霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第43巻(午の巻)
序文
総説
第1篇 狂風怪猿
第1章 烈風
第2章 懐谷
第3章 失明
第4章 玉眼開
第5章 感謝歌
第2篇 月下の古祠
第6章 祠前
第7章 森議
第8章 噴飯
第9章 輸入品
第3篇 河鹿の霊嵐
第10章 夜の昼
第11章 帰馬
第12章 双遇
第4篇 愛縁義情
第13章 軍談
第14章 忍び涙
第15章 温愛
第5篇 清松懐春
第16章 鰌鍋
第17章 反歌
第18章 石室
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい|
サブスク
のお知らせ
霊界物語
>
舎身活躍(第37~48巻)
>
第43巻(午の巻)
> 第3篇 河鹿の霊嵐 > 第12章 双遇
<<< 帰馬
(B)
(N)
軍談 >>>
第一二章
双遇
(
さうぐう
)
〔一一六三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第43巻 舎身活躍 午の巻
篇:
第3篇 河鹿の霊嵐
よみ(新仮名遣い):
かじかのれいらん
章:
第12章 双遇
よみ(新仮名遣い):
そうぐう
通し章番号:
1163
口述日:
1922(大正11)年11月27日(旧10月9日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年7月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-01-08 22:54:36
OBC :
rm4312
愛善世界社版:
182頁
八幡書店版:
第8輯 95頁
修補版:
校定版:
192頁
普及版:
78頁
初版:
ページ備考:
001
晴公
(
はるこう
)
は
夜道
(
よみち
)
を
下
(
くだ
)
りながら、
002
猿
(
さる
)
の
人真似
(
ひとまね
)
気分
(
きぶん
)
で
歌
(
うた
)
ひだした。
003
晴公
『
昼
(
ひる
)
さへ
嶮岨
(
けんそ
)
な
山道
(
やまみち
)
を
004
ドンドンドンと
下
(
くだ
)
りゆく
005
こりや
又
(
また
)
何
(
なん
)
とした
事
(
こと
)
か
006
ウントコドツコイ ヤツトコシヨ
007
是
(
これ
)
も
矢張
(
やつぱり
)
お
月
(
つき
)
さまの
008
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
照
(
て
)
らしたまふ
為
(
た
)
め
009
どうしても
月日
(
つきひ
)
は
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
010
なければドツコイをさまらぬ
011
月日
(
つきひ
)
の
駒
(
こま
)
は
矢
(
や
)
の
如
(
ごと
)
く
012
早暮
(
はやく
)
れかかる
夜
(
よる
)
の
道
(
みち
)
013
ヒンヒンヒンと
遠近
(
をちこち
)
に
014
馬
(
うま
)
の
嘶
(
いなな
)
き
聞
(
きこ
)
え
来
(
く
)
る
015
バラモン
教
(
けう
)
の
奴原
(
やつばら
)
が
016
乗
(
の
)
り
捨
(
す
)
て
置
(
お
)
いたお
馬
(
うま
)
さま
017
声
(
こゑ
)
まで
貧相
(
ひんさう
)
な
奴
(
やつ
)
ぢやなア
018
貧
(
ひん
)
すりや
鈍
(
どん
)
すと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
019
俺
(
おれ
)
も
前
(
まへ
)
から
聞
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
る
020
ヒンヒン
吠
(
ほ
)
える
痩馬
(
やせうま
)
に
021
鈍
(
どん
)
な
男
(
をとこ
)
が
乗
(
の
)
つて
来
(
き
)
た
022
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
の
峻坂
(
しゆんぱん
)
で
023
一泡
(
ひとあわ
)
吹
(
ふ
)
いて
逃
(
に
)
げかかる
024
その
為体
(
ていたらく
)
を
見
(
み
)
るにつけ
025
愛想
(
あいさう
)
が
尽
(
つ
)
きてウントコシヨ
026
早速
(
さつそく
)
口
(
くち
)
が
塞
(
ふさ
)
がらぬ
027
片彦
(
かたひこ
)
久米彦
(
くめひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
は
028
余程
(
よつぽど
)
弱
(
よわ
)
いやつぢやなア
029
唯
(
ただ
)
一
(
いち
)
人
(
にん
)
の
晴
(
はる
)
さまの
030
生言霊
(
いくことたま
)
に
怯
(
お
)
ぢ
恐
(
おそ
)
れ
031
全体
(
ぜんたい
)
残
(
のこ
)
らず
総崩
(
そうくづ
)
れ
032
バラバラバラと
坂道
(
さかみち
)
に
033
小石
(
こいし
)
を
打
(
う
)
ちあけたその
如
(
ごと
)
く
034
味方
(
みかた
)
を
踏
(
