これ
)
を
聞
(
き
)
いて
黒姫
(
くろひめ
)
、
034
紫姫
(
むらさきひめ
)
、
035
若彦
(
わかひこ
)
は
真蒼白
(
まつさを
)
な
顔
(
かほ
)
をし『ヘエ』と
言
(
い
)
つたきり
呆
(
あき
)
れて、
036
互
(
たがひ
)
に
目
(
め
)
と
目
(
め
)
を
見合
(
みあは
)
すのみで
途方
(
とはう
)
に
暮
(
く
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
037
高姫
(
たかひめ
)
『お
前
(
まへ
)
さま、
038
お
玉
(
たま
)
の
方
(
かた
)
が
攫
(
さら
)
はれたと
言
(
い
)
つてそれだけ
吃驚
(
ぴつくり
)
する
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
では
仕方
(
しかた
)
がないぢやないか、
039
ちつと
胴
(
どう
)
を
据
(
す
)
ゑなさい。
040
「
身魂
(
みたま
)
が
研
(
みが
)
けて
居
(
を
)
らぬと
真逆
(
まさか
)
の
時
(
とき
)
にびく
付
(
つ
)
くぞよ。
041
身魂
(
みたま
)
さへ
研
(
みが
)
いて
置
(
お
)
けば
如何
(
どん
)
な
心配
(
しんぱい
)
が
起
(
おこ
)
つても
胴
(
どう
)
が
据
(
すわ
)
つて
楽
(
らく
)
に
凌
(
しの
)
げるぞよ」とお
筆先
(
ふでさき
)
に
有
(
あ
)
りませうがな、
042
まだまだ
吃驚
(
びつくり
)
の
親玉
(
おやだま
)
がモ
一
(
ひと
)
つありますぞや』
043
紫姫
(
むらさきひめ
)
『
高姫
(
たかひめ
)
さま、
044
吃驚
(
びつくり
)
の
親玉
(
おやだま
)
とは
如何
(
どん
)
な
事
(
こと
)
です、
045
何卒
(
どうぞ
)
聞
(
き
)
かして
下
(
くだ
)
さい。
046
妾
(
わたし
)
も
力
(
ちから
)
一杯
(
いつぱい
)
出来
(
でき
)
る
事
(
こと
)
なら
勤
(
つと
)
めさして
頂
(
いただ
)
きますから』
047
高姫
(
たかひめ
)
『
親玉
(
おやだま
)
と
言
(
い
)
つたら
玉
(
たま
)
を
盗
(
と
)
られたのぢやがなア』
048
紫姫
(
むらさきひめ
)
『あのお
玉
(
たま
)
の
方
(
かた
)
をですか』
049
高姫
(
たかひめ
)
『お
玉
(
たま
)
もお
玉
(
たま
)
ぢやが、
050
そんな
玉
(
たま
)
とは
玉
(
たま
)
で
玉
(
たま
)
が
違
(
ちが
)
ふのぢや。
051
天地
(
てんち
)
がデングリ
覆
(
がへ
)
る
様
(
やう
)
な
大騒動
(
おほさうどう
)
ぢや。
052
皆
(
みな
)
さまに
言
(
い
)
うて
上
(
あ
)
げ
度
(
た
)
いけれど、
053
あまり
胴
(
どう
)
が
据
(
すわ
)
つて
居
(
を
)
らぬので
如何
(
どう
)
する
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
やしない。
054
アヽア、
055
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の、
056
もつと
確
(
しつか
)
りしたお
道具
(
だうぐ
)
に
成
(
な
)
る
人
(
ひと
)
が
欲
(
ほ
)
しいものだなア』
057
黒姫
(
くろひめ
)
『
玉
(
たま
)
とは
何
(
なん
)
で
御座
(
ござ
)
います』
058
高姫
(
たかひめ
)
『
金
(
きん
)
の
玉
(
たま
)
ぢや、
059
それを
盗
(
と
)
られたのぢや』
060
黒姫
(
くろひめ
)
『それは
言依別
(
ことよりわけ
)
様
(
さま
)
ですか、
061
高山彦
(
たかやまひこ
)
さまですか、
062
そんな
処
(
とこ
)
を……また
誰
(
たれ
)
が
如何
(
どう
)
して……
穢
(
むさくる
)
しい……
取
(
と
)
つたのでせう』
063
高姫
(
たかひめ
)
『エー、
064
合点
(
がつてん
)
の
悪
(
わる
)
い
人
(
ひと
)
ぢや、
065
睾丸
(
きんたま
)
と
違
(
ちが
)
ひますよ。
066
桶伏山
(
をけふせやま
)
に
埴安彦
(
はにやすひこの
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
匿
(
かく
)
して
置
(
お
)
かれた、
067
青雲山
(
せいうんざん
)
から
持
(
も
)
つて
来
(
こ
)
られた
神政
(
しんせい
)
成就
(
じやうじゆ
)
の
元津
(
もとつ
)
御霊
(
みたま
)
の
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
、
068
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
宝物
(
ほうもつ
)
を……
皆
(
みんな
)
が
気
(
き
)
をつけぬものだから、
069
到頭
(
たうとう
)
盗
(
と
)
られて
仕舞
(
しま
)
うた。
070
こりや
屹度
(
きつと
)
バラモン
教
(
けう
)
が
攫
(
さら
)
へて
去
(
い
)
んだのに
違
(
ちが
)
ひない、
071
大変
(
たいへん
)
だらうがな』
072
黒姫
(
くろひめ
)
『
大変
(
たいへん
)
です、
073
如何
(
どう
)
