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霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第43巻(午の巻)
序文
総説
第1篇 狂風怪猿
第1章 烈風
第2章 懐谷
第3章 失明
第4章 玉眼開
第5章 感謝歌
第2篇 月下の古祠
第6章 祠前
第7章 森議
第8章 噴飯
第9章 輸入品
第3篇 河鹿の霊嵐
第10章 夜の昼
第11章 帰馬
第12章 双遇
第4篇 愛縁義情
第13章 軍談
第14章 忍び涙
第15章 温愛
第5篇 清松懐春
第16章 鰌鍋
第17章 反歌
第18章 石室
余白歌
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> 第5篇 清松懐春 > 第17章 反歌
<<< 鰌鍋
(B)
(N)
石室 >>>
第一七章
反歌
(
はんか
)
〔一一六八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第43巻 舎身活躍 午の巻
篇:
第5篇 清松懐春
よみ(新仮名遣い):
せいしょうかいしゅん
章:
第17章 反歌
よみ(新仮名遣い):
はんか
通し章番号:
1168
口述日:
1922(大正11)年11月28日(旧10月10日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年7月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-01-13 11:15:27
OBC :
rm4317
愛善世界社版:
274頁
八幡書店版:
第8輯 127頁
修補版:
校定版:
285頁
普及版:
118頁
初版:
ページ備考:
001
イルの
案内
(
あんない
)
で
松公
(
まつこう
)
、
002
竜公
(
たつこう
)
両人
(
りやうにん
)
は
岩窟
(
いはや
)
の
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
に
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ると
伊太公
(
いたこう
)
、
003
サール、
004
イクの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
組
(
く
)
み
付
(
つ
)
き
合
(
あ
)
ひを
始
(
はじ
)
めて
居
(
ゐ
)
る。
005
サール、
006
イクは
伊太公
(
いたこう
)
を
牢獄
(
らうごく
)
へ
打
(
ぶ
)
ち
込
(
こ
)
まうとする、
007
伊太公
(
いたこう
)
は
這入
(
はい
)
らうまいと
抵抗
(
ていかう
)
する、
008
揉
(
も
)
み
合
(
あ
)
ひの
最中
(
さいちう
)
であつた。
009
松公
(
まつこう
)
はこれを
見
(
み
)
て、
010
松公
『コラコラ、
011
待
(
ま
)
て』
012
と
呶鳴
(
どな
)
りつけた。
013
イク、
014
サール
二人
(
ふたり
)
は
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
に
驚
(
おどろ
)
いて、
015
パツと
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
した。
016
松公
(
まつこう
)
『コリヤ
両人
(
りやうにん
)
、
017
大切
(
たいせつ
)
な
客人
(
きやくじん
)
を
掴
(
つかま
)
へて
何
(
なに
)
を
打擲
(
ちようちやく
)
致
(
いた
)
すのか』
018
イク『へえ、
019
イクイク
イク
ら
這入
(
はい
)
れと
云
(
い
)
つても
此奴
(
こいつ
)
頑固
(
ぐわんこ
)
で
這入
(
はい
)
らぬものですから
一寸
(
ちよつと
)
イクサールをやつて
居
(
を
)
りました』
020
サール『なかなか
剛情
(
がうじやう
)
な
奴
(
やつ
)
で
厶
(
ござ
)
います。
021
此
(
この
)
伊太公
(
いたこう
)
はチツと
イタ
い
目
(
め
)
に
合
(
あ
)
はしてやらねば
懲
(
こ
)
りませぬからなア。
022
イクとサールと
両人
(
りやうにん
)
が
伊太公
(
いたこう
)
に
向
(
むか
)
ひ
臨時
(
りんじ
)
イクサールをやつて
居
(
を
)
つた
処
(
ところ
)
で
厶
(
ござ
)
います。
023
牢
(
ろう
)
の
中
(
なか
)
へ
行
(
ゆ
)
けと
云
(
い
)
ふのに
イク
とか
行
(
い
)
かぬとか
云
(
い
)
ふものですから、
024
いや、
025
もう
偉
(
えら
)
い
骨
(
ほね
)
を
折
(
を
)
りました』
026
松公
(
まつこう
)
『
大変
(
たいへん
)
に
酩酊
(
めいてい
