霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第43巻(午の巻)
序文
総説
第1篇 狂風怪猿
第1章 烈風
第2章 懐谷
第3章 失明
第4章 玉眼開
第5章 感謝歌
第2篇 月下の古祠
第6章 祠前
第7章 森議
第8章 噴飯
第9章 輸入品
第3篇 河鹿の霊嵐
第10章 夜の昼
第11章 帰馬
第12章 双遇
第4篇 愛縁義情
第13章 軍談
第14章 忍び涙
第15章 温愛
第5篇 清松懐春
第16章 鰌鍋
第17章 反歌
第18章 石室
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい|
サブスク
のお知らせ
霊界物語
>
舎身活躍(第37~48巻)
>
第43巻(午の巻)
> 第3篇 河鹿の霊嵐 > 第11章 帰馬
<<< 夜の昼
(B)
(N)
双遇 >>>
第一一章
帰馬
(
きば
)
〔一一六二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第43巻 舎身活躍 午の巻
篇:
第3篇 河鹿の霊嵐
よみ(新仮名遣い):
かじかのれいらん
章:
第11章 帰馬
よみ(新仮名遣い):
きば
通し章番号:
1162
口述日:
1922(大正11)年11月27日(旧10月9日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年7月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
治国別一行は、バラモン軍の片彦、久米彦両将軍の一隊が馬上にまたがり、困難の態で登ってくるようするを面白げに見下ろしている。
治国別は、先陣を願い出た万公に対して、三人心を合わせて敵の一人一人に善言美詞の言霊を浴びせかけるようにと言い渡した。
バラモン軍がやってくると、万公は細い谷道に飛び出して立ちはだかり、自分は三五教の宣伝使見習いだと名乗って止まるように呼ばわった。バラモン軍の騎士はそこをどけと怒鳴りつけ、万公と言い争いを始めた。
治国別は万公に、争いをしないで言霊を用いるようにと注意したが、万公はさっぱり言霊が出ないというので、晴公に代わりを命じた。しかしバラモン軍はその言霊には耳にもかけずに坂道を登ろうとする。
万公はバラモン軍を怒鳴りつけたので、軍隊の馬たちは荒れ狂いだした。治国別は荘重な声で歌い始めた。三五教の教えに目覚めて真の神の道を悟るように諭し聞かせる言霊に、バラモン軍の騎士たちは馬を飛び下りて一目散に山腹を駆け降り、元来た道を引き返し始めた。
治国別は改心させずに追い返したことを残念がったが、玉国別の一隊がさらに逃げてくる敵に言霊を発射するだろうとバラモン軍の後を追いかけた。万公は得意になって滑稽な歌を歌いながら坂を下って行く。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-01-08 21:10:27
OBC :
rm4311
愛善世界社版:
166頁
八幡書店版:
第8輯 89頁
修補版:
校定版:
175頁
普及版:
71頁
初版:
ページ備考:
001
治国別
(
はるくにわけ
)
一行
(
いつかう
)
は、
002
片彦
(
かたひこ
)
、
003
久米彦
(
くめひこ
)
の
一隊
(
いつたい
)
馬上
(
ばじやう
)
に
跨
(
またが
)
り、
004
いとも
困難
(
こんなん
)
の
態
(
てい
)
にて
登
(
のぼ
)
り
来
(
きた
)
る
様子
(
やうす
)
を
面白気
(
おもしろげ
)
に
見下
(
みおろ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
005
万公
(
まんこう
)
『ヨウ、
006
おいでた おいでた
強敵
(
きやうてき
)
御参
(
ござん
)
なれだ。
007
この
細
(
ほそ
)
い
坂道
(
さかみち
)
を
蜿蜒
(
えんえん
)
として
長蛇
(
ちやうだ
)
の
登
(
のぼ
)
るが
如
(
ごと
)
く
行進
(
かうしん
)
し
来
(
きた
)
る
光景
(
くわうけい
)
は
丸
(
まる
)
で
絵巻物
(
ゑまきもの
)
を
見
(
み
)
る
様
(
やう
)
だなア。
008
霜黒葛
(
しもくろかづら
)
来
(
く
)
るや
来
(
く
)
るや
痩馬
(
やせうま
)
の、
009
毛曽呂
(
もそろ
)
毛曽呂
(
もそろ
)
に
屁
(
へ
)
を
放
(
こ
)
き
来
(
きた
)
るといふ
珍妙
(
ちんめう
)
奇天烈
(
きてれつ
)
の
大部隊
(
だいぶたい
)
だ。
010
マアゆつくりと
此処
(
ここ
)
に
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
ませう。
011
仮令
(
たとへ
)
何百
(
なんびやく
)
人
(
にん
)
居
(
を
)
つた
所
(
ところ
)
で
一列
(
いちれつ
)
より
進
(
すす
)
む
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ないのだから、
012
一人
(
ひとり
)
々々
(
ひとり
)
将棋倒
(
しやうぎだふ
)
しにやつつければ
手間
(
てま
)
も
暇
(
ひま
)
も
要
(
い
)
つたものぢやない、
013
さてもさても
運
(
うん
)
の
悪
(
わる
)
い
奴
(
やつ
)
だな。
014
一卒
(
いつそつ
)
之
(
これ
)
を
守
(
まも
)
れば、
015
万卒
(
ばんそつ
)
進
(
すす
)
む
能
(
あた
)
はざる
絶所
(
ぜつしよ
)
と
云
(
い
)
ふものは
此処
(
ここ
)
の
事
(
こと
)
だらう。
016
アハヽヽヽ、
017
治国別
(
はるくにわけ
)
様
(
さま
)
、
018
何
(
なん
)
と
愉快
(
ゆくわい
)
ぢやありませぬか』
019
治国別
(
はるくにわけ
)
『
仇人
(
あだびと
)
の
攻
(
せ
)
め
来
(
く
)
る
見
(
み
)
れば
流石
(
さすが
)
にも
020
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
の
姿
(
すがた
)
なるかな』
021
万公
(
まんこう
)
『
面白
(
おもしろ
)
し
蜈蚣
(
むかで
)
の
陣
(
ぢん
)
を
張
(
は
)
り
乍
(
なが
)
ら
022
寄
(
よ
)
せくる
敵
(
てき
)
も
竜頭
(
りうとう
)
蛇尾
(
だび
)
に
終
(
をは
)
はらむ』
023
晴公
(
はるこう
)
『
遥々
(
はるばる
)
とハルナの
都
(
みやこ
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
024
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
で
泡
(
あわ
)
を
吹
(
ふ
)
くかな』
025
五三公
(
いそこう
)
『