ふ
)
み
越
(
こ
)
え
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
えて
035
命
(
いのち
)
からがら
逃
(
に
)
げ
失
(
う
)
せぬ
036
よい
腰脱
(
こしぬ
)
けもあるものぢや
037
大黒主
(
おほくろぬし
)
がウントコシヨ
038
何程
(
なにほど
)
軍勢
(
ぐんぜい
)
持
(
も
)
つとても
039
あれ
程
(
ほど
)
弱
(
よわ
)
い
代者
(
しろもの
)
を
040
ウントコドツコイ ヤツトコシヨ
041
連
(
つ
)
れて
道中
(
だうちう
)
がなるものか
042
足手
(
あして
)
纏
(
まと
)
ひにドツコイシヨ
043
なる
奴
(
やつ
)
ばかり、エンヤラヤ
044
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
穀潰
(
ごくつぶ
)
し
045
お
米
(
こめ
)
が
貴
(
たか
)
うなつたのも
046
ガラクタ
共
(
ども
)
が
沢山
(
たくさん
)
に
047
ウヨウヨして
居
(
ゐ
)
るその
為
(
ため
)
だ
048
この
調子
(
てうし
)
ではどうしても
049
食料
(
しよくれう
)
問題
(
もんだい
)
ドツコイシヨ
050
持
(
も
)
ち
上
(
あが
)
らねば
治
(
をさ
)
まらぬ
051
お
蔭
(
かげ
)
で
月
(
つき
)
を
隠
(
かく
)
したる
052
雲
(
くも
)
の
衣
(
ころも
)
がぬげたよだ
053
道
(
みち
)
が
俄
(
にはか
)
に
白
(
しろ
)
みえる
054
此
(
この
)
足形
(
あしがた
)
は
何
(
なん
)
だらう
055
痩馬
(
やせうま
)
共
(
ども
)
の
爪先
(
つまさき
)
に
056
堅
(
かた
)
く
打
(
う
)
ちたる
蹄鉄
(
ていてつ
)
の
057
半月形
(
はんげつけい
)
が
沢山
(
たくさん
)
に
058
あちらこちらに
落
(
お
)
ちて
居
(
ゐ
)
る
059
あゝ
面白
(
おもしろ
)
や
面白
(
おもしろ
)
や
060
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
に
照
(
て
)
らされて
061
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
の
咆
(
ほ
)
えたける
062
噂
(
うはさ
)
に
高
(
たか
)
き
此
(
この
)
山
(
やま
)
を
063
苦
(
く
)
もなく
進
(
すす
)
む
吾々
(
われわれ
)
は
064
ウントコドツコイ
天下一
(
てんかいち
)
065
古今
(
ここん
)
無双
(
むさう
)
の
豪傑
(
がうけつ
)
ぞ
066
治国別
(
はるくにわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
067
嘸
(
さぞ
)
や
得意
(
とくい
)
で
厶
(
ござ
)
いませう
068
私
(
わたし
)
のやうなよい
弟子
(
でし
)
を
069
よくマア
探
(
さが
)
し
当
(
あ
)
てたもの
070
何程
(
なにほど
)
世界
(
せかい
)
を
探
(
さが
)
しても
071
二人
(
ふたり
)
と
決
(
けつ
)
してありませぬ
072
オツトドツコイ ドツコイシヨ
073
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずに
慢心
(
まんしん
)
の
074
鬼
(
おに
)
奴
(
め
)
が
角
(
つの
)
を
振
(
ふ
)
りたてて
075
つまらぬ
事
(
こと
)
をドツコイシヨ
076
晴公
(
はるこう
)
の
口
(
くち
)
から
吐
(
ほざ
)
きよつた
077
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
078
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
のお
守
(
まも
)
りに
079
稜威
(
いづ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
の
此
(
この
)
体
(
からだ
)
080
悪魔
(
あくま
)
の
襲
(
おそ
)
ふ
事
(
こと
)
もなく
081
いと
すく
すくと
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
082
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
へ
天地
(
あめつち
)
の
083
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
084
心
(
こころ
)
も
晴
(
は
)
るる
晴公
(
はるこう
)
が
085
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
願
(
ね
)
ぎまつる
086
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