)
してるぢやないか。
027
其
(
その
)
足許
(
あしもと
)
は
何
(
なん
)
だい』
028
両人
(
りやうにん
)
一度
(
いちど
)
に
頭
(
あたま
)
を
掻
(
か
)
き
乍
(
なが
)
ら、
029
両人
『ハイ』
030
と
云
(
い
)
つて
蹲
(
うづく
)
まる。
031
松公
(
まつこう
)
は
言葉
(
ことば
)
を
改
(
あらた
)
め、
032
松公
『
貴方
(
あなた
)
は
伊太公
(
いたこう
)
さま、
033
玉国別
(
たまくにわけ
)
様
(
さま
)
のお
供
(
とも
)
のお
方
(
かた
)
、
034
えらい
昨夜
(
ゆふべ
)
は
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
致
(
いた
)
しました。
035
今日
(
けふ
)
はお
迎
(
むか
)
へに
参
(
まゐ
)
りましたから
何卒
(
どうぞ
)
私
(
わたし
)
について
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
まで
帰
(
かへ
)
つて
下
(
くだ
)
さいませ』
036
伊太公
(
いたこう
)
『ヤアお
前
(
まへ
)
は
昨夜
(
ゆふべ
)
俺
(
おれ
)
をフン
縛
(
じば
)
つた
奴
(
やつ
)
だな、
037
又
(
また
)
してもひどい
目
(
め
)
に
会
(
あ
)
はす
心算
(
つもり
)
だらう。
038
俺
(
おれ
)
やもう
此処
(
ここ
)
へ
来
(
き
)
た
以上
(
いじやう
)
は
動
(
うご
)
くのは
嫌
(
いや
)
だ。
039
そんなむつかしい
顔
(
かほ
)
せずに
一杯
(
いつぱい
)
やつたら
如何
(
どう
)
だ。
040
伊太公
(
いたこう
)
は
此
(
この
)
岩窟
(
いはや
)
の
主人公
(
しゆじんこう
)
だ。
041
遠慮
(
ゑんりよ
)
はいらぬから、
042
サアサア
飲
(
の
)
んだり
飲
(
の
)
んだり、
043
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
はさう
七六
(
しちむ
)
つかしくやつた
処
(
ところ
)
で
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
だ。
044
人
(
ひと
)
に
憎
(
にく
)
まれて
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
送
(
おく
)
るよりも
四海
(
しかい
)
同胞
(
どうばう
)
主義
(
しゆぎ
)
を
発揮
(
はつき
)
して
互
(
たがひ
)
に
人間
(
にんげん
)
同志
(
どうし
)
睦
(
むつ
)
み
親
(
した
)
しみ
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
きあうて
渡
(
わた
)
つたらどうだ。
045
ちつぽけな
人間
(
にんげん
)
同志
(
どうし
)
が
戦
(
いくさ
)
をしたり
喧嘩
(
けんくわ
)
をしたりしたつて、
046
はづまぬぢやないか』
047
松公
(
まつこう
)
『イヤ
如何
(
どう
)
も
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
りました。
048
先
(
ま
)
づ
先
(
ま
)
づ
御
(
ご
)
壮健
(
さうけん
)
なお
顔
(
かほ
)
を
拝
(
はい
)
し
此
(
この
)
松公
(
まつこう
)
もやつと
胸
(
むね
)
を
撫
(
な
)
で
下
(
お
)
ろしました。
049
此処
(
ここ
)
に
居
(
を
)
るのは
竜公
(
たつこう
)
と
申
(
まを
)
しまして
私
(
わたし
)
の
義弟
(
ぎてい
)
です。
050
つまり
女房
(
にようばう
)
の
兄弟
(
きやうだい
)
ですからな、
051
何分
(
なにぶん
)
宜
(
よろ
)
しく
可愛
(
かあい
)
がつてやつて
下
(
くだ
)
さいませ』
052
伊太公
(
いたこう
)
『
何
(
なに
)
が
何
(
なん
)
だか、
053
チツとも
訳
(
わけ
)
が
分
(
わか
)
らなくなつて
来
(
き
)
た。
054
一体
(
いつたい
)
松公
(
まつこう
)
とやら、
055
お
前
(
まへ
)
は
何処
(
どこ
)
の
人
(
ひと
)
だ』
056
松公
(
まつこう
)
『ハイ、
057
私
(
わたし
)
の
生
(
うま
)
れはアーメニヤです』
058
伊太公
(
いたこう
)
『
何
(
なに
)
、
059
アーメニヤですと、
060
そら
妙
(
めう
)
だ。
061
三五教
(
あななひけう
)
にはアーメニヤ
出
(
で
)
の
立派
(
りつぱ
)
な
宣伝使
(
せんでんし
)
が
沢山
(
たくさん