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
く
此
(
この
)
山道
(
やまみち
)
で
泡
(
あわ
)
を
吹
(
ふ
)
く
026
五三公
(
いそこう
)
之
(
これ
)
見
(
み
)
て
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
くなり』
027
治国別
(
はるくにわけ
)
『
心
(
こころ
)
せよ
三人
(
みたり
)
の
司
(
つかさ
)
惟神
(
かむながら
)
028
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せて
刃向
(
はむか
)
ふな
夢
(
ゆめ
)
』
029
万公
(
まんこう
)
『
大神
(
おほかみ
)
の
館
(
やかた
)
を
汚
(
けが
)
す
枉神
(
まがかみ
)
を
030
見逃
(
みのが
)
し
返
(
かへ
)
す
事
(
こと
)
やあるべき』
031
晴公
(
はるこう
)
『
人
(
ひと
)
は
皆
(
みな
)
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
との
御子
(
みこ
)
なれば
032
仇
(
あだ
)
と
云
(
い
)
へども
憎
(
にく
)
むべしやは』
033
五三公
(
いそこう
)
『
一条
(
いちでう
)
の
此
(
この
)
急坂
(
きふはん
)
を
登
(
のぼ
)
り
来
(
く
)
る
034
馬
(
うま
)
の
足並
(
あしなみ
)
危
(
あやふ
)
く
見
(
み
)
ゆるも』
035
治国別
(
はるくにわけ
)
は
悠然
(
いうぜん
)
として
坂道
(
さかみち
)
の
傍
(
かたへ
)
に
腰
(
こし
)
を
卸
(
おろ
)
し、
036
上
(
のぼ
)
り
来
(
く
)
る
敵
(
てき
)
の
大部隊
(
だいぶたい
)
を
見下
(
みおろ
)
し
乍
(
なが
)
ら、
037
治国別
『ヤ、
038
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
者
(
もの
)
共
(
ども
)
、
039
此
(
この
)
治国別
(
はるくにわけ
)
が
敵
(
てき
)
の
大将
(
たいしやう
)
に
掛合
(
かけあひ
)
を
初
(
はじ
)
むるまで、
040
お
前
(
まへ
)
等
(
たち
)
の
方
(
はう
)
から
慌
(
あわ
)
て
出
(
だ
)
しては
可
(
い
)
かないぞ、
041
呉々
(
くれぐれ
)
も
注意
(
ちゆうい
)
しておく』
042
万公
(
まんこう
)
『さうだと
申
(
まを
)
して
素知
(
そし
)
らぬ
顔
(
かほ
)
して
居
(
を
)
れば、
043
いゝ
気
(
き
)
になつて
斎苑
(
いそ
)
館
(
やかた
)
へ
進撃
(
しんげき
)
するぢやありませぬか。
044
今
(
いま
)
となつて、
045
そんな
事
(
こと
)
を
仰有
(
おつしや
)
ると、
046
何
(
なん
)
だか
張
(
は
)
りきつた
力
(
ちから
)
がサツパリ
抜
(
ぬ
)
けて
了
(
しま
)
ふぢやありませぬか』
047
治国別
(
はるくにわけ
)
『これしきの
敵軍
(
てきぐん
)
に
対
(
たい
)
し、
048
かかる
有利
(
いうり
)
の
地点
(
ちてん
)
に
陣取
(
ぢんど
)
り
乍
(
なが
)
ら、
049
別
(
べつ
)
に
力
(
ちから
)
も
何
(
なに
)
も
要
(
い
)
つたものぢやない。
050
一人
(
ひとり
)
々々
(
ひとり
)
捉
(
つかま
)
へて
善言
(
ぜんげん
)
美詞
(
びし
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
浴
(
あび
)
せかけ、
051
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
帰順
(
きじゆん
)
さすれば
可
(
い
)
いぢやないか。
052
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
らお
前
(
まへ
)
等
(
たち
)
が
慌
(
あわ
)
て
出
(
だ
)
すと、
053
却
(
かへつ
)
て
折角
(
せつかく
)
の
作戦
(
さくせん
)
計画
(
けいくわく
)
が
画餅
(
ぐわへい
)
に
帰
(
き
)
す
様
(
やう
)
の
事
(
こと
)
があれば、
054
千仭
(
せんじん
)
の
功
(
こう
)
を
一簣
(
いつき
)
に
欠
(
か
)
く
様
(
やう
)
なものだ。
055
まづまづ
落
(
お
)
ち
着
(
つ
)
いたが
宜
(
よ
)
からう』
056
万公
(
まんこう
)
『さうだと
云
(
い
)
つて
何
(
なん
)
だか
気
(
き
)
が
勇
(
いさ
)
んでなりませぬわ。
057
此
(
この
)
言霊戦
(
ことたません
)
は
私
(
わたし
)
に
先陣
(
せんぢん
)
を
仰付
(
おほせつ
)
け
下
(
くだ
)
されますれば
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
います』
058
治国別
(
はるくにわけ
)
『ウン、
059
しつかりやれ、
060
私
(
わし
)
はここでお
前
(
まへ
)
の
言霊
(
ことたま
)
の
発射
(
はつしや
)
振
(
ぶ
)
りを
観戦
(
くわんせん
)
する。
061
晴公
(
はるこう
)
、
062
五三公
(
いそこう
)
を
貸
(
か
)
してやるから、
063
三
(
さん
)
人
(
にん
)
心
(
こころ
)
を
協
(
あわ
)
せ
敵
(
てき
)
に
向
(
むか
)
つて
慈悲
(
じひ
)
の
弾丸
(
だんぐわん
)
を
打出
(
うちだ
)
すのだ。
064
いゝか、
065
分
(
わか
)
つたかな』
066
五三公
(
いそこう
)
『エ、
067
今
(
いま
)
自費
(
じひ
)
の
弾丸
(
だんぐわん
)
を
打出
(
うちだ
)
せと
仰有
(
おつしや
)
いましたが、
068
私
(
わたし
)
は
自費
(
じひ
)
の
弾丸
(
だんぐわん
)
も
官費
(
くわんぴ
)
の
弾丸
(
だんぐわん
)
も
持
(
も
)
つてゐませぬが
如何
(
どう
)
致
(
いた
)
しませうかな』
069
万公
(
まんこう
)
『エー、
070
分
(
わか
)
りもせぬ
癖
(
くせ
)
に
喋
(
しやべ
)
くるない。
071
慈悲
(
じひ
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
恵
(
めぐみ
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ。
072
ま
一
(
