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霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第43巻(午の巻)
序文
総説
第1篇 狂風怪猿
第1章 烈風
第2章 懐谷
第3章 失明
第4章 玉眼開
第5章 感謝歌
第2篇 月下の古祠
第6章 祠前
第7章 森議
第8章 噴飯
第9章 輸入品
第3篇 河鹿の霊嵐
第10章 夜の昼
第11章 帰馬
第12章 双遇
第4篇 愛縁義情
第13章 軍談
第14章 忍び涙
第15章 温愛
第5篇 清松懐春
第16章 鰌鍋
第17章 反歌
第18章 石室
余白歌
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霊界物語
>
舎身活躍(第37~48巻)
>
第43巻(午の巻)
> 第2篇 月下の古祠 > 第6章 祠前
<<< 感謝歌
(B)
(N)
森議 >>>
第六章
祠前
(
ほこらのまへ
)
〔一一五七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第43巻 舎身活躍 午の巻
篇:
第2篇 月下の古祠
よみ(新仮名遣い):
げっかのふるほこら
章:
第6章 祠前
よみ(新仮名遣い):
ほこらのまへ
通し章番号:
1157
口述日:
1922(大正11)年11月26日(旧10月8日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年7月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
一行は岩石けわしい急坂を、南を指して下って行く。伊太公はしわがれ声を張り上げて、冷たい風を苦にもせずに滑稽な宣伝歌を歌う。続いて純公が歌った。
一行は八分ばかり壊れた祠の前に下りついた。玉国別は目の痛みは軽減したが、頭がメキメキするといって休息を取ることになった。一行は古祠の前に両手を合わせ、天津祝詞を奏上した。
一行はまた祠の神の前に和歌を歌った。歌い終わって祠の神に別れを告げ、立ち出でようとすると、前方から駒の蹄の音が騒々しく聞こえてきた。これは大黒主の部下鬼春別将軍の先鋒隊が、斎苑館に向かって進軍してきたのであった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-01-05 18:36:08
OBC :
rm4306
愛善世界社版:
77頁
八幡書店版:
第8輯 56頁
修補版:
校定版:
81頁
普及版:
31頁
初版:
ページ備考:
001
山猿
(
やまざる
)
どものつどひたる
002
懐谷
(
ふところだに
)
を
後
(
あと
)
にして
003
片目
(
かため
)
を
取
(
と
)
られし
神司
(
かむつかさ
)
004
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
は
005
岩石
(
がんせき
)
崎嶇
(
きく
)
たる
急坂
(
きふはん
)
を
006
一足
(
ひとあし
)
一足
(
ひとあし
)
力
(
ちから
)
入
(
い
)
れ
007
南
(
みなみ
)
をさして
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く
008
又
(
また
)
もや
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
烈風
(
れつぷう
)
に
009
笠
(
かさ
)
をむしられ
裳裾
(
もすそ
)
をば
010
捲
(
ま
)
くられながら
しと
しとと
011
眼
(
まなこ
)
を
据
(
す
)
ゑてアブト
式
(
しき
)
に
012
どんどんどんと
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
013
吾物顔
(
わがものがほ
)
に
下
(
くだ
)
りゆく
014
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へし
伊太公
(
いたこう
)
は
015
皺枯声
(
しわがれごゑ
)
を
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げて
016
一足
(
ひとあし
)
一足
(
ひとあし
)
拍子
(
へうし
)
取
(
と
)
り
017
汗
(
あせ
)
をタラタラ
流
(
なが
)
しつつ
018
冷
(
つめ
)
たき
風
(
かぜ
)
を
苦
(
く
)
にもせず
019
伊太公
(
いたこう
)
『「ウントコドツコイドツコイシヨ」
020
玉国別
(
たまくにわけ
)
に
従
(
したが
)
ひて
021
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
を
出立
(
しゆつたつ
)
し
022
意気
(
いき
)
揚々
(
やうやう
)
と
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
023
上
(
のぼ
)
りつ
下
(
くだ
)
りつ
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
る
024
今
(
いま
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
よりひどいやつ
025
どつと
許
(
ばか
)
りにやつて
来
(
き
)
て
026
俺
(
わし
)
等
(
ら
)
の
体
(
からだ
)
を
中天
(
ちうてん
)
に
027
遠慮
(
ゑんりよ
)
会釈
(
ゑしやく
)
も
荒風
(
あらかぜ
)
奴
(
め
)
028
吹
(
ふ
)
き
散
(
ち
)
らさむとした
故
(
ゆゑ
)
に
029
用心
(
ようじん
)
深
(
ぶか
)
い
宣伝使
(
せんでんし
)
030
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