したら
宜
(
よろ
)
しからう、
074
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
に
伺
(
うかが
)
ひませうか』
075
若彦
(
わかひこ
)
『
困
(
こま
)
つた
事
(
こと
)
になりましたなア、
076
そつと
伺
(
うかが
)
つて
来
(
き
)
ませうか』
077
高姫
(
たかひめ
)
『そんな
事
(
こと
)
は
此
(
この
)
間
(
あひだ
)
から
幾度
(
いくど
)
も
幾度
(
いくど
)
も、
078
妾
(
わし
)
がそつと
言依別
(
ことよりわけ
)
の
教主
(
けうしゆ
)
に
相談
(
そうだん
)
に
行
(
い
)
つて
居
(
を
)
るのぢやけれども、
079
何
(
な
)
んとか、
080
かんとか
言
(
い
)
つて、
081
「マア
黙
(
だま
)
つて
居
(
を
)
つて
下
(
くだ
)
さい、
082
何
(
なん
)
とか
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
がして
下
(
くだ
)
さるでせう」なんて、
083
キヨロリ、
084
カンと
大山
(
たいざん
)
が
崩
(
くづ
)
れて
来
(
き
)
ても
動
(
うご
)
かぬと
言
(
い
)
ふやうな
態度
(
たいど
)
をして
御座
(
ござ
)
るものだから、
085
妾
(
わし
)
は、
086
もう
気
(
き
)
が
揉
(
も
)
めて
揉
(
も
)
めて、
087
立
(
た
)
つても
居
(
ゐ
)
ても
居
(
を
)
られぬから、
088
今日
(
けふ
)
はお
前
(
まへ
)
さま
達
(
たち
)
に
寄
(
よ
)
つて
貰
(
もら
)
つて、
089
何
(
なん
)
とかせねばならぬと
思
(
おも
)
ひ、
090
相談
(
そうだん
)
をするのぢや』
091
黒姫
(
くろひめ
)
『これは
又
(
また
)
、
092
どえらい
失敗
(
しつぱい
)
をしたものですな、
093
夜警
(
やけい
)
にも
廻
(
まは
)
る
者
(
もの
)
が
無
(
な
)
かつたのかいな』
094
高姫
(
たかひめ
)
『その
夜警
(
やけい
)
ぢやて、
095
三五教
(
あななひけう
)
の
信者
(
しんじや
)
らしう
見
(
み
)
せて
這入
(
はい
)
つて
来
(
き
)
よつて、
096
其奴
(
そいつ
)
が
手引
(
てびき
)
して
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
を
盗
(
ぬす
)
み、
097
何処
(
どこ
)
かへ
逃
(
に
)
げて
行
(
ゆ
)
きよつたのぢや。
098
それだから
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
各自
(
めんめ
)
に
気
(
き
)
をつけて
置
(
お
)
けと
仰有
(
おつしや
)
るのぢや。
099
若
(
わか
)
い
者
(
もの
)
の
眠
(
ねむ
)
たい
盛
(
さか
)
りに
夜警
(
やけい
)
をさして、
100
寝
(
ね
)
つきの
悪
(
わる
)
い
年寄
(
としより
)
が、
101
無理
(
むり
)
に
寝
(
ね
)
ようとして
無精
(
ぶしやう
)
をかわくものだから、
102
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
改心
(
かいしん
)
の
為
(
た
)
めに
罰
(
ばつ
)
をあてなさつたのぢや。
103
之
(
これ
)
から
年寄
(
としより
)
は
夜
(
よる
)
寝
(
ね
)
ぬ
事
(
こと
)
にして
下
(
くだ
)
さい。
104
その
代
(
かは
)
り
昼
(
ひる
)
は
何程
(
いくら
)
なりと
寝
(
ね
)
て、
105
夜
(
よさり
)
は
気
(
き
)
を
付
(
つ
)
けて
貰
(
もら
)
はねば、
106
之
(
これ
)
から
先
(
さき
)
に
如何
(
どん
)
な
事
(
こと
)
が
起
(
おこ
)
るか
分
(
わか
)
つたものぢやない。
107
若
(
わか
)
い
者
(
もの
)
を
昼
(
ひる
)
遊
(
あそ
)
ばし
夜
(
よさり
)
夜警
(
やけい
)
をさすと、
108
屹度
(
きつと
)
碌
(
ろく
)
な
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
はしない。
109
夜分
(
やぶん
)
は
宵
(
よひ
)
から
寝
(
ね
)
させ、
110
昼
(
ひる
)
働
(
はたら
)
けば
宜
(
よ
)
いのぢやに、
111
第一
(
だいいち
)
幹部
(
かんぶ
)
のやり
方
(
かた
)
が
御
(
ご
)
神慮
(
しんりよ
)
に
叶
(
かな
)
はぬものだから、
112
斯
(
こ
)
んな
心配事
(
しんぱいごと
)
が
起
(
おこ
)
るのぢや。
113
黒姫
(
くろひめ
)
さま、
114
ちつと
気
(
き
)
をつけなされや』
115
黒姫
(
くろひめ
)
『ハイハイ、
116
気
(
き
)
をつけます。
117
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
つても
身魂
(
みたま
)
の
因縁
(
いんねん
)
性来
(
しやうらい
)
だから
仕方
(
しかた
)
がありませぬワ。
118
悪
(
あく
)
の
御用
(
ごよう
)
をさされる
身魂
(
みたま
)
と
善
(
ぜん
)
の