ひと
)
つわつて
云
(
い
)
へば
情
(
なさけ
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ。
073
シンパシイの
心
(
こころ
)
を
以
(
もつ
)
て
敵
(
てき
)
に
向
(
むか
)
へと
仰有
(
おつしや
)
るのだ。
074
貴様
(
きさま
)
は
如何
(
どう
)
しても
現界
(
げんかい
)
的
(
てき
)
の
頭
(
あたま
)
が
脱
(
ぬ
)
けぬと
見
(
み
)
えて、
075
直
(
すぐ
)
に
何事
(
なにごと
)
でも
統計
(
とうけい
)
的
(
てき
)
に
解釈
(
かいしやく
)
し、
076
官費
(
くわんぴ
)
だの
自費
(
じひ
)
だのと
会計係
(
くわいけいがかり
)
か
何
(
なに
)
かの
様
(
やう
)
に
直
(
すぐ
)
に、
077
そんな
処
(
ところ
)
へ
持
(
も
)
つて
行
(
ゆ
)
きやがるのだ。
078
物質
(
ぶつしつ
)
的
(
てき
)
欲望
(
よくばう
)
の
垢
(
あか
)
がとれぬと
見
(
み
)
えるわい。
079
本当
(
ほんたう
)
に
困
(
こま
)
つたものだな。
080
モシ
先生
(
せんせい
)
、
081
こんな
奴
(
やつ
)
を
言霊戦
(
ことたません
)
に
参加
(
さんか
)
させちや、
082
却
(
かへつ
)
て
味方
(
みかた
)
の
不利
(
ふり
)
です。
083
五三公
(
いそこう
)
だけは
謹
(
つつし
)
んで
返上
(
へんじやう
)
致
(
いた
)
しますから、
084
何卒
(
なにとぞ
)
、
085
塵紙
(
ちりがみ
)
にでも
包
(
つつ
)
んで
明日
(
あす
)
の
十二
(
じふに
)
時
(
じ
)
まで、
086
懐
(
ふところ
)
か
袂
(
たもと
)
へ
入
(
い
)
れてしまつておいて
下
(
くだ
)
さい』
087
五三公
(
いそこう
)
『
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬか
)
しやがるのだい。
088
俺
(
おれ
)
を
虫族
(
むしけら
)
扱
(
あつかひ
)
にしてるぢやないか。
089
そんな
事
(
こと
)
で
善言
(
ぜんげん
)
美詞
(
びし
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
使
(
つか
)
ふ
神司
(
かむつかさ
)
と
云
(
い
)
へるかい。
090
本当
(
ほんたう
)
に
言霊
(
ことたま
)
の
悪
(
わる
)
い
奴
(
やつ
)
だな』
091
敵
(
てき
)
の
軍隊
(
ぐんたい
)
は
峻坂
(
しゆんぱん
)
をエチエチと
漸
(
やうや
)
く
四五
(
しご
)
間前
(
けんまへ
)
まで
登
(
のぼ
)
つて
来
(
き
)
た。
092
ズツと
谷底
(
たにそこ
)
を
見渡
(
みわた
)
せば
二三十
(
にさんじつ
)
丁
(
ちやう
)
ばかりも
騎馬隊
(
きばたい
)
が
続
(
つづ
)
いてゐる。
093
万公
(
まんこう
)
はツカツカと
先鋒
(
せんぽう
)
に
立
(
た
)
つた
騎士
(
きし
)
の
前
(
まへ
)
に
進
(
すす
)
みより、
094
大手
(
おほて
)
を
拡
(
ひろ
)
げて、
095
万公
『バラモン
教
(
けう
)
の
軍人
(
いくさびと
)
共
(
ども
)
、
096
暫
(
しばら
)
く
待
(
ま
)
つた』
097
騎士
(
きし
)
『
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
吾々
(
われわれ
)
の
進軍
(
しんぐん
)
を
妨
(
さまた
)
げ
様
(
やう
)
と
致
(
いた
)
すのか、
098
怪
(
け
)
しからぬ
奴
(
やつ
)
だ。
099
そこ
除
(
ど
)
け、
100
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
致
(
いた
)
すと、
101
此
(
この
)
槍
(
やり
)
の
切先
(
きつさき
)
がお
見舞
(
みまひ
)
申
(
まを
)
すぞ』
102
万公
(
まんこう
)
『アハヽヽヽ
吐
(
ぬか
)
したりな
吐
(
ぬか
)
したりな、
103
ヘナチヨコ
士
(
ざむらひ
)
奴
(
め
)
、
104
俺
(
おれ
)
を
誰
(
たれ
)
だと
心得
(
こころえ
)
てゐる。
105
勿体
(
もつたい
)
なくも
辱
(
かたじけ
)
なくも、
106
天地
(
てんち
)
の
御
(
ご
)
先祖
(
せんぞ
)
と
現
(
あら
)
はれ
給
(
たま
)
ふ
大国治立
(
おほくにはるたちの
)
尊
(
みこと
)
の
御
(
ご
)
守護
(
しゆご
)
遊
(
あそ
)
ばす
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
の
見習生
(
みならひせい
)
だ、
107
今日
(
こんにち
)
只今
(
ただいま
)
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
の
一隊
(
いつたい
)
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
を
渡
(
わた
)
り
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
へ
攻
(
せ
)
め
寄
(
よ
)
せ
来
(
きた
)
ると
聞
(
き
)
き、
108
此処
(
ここ
)
に
待
(
ま
)
ち
伏
(
ぶ
)
せて
居
(
を
)
つたのだ。
109
サア
此
(
この
)
先
(
さき
)
、
110
一足
(
ひとあし
)
でも
進
(
すす
)
めるものなら
進
(
すす
)
んで
見
(
み
)
たがよからうぞ』
111
と
大手
(
おほて
)
を
拡
(
ひろ
)
げ
眉
(
まゆ
)
を
上
(
あ
)
げ
下
(
さ
)
げし
目
(
め
)
をクリクリと
回転
(
くわいてん
)
させ、
112
芝居
(
しばゐ
)
気取
(
きどり
)
になつて
見
(
み
)
えを
切
(
き
)
つた。
113
騎士
(
きし
)
『アハヽヽヽ
御供
(
ごく
)
にも
立
(
た
)
たぬ
蠅虫
(
はいむし
)
奴
(
め
)
等
(
ら
)
、
114
其
(
その
)
広言
(
くわうげん
)
は
後
(
のち
)
に
聞
(
き
)
かう。
115
サア
之
(
これ
)
からは
槍
(
やり
)
の
錆
(
さび
)
だ、
116
観念
(
くわんねん
)
致
(
いた
)
せ』
117
万公
(
まんこう
)
『エー、
118
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
吐
(
ぬか
)