087
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましませよ』
088
五三公
(
いそこう
)
は
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
したり。
089
五三公
『
朝日
(
あさひ
)
は
輝
(
かがや
)
く
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つ
090
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
の
神風
(
かみかぜ
)
に
091
吹
(
ふ
)
かれて
進
(
すす
)
む
吾々
(
われわれ
)
は
092
治国別
(
はるくにわけ
)
に
従
(
したが
)
ひて
093
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
の
頂上
(
ちやうじやう
)
で
094
又
(
また
)
もや
風
(
かぜ
)
にドツコイシヨ
095
吹
(
ふ
)
きまくられて
行
(
ゆ
)
き
悩
(
なや
)
む
096
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
097
神
(
かみ
)
は
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
をウントコシヨ
098
捨
(
す
)
てさせたまはず
直々
(
すくすく
)
と
099
さしも
難所
(
なんしよ
)
の
坂道
(
さかみち
)
を
100
心
(
こころ
)
平
(
たひら
)
に
安
(
やす
)
らかに
101
渡
(
わた
)
らせたまひし
有難
(
ありがた
)
さ
102
バラモン
教
(
けう
)
の
神司
(
かむづかさ
)
103
片彦
(
かたひこ
)
久米彦
(
くめひこ
)
両人
(
りやうにん
)
は
104
数多
(
あまた
)
の
兵士
(
へいし
)
を
引率
(
いんそつ
)
し
105
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
一行
(
いつかう
)
のウントコシヨ
106
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
を
待
(
ま
)
つと
知
(
し
)
らずして
107
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むちう
)
ちエイエイと
108
行
(
ゆ
)
き
難
(
なや
)
みたる
坂
(
さか
)
の
道
(
みち
)
109
登
(
のぼ
)
り
来
(
きた
)
るぞをかしけれ
110
治国別
(
はるくにわけ
)
の
御
(
お
)
許
(
ゆる
)
しを
111
受
(
う
)
けて
万公
(
まんこう
)
が
飛
(
と
)
び
出
(
いだ
)
し
112
胸突坂
(
むなつきざか
)
に
大手
(
おほて
)
をば
113
拡
(
ひろ
)
げて
忽
(
たちま
)
ち
仁王立
(
にわうだ
)
ち
114
似合
(
にあ
)
ふか
似
(
に
)
あはぬか
知
(
し
)
らないが
115
言霊
(
ことたま
)
機関
(
きくわん
)
が
閉塞
(
へいそく
)
し
116
眼玉
(
めだま
)
をキヨロキヨロ
剥
(
む
)
きだして
117
絶句
(
ぜつく
)
したるぞをかしけれ
118
ウントコドツコイ ドツコイシヨ
119
又々
(
またまた
)
月
(
つき
)
に
黒雲
(
くろくも
)
が
120
すつかりかかつて
来
(
き
)
たやうだ
121
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
よ
皆
(
みな
)
さまよ
122
足許
(
あしもと
)
気
(
き
)
をつけ
下
(
くだ
)
りませ
123
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
も
近
(
ちか
)
づいた
124
懐谷
(
ふところだに
)
を
右手
(
めて
)
に
見
(
み
)
て
125
猿
(
ましら
)
の
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
きながら
126
心
(
こころ
)
いそいそ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
127
吾
(
われ
)
は
天下
(
てんか
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
128
とは
云
(
い
)
ふもののドツコイシヨ
129
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
では
云
(
い
)
はれない
130
やつとの
事
(
こと
)
で
候補生
(
こうほせい
)
の
131
まだ
ぬく
ぬくの
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
だ
132
ウントコドツコイ ドツコイシヨ