御用
(
ごよう
)
をさされる
身魂
(
みたま
)
と、
119
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
立別
(
たてわ
)
けて
見
(
み
)
せて
下
(
くだ
)
さるのぢやから、
120
最前
(
さいぜん
)
も
高姫
(
たかひめ
)
さまが「
神
(
かみ
)
さまの
罰
(
ばち
)
が
当
(
あた
)
つた」と
仰有
(
おつしや
)
つたが、
121
そりやチツトお
考
(
かんが
)
へ
違
(
ちが
)
ひぢやありませぬか。
122
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
自
(
みづか
)
らがお
仕組
(
しぐみ
)
遊
(
あそ
)
ばす
肝腎
(
かんじん
)
の
宝
(
たから
)
を
敵
(
てき
)
に
盗
(
と
)
られて
迄
(
まで
)
、
123
妾
(
わたし
)
達
(
たち
)
に
罰
(
ばち
)
を
当
(
あ
)
てるなんて…
可怪
(
をか
)
しいぢやありませぬか。
124
妾
(
わたし
)
等
(
ら
)
が
盗
(
と
)
られたのぢやない、
125
畢竟
(
つまり
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
神業
(
かむわざ
)
の
宝
(
たから
)
を
盗
(
と
)
られなさつたのぢや、
126
謂
(
い
)
はば
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
罰
(
ばち
)
が
当
(
あた
)
つたのぢや。
127
さうぢやから
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
様
(
さま
)
は
善
(
よ
)
い
所
(
とこ
)
もあるけど、
128
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
だから
間
(
あひさ
)
に
大縮尻
(
おほしくじり
)
をなさるのぢや。
129
緯
(
よこ
)
は
梭
(
さとく
)
が
落
(
お
)
ちたり
糸
(
いと
)
が
切
(
き
)
れると
言
(
い
)
ふのは、
130
ここの
事
(
こと
)
でせう。
131
経
(
たて
)
は
一条
(
ひとすぢ
)
を
立
(
た
)
て
通
(
とほ
)
してさへ
居
(
を
)
れば
斯
(
こ
)
んな
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いのだけれどなア。
132
アーア
然
(
しか
)
し
時世
(
ときよ
)
時節
(
じせつ
)
には
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
も
叶
(
かな
)
はぬのだから、
133
妾
(
わたし
)
等
(
ら
)
は
一旦
(
いつたん
)
改心
(
かいしん
)
した
以上
(
いじやう
)
は、
134
時
(
とき
)
の
天下
(
てんか
)
に
従
(
したが
)
ふより
外
(
ほか
)
に
道
(
みち
)
は
有
(
あ
)
りませぬ、
135
大将
(
たいしやう
)
がしつかりしてくれぬと
下
(
した
)
の
者
(
もの
)
迄
(
まで
)
が
難儀
(
なんぎ
)
をする。
136
一匹
(
いつぴき
)
の
馬
(
うま
)
が
狂
(
くる
)
へば
千匹
(
せんびき
)
の
馬
(
うま
)
が
狂
(
くる
)
ふとやら
言
(
い
)
うて、
137
良
(
よ
)
い
大将
(
たいしやう
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
欲
(
ほ
)
しいものだ。
138
如何
(
どう
)
しても
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
の
身魂
(
みたま
)
が
我
(
が
)
を
張
(
は
)
つた
時
(
とき
)
は
斯
(
こ
)
んな
懲戒
(
みせしめ
)
が
出
(
で
)
て
来
(
く
)
るのぢや。
139
神
(
かみ
)
さんだつて
矢張
(
やつぱり
)
失敗
(
しつぱい
)
はあるのだからなア』
140
若彦
(
わかひこ
)
『これ、
141
黒姫
(
くろひめ
)
さま、
142
そりやちつと
量見
(
りやうけん
)
が
違
(
ちが
)
ひはせぬか、
143
言
(
い
)
へばお
前
(
まへ
)
さま
達
(
たち
)
の
取締
(
とりしまり
)
が
悪
(
わる
)
いから
斯
(
こ
)
んな
事
(
こと
)
になつたのぢや。
144
自分
(
じぶん
)
の
責任
(
せきにん
)
を
棚
(
たな
)
へ
上
(
あ
)
げて
二
(
ふた
)
つ
目
(
め
)
には
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
さんへ
責任
(
せきにん
)
を
持
(
も
)
つて
行
(
ゆ
)
くのぢやな、
145
何程
(
なにほど
)
千座
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
負
(
お
)
うて
下
(
くだ
)
さる
神
(
かみ
)
さまぢやと
言
(
い
)
うても……そいつア
余
(
あんま
)
りぢや、
146
お
前
(
まへ
)
さまの
論法
(
ろんぱふ
)
は
脱線
(
だつせん
)
だらけぢやないか』
147
黒姫
(
くろひめ
)
『ちつとは
脱線
(
だつせん
)
もしようかい、
148
天変
(