すと
言霊
(
ことたま
)
の
発射
(
はつしや
)
だぞ』
119
騎士
(
きし
)
『アハヽヽヽヽ
怪体
(
けたい
)
な
奴
(
やつ
)
が
現
(
あら
)
はれたものだな』
120
先鋒隊
(
せんぽうたい
)
の
一人
(
ひとり
)
が
立
(
た
)
ち
止
(
と
)
まつたので、
121
追々
(
おひおひ
)
やつて
来
(
き
)
た
騎馬隊
(
きばたい
)
は
急坂
(
きふはん
)
に
立止
(
たちど
)
まり、
122
立往生
(
たちわうじやう
)
の
態
(
てい
)
である。
123
後
(
うしろ
)
の
方
(
はう
)
から
久米彦
(
くめひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
は
采配
(
さいはい
)
を
打
(
う
)
ち
振
(
ふ
)
り、
124
『
進
(
すす
)
め
進
(
すす
)
め』と
厳
(
きび
)
しき
下知
(
げち
)
をやつて
居
(
ゐ
)
る。
125
殿
(
しんがり
)
には
又
(
また
)
もや
一人
(
ひとり
)
の
将軍
(
しやうぐん
)
、
126
采配
(
さいはい
)
を
打
(
う
)
ち
振
(
ふ
)
り『
進
(
すす
)
め
進
(
すす
)
め』と
叱咤
(
しつた
)
してゐる。
127
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つた
騎士
(
きし
)
は
万公
(
まんこう
)
に
遮
(
さへぎ
)
られて
進
(
すす
)
みも
得
(
え
)
ず、
128
仏頂面
(
ぶつちやうづら
)
を
馬上
(
ばじやう
)
に
曝
(
さら
)
し、
129
髪
(
かみ
)
逆立
(
さかだ
)
てて
呶鳴
(
どな
)
つてゐる。
130
騎士
(
きし
)
『コリヤ、
131
小童子
(
こわつぱ
)
共
(
ども
)
、
132
道
(
みち
)
を
開
(
あ
)
け』
133
万公
(
まんこう
)
『ハヽヽヽヽ
弱
(
よわ
)
つたか。
134
何程
(
なにほど
)
敵
(
てき
)
が
沢山
(
たくさん
)
攻
(
せ
)
め
寄
(
よ
)
せ
来
(
きた
)
るとも
此
(
この
)
難所
(
なんしよ
)
、
135
一度
(
いちど
)
に
二人
(
ふたり
)
とかかる
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ようまい。
136
一人
(
ひとり
)
々々
(
ひとり
)
虱殺
(
しらみごろ
)
しにやつてやらうかい』
137
治国別
(
はるくにわけ
)
『コリヤコリヤ
万公
(
まんこう
)
、
138
争
(
あらそ
)
ひを
致
(
いた
)
せとは
決
(
けつ
)
して
命令
(
めいれい
)
しない。
139
何故
(
なぜ
)
善言
(
ぜんげん
)
美詞
(
びし
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
用
(
もち
)
ひないのか』
140
万公
(
まんこう
)
『
言霊
(
ことたま
)
よりも
私
(
わたし
)
の
腕
(
うで
)
が
先陣
(
せんぢん
)
を
勤
(
つと
)
めたがつて
仕方
(
しかた
)
がありませぬわ。
141
言霊
(
ことたま
)
軍隊
(
ぐんたい
)
はサツパリ
休戦
(
きうせん
)
の
喇叭
(
ラツパ
)
を
吹
(
ふ
)
いたと
見
(
み
)
えます。
142
如何
(
どう
)
しても
出
(
で
)
て
来
(
き
)
ませぬがな』
143
治国別
(
はるくにわけ
)
『そんなら
晴公
(
はるこう
)
、
144
お
前
(
まへ
)
代
(
かは
)
つて
言霊
(
ことたま
)
を
発射
(
はつしや
)
せよ』
145
晴公
(
はるこう
)
『ハイ、
146
確
(
たしか
)
に
承知
(
しようち
)
致
(
いた
)
しました。
147
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
148
治国別
(
はるくにわけ
)
に
従
(
したが
)
ひて
149
ここに
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
りしは
150
御空
(
みそら
)
も
清
(
きよ
)
く
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
る
151
晴公
(
はるこう
)
さまの
宣伝使
(
せんでんし
)
152
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
を
放
(
はな
)
ちなば
153
一歩
(
いつぽ
)
も
此
(
この
)
山
(
やま
)
進
(
すす
)
めまい
154
早
(
はや
)
く
馬
(
うま
)
より
下
(
くだ
)
り
来
(
き
)
て
155
善言
(
ぜんげん
)
美詞
(
びし
)
の
三五
(
あななひ
)
の
156
世人
(
よびと
)
を
救
(
すく
)
ふ
御教
(
みをしへ
)
を
157
心
(
こころ
)
を
鎮
(
しづ
)
めて
聞
(
き
)
くがよい
158
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
159
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
160
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
161
星
(
ほし
)
は
天
(
てん
)
より
落
(
お
)
つるとも
162
悪
(
あく
)
の
栄
(
さか
)
えし
例
(
ためし
)
ない
163
大黒主
(
おほくろぬし
)
に
従
(
したが
)
ひし
164
枉
(
まが
)
の
軍
(
いくさ
)
の
人々
(
ひとびと
)
よ
165
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
村肝
(
むらきも
)
の
166
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
立直
(
たてなほ
)
し
167
仁慈
(
じんじ
)
無限
(
むげん
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
168
清
(
きよ
)
き
教
(
をしへ
)
を
聞
(
き
)
くがよい
169
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
170
同
(
おな
)
じ
天地
(
てんち
)
に
生
(
うま
)
れ
来
(
き
)
て
171
争
(
あらそ
)
ひ
憎
(
にく
)
み
戦
(
たたか
)
ふは
172
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御神慮