133
又々
(
またまた
)
月
(
つき
)
が
現
(
あら
)
はれた
134
矢張
(
やつぱり
)
俺
(
おれ
)
等
(
ら
)
はドツコイシヨ
135
ドツコイドツコイ ヤツトコシヨ
136
武運
(
ぶうん
)
が
強
(
つよ
)
いに
違
(
ちが
)
ひない
137
五三公
(
いそこう
)
五三公
(
いそこう
)
と
沢山
(
たくさん
)
に
138
万公
(
まんこう
)
さまが
仰有
(
おつしや
)
るが
139
この
五三公
(
いそこう
)
があればこそ
140
前代
(
ぜんだい
)
未聞
(
みもん
)
の
面白
(
おもしろ
)
い
141
山路
(
やまぢ
)
の
旅
(
たび
)
が
出来
(
でき
)
るのだ
142
アイタヽヽタツタ
躓
(
つまづ
)
いた
143
あんまり
喋
(
しや
)
べつて
足許
(
あしもと
)
が
144
お
留守
(
るす
)
になつたと
見
(
み
)
えるわい
145
坂
(
さか
)
を
下
(
くだ
)
るに
第一
(
だいいち
)
の
146
注意
(
ちゆうい
)
を
要
(
えう
)
する
足
(
あし
)
の
先
(
さき
)
147
口
(
くち
)
が
過
(
す
)
ぎるとウントコシヨ
148
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
にウントコシヨ
149
沈黙
(
ちんもく
)
守
(
まも
)
れと
叱
(
しか
)
られる
150
ほんとにきつい
坂路
(
さかみち
)
だ
151
み
空
(
そら
)
に
月
(
つき
)
は
輝
(
かがや
)
きて
152
吾
(
わが
)
胸
(
むね
)
さへも
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
り
153
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
風
(
かぜ
)
も
何
(
なん
)
のその
154
些
(
ちつと
)
も
心
(
こころ
)
にかからない
155
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
156
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
今更
(
いまさら
)
に
157
謹
(
つつし
)
み
感謝
(
かんしや
)
し
奉
(
たてまつ
)
る
158
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
159
月
(
つき
)
黒雲
(
くろくも
)
に
隠
(
かく
)
るとも
160
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
の
咆
(
ほ
)
ゆる
野
(
の
)
も
161
悪魔
(
あくま
)
の
征討
(
せいたう
)
の
旅立
(
たびだ
)
ちは
162
金輪
(
こんりん
)
奈落
(
ならく
)
やめられぬ
163
こんな
愉快
(
ゆくわい
)
の
事
(
こと
)
あろか
164
あゝ
面白
(
おもしろ
)
し
面白
(
おもしろ
)
し
165
アイタタツタツタまた
倒
(
こ
)
けた
166
ドテライお
尻
(
しり
)
を
台
(
だい
)
なしに
167
ウンと
云
(
い
)
ふ
程
(
ほど
)
打
(
う
)
ちました
168
こりやこりや
晴公
(
はるこう
)
万公
(
まんこう
)
よ
169
暫
(
しばら
)
く
待
(
ま
)
つて
呉
(
く
)
れぬかい
170
足
(
あし
)
が
怪
(
あや
)
しくなつて
来
(
き
)
た
171
折角
(
せつかく
)
此処
(
ここ
)
まで
従
(
つ
)
いて
来
(
き
)
た
172
友
(
とも
)
を
見捨
(
みす
)
ててスタスタと
173
進
(
すす
)
み
往
(
ゆ
)
くとは
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
174
友達
(
ともだち
)
甲斐
(
がひ
)
のない
男
(
をとこ
)
175
そんな
薄情
(
はくじやう
)
な
事
(
こと
)
すると
176
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
去
(
さ
)
つて
幽界
(
いうかい
)
へ
177
落
(
お
)
ちた
其
(
その
)
時
(
とき
)
ドツコイシヨ
178
かういふもののアイタタツタ
179
アイタタツタツタ
痛
(
いた
)
いわいな
180
地獄
(
ぢごく
)
の
鬼
(
おに
)
奴
(
め
)
がやつて
来
(
き
)
て
181
八万
(
はちまん
)
地獄
(
ぢごく
)
へ
突落
(
つきおと
)
し
182
きつと
成敗
(
せいばい
)
するだらう
183
後生
(
ごしやう
)
の
為
(
ため
)
を
思
(
おも
)
ふなら
184
俺
(
おれ
)
を
助
(
たす
)
けて
往
(
ゆ
)
くがよい
185
決
(
けつ
)
して
俺
(
おれ
)
の
為
(
ため
)
ぢやない
186
お
前
(
まへ
)
が
来世
(
らいせ
)
にウントコシヨ
187
善因