は
吾々
(
われわれ
)
を
031
労
(
いた
)
はりたまひ
道端
(
みちばた
)
の
032
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
に
確
(
しつか
)
と
しがみ
つき
033
「ウントコドツコイ
危
(
あぶ
)
ないぞ」
034
又
(
また
)
もや
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いて
来
(
き
)
た
035
うつかりしてると
散
(
ち
)
らされる
036
これこれ
二人
(
ふたり
)
の
供
(
とも
)
の
者
(
もの
)
037
確
(
しつか
)
り
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
に
喰
(
くら
)
ひつき
038
風
(
かぜ
)
の
通
(
とほ
)
るを
待
(
ま
)
つがよい
039
などとドツコイ
仰有
(
おつしや
)
つた
040
これ
幸
(
さいは
)
ひと
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
041
轟
(
とどろ
)
く
胸
(
むね
)
を
撫
(
な
)
でながら
042
慄
(
ふる
)
ひ
戦
(
をのの
)
き
夜
(
よ
)
を
明
(
あ
)
かし
043
又
(
また
)
もや
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
荒風
(
あらかぜ
)
に
044
吾
(
わが
)
身
(
み
)
大事
(
だいじ
)
と
一散
(
いつさん
)
に
045
懐谷
(
ふところだに
)
に
駆
(
か
)
けつけて
046
避難
(
ひなん
)
なしける
折柄
(
をりから
)
に
047
「アイタヽヽタツタ コン
畜生
(
ちくしやう
)
」
048
高
(
たか
)
い
石
(
いし
)
めに
躓
(
つまづ
)
いた
049
猿公
(
さるこう
)
の
奴
(
やつ
)
めがやつて
来
(
き
)
て
050
畜生
(
ちくしやう
)
だてら
吾々
(
われわれ
)
に
051
揶揄
(
からか
)
ひやがる「ウントコシヨ」
052
それ
見
(
み
)
る
度
(
たび
)
に「ウントコシヨ」
053
癪
(
しやく
)
に
触
(
さは
)
つて
耐
(
たま
)
らない
054
遠慮
(
ゑんりよ
)
会釈
(
ゑしやく
)
も
知
(
し
)
らぬ
奴
(
やつ
)
055
とうとう
側
(
そば
)
へやつて
来
(
き
)
た
056
伊太公
(
いたこう
)
さまは「ウントコシヨ」
057
腕
(
うで
)
に
力
(
ちから
)
を
籠
(
こ
)
めながら
058
お
猿
(
さる
)
を
一匹
(
いつぴき
)
突
(
つ
)
き
倒
(
たふ
)
す
059
キヤツ キヤツ キヤツ キヤツと
吠
(
ほえ
)
乍
(
なが
)
ら
060
縦横
(
じうわう
)
無尽
(
むじん
)
に「ウントコシヨ」
061
群
(
むら
)
がり
掛
(
かか
)
る
恐
(
おそ
)
ろしさ
062
大猿
(
おほざる
)
の
奴
(
やつ
)
めが
飛
(
と
)
んで
来
(
き
)
て
063
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
の
両眼
(
りやうがん
)
を
064
キヤツとも
何
(
なん
)
とも
吐
(
ほざ
)
かずに
065
背中
(
せなか
)
の
方
(
はう
)
から
掻
(
か
)
きむしり
066
ドテライ
羽目
(
はめ
)
に
落
(
おと
)
しよつた
067
俺
(
おれ
)
は
谷川
(
たにがは
)
へ
水汲
(
みづく
)
みに
068
いつた
所
(
ところ
)
が「ドツコイシヨ」
069
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
水筒
(
すゐとう
)
を
070
小柴
(
こしば
)
の
中
(
なか
)
へ「ヤツトコシヨ」
071
落
(
おと
)
した
時
(
とき
)
の
阿呆
(
あはう
)
らしさ
072
道公
(
みちこう
)
さまにクドクドと
073
お
小言
(
こごと
)
計
(
ばか
)
り
頂戴
(
ちやうだい
)
し
074
俺
(
おれ
)
の
立
(
た
)
つ
瀬
(
せ
)
はあるものか
075
アタ
阿呆
(
あはう
)
らしい「ドツコイシヨ」
076
純公
(
すみこう
)
さまの
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
いて
077
水筒
(
すゐとう
)
の
所在
(
ありか
)
を
尋
(
たづ
)
ねむと
078
下
(
くだ
)
つて
往
(
ゆ
)
けば
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
079
平気
(
へいき
)
の
平左
(
へいざ
)
で
水筒
(
すゐとう
)
奴
(
め
)
が
080
素知
(
そし
)
らぬ
顔
(
かほ
)
して
寝
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
よる
081
確
(
しつか
)
りせぬかと
尻
(
しり
)
たたき
082
純公
(
すみこう
)
さまが
ひん
握
(
にぎ
)
り
083
深
(
ふか
)
き
谷間
(
たにま
)
に
下
(
お
)
りたつて
084
突
(
つ
)
つ
込
(
こ
)
む
水筒
(
すゐとう
)
ブルブルブル
085
屁
(
へ
)
のよな
泡
(
あわ
)
を
吹
(
ふ
)
き
乍
(
なが
)
ら
086
腹
(
はら
)
一杯
(
いつぱい
)
に
飲
(
の
)
みよつた
087
今度
(
こんど
)
は
落
(
おと
)
しちやならないと
088
グツと
素首
(
そつくび
)
ひん
握
(
にぎ
)
り
089