(
みこころ
)
に
173
背反
(
はいはん
)
したる
醜業
(
しこわざ
)
ぞ
174
今
(
いま
)
打出
(
うちいだ
)
す
言霊
(
ことたま
)
を
175
心
(
こころ
)
を
据
(
す
)
ゑてよつく
聞
(
き
)
け
176
大黒主
(
おほくろぬし
)
は
強
(
つよ
)
くとも
177
手下
(
てした
)
は
如何
(
いか
)
に
多
(
おほ
)
くとも
178
天地
(
てんち
)
を
造
(
つく
)
り
給
(
たま
)
ひたる
179
神
(
かみ
)
に
対
(
たい
)
して
刃向
(
はむか
)
ふも
180
如何
(
いか
)
でか
終
(
をはり
)
を
完
(
まつた
)
うせむ
181
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
目
(
め
)
を
覚
(
さ
)
ませ
182
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
183
神
(
かみ
)
に
誓
(
ちか
)
ひて
晴公
(
はるこう
)
が
184
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
一同
(
いちどう
)
に
気
(
き
)
をつける』
185
晴公
(
はるこう
)
が
熱誠
(
ねつせい
)
をこめて
宣
(
の
)
り
上
(
あ
)
げた
生言霊
(
いくことたま
)
を
耳
(
みみ
)
にもかけず、
186
馬
(
うま
)
に
鞭撻
(
むちう
)
ち
一目散
(
いちもくさん
)
に
坂道
(
さかみち
)
を
上
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
かうとする。
187
万公
(
まんこう
)
は
只
(
ただ
)
一騎
(
いつき
)
にても
此
(
この
)
峠
(
たうげ
)
を
通過
(
つうくわ
)
させてはならないと、
188
雷
(
らい
)
の
如
(
ごと
)
き
大音声
(
だいおんぜう
)
を
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げ、
189
万公
(
まんこう
)
(
大声
(
おほごゑ
)
で)『
待
(
ま
)
て、
190
曲者
(
くせもの
)
』
191
と
呶鳴
(
どな
)
りつけた。
192
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つた
騎士
(
きし
)
は
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
に
辟易
(
へきえき
)
し、
193
馬
(
うま
)
は
驚
(
おどろ
)
いて
危険
(
きけん
)
な
谷道
(
たにみち
)
で
荒
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
ふ。
194
先頭
(
せんとう
)
に
立
(
た
)
つた
馬
(
うま
)
の
足並
(
あしなみ
)
乱
(
みだ
)
れたるを
見
(
み
)
て、
195
次
(
つぎ
)
の
馬
(
うま
)
も
亦
(
また
)
何
(
なん
)
に
驚
(
おどろ
)
いてか
荒
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
ひ
出
(
だ
)
した。
196
一匹
(
いつぴき
)
の
馬
(
うま
)
が
狂
(
くる
)
へば
千匹
(
せんびき
)
の
馬
(
うま
)
が
狂
(
くる
)
ふ
譬
(
たと
)
へ、
197
次
(
つぎ
)
から
次
(
つぎ
)
へ
伝染
(
でんせん
)
して、
198
数百頭
(
すうひやくとう
)
の
馬
(
うま
)
はヒンヒンと
嘶
(
いなな
)
き
乍
(
なが
)
ら
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
り、
199
何
(
いづ
)
れの
騎士
(
きし
)
も
其
(
その
)
制御
(
せいぎよ
)
にもちあぐんでゐた。
200
万公
(
まんこう
)
『ハヽヽ、
201
晴公
(
はるこう
)
の
婉曲
(
ゑんきよく
)
な
生言霊
(
いくことたま
)
よりも
俺
(
おれ
)
の
一喝
(
いつかつ
)
が
余程
(
よほど
)
利
(
き
)
いたと
見
(
み
)
えるわい。
202
一人
(
ひとり
)
でも
万公
(
まんこう
)
だから
万倍
(
まんばい
)
の
力
(
ちから
)
が
備
(
そな
)
はつてゐると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
今
(
いま
)
実験
(
じつけん
)
した。
203
エヘヽヽヽ
愉快
(
ゆくわい
)
だ
愉快
(
ゆくわい
)
だ、
204
何
(
ど
)
の
馬
(
うま
)
も
此
(
こ
)
の
馬
(
うま
)
も
一度
(
いちど
)
に
狂
(
くる
)
ひ
出
(
だ
)
したぢやないか』
205
晴公
(
はるこう
)
『
馬鹿
(
ばか
)
云
(
い
)
ふな、
206
晴駒
(
はるこま
)
が
狂
(
くる
)
うたのだ。
207
晴公
(
はるこう
)
の
言霊
(
ことたま
)
で
駒
(
こま
)
が
狂
(
くる
)
ふから
春駒
(
はるこま
)
と
云
(
い
)
ふのだよ。
208
「
咲
(
さ
)
いた
桜
(
さくら
)
に
何故
(
なぜ
)
駒
(
こま
)
つなぐ、
209
駒
(
こま
)
が
勇
(
いさ
)
めば
花
(
はな
)
が
散
(
ち
)
る」エヘヽヽヽヽ
一番槍
(
いちばんやり
)
の
功名
(
こうみやう
)
はやつぱり
晴公
(
はるこう
)
だよ』
210
治国別
(
はるくにわけ
)
はいと
荘重
(
さうちよう
)
な
声
(
こゑ
)
にて
歌
(
うた
)
ひ
初
(
はじ
)
めたり。
211
治国別
『
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
が
現
(
あら
)
はれて
212
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
の
峻坂
(
しゆんぱん
)
で
213
善神
(
ぜんしん
)
邪神
(
じやしん
)
を
立
(
た
)
て
別
(
わ
)
ける
214
バラモン
教
(
けう
)
の
司
(
つかさ
)
等
(
たち
)
215
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
を
聞召
(
きこしめ
)
せ
216
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
217
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
との
御水火