)
居
(
を
)
られますよ。
062
私
(
わたし
)
の
先生
(
せんせい
)
の
玉国別
(
たまくにわけ
)
さまもアーメニヤ
生
(
うま
)
れなり、
063
まだ
外
(
ほか
)
にも
沢山
(
たくさん
)
にアーメニヤの
方
(
かた
)
が
居
(
を
)
られますよ』
064
松公
(
まつこう
)
『
私
(
わたし
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
治国別
(
はるくにわけ
)
の
弟
(
おとうと
)
で
厶
(
ござ
)
います。
065
何
(
なに
)
とぞ
御
(
ご
)
入魂
(
じつこん
)
に
今後
(
こんご
)
は
願
(
ねが
)
ひ
度
(
た
)
いものです』
066
伊太公
(
いたこう
)
『
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
、
067
さう
聞
(
き
)
けば
治国別
(
はるくにわけ
)
様
(
さま
)
に
生写
(
いきうつ
)
しだ。
068
何
(
なん
)
と
妙
(
めう
)
な
処
(
ところ
)
でお
目
(
め
)
に
掛
(
かか
)
つたものだな』
069
松公
(
まつこう
)
『
其
(
その
)
治国別
(
はるくにわけ
)
は
今
(
いま
)
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
に
玉国別
(
たまくにわけ
)
さまと
休
(
やす
)
んで
居
(
を
)
ります。
070
然
(
しか
)
しながら
私
(
わたし
)
がバラモン
教
(
けう
)
に
仕
(
つか
)
へて
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
へ
攻
(
せ
)
め
寄
(
よ
)
せる
軍
(
いくさ
)
の
中
(
なか
)
へ
加
(
くは
)
はつてゐたものですから、
071
如何
(
どう
)
しても
兄貴
(
あにき
)
は
名乗
(
なの
)
つて
呉
(
く
)
れないのです。
072
「お
前
(
まへ
)
の
誠
(
まこと
)
が
現
(
あら
)
はれたら」と
申
(
まを
)
しますので、
073
こりや
如何
(
どう
)
しても
伊太公
(
いたこう
)
さまをここに
隠
(
かく
)
した
罪
(
つみ
)
を
詫
(
わ
)
び
玉国別
(
たまくにわけ
)
さまに
貴方
(
あなた
)
をお
渡
(
わた
)
しせねば
許
(
ゆる
)
して
呉
(
く
)
れないと
合点
(
がつてん
)
して
二人
(
ふたり
)
が
取
(
と
)
る
物
(
もの
)
も
取
(
と
)
り
敢
(
あへ
)
ず、
074
お
迎
(
むか
)
へに
参
(
まゐ
)
つた
次第
(
しだい
)
です』
075
伊太公
(
いたこう
)
『ヤア、
076
それは
奇縁
(
きえん
)
ですな。
077
さうして
治国別
(
はるくにわけ
)
、
078
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
両
(
りやう
)
宣伝使
(
せんでんし
)
は
機嫌
(
きげん
)
は
宜
(
い
)
いでせうかな』
079
松公
(
まつこう
)
『どちらも
機嫌
(
きげん
)
が
宜
(
よろ
)
しい。
080
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
玉国別
(
たまくにわけ
)
さまは
少
(
すこ
)
しお
怪我
(
けが
)
を
遊
(
あそ
)
ばしたさうで
気分
(
きぶん
)
が
悪
(
わる
)
さうにして
居
(
を
)
られました』
081
伊太公
(
いたこう
)
『ア、
082
それは
心配
(
しんぱい
)
な
事
(
こと
)
だ。
083
そんならお
供
(
とも
)
をしようかな』
084
此処
(
ここ
)
に
松公
(
まつこう
)
、
085
竜公
(
たつこう
)
、
086
伊太公
(
いたこう
)
を
始
(
はじ
)
め
外
(
ほか
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
岩窟
(
いはや
)
を
後
(
あと
)
にし、
087
清春山
(
きよはるやま
)
の
峻坂
(
しゆんぱん
)
を
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
088
伊太公
(
いたこう
)
は
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
ち
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
089
伊太公
『
雲
(
くも
)
の
帯
(
おび
)
をば
引
(
ひ
)
きしめて
090
中空
(
ちうくう
)
高
(
たか
)
く
聳
(
そび
)
えたる
091