てんぺん
)
地異
(
ちい
)
の
大騒動
(
おほさうどう
)
が
起
(
おこ
)
つとるのだから……
一
(
ひと
)
つや
二
(
ふた
)
つ
汽車
(
きしや
)
電車
(
でんしや
)
の
脱線
(
だつせん
)
はありさうなものぢや』
149
高姫
(
たかひめ
)
『
何時
(
いつ
)
まで
斯
(
こ
)
んな
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
うて
居
(
を
)
つた
所
(
とこ
)
で、
150
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
は
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
る
気遣
(
きづか
)
ひも
無
(
な
)
し、
151
お
玉
(
たま
)
の
方
(
かた
)
が
戻
(
もど
)
つて
御座
(
ござ
)
る
筈
(
はず
)
もない。
152
ここは
一
(
ひと
)
つ
我々
(
われわれ
)
が
千騎
(
せんき
)
一騎
(
いつき
)
の
活動
(
くわつどう
)
をして、
153
生命
(
いのち
)
を
的
(
まと
)
に
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
を
取返
(
とりかへ
)
し、
154
お
玉
(
たま
)
の
方
(
かた
)
を
探
(
さが
)
して
帰
(
かへ
)
つて
来
(
こ
)
ねば、
155
第一
(
だいいち
)
我々
(
われわれ
)
初
(
はじ
)
め
貴女
(
あなた
)
等
(
がた
)
の
責任
(
せきにん
)
が
済
(
す
)
みますまい』
156
此
(
この
)
時
(
とき
)
ガラガラと
表
(
おもて
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けて
這入
(
はい
)
つて
来
(
き
)
た
二人
(
ふたり
)
の
男
(
をとこ
)
、
157
若彦
(
わかひこ
)
は
目早
(
めばや
)
く
見
(
み
)
て、
158
若彦
(
わかひこ
)
『ヤア、
159
お
前
(
まへ
)
はテルヂーにコロンボぢやないか、
160
しつかり
夜警
(
やけい
)
をして
居
(
ゐ
)
るかな』
161
テルヂー『
夜警
(
やけい
)
も
神妙
(
しんめう
)
にやつて
居
(
ゐ
)
ますが、
162
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
を、
163
前
(
まへ
)
に
来
(
き
)
て
居
(
を
)
つた
徳
(
とく
)
の
野郎
(
やらう
)
奴
(
め
)
、
164
バラモン
教
(
けう
)
の
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
の
間者
(
まはしもの
)
と
共謀
(
ぐる
)
になりやがつて、
165
ソツと
玉
(
たま
)
を
盗
(
ぬす
)
んで
行
(
ゆ
)
きやがつてからと
言
(
い
)
ふものは、
166
何
(
なん
)
の
為
(
た
)
めに
夜警
(
やけい
)
をするのやら
有名
(
いうめい
)
無実
(
むじつ
)
、
167
馬鹿
(
ばか
)
らしうて
夜警
(
やけい
)
も
やけ
気味
(
ぎみ
)
になつて
来
(
き
)
ます
哩
(
わい
)
』
168
高姫
(
たかひめ
)
『なに、
169
あの
徳
(
とく
)
奴
(
め
)
が
此
(
この
)
間
(
あひだ
)
から
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
せぬと
思
(
おも
)
へば、
170
彼奴
(
あいつ
)
が
手引
(
てびき
)
をして
居
(
を
)
つたのか。
171
何
(
なん
)
と
悪
(
わる
)
い
奴
(
やつ
)
ぢやな、
172
それで
人
(
ひと
)
に
心
(
こころ
)
を
許
(
ゆる
)
すでないぞよと
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
仰有
(
おつしや
)
るのだ、
173
皆
(
みな
)
さまよう
聞
(
き
)
いて
下
(
くだ
)
さいや、
174
うまい
事
(
こと
)
言
(
い
)
うて
来
(
き
)
ても
神
(
かみ
)
に
伺
(
うかが
)
はねば
相手
(
あひて
)
になつては
往
(
い
)
かぬとのお
筆先
(
ふでさき
)
を
余
(
あんま
)
り
軽
(
かる
)
く
見
(
み
)
て
居
(
を
)
つたから、
175
斯
(
こ
)
んな
事
(
こと
)
になつて
仕舞
(
しま
)
ふのぢや』
176
黒姫
(
くろひめ
)
『モシ
高姫
(
たかひめ
)
様
(
さま
)
、
177
貴方
(
あなた
)
は
何時
(
いつ
)
も
徳
(
とく
)
さんは
偉
(
えら
)
い、
178
誠
(
まこと
)
の
人
(
ひと
)
ぢや、
179
あんな
人
(
ひと
)
ばつかり
信者
(
しんじや
)
になつて
居
(
を
)
つたら、
180
三五教
(
あななひけう
)
は
一遍
(
いつぺん
)
に
世界
(
せかい
)
の
掌
(
てのひら
)
を
翻
(
かへ
)
す
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ると
云
(
い
)
うて
褒
(
ほ
)
めそやし、
181
お
前
(
まへ
)
も
徳
(
とく
)
さまを
見習
(
みなら
)
うて
手本
(
てほん
)
