霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 双遇(さうぐう)〔一一六三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第43巻 舎身活躍 午の巻 篇:第3篇 河鹿の霊嵐 よみ(新仮名遣い):かじかのれいらん
章:第12章 双遇 よみ(新仮名遣い):そうぐう 通し章番号:1163
口述日:1922(大正11)年11月27日(旧10月9日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年7月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-01-08 22:54:36 OBC :rm4312
愛善世界社版:182頁 八幡書店版:第8輯 95頁 修補版: 校定版:192頁 普及版:78頁 初版: ページ備考:
001 晴公(はるこう)夜道(よみち)(くだ)りながら、002(さる)人真似(ひとまね)気分(きぶん)(うた)ひだした。
003晴公(ひる)さへ嶮岨(けんそ)山道(やまみち)
004ドンドンドンと(くだ)りゆく
005こりや(また)(なん)とした(こと)
006ウントコドツコイ ヤツトコシヨ
007(これ)矢張(やつぱり)(つき)さまの
008(われ)()()らしたまふ()
009どうしても月日(つきひ)()(なか)
010なければドツコイをさまらぬ
011月日(つきひ)(こま)()(ごと)
012早暮(はやく)れかかる(よる)(みち)
013ヒンヒンヒンと遠近(をちこち)
014(うま)(いなな)(きこ)()
015バラモン(けう)奴原(やつばら)
016()()()いたお(うま)さま
017(こゑ)まで貧相(ひんさう)(やつ)ぢやなア
018(ひん)すりや(どん)すと()(こと)
019(おれ)(まへ)から()いて()
020ヒンヒン()える痩馬(やせうま)
021(どん)(をとこ)()つて()
022河鹿(かじか)(たうげ)峻坂(しゆんぱん)
023一泡(ひとあわ)()いて()げかかる
024その為体(ていたらく)()るにつけ
025愛想(あいさう)()きてウントコシヨ
026早速(さつそく)(くち)(ふさ)がらぬ
027片彦(かたひこ)久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)
028余程(よつぽど)(よわ)いやつぢやなア
029(ただ)(いち)(にん)(はる)さまの
030生言霊(いくことたま)()(おそ)
031全体(ぜんたい)(のこ)らず総崩(そうくづ)
032バラバラバラと坂道(さかみち)
033小石(こいし)()ちあけたその(ごと)
034味方(みかた)()()()()えて
035(いのち)からがら()()せぬ
036よい腰脱(こしぬ)けもあるものぢや
037大黒主(おほくろぬし)がウントコシヨ
038何程(なにほど)軍勢(ぐんぜい)()つとても
039あれ(ほど)(よわ)代者(しろもの)
040ウントコドツコイ ヤツトコシヨ
041()れて道中(だうちう)がなるものか
042足手(あして)(まと)ひにドツコイシヨ
043なる(やつ)ばかり、エンヤラヤ
044三千(さんぜん)世界(せかい)穀潰(ごくつぶ)
045(こめ)(たか)うなつたのも
046ガラクタ(ども)沢山(たくさん)
047ウヨウヨして()るその(ため)
048この調子(てうし)ではどうしても
049食料(しよくれう)問題(もんだい)ドツコイシヨ
050()(あが)らねば(をさ)まらぬ
051(かげ)(つき)(かく)したる
052(くも)(ころも)がぬげたよだ
053(みち)(にはか)(しろ)みえる
054(この)足形(あしがた)(なん)だらう
055痩馬(やせうま)(ども)爪先(つまさき)
056(かた)()ちたる蹄鉄(ていてつ)
057半月形(はんげつけい)沢山(たくさん)
058あちらこちらに()ちて()
059あゝ面白(おもしろ)面白(おもしろ)
060(かみ)御稜威(みいづ)()らされて
061(とら)(おほかみ)()えたける
062(うはさ)(たか)(この)(やま)
063()もなく(すす)吾々(われわれ)
064ウントコドツコイ天下一(てんかいち)
065古今(ここん)無双(むさう)豪傑(がうけつ)
066治国別(はるくにわけ)宣伝使(せんでんし)