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
090
持
(
も
)
ち
帰
(
かへ
)
り
来
(
き
)
て
両眼
(
りやうがん
)
を
091
洗
(
あら
)
へば「ドツコイドツコイシヨ」
092
俄
(
にはか
)
に
止
(
と
)
まる
眼
(
め
)
の
痛
(
いた
)
み
093
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
094
あゝ
有難
(
ありがた
)
や
尊
(
たふと
)
やと
095
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せ
拝
(
をが
)
む
折
(
をり
)
096
脚下
(
きやくか
)
に
聞
(
きこ
)
ゆる
宣伝歌
(
せんでんか
)
097
こいつはテツキリ
三五
(
あななひ
)
の
098
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
に
相違
(
さうゐ
)
ない
099
これより
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
つかけて
100
「ウントコドツコイ」
鎮魂
(
ちんこん
)
を
101
願
(
ねが
)
つて
眼病
(
がんびやう
)
の
全快
(
ぜんくわい
)
を
102
祈
(
いの
)
つて
貰
(
もら
)
はふと
願
(
ねが
)
うたら
103
律儀
(
りちぎ
)
一方
(
いつぱう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
104
なかなか
縦
(
たて
)
に
首
(
くび
)
ふらぬ
105
吾
(
われ
)
は
天下
(
てんか
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
106
心
(
こころ
)
の
油断
(
ゆだん
)
につけ
込
(
こ
)
まれ
107
畜生原
(
ちくしやうばら
)
に
目
(
め
)
をとられ
108
何
(
なん
)
の
顔色
(
かんばせ
)
あるものぞ
109
頼
(
たの
)
むでないと「ウントコシヨ」
110
「ヤツトコドツコイ」
危
(
あぶ
)
ないぞ
111
なかなか
許
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さらぬ
112
俺
(
おれ
)
も
因果
(
いんぐわ
)
の
腰
(
こし
)
を
据
(
す
)
ゑ
113
もう
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
114
お
願
(
ねが
)
ひするより
道
(
みち
)
はない
115
枯草
(
かれくさ
)
の
上
(
へ
)
にどつと
坐
(
ざ
)
し
116
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せ
惟神
(
かむながら
)
117
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましませと
118
祈
(
いの
)
りし
甲斐
(
かひ
)
もありありと
119
パツと
開
(
ひら
)
いた
左
(
ひだり
)
の
目
(
め
)
120
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
121
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
は
目
(
ま
)
のあたり
122
「ウントコドツコイ ドツコイシヨ」
123
これから
先
(
さき
)
はだんだんと
124
坂
(
さか
)
がはげしくなるやうだ
125
純公
(
すみこう
)
気
(
き
)
をつけ
道公
(
みちこう
)
さま
126
お
前
(
まへ
)
の
足許
(
あしもと
)
危
(
あぶ
)
ないぞ
127
俺
(
おれ
)
もなんだか
膝坊子
(
ひざばうず
)
128
キヨクリ キヨクリと
吐
(
ぬか
)
しよる
129
ほんに
困
(
こま
)
つた
坂
(
さか
)
だなア
130
アイタヽヽヽつまづいた
131
躓
(
つまづ
)
く
石
(
いし
)
も
縁
(
えん
)
のはし
132
一樹
(
いちじゆ
)
の
影
(
かげ
)
の
雨宿
(
あまやど
)
り
133
一河
(
いつか
)
の
流
(
なが
)
れを
汲
(
く
)
むさへも
134
深
(
ふか
)
き
縁
(
えにし
)
と
聞
(
き
)
く
上
(
うへ
)
は
135
「ウントコドツコイ
躓
(
つまづ
)
いた」
136
憎
(
にく
)
い
石
(
いし
)
でも「ドツコイシヨ」
137
余
(
あんま
)
り
捨
(
す
)
てたものぢやない
138
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
139
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましまして
140
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
141
ハルナの
都
(
みやこ
)
へドウドウと
142
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
へ
三五
(
あななひ
)
の
143
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
144
慎
(
つつし
)
み
敬
(
うやま
)
ひ
願
(
ね
)
ぎまつる
145
「アイタタツタ
又
(
また
)
倒
(
こ
)
けた」』
146
純公
(
すみこう
)
は
又
(
また
)
唄
(
うた
)
ふ。
147
純公
『
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