にしなさいと
仰有
(
おつしや
)
いましたな。
182
貴方
(
あなた
)
の
仰有
(
おつしや
)
る
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
いて
手本
(
てほん
)
にでもして
居
(
を
)
つたものなら、
183
今頃
(
いまごろ
)
は
如何
(
どん
)
な
騒動
(
そうだう
)
がオツ
始
(
ぱじ
)
まつて
居
(
ゐ
)
るやら
分
(
わか
)
りやしませぬぞえ。
184
鼈
(
すつぽん
)
に
尻
(
けつ
)
の
穴
(
あな
)
を
吸
(
す
)
はれた
様
(
やう
)
な
惨目
(
みじめ
)
な
目
(
め
)
に
成
(
な
)
つて
仕舞
(
しま
)
ふのだ』
185
高姫
(
たかひめ
)
『
黒姫
(
くろひめ
)
さま、
186
お
前
(
まへ
)
は
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
ふのぢやぞえ、
187
誰
(
たれ
)
がそんな
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
うたのぢや。
188
一寸
(
ちよつと
)
一遍
(
いつぺん
)
手洗
(
てうづ
)
でも
使
(
つか
)
うて
来
(
き
)
なさい』
189
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
は
何
(
なん
)
となく
心
(
こころ
)
いそいそして
寝
(
ねむ
)
られぬままに、
190
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
を
浴
(
あ
)
び、
191
杖
(
ステツキ
)
をついてブラブラと
此
(
この
)
高殿
(
たかどの
)
の
前
(
まへ
)
にやつて
来
(
き
)
た。
192
屋内
(
をくない
)
の
争
(
いさか
)
ひ
声
(
ごゑ
)
に
耳
(
みみ
)
をとめ、
193
自
(
みづか
)
ら
雨戸
(
あまど
)
を
引
(
ひ
)
き
開
(
あ
)
けて
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
り、
194
言依別
(
ことよりわけ
)
『ヤア
皆
(
みな
)
さま、
195
遅
(
おそ
)
う
迄
(
まで
)
エライ
勉強
(
べんきやう
)
ですな、
196
何
(
なん
)
ぞ
結構
(
けつこう
)
なお
話
(
はなし
)
でもありますかな』
197
高姫
(
たかひめ
)
『
貴方
(
あなた
)
は
高天原
(
たかあまはら
)
の
大将
(
たいしやう
)
ぢやありませぬか、
198
能
(
よ
)
うそんな
気楽
(
きらく
)
な
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
うて
居
(
を
)
られますな、
199
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
根本
(
こつぽん
)
のお
宝
(
たから
)
を
紛失
(
ふんしつ
)
し、
200
お
玉
(
たま
)
の
方
(
かた
)
の
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
は
行方
(
ゆくへ
)
不明
(
ふめい
)
となつて、
201
妾
(
わたし
)
達
(
たち
)
が
夜
(
よ
)
も
碌
(
ろく
)
によう
寝
(
ね
)
ず、
202
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
目
(
め
)
を
赤
(
あか
)
うして
心配
(
しんぱい
)
をして
居
(
ゐ
)
ますのに、
203
貴方
(
あなた
)
は
何
(
なん
)
ともありませぬか。
204
貴方
(
あなた
)
が
余
(
あんま
)
り
平気
(
へいき
)
な
顔
(
かほ
)
して
御座
(
ござ
)
るものですから、
205
幹部
(
かんぶ
)
の
連中
(
れんちう
)
さまが
誰
(
たれ
)
も
彼
(
かれ
)
も、
206
いや
惟神
(
かむながら
)
とか、
207
御
(
ご
)
都合
(
つがふ
)
だとか
言
(
い
)
つて、
208
尽
(
つく
)
すべき
事
(
こと
)
も
尽
(
つく
)
さず、
209
懐中
(
ふところ
)
に
手
(
て
)
を
束
(
つか
)
ね、
210
握
(
にぎ
)
り
麻羅
(
まら
)
でポカンとみて
居
(
を
)
るのぢや、
211
ちつと
確
(
しつか
)
りして
下
(
くだ
)
さい』
212
言依別
(
ことよりわけ
)
『ハヽヽヽヽ、
213
エライ
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
を
掛
(
か
)
けて
済
(
す
)
みませぬな、
214
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
抜目
(
ぬけめ
)
が
有
(
あ
)
りませぬから、
215
さう
心配
(
しんぱい
)
はなさいますな』
216
高姫
(
たかひめ
)
『
抜目
(
ぬけめ
)
の
無
(
な
)
い
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
なら、
217
なんで
其
(
そ
)
んな
大切
(
たいせつ
)
な
玉
(
たま
)
を
盗
(
と
)
られなさつたのぢや。
218
神
(
かみ
)
さまだつて
此方
(
こちら
)
から