067(さぞ)得意(とくい)(ござ)いませう
068(わたし)のやうなよい弟子(でし)
069よくマア(さが)()てたもの
070何程(なにほど)世界(せかい)(さが)しても
071二人(ふたり)(けつ)してありませぬ
072オツトドツコイ ドツコイシヨ
073()らず()らずに慢心(まんしん)
074(おに)()(つの)()りたてて
075つまらぬ(こと)をドツコイシヨ
076晴公(はるこう)(くち)から(ほざ)きよつた
077あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
078(たふと)(かみ)のお(まも)りに
079稜威(いづ)宮居(みやゐ)(この)(からだ)
080悪魔(あくま)(おそ)(こと)もなく
081いとすくすくと(かみ)(みち)
082(すす)ませ(たま)天地(あめつち)
083(たふと)(かみ)(おん)(まへ)
084(こころ)()るる晴公(はるこう)
085(かしこ)(かしこ)()ぎまつる
086あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
087御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ』
088 五三公(いそこう)(また)(うた)()したり。
089五三公朝日(あさひ)(かがや)(つき)()
090斎苑(いそ)(やかた)神風(かみかぜ)
091()かれて(すす)吾々(われわれ)
092治国別(はるくにわけ)(したが)ひて
093河鹿(かじか)(たうげ)頂上(ちやうじやう)
094(また)もや(かぜ)にドツコイシヨ
095()きまくられて()(なや)
096あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
097(かみ)(われ)()をウントコシヨ
098()てさせたまはず直々(すくすく)
099さしも難所(なんしよ)坂道(さかみち)
100(こころ)(たひら)(やす)らかに
101(わた)らせたまひし有難(ありがた)
102バラモン(けう)神司(かむづかさ)
103片彦(かたひこ)久米彦(くめひこ)両人(りやうにん)
104数多(あまた)兵士(へいし)引率(いんそつ)
105(われ)()一行(いつかう)のウントコシヨ
106(かれ)()()つと()らずして
107(こま)(むちう)ちエイエイと
108()(なや)みたる(さか)(みち)
109(のぼ)(きた)るぞをかしけれ
110治国別(はるくにわけ)()(ゆる)しを
111()けて万公(まんこう)()(いだ)
112胸突坂(むなつきざか)大手(おほて)をば
113(ひろ)げて(たちま)仁王立(にわうだ)
114似合(にあ)ふか()あはぬか()らないが
115言霊(ことたま)機関(きくわん)閉塞(へいそく)
116眼玉(めだま)をキヨロキヨロ()きだして
117絶句(ぜつく)したるぞをかしけれ
118ウントコドツコイ ドツコイシヨ
119又々(またまた)(つき)黒雲(くろくも)
120すつかりかかつて()たやうだ
121(わが)()(きみ)(みな)さまよ
122足許(あしもと)()をつけ(くだ)りませ
123(ほこら)(もり)(ちか)づいた
124懐谷(ふところだに)右手(めて)()
125(ましら)(こゑ)()きながら
126(こころ)いそいそ(すす)()
127(われ)天下(てんか)宣伝使(せんでんし)
128とは()ふもののドツコイシヨ
129(おほ)きな(こゑ)では()はれない
130やつとの(こと)候補生(こうほせい)
131まだぬくぬくの(おれ)(たち)
132ウントコドツコイ ドツコイシヨ
133又々(またまた)(つき)(あら)はれた
134矢張(やつぱり)(おれ)()はドツコイシヨ
135ドツコイドツコイ ヤツトコシヨ
136武運(ぶうん)(つよ)いに(ちが)ひない
137五三公(いそこう)五三公(いそこう)沢山(たくさん)
138万公(まんこう)さまが仰有(おつしや)るが
139この五三公(いそこう)があればこそ
140前代(ぜんだい)未聞(みもん)面白(おもしろ)
141山路(やまぢ)(たび)出来(でき)るのだ
142アイタヽヽタツタ(つまづ)いた
143あんまり(しや)べつて足許(あしもと)
144留守(るす)になつたと()えるわい
145(さか)(くだ)るに第一(だいいち)
146注意(ちゆうい)(えう)する(あし)(さき)