の
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
を
148
吹
(
ふ
)
く
木枯
(
こがらし
)
に
木々
(
きぎ
)
の
葉
(
は
)
は
149
敢
(
あへ
)
なく
散
(
ち
)
りて
羽衣
(
はごろも
)
を
150
脱
(
ぬ
)
いで
捨
(
す
)
てたる
枯木原
(
かれきはら
)
151
冬野
(
ふゆの
)
の
如
(
ごと
)
くなりにけり
152
秋
(
あき
)
の
山野
(
やまの
)
を
飾
(
かざ
)
りたる
153
黄金姫
(
わうごんひめ
)
の
紅葉
(
こうえう
)
も
154
夕日
(
ゆふひ
)
に
清照姫
(
きよてるひめ
)
の
木
(
き
)
も
155
今
(
いま
)
は
全
(
まつた
)
く「ドツコイシヨ」
156
憐
(
あは
)
れ
果
(
は
)
かなくなりにけり
157
小猿
(
こざる
)
の
奴
(
やつ
)
に
目
(
め
)
の
玉
(
たま
)
を
158
「ウントコドツコイ」
引抜
(
ひきぬ
)
かれ
159
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
は
嘸
(
さぞ
)
やさぞ
160
残念
(
ざんねん
)
だらう
無念
(
むねん
)
だらう
161
「ヤツトコドツコイ ドツコイシヨ」
162
足許
(
あしもと
)
用心
(
ようじん
)
するがよい
163
高
(
たか
)
い
石
(
いし
)
奴
(
め
)
が
並
(
なら
)
んで
居
(
ゐ
)
る
164
小面
(
こづら
)
の
憎
(
にく
)
い
猿
(
さる
)
の
奴
(
やつ
)
165
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
との
経綸者
(
けいりんしや
)
166
万
(
よろづ
)
の
物
(
もの
)
の
霊長
(
れいちやう
)
と
167
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でたる
人間
(
にんげん
)
を
168
馬鹿
(
ばか
)
にしやがる「ドツコイシヨ」
169
どうしてこれが
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
に
170
話
(
はなし
)
がならうか
恥
(
はづ
)
かしや
171
三人
(
みたり
)
の
供
(
とも
)
がありながら
172
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
のお
師匠
(
ししやう
)
を
173
「ウントコドツコイ」むごい
目
(
め
)
に
174
遇
(
あ
)
はして
何
(
なん
)
と
申
(
まを
)
し
訳
(
わけ
)
175
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
176
御前
(
みまへ
)
に
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げられよか
177
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
腑甲斐
(
ふがひ
)
ない
178
話
(
はなし
)
にならぬ
御
(
お
)
供
(
とも
)
達
(
たち
)
179
これから
何
(
いづ
)
れも
気
(
き
)
をつけて
180
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
の
身辺
(
しんぺん
)
を
181
守
(
まも
)
らにやならぬ
道公
(
みちこう
)
よ
182
伊太公
(
いたこう
)
も
確
(
しつか
)
りするがよい
183
アイタヽタツタ
躓
(
つまづ
)
いた
184
厄介
(
やくかい
)
至極
(
しごく
)
の
坂道
(
さかみち
)
だ
185
うかうかしとれば
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
186
命
(
いのち
)
も
取
(
と
)
られて
仕舞
(
しま
)
ふぞよ
187
こんなところで
斃
(
くた
)
ばつて
188
どうして
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
へ
189
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ひ
訳
(
わけ
)
立
(
た
)
つものか
190
「ウントコドツコイ コレワイナ」
191
又々
(
またまた
)
きつい
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
く
192
頭
(
あたま
)
の
先
(
さき
)
から
爪
(
つめ
)
の
先
(
さき
)
193
腰
(
こし
)
の
廻
(
まは
)
りに
気
(
き
)
をつけて
194
一歩
(
ひとあし
)
々々
(
ひとあし
)
力
(
ちから
)
籠
(
こ
)
め
195
「ウントコドツコイ」
此
(
この
)
坂
(
さか
)
を
196
エンヤラヤツと
下
(
くだ
)
らうか
197
黄金姫
(
わうごんひめ
)
や
清照姫
(
きよてるひめ
)
の
198
貴
(
うづ
)
の
司
(
つかさ
)
は
此
(
この
)
坂
(
さか
)
を
199
どうして
下
(
くだ
)
つて
往
(
ゆ
)
かれたか
200
その
御
(
ご
)
艱難
(
かんなん
)
こそ
思
(
おも
)
ひやる
201
照国別
(
てるくにわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
202
三人
(
みたり
)
の
供
(
とも
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
203
此所
(
ここ
)