気
(
き
)
をつけて
上
(
あ
)
げなければ
如何
(
どう
)
なるものか、
219
こんな
不調法
(
ぶてうはふ
)
ばかりなさる、
220
筆先
(
ふでさき
)
にも「
何卒
(
どうぞ
)
誠
(
まこと
)
の
者
(
もの
)
は
神
(
かみ
)
に
気
(
き
)
をつけて
下
(
くだ
)
されよ」と
現
(
あら
)
はれて
居
(
を
)
るぢやないか、
221
能
(
よ
)
うマア、
222
ほんにほんにそんな
陽気
(
やうき
)
浮気
(
うはき
)
で
如何
(
どう
)
して
此
(
この
)
高天原
(
たかあまはら
)
の
城
(
しろ
)
が
保
(
たも
)
てますか、
223
大勢
(
おほぜい
)
の
者
(
もの
)
の
統一
(
とういつ
)
が
出来
(
でき
)
ますかい』
224
言依別
(
ことよりわけ
)
『
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
も、
225
お
玉
(
たま
)
の
方
(
かた
)
も、
226
何
(
いづ
)
れ
明日
(
あす
)
の
朝
(
あさ
)
か
昼頃
(
ひるごろ
)
には
此処
(
ここ
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
見
(
み
)
えますよ。
227
神
(
かみ
)
さまがちやんと
仕組
(
しぐ
)
んで
居
(
を
)
られるから……
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
が
何程
(
なにほど
)
鯱
(
しやち
)
になつても
駄目
(
だめ
)
ですよ』
228
此
(
この
)
時
(
とき
)
門
(
もん
)
の
戸
(
と
)
を
慌
(
あわただ
)
しく
叩
(
たた
)
き、
229
鬼丸(又は谷丸)
『モシモシ、
230
言依別
(
ことよりわけの
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
はお
見
(
み
)
えになつて
居
(
を
)
りませぬか』
231
黒姫
(
くろひめ
)
『
誰
(
たれ
)
だいなア、
232
無作法
(
ぶさはふ
)
な……
戸
(
と
)
を
割
(
わ
)
れる
程
(
ほど
)
ポンポン
叩
(
たた
)
いて……ヤアお
前
(
まへ
)
は
谷丸
(
たにまる
)
ぢやな、
233
身体
(
しんたい
)
維
(
こ
)
れ
谷丸
(
たにまる
)
処
(
ところ
)
ぢや、
234
早
(
はや
)
う
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
い
)
つて
夜警
(
やけい
)
をして
来
(
き
)
なさい』
235
鬼丸
(
おにまる
)
『エー、
236
滅相
(
めつさう
)
な
夜警
(
やけい
)
どころですかい、
237
大変
(
たいへん
)
な
事
(
こと
)
が
起
(
おこ
)
りました。
238
何卒
(
どうぞ
)
早
(
はや
)
う
言依別
(
ことよりわけの
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
帰
(
かへ
)
つて
貰
(
もら
)
ひ
度
(
た
)
いのです。
239
実
(
じつ
)
の
処
(
ところ
)
は
此
(
この
)
間
(
あひだ
)
盗
(
ぬす
)
まれた
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
とお
玉
(
たま
)
の
方
(
かた
)
が
今
(
いま
)
表門
(
おもてもん
)
まで
無事
(
ぶじ
)
に
帰
(
かへ
)
られました』
240
言依別
(
ことよりわけ
)
『
宗彦
(
むねひこ
)
も
一緒
(
いつしよ
)
に
帰
(
かへ
)
つたかな』
241
鬼丸
(
おにまる
)
『ハイ、
242
宗彦
(
むねひこ
)
さまも、
243
その
外
(
ほか
)
三人
(
みたり
)
のお
伴
(
とも
)
もついてお
帰
(
かへ
)
りになりました』
244
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
は
莞爾
(
にこにこ
)
し
乍
(
なが
)
ら
鬼丸
(
おにまる
)
を
伴
(
ともな
)
ひ
表門
(
おもてもん
)
へ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
245
高姫
(
たかひめ
)
『サア
黒姫
(
くろひめ
)
さま、
246
青
(
あを
)
さま、
247
若
(
わか
)
さま、
248
紫
(
むらさき
)
さま、
249
如何
(
どう
)
しよう
如何
(
どう
)
しよう、
250
大変
(
たいへん
)
ぢや
大変
(
たいへん
)
ぢや』
251
若彦
(
わかひこ
)
、
252
紫姫
(
むらさきひめ
)
、
253
黒姫
(
くろひめ
)
、
254
高姫
(
たかひめ
)
は
嬉
(
うれ
)
しさの
余
(
あま
)
り
室内
(
しつない
)
を
狼狽
(
うろた
)
へ
廻
(
まは
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
255
お
玉
(
たま
)
の
方
(
かた
)
に
抱
(
だ
)
かれて
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
の
御
(
ご
)
神体
(
しんたい
)
は
一
(
ひ
)
とまづ
錦
(
にしき
)
の
宮
(
みや
)
の
殿内
(
でんない
)
深