147(くち)()ぎるとウントコシヨ
148(わが)()(きみ)にウントコシヨ
149沈黙(ちんもく)(まも)れと(しか)られる
150ほんとにきつい坂路(さかみち)
151(そら)(つき)(かがや)きて
152(わが)(むね)さへも()(わた)
153()()(かぜ)(なん)のその
154(ちつと)(こころ)にかからない
155あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
156(かみ)(めぐみ)今更(いまさら)
157(つつし)感謝(かんしや)(たてまつ)
158朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
159(つき)黒雲(くろくも)(かく)るとも
160(とら)(おほかみ)()ゆる()
161悪魔(あくま)征討(せいたう)旅立(たびだ)ちは
162金輪(こんりん)奈落(ならく)やめられぬ
163こんな愉快(ゆくわい)(こと)あろか
164あゝ面白(おもしろ)面白(おもしろ)
165アイタタツタツタまた()けた
166ドテライお(しり)(だい)なしに
167ウンと()(ほど)()ちました
168こりやこりや晴公(はるこう)万公(まんこう)
169(しばら)()つて()れぬかい
170(あし)(あや)しくなつて()
171折角(せつかく)此処(ここ)まで()いて()
172(とも)見捨(みす)ててスタスタと
173(すす)()くとは(なん)(こと)
174友達(ともだち)甲斐(がひ)のない(をとこ)
175そんな薄情(はくじやう)(こと)すると
176(この)()()つて幽界(いうかい)
177()ちた(その)(とき)ドツコイシヨ
178かういふもののアイタタツタ
179アイタタツタツタ(いた)いわいな
180地獄(ぢごく)(おに)()がやつて()
181八万(はちまん)地獄(ぢごく)突落(つきおと)
182きつと成敗(せいばい)するだらう
183後生(ごしやう)(ため)(おも)ふなら
184(おれ)(たす)けて()くがよい
185(けつ)して(おれ)(ため)ぢやない
186(まへ)来世(らいせ)にウントコシヨ
187善因(ぜんいん)善果(ぜんくわ)(よろこ)びを
188(ひと)にも()けずまる(もら)
189(その)種蒔(たねま)きぢやドツコイシヨ
190(おれ)同情(どうじやう)して()れよ
191あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
192(かみ)大地(おほぢ)にありながら
193仁義(じんぎ)をしらぬ万公(まんこう)
194晴公(はるこう)さまのすげなさよ
195これこれモーシ宣伝使(せんでんし)
196二人(ふたり)(しか)つて(くだ)しやんせ
197(かみ)かけ(ねん)(たてまつ)る』
198 万公(まんこう)()()まり、199(こし)(かが)めて(くだ)りゆく五三公(いそこう)(なが)め、
200万公『チエ、201(なん)だい、202肝腎要(かんじんかなめ)(とき)(くたば)りやがつて一体(いつたい)(その)腰付(こしつき)はどうしたのだい、203まるで二重腰(にぢゆうごし)ぢやないか』
204五三公(いそこう)『さうだから、205最前(さいぜん)から()つて()れと()つたぢやないか、206どうやら(こし)(ほね)(はづ)れたやうだ。207一寸(ちよつと)()()れないか』
208万公(まんこう)馬鹿(ばか)()へ、209(こし)(はづ)れたものが一足(ひとあし)だつて(ある)けるかい。210大方(おほかた)大腿骨(だいたいこつ)岩角(いはかど)()つたのだらう。211エヽ厄介者(やつかいもの)だなア。212グヅグヅして()ると宣伝使(せんでんし)(さま)(おく)れて仕舞(しま)ふ。213(しか)(これ)()りかけた(ふね)だ、214サア(なほ)してやらう』
215()ひながら、216平手(ひらて)()()五三公(いそこう)(こし)のあたりをピシヤピシヤと()つた。
217五三公(いそこう)『アイタタツタ、218これで(いき)(らく)になつた。219ヤア有難(ありがた)う、220()つべきものは矢張(やつぱり)親友(しんいう)だ』
221万公(まんこう)『サア(はや)()かう。222とうとう先生(せんせい)(かげ)()えなくなつて(しま)つた。223いそげ いそげ』