(
ぜんいん
)
善果
(
ぜんくわ
)
の
喜
(
よろこ
)
びを
188
人
(
ひと
)
にも
分
(
わ
)
けずまる
貰
(
もら
)
ひ
189
其
(
その
)
種蒔
(
たねま
)
きぢやドツコイシヨ
190
俺
(
おれ
)
に
同情
(
どうじやう
)
して
呉
(
く
)
れよ
191
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
192
神
(
かみ
)
の
大地
(
おほぢ
)
にありながら
193
仁義
(
じんぎ
)
をしらぬ
万公
(
まんこう
)
や
194
晴公
(
はるこう
)
さまのすげなさよ
195
これこれモーシ
宣伝使
(
せんでんし
)
196
二人
(
ふたり
)
を
叱
(
しか
)
つて
下
(
くだ
)
しやんせ
197
神
(
かみ
)
かけ
念
(
ねん
)
じ
奉
(
たてまつ
)
る』
198
万公
(
まんこう
)
は
立
(
た
)
ち
止
(
ど
)
まり、
199
腰
(
こし
)
を
屈
(
かが
)
めて
下
(
くだ
)
りゆく
五三公
(
いそこう
)
を
眺
(
なが
)
め、
200
万公
『チエ、
201
何
(
なん
)
だい、
202
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
時
(
とき
)
に
斃
(
くたば
)
りやがつて
一体
(
いつたい
)
其
(
その
)
腰付
(
こしつき
)
はどうしたのだい、
203
まるで
二重腰
(
にぢゆうごし
)
ぢやないか』
204
五三公
(
いそこう
)
『さうだから、
205
最前
(
さいぜん
)
から
待
(
ま
)
つて
呉
(
く
)
れと
云
(
い
)
つたぢやないか、
206
どうやら
腰
(
こし
)
の
骨
(
ほね
)
が
外
(
はづ
)
れたやうだ。
207
一寸
(
ちよつと
)
見
(
み
)
て
呉
(
く
)
れないか』
208
万公
(
まんこう
)
『
馬鹿
(
ばか
)
云
(
い
)
へ、
209
腰
(
こし
)
が
外
(
はづ
)
れたものが
一足
(
ひとあし
)
だつて
歩
(
ある
)
けるかい。
210
大方
(
おほかた
)
大腿骨
(
だいたいこつ
)
を
岩角
(
いはかど
)
で
打
(
う
)
つたのだらう。
211
エヽ
厄介者
(
やつかいもの
)
だなア。
212
グヅグヅして
居
(
ゐ
)
ると
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
に
後
(
おく
)
れて
仕舞
(
しま
)
ふ。
213
併
(
しか
)
し
是
(
これ
)
も
乗
(
の
)
りかけた
船
(
ふね
)
だ、
214
サア
癒
(
なほ
)
してやらう』
215
と
云
(
い
)
ひながら、
216
平手
(
ひらて
)
で
三
(
み
)
つ
四
(
よ
)
つ
五三公
(
いそこう
)
の
腰
(
こし
)
のあたりをピシヤピシヤと
打
(
う
)
つた。
217
五三公
(
いそこう
)
『アイタタツタ、
218
これで
息
(
いき
)
が
楽
(
らく
)
になつた。
219
ヤア
有難
(
ありがた
)
う、
220
持
(
も
)
つべきものは
矢張
(
やつぱり
)
親友
(
しんいう
)
だ』
221
万公
(
まんこう
)
『サア
早
(
はや
)
う
往
(
ゆ
)
かう。
222
とうとう
先生
(
せんせい
)
の
影
(
かげ
)
が
見
(
み
)
えなくなつて
了
(
しま
)
つた。
223
いそげ いそげ』
224
五三公
(
いそこう
)
は、
225
『よし
来
(
き
)
た。
226
駆歩
(
かけあし
)
々々
(
かけあし
)
』と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
万公
(
まんこう
)
の
後
(
あと
)
について
嶮
(
けは
)
しき
坂路
(
さかみち
)
を
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
227
○
228
話
(
はなし
)
は
元
(
もと
)
へ
戻
(
もど
)
る。
229
玉国別
(
たまくにわけ
)
、
230
道公
(
みちこう
)
、
231
純公
(
すみこう
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は、
232
伊太公
(
いたこう
)
の
行方
(
ゆくへ
)
不明
(
ふめい
)
となつたのを
打
(
う
)
ち
案
(
あん
)
じ
乍
(
なが
)
ら、
233
今
(
いま
)
や
治国別
(
はるくにわけ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
打
(
う
)
たれて
帰
(
かへ
)
り
来
(
く
)
るべき
敵
(
てき
)
を、
234
言向和
(
ことむけやは
)
さむと、
235
手具脛
(
てぐすね
)
ひいて
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
236
純公
(
すみこう
)
『
随分
(
ずゐぶん
)
道公
(
みちこう
)
も
妙
(
めう
)
な