を
通
(
とほ
)
らせたまうたに
204
違
(
ちが
)
ひあるまい「ウントコシヨ」
205
キツト
功名
(
こうみやう
)
お
手柄
(
てがら
)
を
206
七千
(
しちせん
)
余国
(
よこく
)
の
国々
(
くにぐに
)
で
207
お
立
(
た
)
てなさるで
厶
(
ござ
)
らうぞ
208
何程
(
なにほど
)
大将
(
たいしやう
)
が
偉
(
えら
)
うても
209
附
(
つ
)
き
添
(
そ
)
ふ
奴
(
やつ
)
が
悪
(
わる
)
ければ
210
力
(
ちから
)
一
(
いつ
)
ぱい
動
(
うご
)
けない
211
純公
(
すみこう
)
さまの
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が
212
お
前
(
まへ
)
のお
気
(
き
)
に
触
(
さは
)
つたら
213
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ
聞直
(
ききなほ
)
せ
214
決
(
けつ
)
して
決
(
けつ
)
して
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
は
215
「ウントコドツコイ」
云
(
い
)
はぬぞよ』
216
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
217
八分
(
はちぶ
)
許
(
ばか
)
り
毀
(
こは
)
れた
祠
(
ほこら
)
の
前
(
まへ
)
に
下
(
くだ
)
りついた。
218
玉国別
(
たまくにわけ
)
『お
蔭
(
かげ
)
で
目
(
め
)
の
痛
(
いた
)
みも
余程
(
よほど
)
軽減
(
けいげん
)
したが
何
(
なん
)
だか
些
(
すこ
)
し
許
(
ばか
)
り
頭
(
あたま
)
がメキメキして
来
(
き
)
た。
219
幸
(
さいは
)
ひ
此処
(
ここ
)
に
広場
(
ひろば
)
があり、
220
毀
(
こぼ
)
れた
祠
(
ほこら
)
が
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る、
221
何神
(
なにがみ
)
様
(
さま
)
がお
祭
(
まつ
)
りしてあるか
知
(
し
)
らぬが、
222
此処
(
ここ
)
で
一息
(
ひといき
)
して
往
(
ゆ
)
かうぢやないか』
223
道公
(
みちこう
)
『ハイ、
224
それが
宜敷
(
よろし
)
う
厶
(
ござ
)
いませう、
225
貴方
(
あなた
)
は
御
(
ご
)
病症
(
びやうしやう
)
の
御
(
おん
)
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
、
226
無理
(
むり
)
をなさつてはいけませぬ。
227
今日
(
けふ
)
計
(
ばか
)
りでない
明日
(
あす
)
も
明後日
(
あさつて
)
もあるのですから、
228
緩
(
ゆる
)
りと
御
(
ご
)
休息
(
きうそく
)
なさいませ。
229
道公
(
みちこう
)
も
大変
(
たいへん
)
疲
(
つか
)
れましたからおつきあひを
致
(
いた
)
しませう』
230
玉国別
(
たまくにわけ
)
は
諾
(
うなづ
)
き
乍
(
なが
)
ら
蓑
(
みの
)
を
大地
(
だいち
)
にパツと
敷
(
し
)
いて
其
(
その
)
上
(
うへ
)
にドツカと
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
し、
231
古祠
(
ふるほこら
)
の
前
(
まへ
)
に
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せ、
232
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
初
(
はじ
)
めた。
233
三
(
さん
)
人
(
にん
)
も
同
(
おな
)
じく
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
する。
234
玉国別
(
たまくにわけ
)
『
何神
(
なにがみ
)
を
祭
(
まつ
)
りし
祠
(
ほこら
)
かしらねども
235
いたいたしくもなりましにける。
236
よし
宮
(
みや
)
は
毀
(
こは
)
れたりとも
神実
(
かむざね
)
は
237
常磐
(
ときは
)
堅磐
(
かきは
)
に
鎮
(
しづ
)
まりまさむ。
238
国治立
(
くにはるたちの
)
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
も
時
(
とき
)
を
得
(
え
)
ず
239
根底
(
ねそこ
)
の
国
(
くに
)
に
隠
(
かく
)
れましぬる。
240
あゝ
吾
(
われ
)
は
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
蒙
(
かかぶ
)
りて
241
此
(
この
)
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
勇
(
いさ
)
み
居
(
を
)
るかな。
242
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
国
(
くに
)
に
生
(
うま
)
れて
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
243
斎
(
いつ
)
かぬ
奴
(
やつ
)
ぞ
醜
(
しこ
)
の
曲津見
(
まがつみ
)
。
244
この
社
(
やしろ
)
見
(
み
)
るにつけても
思
(
おも
)
ふかな
245
天
(
あま
)
の
日澄
(
ひす
)
みの
宮
(
みや
)
は
如何
(
いか
)
にと。
246
エルサレム