(
みいき
)
より
218
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でたるものぞかし
219
月
(
つき
)
は
御空
(
みそら
)
に
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
り
220
日
(
ひ
)
は
晃々
(
くわうくわう
)
と
輝
(
かがや
)
ける
221
無事
(
ぶじ
)
太平
(
たいへい
)
の
天国
(
てんごく
)
に
222
憎
(
にく
)
み
争
(
あらそ
)
ひあるべきぞ
223
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
三五
(
あななひ
)
の
224
仁慈
(
じんじ
)
無限
(
むげん
)
の
御教
(
みをしへ
)
に
225
眼
(
まなこ
)
を
覚
(
さ
)
ませ
耳
(
みみ
)
すませ
226
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
を
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
せ
227
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
228
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
229
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
230
星
(
ほし
)
は
空
(
そら
)
より
落
(
お
)
つるとも
231
印度
(
いんど
)
の
海
(
うみ
)
はあするとも
232
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
軍隊
(
ぐんたい
)
は
233
如何
(
いか
)
に
勢
(
いきほ
)
ひ
強
(
つよ
)
くとも
234
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
道
(
みち
)
に
235
背
(
そむ
)
きて
事
(
こと
)
の
成
(
な
)
るべきぞ
236
省
(
かへり
)
み
給
(
たま
)
へバラモンの
237
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
司
(
つかさ
)
等
(
たち
)
238
其
(
その
)
外
(
ほか
)
百
(
もも
)
の
軍人
(
いくさびと
)
239
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
茲
(
ここ
)
に
謹
(
つつし
)
みて
240
汝
(
なんぢ
)
ら
一同
(
いちどう
)
神
(
かみ
)
の
代
(
よ
)
に
241
安
(
やす
)
く
楽
(
たの
)
しく
救
(
すく
)
はむと
242
真心
(
まごころ
)
こめて
言霊
(
ことたま
)
の
243
光
(
ひかり
)
を
現
(
あら
)
はし
奉
(
たてまつ
)
る
244
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
245
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
246
只
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
247
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
248
身
(
み
)
の
過
(
あやまち
)
を
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
す
249
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
250
諾
(
うべな
)
ひませよ
惟神
(
かむながら
)
251
神
(
かみ
)
に
誓
(
ちか
)
ひて
亀彦
(
かめひこ
)
が
252
治国別
(
はるくにわけ
)
と
現
(
あら
)
はれて
253
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
一同
(
いちどう
)
に
宣
(
の
)
り
伝
(
つた
)
ふ
254
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
255
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましませよ』
256
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
るや、
257
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つた
騎士
(
きし
)
は
馬
(
うま
)
をヒラリと
飛
(
と
)
び
下
(
お
)
り、
258
一目散
(
いちもくさん
)
に
道
(
みち
)
なき
山腹
(
さんぷく
)
を
駆
(
か
)
け
下
(
くだ
)
る。
259
一同
(
いちどう
)
の
騎士
(
きし
)
は
之
(
これ
)
に
做
(
なら
)
つて、
260
何
(
いづ
)
れも
吾遅
(
われおく
)
れじと
馬
(
うま
)
を
飛
(
と
)
び
下
(
お
)
り
一目散
(
いちもくさん
)
に
引
(
ひ
)
き
返
(
かへ
)
す、
261
其
(
その
)
可笑
(
をか
)
しさ。
262
馬
(
うま
)
も
是非
(
ぜひ
)
なく
妙
(
めう
)
な
腰付
(
こしつき
)
し
乍
(
なが
)
らコツリコツリと
引
(
ひ
)
き
返
(
かへ
)
し
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
263
万公
(
まんこう
)
『アハヽヽヽヽ
何
(
なん
)
と
脆
(
もろ
)
いものだな。
264
如何
(
いか
)
に
鬼神
(
きしん
)
だとてこんな
時
(
とき
)
に
敵
(
てき
)
に
出会
(
でつくは
)
したら
堪
(
たま
)
つたものぢやないわ。
265
何
(
なん
)
と
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
はいい
時
(
とき
)
に
出会
(
であ
)
はして
下
(
くだ
)
さるものだ。
266
之
(
これ
)
だからあまり
急
(
せ
)
いても、
267
遅
(
おく
)
れても、
268
不可
(
いかん
)
と
云
(
い
)
ふのだ。
269
もしも
登
(
のぼ
)
り
坂
(
ざか
)
で
出会
(
でつくは
)
さうものなら
斯
(
か
)
う
埒
(
らち
)
よく
行
(
ゆ
)
かないが
都合
(
つがふ