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
たものだなア。
237
矢張
(
やつぱり
)
常平生
(
つねへいぜい
)
から、
238
仕様
(
しやう
)
もない
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
るから、
239
貘
(
ばく
)
も
食
(
く
)
はないやうな、
240
怪
(
け
)
つ
体
(
たい
)
な
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
よつたのだ。
241
本当
(
ほんたう
)
に
是
(
これ
)
を
思
(
おも
)
へばお
前
(
まへ
)
の
身魂
(
みたま
)
は
開闢
(
かいびやく
)
以来
(
いらい
)
の
デレ
さまと
見
(
み
)
えるのう、
242
ウフヽヽヽ』
243
道公
(
みちこう
)
『
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
の
夢
(
ゆめ
)
は
先
(
ま
)
づザツトあのやうな
華々
(
はなばな
)
しいものだ。
244
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
の
見
(
み
)
る
夢
(
ゆめ
)
は、
245
鬼婆
(
おにばば
)
に
追
(
お
)
ひかけられたり、
246
逃
(
に
)
げ
損
(
そこ
)
なつて
糞壺
(
くそつぼ
)
に
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
んだ
位
(
ぐらゐ
)
なものだ。
247
夢
(
ゆめ
)
だつて
余
(
あま
)
り
馬鹿
(
ばか
)
にならぬぞ。
248
夢
(
ゆめ
)
の
浮世
(
うきよ
)
だから、
249
何時
(
いつ
)
かはそれが
現実
(
げんじつ
)
になるのだ。
250
前途
(
ぜんと
)
多望
(
たばう
)
の
良青年
(
りやうせいねん
)
だからなア』
251
純公
(
すみこう
)
『
良青年
(
りやうせいねん
)
がそんな
厭
(
いや
)
らしい
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
るものか、
252
ジヤラジヤラとした……
先生
(
せんせい
)
様
(
さま
)
の
前
(
まへ
)
だぞ、
253
不謹慎
(
ふきんしん
)
にも
程
(
ほど
)
があるわ。
254
ナア
先生
(
せんせい
)
、
255
本当
(
ほんたう
)
に
可笑
(
をか
)
しいやつですね。
256
あまりの
事
(
こと
)
で
臍
(
へそ
)
が
転宅
(
てんたく
)
しかけましたよ』
257
玉国別
(
たまくにわけ
)
は
目
(
め
)
を
押
(
おさ
)
へながら、
258
いとも
冷然
(
れいぜん
)
として『ウフヽヽヽ』と
静
(
しづ
)
かに
笑
(
わら
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
259
この
時
(
とき
)
坂
(
さか
)
の
彼方
(
かなた
)
より
騒々
(
さうざう
)
しき
物音
(
ものおと
)
が
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
260
見
(
み
)
るまに
鞍
(
くら
)
をおいた
荒馬
(
あれうま
)
七八頭
(
しちはつとう
)
速力
(
そくりよく
)
を
出
(
だ
)
して
祠
(
ほこら
)
の
前
(
まへ
)
を
逃
(
に
)
げて
往
(
ゆ
)
く。
261
道公
(
みちこう
)
『ヤア
面白
(
おもしろ
)
い
面白
(
おもしろ
)
い、
262
いよいよ
出会
(
でつくは
)
したな。
263
落花
(
らくくわ
)
狼藉
(
らうぜき
)
、
264
馬
(
うま
)
迄
(
まで
)
が
驚
(
おどろ
)
いて
敗走
(
はいそう
)
と
見
(
み
)
えるわい。
265
軈
(
やが
)
て
落武者
(
おちむしや
)
共
(
ども
)
がやつて
来
(
く
)
るだらう、
266
サアこれから
一
(
ひと
)
つ
捻鉢巻
(
ねじはちまき
)
だ。
267
生言霊
(
いくことたま
)
の
連発銃
(
れんぱつじう
)
だ、
268
オイ
純公
(
すみこう
)
、
269
確
(
しつか
)
り
頼
(
たの
)
むぞ』
270
と
捻鉢巻
(
ねじはちまき
)
をしながらお
相撲
(
すもう
)
さまのやうにトントンと
四股踏
(
しこふ
)
んで
雄猛
(
をたけ
)
びして
居
(
ゐ
)
る。
271
かかる
所
(
ところ
)
へ
死物狂
(
しにものぐるひ
)
となつた
数十
(
すうじふ
)
人
(
にん
)
の
敵
(
てき
)
は
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
にて
残党
(
ざんたう
)
を
集
(
あつ
)
めむとやつて
来
(
き
)
た。
272
玉国別
(
たまくにわけ
)
一行
(
いつかう
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