昔
(
むかし
)
の
姿
(
すがた
)
消
(
き
)
え
果
(
は
)
てて
247
今
(
いま
)
は
淋
(
さび
)
しき
凩
(
こがらし
)
の
吹
(
ふ
)
く。
248
惟神
(
かむながら
)
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あ
)
れまして
249
世
(
よ
)
を
治
(
をさ
)
めます
時
(
とき
)
ぞ
待
(
ま
)
たるる。
250
吾
(
わが
)
思
(
おも
)
ふ
心
(
こころ
)
の
儘
(
まま
)
になるならば
251
千木高
(
ちぎたか
)
知
(
し
)
れる
宮居
(
みやゐ
)
を
建
(
た
)
てむ。
252
たてとほす
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
の
強
(
つよ
)
ければ
253
珍
(
うづ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
もやがて
建
(
た
)
つべし。
254
伏
(
ふ
)
し
拝
(
をが
)
む
祠
(
ほこら
)
の
前
(
まへ
)
に
涙
(
なみだ
)
して
255
我
(
わが
)
大神
(
おほかみ
)
の
行方
(
ゆくへ
)
しのばゆ。
256
世
(
よ
)
をしのび
人草
(
ひとぐさ
)
を
救
(
すく
)
ふ
素盞嗚
(
すさのを
)
の
257
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
ぞ
尊
(
たふと
)
かりけり。
258
自凝
(
おのころ
)
の
島
(
しま
)
にまします
国武彦
(
くにたけひこ
)
の
259
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
慕
(
した
)
はしきかな。
260
玉照彦
(
たまてるひこ
)
貴
(
うづ
)
の
命
(
みこと
)
や
玉照姫
(
たまてるひめ
)
261
如何
(
いかが
)
まさむと
空
(
そら
)
を
仰
(
あふ
)
ぎつ』
262
道公
(
みちこう
)
『
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
進
(
すす
)
む
身
(
み
)
は
263
やがて
届
(
とど
)
かむ
勝利
(
しようり
)
の
都
(
みやこ
)
へ。
264
瑞御魂
(
みづみたま
)
厳
(
いづ
)
の
御魂
(
みたま
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
265
三五教
(
あななひけう
)
を
築
(
きづ
)
きましけり。
266
三五
(
あななひ
)
の
道
(
みち
)
に
仕
(
つか
)
へし
吾
(
われ
)
なれば
267
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
の
如何
(
いか
)
で
襲
(
おそ
)
はむ。
268
惟神
(
かむながら
)
神
(
かみ
)
より
外
(
ほか
)
に
何
(
なに
)
もなし
269
親
(
おや
)
も
子
(
こ
)
もなき
吾
(
わが
)
身
(
み
)
なりせば』
270
伊太公
(
いたこう
)
『
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
に
従
(
したが
)
ひて
271
神
(
かみ
)
の
大路
(
おほぢ
)
の
坂
(
さか
)
歩
(
あゆ
)
むなり。
272
此
(
この
)
祠
(
ほこら
)
如何
(
いか
)
なる
神
(
かみ
)
のましますか
273
知
(
し
)
らずながらも
祈
(
いの
)
りたくなりぬ。
274
いろいろと
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
名
(
な
)
はかはれども
275
国治立
(
くにはるたち
)
のみすゑなるらむ。
276
皇神
(
すめかみ
)
よ
行先
(
ゆくさき
)
幸
(
さき
)
く
守
(
まも
)
りませ
277
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
の
御
(
おん
)
身
(
み
)
はことさら。
278
行
(
ゆ
)
く
先
(
さき
)
に
如何
(
いか
)
なる
曲
(
まが
)
のさやるとも
279
神
(
かみ
)
の
息吹
(
いぶき
)
に
払
(
はら
)
はせたまへ』
280
純公
(
すみこう
)
『
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
の
月
(
つき
)
の
清
(
きよ
)
ければ
281
如何
(
いか
)
なる
曲
(
まが
)
もさやらざらまし。
282
三五
(
あななひ
)
の
月
(
つき
)
の
教
(
をしへ
)
を
守
(
まも
)
りつつ
283
月
(
つき
)
の
御国
(
みくに
)
へ
吾
(
われ
)
進
(
すす
)
むなり。
284
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
ハルナの
都
(
みやこ
)
に
蟠
(
わだかま
)
る
285
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
を
如何
(
いか
)
に
救
(
すく
)
はむ。
286
曲神
(
まがかみ
)
も
皆
(
みな
)
皇神
(
すめかみ
)
の
御子
(
みこ
)
ならば
287
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
如何
(
いか
)
で
憎
(
にく
)
むべしやは』
288
玉国別
(
たまくにわけ
)
『
玉国別
(
たまくにわけ
)
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