清春山
(
きよはるやま
)
に
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
092
景色
(
けしき
)
は
四方
(
よも
)
に
展開
(
てんかい
)
し
093
広袤
(
くわうぼう
)
千
(
せん
)
里
(
り
)
の
彼方
(
かなた
)
には
094
大山脈
(
だいさんみやく
)
がうすうすと
095
幻
(
まぼろし
)
の
如
(
ごと
)
横
(
よこ
)
たはり
096
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り
黄金
(
わうごん
)
の
097
錦
(
にしき
)
の
野辺
(
のべ
)
となりにけり
098
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
に
息
(
いき
)
休
(
やす
)
め
099
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
100
一夜
(
ひとよ
)
を
明
(
あ
)
かす
折
(
をり
)
もあれ
101
人馬
(
じんば
)
の
物音
(
ものおと
)
かしましく
102
谷道
(
たにみち
)
さして
登
(
のぼ
)
り
来
(
く
)
る
103
スワ
一大事
(
いちだいじ
)
バラモンの
104
枉神
(
まがかみ
)
なりと
耳
(
みみ
)
すませ
105
月
(
つき
)
に
透
(
すか
)
して
眺
(
なが
)
むれば
106
祠
(
ほこら
)
の
前
(
まへ
)
に
人
(
ひと
)
の
影
(
かげ
)
107
駒
(
こま
)
の
嘶
(
いなな
)
き
騒
(
さわ
)
がしく
108
人員
(
じんゐん
)
点呼
(
てんこ
)
の
声
(
こゑ
)
までも
109
高
(
たか
)
く
聞
(
きこ
)
えて
何
(
なん
)
となく
110
腕
(
かひな
)
は
呻
(
うな
)
り
肉
(
にく
)
踊
(
をど
)
り
111
此
(
この
)
伊太公
(
いたこう
)
は
忽
(
たちま
)
ちに
112
吾
(
わが
)
身
(
み
)
を
忘
(
わす
)
れ
杖
(
つゑ
)
を
揮
(
ふ
)
り
113
群
(
むら
)
がる
軍
(
いくさ
)
に
突進
(
とつしん
)
し
114
足
(
あし
)
踏
(
ふ
)
み
外
(
はづ
)
し
谷川
(
たにがは
)
へ
115
落
(
お
)
ちたる
隙
(
すき
)
を
無残
(
むざん
)
にも
116
高手
(
たかて
)
や
小手
(
こて
)
に
縛
(
しば
)
られて
117
名
(
な
)
も
恐
(
おそ
)
ろしき
岩窟
(
がんくつ
)
に
118
連
(
つ
)
れ
来
(
こ
)
られしぞ
果敢
(
はか
)
なけれ
119
悪鬼
(
あくき
)
羅刹
(
らせつ
)
の
集
(
あつ
)
まりて
120
吾
(
われ
)
を
虐待
(
ぎやくたい
)
するものと
121
心
(
こころ
)
を
定
(
さだ
)
め
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
122
豈
(
あに
)
図
(
はか
)
らむや
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
123
男
(
をとこ
)
は
忽
(
たちま
)
ち
打
(
う
)
ち
解
(
と
)
けて
124
酒倉
(
さかぐら
)
開
(
ひら
)
き
胡床
(
あぐら
)
かき
125
四
(
よ
)
人
(
にん
)
一所
(
いつしよ
)
に
向
(
むか
)
ひ
合
(
あ
)
ひ
126
秋
(
あき
)
の
夜長
(
よなが
)
をヱラヱラと
127
歓
(
ゑら
)
ぎ
楽
(
たの
)
しむ
面白
(
おもしろ
)
さ
128
案
(
あん
)
に
相違
(
さうゐ
)
の
伊太公
(
いたこう
)
は
129
心
(
こころ
)
の
腹帯
(
はらおび
)
ゆるみ
出
(
だ
)
し
130
三五教
(
あななひけう
)
やバラモンの
131
教
(
をしへ
)
の
蘊奥
(
おくが
)
を
談
(
かた
)
りつつ
132
漸
(
やうや
)
く
一夜
(
いちや
)
を
明
(
あか
)
したり
133
かかる
所
(
ところ
)
へ
入口
(
いりぐち
)
に
134
突然
(
とつぜん
)
聞
(
きこ
)
ゆる
人
(
ひと
)
の
声
(
こゑ
)
135
イルの
司
(
つかさ
)
は
驚
(
おどろ
)
いて
136
松公
(
まつこう
)
大将
(
たいしやう
)
がやつて
来
(
き
)
た
137
暫
(
しばら
)
くお
前
(
まへ
)
は
牢獄
(
らうごく
)
へ
138
這入
(
はい
)
つて
呉
(
く
)
れえと
頼
(
たの
)
めども
139
神
(
かみ
)
の
使
(
つかひ
)
の
吾々
(
われわれ
)
が
140
汚
(
けが
)
れ
果
(
は
)
てたる