(
ふか
)
く
納
(
をさ
)
まり
給
(
たま
)
うた。
256
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
257
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
は
祝意
(
しゆくい
)
を
表
(
へう
)
し
立
(
た
)
つて
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めたり。
258
言依別命
『
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
259
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
260
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
261
誠
(
まこと
)
の
力
(
ちから
)
は
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
262
三五教
(
あななひけう
)
の
神宝
(
かんだから
)
263
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
の
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
264
バラモン
教
(
けう
)
の
曲神
(
まがかみ
)
に
265
そつと
盗
(
ぬす
)
まれ
言依
(
ことより
)
の
266
別
(
わけ
)
の
命
(
みこと
)
は
驚
(
おどろ
)
いて
267
錦
(
にしき
)
の
宮
(
みや
)
に
馳
(
は
)
せ
参
(
さん
)
じ
268
玉照彦
(
たまてるひこ
)
や
玉照
(
たまてる
)
の
269
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
に
伺
(
うかが
)
へば
270
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
玉
(
たま
)
は
三国岳
(
みくにだけ
)
271
バラモン
教
(
けう
)
の
副棟梁
(
ふくとうりやう
)
272
心
(
こころ
)
の
鬼
(
おに
)
ケ
城
(
じやう
)
山
(
ざん
)
に
273
砦
(
とりで
)
構
(
かま
)
へし
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
274
醜
(
しこ
)
の
魔神
(
まがみ
)
の
宿
(
やど
)
の
妻
(
つま
)
275
蜈蚣
(
むかで
)
の
姫
(
ひめ
)
の
鬼婆
(
おにば
)
さま
276
岩窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
に
立
(
た
)
て
籠
(
こも
)
り
277
貴
(
うづ
)
の
宝
(
たから
)
を
奪
(
うば
)
ひ
取
(
と
)
り
278
お
玉
(
たま
)
の
方
(
かた
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
279
占奪
(
せんだつ
)
せりと
聞
(
き
)
きしより
280
我
(
われ
)
は
神勅
(
しんちよく
)
畏
(
かしこ
)
みて
281
人
(
ひと
)
に
知
(
し
)
らさず
三五
(
あななひ
)
の
282
道
(
みち
)
の
司
(
つかさ
)
の
新参者
(
しんざんもの
)
283
天
(
あめ
)
の
真浦
(
まうら
)
が
弟
(
おとと
)
なる
284
心
(
こころ
)
の
清
(
きよ
)
き
宗彦
(
むねひこ
)
に
285
旨
(
むね
)
を
含
(
ふく
)
めて
霧
(
きり
)
の
海
(
うみ
)
286
渡
(
わた
)
りて
三国
(
みくに
)
の
山奥
(
やまおく
)
に
287
遣
(
つか
)
はしければ
宗彦
(
むねひこ
)
は
288
使命
(
しめい
)
を
果
(
はた
)
し
漸
(
やうや
)
うに
289
お
玉
(
たま
)
の
方
(
かた
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
290
いそいそ
此処
(
ここ
)
に
帰
(
かへ
)
りけり
291
玉照彦
(
たまてるひこ
)
や
玉照姫
(
たまてるひめ
)
の
292
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
神司
(
かんづかさ
)
293
お
玉
(
たま
)
の
方
(
かた
)
の
三
(
み
)
つ
霊
(
みたま
)
294
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
の
五
(
い
)
つ
霊
(
みたま
)
295
三
(
み
)
つと
五
(
い
)
つとの
睦
(
むつ
)
み
合
(
あ
)
ひ
296
此処
(
ここ
)
に
愈
(
いよいよ
)
三五
(
あななひ
)
の
297
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
は
輝
(
て
)
り
渡
(
わた
)
る
298
三五
(
さんご
)
の
月照彦
(
つきてるひこ
)
の
神
(
かみ
)
299
思
(
おも
)
ひも
此処
(
ここ
)
に
足真彦
(
だるまひこ
)
300
教
(
をしへ
)
は
四方
(
よも
)
に
弘子彦
(
ひろやすひこ
)
の
301