は
今日
(
けふ
)
よりは
289
神
(
かみ
)
のまにまに
進
(
すす
)
み
往
(
ゆ
)
くべし。
290
斎苑
(
いそ
)
館
(
やかた
)
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
を
蒙
(
かかぶ
)
りて
291
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
大道
(
おほぢ
)
ゆくなり。
292
河鹿山
(
かじかやま
)
峰
(
みね
)
の
嵐
(
あらし
)
は
強
(
つよ
)
くとも
293
如何
(
いか
)
で
恐
(
おそ
)
れむ
神
(
かみ
)
の
兵士
(
つはもの
)
。
294
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
に
煽
(
あふ
)
られながら
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
295
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
ぞ
雄々
(
をを
)
しかりけり。
296
バラモンの
軍
(
いくさ
)
の
司
(
つかさ
)
行
(
ゆ
)
く
先
(
さき
)
に
297
攻
(
せ
)
め
来
(
きた
)
るとも
刃向
(
はむか
)
ふなゆめ。
298
さり
乍
(
なが
)
ら
千騎
(
せんき
)
一騎
(
いつき
)
の
時
(
とき
)
来
(
く
)
れば
299
神
(
かみ
)
のゆるしを
受
(
う
)
けて
動
(
うご
)
かむ。
300
動
(
うご
)
きなき
玉
(
たま
)
の
御柱
(
みはしら
)
撞固
(
つきかた
)
め
301
愛善
(
あいぜん
)
の
道
(
みち
)
伝
(
つた
)
へ
行
(
ゆ
)
くなり』
302
道公
(
みちこう
)
『
皇神
(
すめかみ
)
の
道
(
みち
)
にさやりし
曲神
(
まがかみ
)
を
303
言向
(
ことむ
)
け
進
(
すす
)
む
身
(
み
)
の
幸
(
さち
)
楽
(
たの
)
しも。
304
此
(
この
)
森
(
もり
)
の
千歳
(
ちとせ
)
の
松
(
まつ
)
に
言
(
こと
)
とはむ
305
国治立
(
くにはるたち
)
の
神
(
かみ
)
の
昔
(
むかし
)
を。
306
此
(
この
)
森
(
もり
)
の
千歳
(
ちとせ
)
の
松
(
まつ
)
の
物
(
もの
)
言
(
い
)
はば
307
神代
(
かみよ
)
の
昔
(
むかし
)
聞
(
き
)
かましものを。
308
過
(
す
)
ぎ
去
(
さ
)
りし
昔
(
むかし
)
の
夢
(
ゆめ
)
を
辿
(
たど
)
りつつ
309
夢
(
ゆめ
)
の
浮世
(
うきよ
)
に
長
(
なが
)
らへてゆく。
310
現世
(
うつしよ
)
も
又
(
また
)
幽世
(
かくりよ
)
も
神
(
かみ
)
の
世
(
よ
)
も
311
すべ
守
(
まも
)
ります
国
(
くに
)
の
祖神
(
おやがみ
)
。
312
三五
(
あななひ
)
の
道
(
みち
)
を
立
(
た
)
てたる
神柱
(
かむばしら
)
313
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
尊
(
みこと
)
畏
(
かしこ
)
き。
314
素盞嗚
(
すさのを
)
の
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
にかなひなば
315
如何
(
いか
)
なる
曲
(
まが
)
も
背
(
そむ
)
かざるらむ。
316
吾
(
われ
)
は
今
(
いま
)
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
守
(
まも
)
られて
317
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
に
従
(
したが
)
ひ
宣伝
(
せんでん
)
の
旅
(
たび
)
行
(
ゆ
)
く。
318
ゆく
先
(
さき
)
は
空
(
そら
)
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
る
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
319
ハルナの
都
(
みやこ
)
と
聞
(
き
)
くは
勇
(
いさ
)
まし』
320
伊太公
(
いたこう
)
『
暫
(
しばら
)
くは
嵐
(
あらし
)
吹
(
ふ
)
けどもやがて
又
(
また
)
321
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
春
(
はる
)
に
遇
(
あ
)
はむと
楽
(
たの
)
しむ。
322
山々
(
やまやま
)
の
諸木
(
もろき
)
の
末
(
すゑ
)
に
至
(
いた
)
るまで
323
冬
(
ふゆ
)
ごもりして
時
(
とき
)
をまつなり。
324
田鶴
(
たづ
)
巣
(
すく
)
ふ
此
(
こ
)
の
松ケ枝
(
まつがえ
)
は
夏冬
(
なつふゆ
)
の
325
わかちも
知
(
し
)
らに
栄
(
さか
)
えけるかも。
326
鶯
(
うぐひす
)
の
谷
(
たに
)
の
戸
(
と
)
あけて
出
(
で
)
る
春
(
はる
)
を
327
まつも
嬉
(
うれ
)
しき
宣伝
(
せんでん
)
の
旅
(
たび
)
。
328
杜鵑
(
ほととぎす
)
八千八
(
はつせんや
)
声
(
こゑ
)
を
鳴
(
な
)
き
涸
(
か
)
らし
329
黄金
(
こがね
)
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
秋
(
とき
)
をまちぬる。
330
冬
(
ふゆ
)
来