て
片彦
(
かたひこ
)
は
声
(
こゑ
)
を
怒
(
いか
)
らせ、
273
片彦
(
かたひこ
)
『ヤア
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
274
いい
所
(
ところ
)
で
出会
(
であ
)
つた。
275
貴様
(
きさま
)
の
家来
(
けらい
)
を
生擒
(
いけどり
)
に
致
(
いた
)
して、
276
連
(
つ
)
れて
帰
(
かへ
)
つたのも
知
(
し
)
らず、
277
のめ
のめとよう
出
(
で
)
て
来
(
き
)
やがつた。
278
サア
貴様
(
きさま
)
も
三五教
(
あななひけう
)
の
片割
(
かたわ
)
れ、
279
江戸
(
えど
)
の
仇
(
かたき
)
を
長崎
(
ながさき
)
かも
知
(
し
)
らぬが
腹
(
はら
)
いせにやつてやらう。
280
オイ
者
(
もの
)
共
(
ども
)
、
281
此奴
(
こいつ
)
等
(
ら
)
に
槍
(
やり
)
の
切
(
き
)
つ
先
(
さき
)
を
揃
(
そろ
)
へて
取
(
と
)
り
掛
(
かか
)
れ』
282
と
厳
(
きび
)
しく
号令
(
がうれい
)
して
居
(
ゐ
)
る。
283
数人
(
すうにん
)
の
敵
(
てき
)
は
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
目蒐
(
めが
)
けて
猛虎
(
まうこ
)
の
勢
(
いきほひ
)
凄
(
すさま
)
じく
突
(
つ
)
いて
掛
(
かか
)
る。
284
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
不意
(
ふい
)
を
喰
(
くら
)
つて
手早
(
てばや
)
く
身
(
み
)
をかはし
祠
(
ほこら
)
を
楯
(
たて
)
にとつて
防
(
ふせ
)
ぎ
戦
(
たたか
)
はむとする。
285
されども
大将
(
たいしやう
)
の
玉国別
(
たまくにわけ
)
は
目
(
め
)
を
痛
(
いた
)
め、
286
激烈
(
げきれつ
)
なる
頭痛
(
づつう
)
に
悩
(
なや
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
287
如何
(
いか
)
に
勇
(
ゆう
)
ありとて
無茶
(
むちや
)
で
出
(
で
)
て
来
(
く
)
る
敵
(
てき
)
には
無茶
(
むちや
)
で
行
(
ゆ
)
かねばならず、
288
敵
(
てき
)
は
目
(
め
)
に
余
(
あま
)
る
大軍
(
たいぐん
)
、
289
あはや
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
命
(
いのち
)
は
風前
(
ふうぜん
)
の
灯火
(
ともしび
)
と
云
(
い
)
ふ
危機
(
きき
)
一髪
(
いつぱつ
)
の
際
(
さい
)
俄
(
にはか
)
に
聞
(
きこ
)
ゆる
獅子
(
しし
)
の
唸
(
うな
)
り
声
(
ごゑ
)
山岳
(
さんがく
)
も
崩
(
くづ
)
るる
許
(
ばか
)
りであつた。
290
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
に
敵
(
てき
)
は
顫
(
ふる
)
ひ
戦
(
をのの
)
き
思
(
おも
)
はず
知
(
し
)
らず
大地
(
だいち
)
に
耳
(
みみ
)
を
押
(
おし
)
つけて
踞
(
しやが
)
んで
了
(
しま
)
つた。
291
見
(
み
)
れば
巨大
(
きよだい
)
なる
獅子
(
しし
)
に
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
が
跨
(
またが
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
292
玉国別
(
たまくにわけ
)
はこれを
見
(
み
)
て
思
(
おも
)
はず
知
(
し
)
らず
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せ、
293
玉国別
『
木花
(
このはな
)
咲耶姫
(
さくやひめの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
、
294
有
(
あ
)
り
難
(
がた
)
う
厶
(
ござ
)
います』
295
と
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
に
咽
(
むせ
)
ぶ。
296
獅子
(
しし
)
に
乗
(
の
)
つた
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
は
もの
も
云
(
い
)
はず
嶮
(
けは
)
しき
山
(
やま
)
を
駆
(
か
)
け
登
(
のぼ
)
り
何処
(
いづく
)
ともなく
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
した。
297
坂道
(
さかみち
)
の
彼方