224五三公(いそこう)は、225『よし()た。226駆歩(かけあし)々々(かけあし)』と()(なが)万公(まんこう)(あと)について(けは)しき坂路(さかみち)(くだ)()く。
227
228 (はなし)(もと)(もど)る。229玉国別(たまくにわけ)230道公(みちこう)231純公(すみこう)(さん)(にん)は、232伊太公(いたこう)行方(ゆくへ)不明(ふめい)となつたのを()(あん)(なが)ら、233(いま)治国別(はるくにわけ)言霊(ことたま)()たれて(かへ)()るべき(てき)を、234言向和(ことむけやは)さむと、235手具脛(てぐすね)ひいて()つて()た。
236純公(すみこう)随分(ずゐぶん)道公(みちこう)(めう)(ゆめ)()たものだなア。237矢張(やつぱり)常平生(つねへいぜい)から、238仕様(しやう)もない(こと)(かんが)へて()るから、239(ばく)()はないやうな、240()(たい)(ゆめ)()よつたのだ。241本当(ほんたう)(これ)(おも)へばお(まへ)身魂(みたま)開闢(かいびやく)以来(いらい)デレさまと()えるのう、242ウフヽヽヽ』
243道公(みちこう)(おれ)(たち)(ゆめ)()づザツトあのやうな華々(はなばな)しいものだ。244(まへ)(たち)()(ゆめ)は、245鬼婆(おにばば)()ひかけられたり、246()(そこ)なつて糞壺(くそつぼ)()()んだ(ぐらゐ)なものだ。247(ゆめ)だつて(あま)馬鹿(ばか)にならぬぞ。248(ゆめ)浮世(うきよ)だから、249何時(いつ)かはそれが現実(げんじつ)になるのだ。250前途(ぜんと)多望(たばう)良青年(りやうせいねん)だからなア』
251純公(すみこう)良青年(りやうせいねん)がそんな(いや)らしい(ゆめ)()るものか、252ジヤラジヤラとした……先生(せんせい)(さま)(まへ)だぞ、253不謹慎(ふきんしん)にも(ほど)があるわ。254ナア先生(せんせい)255本当(ほんたう)可笑(をか)しいやつですね。256あまりの(こと)(へそ)転宅(てんたく)しかけましたよ』
257 玉国別(たまくにわけ)()(おさ)へながら、258いとも冷然(れいぜん)として『ウフヽヽヽ』と(しづ)かに(わら)つて()る。259この(とき)(さか)彼方(かなた)より騒々(さうざう)しき物音(ものおと)(きこ)えて()た。260()るまに(くら)をおいた荒馬(あれうま)七八頭(しちはつとう)速力(そくりよく)()して(ほこら)(まへ)()げて()く。
261道公(みちこう)『ヤア面白(おもしろ)面白(おもしろ)い、262いよいよ出会(でつくは)したな。263落花(らくくわ)狼藉(らうぜき)264(うま)(まで)(おどろ)いて敗走(はいそう)()えるわい。265(やが)落武者(おちむしや)(ども)がやつて()るだらう、266サアこれから(ひと)捻鉢巻(ねじはちまき)だ。267生言霊(いくことたま)連発銃(れんぱつじう)だ、268オイ純公(すみこう)269(しつか)(たの)むぞ』
270捻鉢巻(ねじはちまき)をしながらお相撲(すもう)さまのやうにトントンと四股踏(しこふ)んで雄猛(をたけ)びして()る。
271 かかる(ところ)死物狂(しにものぐるひ)となつた数十(すうじふ)(にん)(てき)(ほこら)(もり)にて残党(ざんたう)(あつ)めむとやつて()た。272玉国別(たまくにわけ)一行(いつかう)姿(すがた)()片彦(かたひこ)(こゑ)(いか)らせ、
273片彦(かたひこ)『ヤア(その)(はう)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)274いい(ところ)出会(であ)つた。275貴様(きさま)家来(けらい)生擒(いけどり)(いた)して、276()れて(かへ)つたのも()らず、277のめのめとよう()()やがつた。278サア貴様(きさま)三五教(あななひけう)片割(かたわ)れ、279江戸(えど)(かたき)長崎(ながさき)かも()らぬが(はら)いせにやつてやらう。280オイ(もの)(ども)281此奴(こいつ)()(やり)()(さき)(そろ)へて()(かか)れ』