)
のいい
地点
(
ちてん
)
だつた。
270
アハヽヽヽ
有難
(
ありがた
)
い
有難
(
ありがた
)
い
治国別
(
はるくにわけ
)
様
(
さま
)
、
271
万公
(
まんこう
)
の
初陣
(
うひぢん
)
は
如何
(
いかが
)
で
厶
(
ござ
)
いましたな。
272
屹度
(
きつと
)
金鵄
(
きんし
)
勲章
(
くんしやう
)
が
頂戴
(
ちやうだい
)
出来
(
でき
)
るでせう』
273
治国別
(
はるくにわけ
)
『ウン、
274
遺憾
(
ゐかん
)
乍
(
なが
)
ら
改心
(
かいしん
)
させずに
ぼつ
返
(
かへ
)
して
了
(
しま
)
つた。
275
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
此
(
この
)
峠
(
たうげ
)
で
喰
(
く
)
ひとめた
丈
(
だ
)
けが、
276
まだしも
吾々
(
われわれ
)
の
職務
(
しよくむ
)
が
勤
(
つと
)
まつたと
云
(
い
)
ふものだ。
277
先
(
ま
)
づ
一服
(
いつぷく
)
したら
宜
(
よ
)
からう。
278
逃
(
に
)
げ
行
(
ゆ
)
く
敵
(
てき
)
に
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
一隊
(
いつたい
)
が
祠
(
ほこら
)
のあたりで
又
(
また
)
もや
言霊
(
ことたま
)
を
発射
(
はつしや
)
してるだらう。
279
敵
(
てき
)
になつても
堪
(
たま
)
つたものぢやないわ』
280
五三公
(
いそこう
)
『
何
(
なん
)
と
先生
(
せんせい
)
の
言霊
(
ことたま
)
はよく
利
(
き
)
きますなア。
281
晴公
(
はるこう
)
の
言霊
(
ことたま
)
が
十五点
(
じふごてん
)
なら
先生
(
せんせい
)
のは
万点
(
まんてん
)
ですわ。
282
いやもう
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
りました。
283
オイ
万公
(
まんこう
)
、
284
敵
(
てき
)
の
勢
(
いきほひ
)
に
辟易
(
へきえき
)
して
今迄
(
いままで
)
の
広言
(
くわうげん
)
に
似
(
に
)
ず
絶句
(
ぜつく
)
して
一言
(
いちげん
)
も
発射
(
はつしや
)
出来
(
でき
)
なかつたぢやないか。
285
大方
(
おほかた
)
開
(
あ
)
いた
口
(
くち
)
がすぼまらなんだのか、
286
すぼんだ
口
(
くち
)
が
早速
(
さつそく
)
に
開
(
あ
)
かなんだのか、
287
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
惨目
(
みぢめ
)
な
態
(
ざま
)
だつたい』
288
万公
(
まんこう
)
『ナニ、
289
俺
(
おれ
)
のは
荒木
(
あらき
)
細工
(
ざいく
)
だ。
290
荒木
(
あらき
)
棟梁
(
とうりやう
)
だ。
291
晴公
(
はるこう
)
のは
小細工
(
こざいく
)
棟梁
(
とうりやう
)
だ。
292
先
(
ま
)
づ
此
(
この
)
万公
(
まんこう
)
さまが、
293
うまうまと
荒削
(
あらけづ
)
りをやつて
置
(
お
)
いたものだから、
294
晴公
(
はるこう
)
の
言霊
(
ことたま
)
も
如何
(
どう
)
なり
斯
(
か
)
うなり
発射
(
はつしや
)
出来
(
でき
)
たのだよ。
295
先生
(
せんせい
)
のは、
296
こりや
特別
(
とくべつ
)
だ。
297
さぞ
今頃
(
いまごろ
)
は
敵
(
てき
)
の
奴
(
やつ
)
、
298
狼狽
(
らうばい
)
してゐることだらう。
299
ヤア、
300
月
(
つき
)
が
俄
(
にはか
)
に
雲
(
くも
)
の
衣
(
きぬ
)
を
被
(
かむ
)
り
給
(
たま
)
うた。
301
あの
雲
(
くも
)
さへのけば
敵
(
てき
)
の
敗亡
(
はいばう
)
を
見下
(
みお
)
ろすに
都合
(
つがふ
)
が
好
(
い
)
いのだけどな。
302
アハヽヽヽエヘヽヽヽヽ』
303
治国別
(
はるくにわけ
)
『サア、
304
ボツボツと
出掛
(
でかけ
)
ようか。
305
玉国別
(
たまくにわけ
)
さまと
屹度
(
きつと
)
衝突
(
しようとつ
)
してるだらう。
306
之
(
これ
)
から
後
(
あと
)
おつかけて、
307
もう
一戦
(
ひといくさ
)
しよう』
308
と
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
り
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
下
(
くだ
)
りゆく。
309
谷間
(
たにま
)
の
彼方
(
かなた
)
此方
(
こなた
)
には
敵
(
てき
)
の
乗
(
の
)
り
捨
(
す
)
てた
馬
(
うま
)
が
嘶
(
いなな
)
いてゐる。
310
万公
(
まんこう
)
は
得意
(
とくい
)
になつて
月下
(
げつか
)
の
道
(
みち
)
を
下
(
くだ
)
りつつ
歌
(
うた
)
ひ
初
(
はじ
)
めた。
311
万公
『ウントコ ドツコイ ドツコイシヨ
312
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
はきつい
坂
(
さか
)
313
やうやう
登
(
のぼ
)
りつめた
時
(
とき
)
314
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
は
皎々
(
かうかう
)
と
315
数十
(
すうじふ
)
里
(
り
)
にも
亘
(
わた
)
りたる
316
原野
(
げんや
)
を
照
(
て
)
らし
給
(
たま
)
ひつつ
317
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
一行
(
いつかう
)
守
(
まも
)
ります
318
あゝ
有難
(
ありがた
)
し
有難
(
ありがた
)
し
319
治国別
(
はるくにわけ
)
に
従
(
したが
)
ひて
320
二人
(
ふたり
)
の
弱虫
(
よわむし
)
諸共
(
もろとも
)
に
321
坂
(
さか
)
の
此方
(
こなた
)
に
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
322
風
(
かぜ
)
が
持
(
も
)
て
来
(
く
)
る
鐘
(
かね
)
の
音
(
おと
)
323
こりや
堪
(
たま
)
らぬと
雀躍
(
こをどり
)
し
324
待
(
ま
)
つ
間
(
ま
)
程
(
ほど
)
なく
登
(
のぼ
)
り
来
(
く
)
る
325