(
かなた
)
より
盛
(
さかん
)
に
宣伝歌
(
せんでんか
)
が
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
298
一旦
(
いつたん
)
大地
(
だいち
)
に
踞
(
しやが
)
んだ
敵
(
てき
)
はムクムクと
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
り、
299
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
ひバラバラと
人馬
(
じんば
)
諸共
(
もろとも
)
、
300
下
(
くだ
)
り
坂
(
ざか
)
目蒐
(
めが
)
けて
一人
(
ひとり
)
も
残
(
のこ
)
らず
逃
(
に
)
げて
往
(
ゆ
)
く。
301
道公
(
みちこう
)
『ハヽヽヽヽ、
302
御
(
ご
)
神力
(
しんりき
)
と
云
(
い
)
ふものは
偉
(
えら
)
いものだなア、
303
三五教
(
あななひけう
)
には
立派
(
りつぱ
)
な
生神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
が
御
(
ご
)
守護
(
しゆご
)
していらつしやるから
うま
いものだ。
304
モシ
先生
(
せんせい
)
様
(
さま
)
、
305
結構
(
けつこう
)
ぢや
厶
(
ござ
)
いませぬか、
306
虎口
(
ここう
)
を
逃
(
のが
)
れるとは
此
(
この
)
事
(
こと
)
で
厶
(
ござ
)
いませう』
307
玉国別
(
たまくにわけ
)
『ウン、
308
実
(
じつ
)
に
有難
(
ありがた
)
い
事
(
こと
)
ぢや。
309
併
(
しか
)
し
今
(
いま
)
聞
(
きこ
)
える
宣伝歌
(
せんでんか
)
の
声
(
こゑ
)
は
正
(
まさ
)
しく
治国別
(
はるくにわけ
)
様
(
さま
)
ぢや、
310
お
出迎
(
でむか
)
へするがよからうぞ』
311
道公
(
みちこう
)
『ナニ、
312
治国別
(
はるくにわけ
)
さまですか、
313
ヤそいつは
有難
(
ありがた
)
い、
314
よい
所
(
ところ
)
へ
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さつた。
315
如何
(
いか
)
にも
先生
(
せんせい
)
の
仰有
(
おつしや
)
つた
通
(
とほ
)
り
一分
(
いちぶ
)
一厘
(
いちりん
)
間違
(
まちが
)
ひは
厶
(
ござ
)
いませぬねえ。
316
いやもう
感心
(
かんしん
)
致
(
いた
)
しました。
317
オイ
純公
(
すみこう
)
何
(
なに
)
をキヨロキヨロして
居
(
ゐ
)
るのだ、
318
早
(
はや
)
くお
迎
(
むか
)
への
用意
(
ようい
)
をせぬかい。
319
エ、
320
辛気
(
しんき
)
臭
(
くさ
)
い
奴
(
やつ
)
ぢや』
321
純公
(
すみこう
)
『
余
(
あま
)
り
有難
(
ありがた
)
いのと
嬉
(
うれ
)
しいのとで、
322
どうしてよいか
分
(
わか
)
りやしないわ。
323
こりや
道公
(
みちこう
)
夢
(
ゆめ
)
ぢやあるまいかな。
324
今
(
いま
)
お
前
(
まへ
)
は
夢
(
ゆめ
)
の
話
(
はなし
)
をして
居
(
を
)
つたであらう、
325
俺
(
おれ
)
は
如何
(
どう
)
しても
本当
(
ほんたう
)
と
思
(
おも
)
へないわ。
326
モシモシ
先生
(
せんせい
)
様
(
さま
)
、
327
現実
(
げんじつ
)
ですか』
328
玉国別
『ウン、
329
確
(
たしか
)
に
現実
(
げんじつ
)
だ。
330
早
(
はや
)
く
一足
(
ひとあし
)
なりとお
迎
(
むか
)
へに
往
(
ゆ
)
かねば
済
(
す
)
むまいぞ』
331
純公
(
すみこう
)
『ヤア
本当
(
ほんたう
)
とあればキヨロキヨロしては
居
(
を
)
られない、
332
オイ
道公
(
みちこう
)
サア
往
(
ゆ
)
かう。
333
それそれそこにどうやら
黒
(
くろ
)
い
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えて
来
(
き
)
た。
334
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
、
335
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
336
(
大正一一・一一・二七
旧一〇・九
加藤明子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 帰馬
(B)
(N)
軍談 >>>
霊界物語
>
舎身活躍(第37~48巻)
>
第43巻(午の巻)
> 第3篇 河鹿の霊嵐 > 第12章 双遇
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第12章 双遇|第43巻|舎身活躍|霊界物語|/rm4312】
合言葉「みろく」を入力して下さい→