282(きび)しく号令(がうれい)して()る。283数人(すうにん)(てき)(さん)(にん)目蒐(めが)けて猛虎(まうこ)(いきほひ)(すさま)じく()いて(かか)る。284(さん)(にん)不意(ふい)(くら)つて手早(てばや)()をかはし(ほこら)(たて)にとつて(ふせ)(たたか)はむとする。285されども大将(たいしやう)玉国別(たまくにわけ)()(いた)め、286激烈(げきれつ)なる頭痛(づつう)(なや)んで()る。287如何(いか)(ゆう)ありとて無茶(むちや)()()(てき)には無茶(むちや)()かねばならず、288(てき)()(あま)大軍(たいぐん)289あはや(さん)(にん)(いのち)風前(ふうぜん)灯火(ともしび)()危機(きき)一髪(いつぱつ)(さい)(にはか)(きこ)ゆる獅子(しし)(うな)(ごゑ)山岳(さんがく)(くづ)るる(ばか)りであつた。290(この)(こゑ)(てき)(ふる)(をのの)(おも)はず()らず大地(だいち)(みみ)(おし)つけて(しやが)んで(しま)つた。291()れば巨大(きよだい)なる獅子(しし)時置師(ときおかしの)(かみ)(またが)つて()る。292玉国別(たまくにわけ)はこれを()(おも)はず()らず両手(りやうて)(あは)せ、
293玉国別木花(このはな)咲耶姫(さくやひめの)(みこと)(さま)294()(がた)(ござ)います』
295感謝(かんしや)(なみだ)(むせ)ぶ。296獅子(しし)()つた時置師(ときおかしの)(かみ)もの()はず(けは)しき(やま)()(のぼ)何処(いづく)ともなく姿(すがた)(かく)した。
297 坂道(さかみち)彼方(かなた)より(さかん)宣伝歌(せんでんか)(きこ)えて()た。298一旦(いつたん)大地(だいち)(しやが)んだ(てき)はムクムクと()(あが)り、299(さき)(あらそ)ひバラバラと人馬(じんば)諸共(もろとも)300(くだ)(ざか)目蒐(めが)けて一人(ひとり)(のこ)らず()げて()く。
301道公(みちこう)『ハヽヽヽヽ、302()神力(しんりき)()ふものは(えら)いものだなア、303三五教(あななひけう)には立派(りつぱ)生神(いきがみ)(さま)()守護(しゆご)していらつしやるからうまいものだ。304モシ先生(せんせい)(さま)305結構(けつこう)ぢや(ござ)いませぬか、306虎口(ここう)(のが)れるとは(この)(こと)(ござ)いませう』
307玉国別(たまくにわけ)『ウン、308(じつ)有難(ありがた)(こと)ぢや。309(しか)(いま)(きこ)える宣伝歌(せんでんか)(こゑ)(まさ)しく治国別(はるくにわけ)(さま)ぢや、310出迎(でむか)へするがよからうぞ』
311道公(みちこう)『ナニ、312治国別(はるくにわけ)さまですか、313ヤそいつは有難(ありがた)い、314よい(ところ)()(くだ)さつた。315如何(いか)にも先生(せんせい)仰有(おつしや)つた(とほ)一分(いちぶ)一厘(いちりん)間違(まちが)ひは(ござ)いませぬねえ。316いやもう感心(かんしん)(いた)しました。317オイ純公(すみこう)(なに)をキヨロキヨロして()るのだ、318(はや)くお(むか)への用意(ようい)をせぬかい。319エ、320辛気(しんき)(くさ)(やつ)ぢや』
321純公(すみこう)(あま)有難(ありがた)いのと(うれ)しいのとで、322どうしてよいか(わか)りやしないわ。323こりや道公(みちこう)(ゆめ)ぢやあるまいかな。324(いま)(まへ)(ゆめ)(はなし)をして()つたであらう、325(おれ)如何(どう)しても本当(ほんたう)(おも)へないわ。326モシモシ先生(せんせい)(さま)327現実(げんじつ)ですか』
328玉国別『ウン、329(たしか)現実(げんじつ)だ。330(はや)一足(ひとあし)なりとお(むか)へに()かねば()むまいぞ』
331純公(すみこう)『ヤア本当(ほんたう)とあればキヨロキヨロしては()られない、332オイ道公(みちこう)サア()かう。333それそれそこにどうやら(くろ)姿(すがた)()えて()た。334あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)335あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
336大正一一・一一・二七 旧一〇・九 加藤明子録)

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5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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