牢獄
(
らうごく
)
に
141
如何
(
どう
)
して
忍
(
しの
)
び
入
(
い
)
られうか
142
イクとサールの
両人
(
りやうにん
)
が
143
力限
(
ちからかぎ
)
りに
伊太公
(
いたこう
)
を
144
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
みやらむとする
故
(
ゆゑ
)
に
145
伊太公
(
いたこう
)
は
是非
(
ぜひ
)
なく
逆
(
さか
)
らひて
146
揉
(
も
)
みつ
揉
(
も
)
まれつする
折
(
をり
)
に
147
松公
(
まつこう
)
さまが
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り
148
万事
(
ばんじ
)
の
事情
(
じじやう
)
判明
(
はんめい
)
し
149
こんな
嬉
(
うれ
)
しき
事
(
こと
)
はない
150
之
(
これ
)
もやつぱり
三五
(
あななひ
)
の
151
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
恵
(
めぐ
)
み
152
ウントコドツコイ ドツコイシヨ
153
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
の
急坂
(
きふはん
)
も
154
ここ
程
(
ほど
)
きつい
事
(
こと
)
はない
155
何故
(
なぜ
)
又
(
また
)
こんな
難所
(
なんしよ
)
をば
156
バラモン
教
(
けう
)
はドツコイシヨ
157
選
(
えら
)
んでゐるのか
気
(
き
)
が
知
(
し
)
れぬ
158
馬
(
うま
)
も
通
(
かよ
)
はぬ
高山
(
たかやま
)
に
159
砦
(
とりで
)
を
構
(
かま
)
へて
何
(
なん
)
にする
160
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
161
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
の
現
(
あら
)
はれて
162
敵
(
てき
)
と
思
(
おも
)
ひし
松公
(
まつこう
)
に
163
会
(
あ
)
ひ
度
(
た
)
い
見
(
み
)
たいと
恋慕
(
こひした
)
ふ
164
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
165
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
かれる
事
(
こと
)
となり
166
手
(
て
)
の
舞
(
ま
)
ひ
足
(
あし
)
の
踏
(
ふ
)
む
所
(
ところ
)
167
知
(
し
)
らぬばかりになつて
来
(
き
)
た
168
あゝ
勇
(
いさ
)
ましし
勇
(
いさ
)
ましし
169
神
(
かみ
)
は
確
(
たしか
)
に
天地
(
あめつち
)
の
170
中
(
なか
)
に
居
(
ゐ
)
ますと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
171
これでも
確
(
たしか
)
に
分
(
わか
)
るだらう
172
これこれ
松公
(
まつこう
)
竜公
(
たつこう
)
さま
173
其
(
その
)
外
(
ほか
)
三人
(
みたり
)
の
番卒
(
ばんそつ
)
よ
174
これから
心
(
こころ
)
を
改
(
あらた
)
めて
175
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
立
(
た
)
ち
帰
(
かへ
)
り
176
救
(
すく
)
ひの
神
(
かみ
)
と
現
(
あ
)
れませる
177
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
178
御前
(
みまへ
)
に
誠
(
まこと
)
を
捧
(
ささ
)
げつつ
179
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
子
(
こ
)
と
生
(
うま
)
れたる
180
其
(
その
)
本分
(
ほんぶん
)
を
務
(
つと
)
めあげ
181
ヤツトコ ドツコイ ドツコイシヨ
182
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
去
(
さ
)
りし
其
(
その
)
後
(
のち
)
は
183
千代
(
ちよ
)
万代
(
よろづよ
)
の
花
(
はな
)
開
(
ひら
)
く
184
無上
(
むじやう
)
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
へと
185
上
(
あが
)
り
行
(
ゆ
)
くべき
其
(
その
)
準備
(
じゆんび
)