数百
(
すうひやく
)
人
(
にん
)
の
騎士
(
きし
)
の
隊
(
たい
)
326
忽
(
たちま
)
ち
万
(
まん
)
さま
躍
(
をど
)
り
出
(
い
)
で
327
疾風
(
しつぷう
)
迅雷
(
じんらい
)
息
(
いき
)
つかず
328
大喝
(
たいかつ
)
一声
(
いつせい
)
言霊
(
ことたま
)
を
329
ドンと
一発
(
いつぱつ
)
打出
(
うちだ
)
せば
330
先登
(
せんとう
)
に
立
(
た
)
つた
騎士
(
きし
)
の
奴
(
やつ
)
331
忽
(
たちま
)
ち
青
(
あを
)
い
顔
(
かほ
)
をして
332
地震
(
ぢしん
)
の
孫
(
まご
)
か
菎蒻
(
こんにやく
)
の
333
幽霊
(
いうれい
)
見
(
み
)
たよにブルブルと
334
震
(
ふる
)
ひ
出
(
だ
)
したる
可笑
(
をか
)
しさよ
335
ウントコドツコイ
危
(
あぶな
)
いよ
336
夜目
(
よめ
)
にはしかと
分
(
わか
)
らねど
337
馬
(
うま
)
の
足形
(
あしがた
)
沢山
(
たくさん
)
に
338
所狭
(
ところせ
)
き
迄
(
まで
)
ついてゐる
339
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
340
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
此
(
この
)
坂
(
さか
)
を
341
トントントンと
下
(
くだ
)
りつき
342
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
に
待
(
ま
)
ち
給
(
たま
)
ふ
343
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
344
其
(
その
)
他
(
た
)
の
一行
(
いつかう
)
におひついて
345
バラモン
教
(
けう
)
の
敵軍
(
てきぐん
)
を
346
片
(
かた
)
つ
端
(
ぱし
)
から
薙
(
な
)
ぎ
倒
(
たふ
)
し
347
善言
(
ぜんげん
)
美詞
(
びし
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
348
雪
(
ゆき
)
か
霰
(
あられ
)
か
夕立
(
ゆふだち
)
の
349
降
(
ふ
)
り
濺
(
そそ
)
ぐ
如
(
ごと
)
浴
(
あ
)
びせかけ
350
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
三五
(
あななひ
)
の
351
教
(
をしへ
)
を
深
(
ふか
)
く
暁
(
さと
)
らしめ
352
ウントコドツコイ
曲
(
まが
)
り
道
(
みち
)
353
ウツカリすると
滑
(
すべ
)
るぞよ
354
コリヤコリヤ
五三公
(
いそこう
)
気
(
き
)
をつけよ
355
晴公
(
はるこう
)
も
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
ぢやぞや
356
治国別
(
はるくにわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
357
貴方
(
あなた
)
も
気
(
き
)
をつけなさいませ
358
何処
(
どこ
)
かそこらの
木
(
き
)
の
蔭
(
かげ
)
に
359
敵
(
てき
)
の
片割
(
かたわれ
)
潜伏
(
せんぷく
)
し
360
不意
(
ふい
)
に
手槍
(
てやり
)
を
扱
(
しご
)
きつつ
361
突掛
(
つつかけ
)
来
(
きた
)
るも
図
(
はか
)
られず
362
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
363
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
よ
364
何卒
(
どうぞ
)
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
一行
(
いつかう
)
を
365
守
(
まも
)
らせ
給
(
たま
)
ひて
逸早
(
いちはや
)
く
366
曲津
(
まがつ
)
の
軍
(
いくさ
)
を
帰順
(
きじゆん
)
させ
367
貴方
(
あなた
)
の
御
(
お
)
側
(
そば
)
へ
復言
(
かへりごと
)
368
申
(
まを
)
させ
給
(
たま
)
へと
万公
(
まんこう
)
が
369
満腔
(
まんこう
)
の
熱誠
(
ねつせい
)
捧
(
ささ
)
げつつ
370
謹
(
つつし
)
み
敬
(
うやま
)
ひ
願
(
ねが
)
ひます
371
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
372
月
(
つき
)
黒雲
(
くろくも
)
に
隠
(
かく
)
るとも
373
此
(
この
)
山道
(
やまみち
)
は
如何
(
どう
)
しても
374
渡
(
わた
)
らにやならぬ
吾々
(
われわれ
)
は
375
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みを
蒙
(
かうむ
)
りて
376
依
(
よ
)
さしの
使命
(
しめい
)
を
果
(
はた
)
さぬと
377
何
(
ど
)
しても
斯
(
こ
)
しても
済
(
す
)
みませぬ
378
ウントコ ドツコイ ドツコイシヨ
379
又
(
また
)
もやそこに
曲
(
まが
)
り
道
(
みち
)
380
殊更
(
ことさら
)
きつい
坂
(
さか
)
がある
381
斯
(
こ
)
う
云
(
い
)
ふ
内
(
うち
)
にも
気
(
き
)
が
急
(
せ
)
いて
382
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
383
案
(
あん
)
じ
出
(
だ
)
されて
仕方
(
しかた
)
ない
384
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
385
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましませよ』
386
(
大正一一・一一・二七
旧一〇・九
北村隆光
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 夜の昼
(B)
(N)
双遇 >>>
霊界物語
>
舎身活躍(第37~48巻)
>
第43巻(午の巻)
> 第3篇 河鹿の霊嵐 > 第11章 帰馬
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第11章 帰馬|第43巻|舎身活躍|霊界物語|/rm4311】
合言葉「みろく」を入力して下さい→