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
と
現
(
あら
)
はれて
302
悪
(
あ
)
しき
病
(
やまひ
)
も
少名彦
(
すくなひこ
)
303
愈
(
いよいよ
)
神
(
かみ
)
の
御光
(
みひかり
)
も
304
高照姫
(
たかてるひめ
)
や
純世姫
(
すみよひめ
)
305
真澄
(
ますみ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
鑑
(
かがみ
)
なす
306
尊
(
たふと
)
き
教
(
をしへ
)
も
竜世姫
(
たつよひめ
)
307
御代
(
みよ
)
も
豊
(
ゆたか
)
に
国治立
(
くにはるたち
)
の
308
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
や
豊国姫
(
とよくにひめ
)
の
309
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
のお
喜悦
(
よろこぴ
)
310
埴安彦
(
はにやすひこ
)
や
埴安姫
(
はにやすひめ
)
の
311
清
(
きよ
)
き
御魂
(
みたま
)
も
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
312
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
八百万
(
やほよろづ
)
313
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
八百万
(
やほよろづ
)
314
是
(
これ
)
の
聖地
(
せいち
)
に
神集
(
かむつど
)
ひ
315
今日
(
けふ
)
の
生日
(
いくひ
)
の
喜悦
(
よろこび
)
を
316
祝
(
ことほ
)
ぎ
給
(
たま
)
ふ
嬉
(
うれ
)
しさよ
317
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
318
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはひ
)
坐
(
ま
)
しまして
319
世
(
よ
)
は
久方
(
ひさかた
)
の
空
(
そら
)
高
(
たか
)
く
320
天津
(
あまつ
)
日嗣
(
ひつぎ
)
の
永久
(
とこしへ
)
に
321
動
(
うご
)
かぬ
御代
(
みよ
)
と
守
(
まも
)
りませ
322
円山姫
(
まるやまひめ
)
の
守
(
まも
)
られし
323
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
は
恙
(
つつが
)
なく
324
再
(
ふたた
)
び
此処
(
ここ
)
に
復
(
かへ
)
りまし
325
五六七
(
みろく
)
神政
(
しんせい
)
の
神業
(
かむわざ
)
の
326
光
(
ひかり
)
と
現
(
あら
)
はれ
給
(
たま
)
ふらむ
327
勇
(
いさ
)
めよ
勇
(
いさ
)
め
諸人
(
もろびと
)
よ
328
人
(
ひと
)
が
勇
(
いさ
)
めば
神
(
かみ
)
勇
(
いさ
)
む
329
吾
(
われ
)
は
言依別
(
ことよりわけの
)
命
(
みこと
)
330
コーカス
山
(
ざん
)
や
斎苑
(
いそ
)
館
(
やかた
)
331
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
のヱルサレム
332
エデンの
園
(
その
)
に
現
(
あ
)
れませる
333
御神
(
みかみ
)
も
共
(
とも
)
に
喜
(
よろこ
)
びて
334
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
に
何時
(
いつ
)
までも
335
栄
(
さか
)
えませよと
祈
(
いの
)
りつつ
336
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
や
日
(
ひ
)
の
出別
(
でわけ
)
337
木
(
こ
)
の
花姫
(
はなひめ
)
の
御
(
お
)
活動
(
はたらき
)
338
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
も
三五
(
あななひ
)
の
339
教
(
をしへ
)
の
司
(
つかさ
)
も
信徒
(
まめひと
)
も
340
歓
(
えら
)
ぎ
喜
(
よろこ
)
び
舞
(
ま
)
ひ
遊
(
あそ
)
ぶ
341
鶴
(
つる
)
の
齢
(
よはひ
)
の
末長
(
すゑなが
)
く
342
亀
(
かめ
)
万歳
(
ばんざい
)
の
永久
(
とこしへ
)
に
343
守
(
まも
)
らせ
給
(
たま
)
ふ
此
(
この
)
教
(
をしへ
)
344
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
345
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはひ
)
坐
(
ま
)
しませよ』
346
(
大正一一・五・一四
旧四・一八
北村隆光
録)
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【第12章 如意宝珠|第20巻|如意宝珠|霊界物語|/rm2012】
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