186
やつておかねばならないぞ
187
物
(
もの
)
言
(
い
)
ふ
暇
(
ひま
)
も
死
(
し
)
の
影
(
かげ
)
は
188
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
の
周囲
(
まはり
)
につきまとふ
189
口
(
くち
)
ある
内
(
うち
)
に
神
(
かみ
)
を
称
(
ほ
)
め
190
手足
(
てあし
)
の
働
(
はたら
)
く
其
(
その
)
中
(
うち
)
に
191
誠
(
まこと
)
の
行
(
おこな
)
ひ
励
(
はげ
)
みつつ
192
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
との
経綸
(
けいりん
)
に
193
任
(
にん
)
ずる
身魂
(
みたま
)
となりませよ
194
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
195
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
伊太公
(
いたこう
)
が
196
誓
(
ちか
)
ひて
汝
(
なれ
)
に
宣
(
の
)
べ
伝
(
つた
)
ふ
197
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
198
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
199
ウントコ ドツコイ ドツコイシヨ
200
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
201
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
生神
(
いきがみ
)
は
202
国治立
(
くにはるたち
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
203
豊国主
(
とよくにぬし
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
204
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
三柱
(
みはしら
)
ぞ
205
この
大神
(
おほかみ
)
を
差措
(
さしお
)
いて
206
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
助
(
たす
)
くる
神
(
かみ
)
はない
207
天教山
(
てんけうざん
)
や
地教山
(
ちけうざん
)
208
コーカス
山
(
ざん
)
やウブスナの
209
山
(
やま
)
に
建
(
た
)
ちたる
斎苑
(
いそ
)
館
(
やかた
)
210
霊鷲山
(
りやうしうざん
)
や
四尾山
(
よつをやま
)
211
所々
(
ところどころ
)
に
神柱
(
かむばしら
)
212
配
(
くば
)
りて
世人
(
よびと
)
を
救
(
すく
)
ひ
行
(
ゆ
)
く
213
三五教
(
あななひけう
)
は
天下一
(
てんかいち
)
214
世界
(
せかい
)
に
目出度
(
めでた
)
き
教
(
をしへ
)
なり
215
祈
(
いの
)
れよ
祈
(
いの
)
れ
皆
(
みな
)
祈
(
いの
)
れ
216
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
慎
(
つつし
)
みて
217
信仰
(
しんかう
)
怠
(
をこた
)
る
事
(
こと
)
勿
(
なか
)
れ
218
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
219
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましませよ』
220
と
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
時雨
(
しぐれ
)
のまぜつた
晩秋
(
ばんしう
)
の
風
(
かぜ
)
に
面
(
おもて
)
をさらしつつ、
221
さしもに
嶮
(
けは
)
しき
清春山
(
きよはるやま
)
を
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
222
(
大正一一・一一・二八
旧一〇・一〇
北村隆光
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
(N)
石室 >>>
霊界物語
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【第17章 反歌|第43巻|舎身活躍|霊界物語|/rm4317】
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