(
き
)
ぬと
目
(
め
)
にはさやかに
見
(
み
)
えねども
331
空
(
そら
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
にそれと
偲
(
しの
)
ばる。
332
此
(
この
)
森
(
もり
)
に
常磐
(
ときは
)
堅磐
(
かきは
)
に
在
(
いま
)
す
神
(
かみ
)
333
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
永久
(
とは
)
に
守
(
まも
)
らせ
給
(
たま
)
へ』
334
純公
(
すみこう
)
『
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
る
秋
(
あき
)
の
大空
(
おほぞら
)
眺
(
なが
)
むれば
335
忽
(
たちま
)
ち
起
(
おこ
)
る
醜
(
しこ
)
の
黒雲
(
くろくも
)
。
336
時雨
(
しぐれ
)
して
晴
(
は
)
れ
往
(
ゆ
)
く
後
(
あと
)
に
初冬
(
はつふゆ
)
の
337
月
(
つき
)
は
御空
(
みそら
)
に
輝
(
かがや
)
きにけり。
338
日
(
ひ
)
は
既
(
すで
)
に
西山
(
にしやま
)
の
端
(
は
)
に
舂
(
うすづ
)
きて
339
うら
淋
(
さび
)
しくもなりにけらしな。
340
さりながら
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
にかへりなば
341
夜昼
(
よるひる
)
しらに
賑
(
にぎは
)
しと
思
(
おも
)
ふ。
342
いざさらば
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
よ
立
(
た
)
ち
給
(
たま
)
へ
343
やがては
広
(
ひろ
)
き
道
(
みち
)
に
出
(
い
)
でまさむ』
344
玉国別
(
たまくにわけ
)
『
有難
(
ありがた
)
し
眼
(
まなこ
)
の
痛
(
いた
)
み
今
(
いま
)
は
早
(
はや
)
345
うち
忘
(
わす
)
れたり
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みに。
346
いざさらば
三人
(
みたり
)
の
供
(
とも
)
よ
神
(
かみ
)
の
前
(
まへ
)
に
347
祝詞
(
のりと
)
捧
(
ささ
)
げて
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
で
往
(
ゆ
)
かむ。
348
有
(
あ
)
り
難
(
がた
)
し
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
349
息
(
いき
)
やすめたる
恵
(
めぐみ
)
を
嬉
(
うれ
)
しむ。
350
御恵
(
みめぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
は
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
末
(
すゑ
)
までも
351
きらめき
渡
(
わた
)
る
月
(
つき
)
の
夜半
(
よは
)
なり。
352
望
(
もち
)
の
夜
(
よ
)
の
月
(
つき
)
は
御空
(
みそら
)
に
出
(
い
)
でましぬ
353
山蔭
(
やまかげ
)
あかくなりしと
思
(
おも
)
へば』
354
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り
祠
(
ほこら
)
の
神
(
かみ
)
に
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げ、
355
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でむとする
時
(
とき
)
しもあれ、
356
前方
(
ぜんぱう
)
より
駒
(
こま
)
の
蹄
(
ひづめ
)
の
音
(
おと
)
騒々
(
さうざう
)
しく
聞
(
きこ
)
え
数百騎
(
すうひやくき
)
の
兵士
(
つはもの
)
時々
(
じじ
)
刻々
(
こくこく
)
此方
(
こなた
)
をさして
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
る。
357
玉国別
(
たまくにわけ
)
外
(
ほか
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
此
(
この
)
物音
(
ものおと
)
に
耳
(
みみ
)
をすませ
何者
(
なにもの
)
ならむと
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
み
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
358
今
(
いま
)
の
物音
(
ものおと
)
は
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
部下
(
ぶか
)
鬼春別
(
おにはるわけ
)
将軍
(
しやうぐん
)
の
先鋒隊
(
せんぽうたい
)
が
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
に
向
(
むか
)
つて
進軍
(
しんぐん
)
し
来
(
きた
)
るのである。
359
あゝ
玉国別
(
たまくにわけ
)
一行
(
いつかう
)
の
運命
(
うんめい
)
は
如何
(
いか
)
に
成
(
な
)
り
行
(
ゆ
)
くならむか。
360
(
大正一一・一一・二六
旧一〇・八
加藤明子
録)
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