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五月十日 於香長支部及高知足立氏邸

インフォメーション
題名：5月10日 於香長支部及高知足立氏邸 著者：月の家（出口王仁三郎）
ページ：43
概要： 備考： タグ： データ凡例： データ最終更新日：2018-08-19 19:21:48 OBC ：B117500c06
山岡氏やかたの庭に立出でて
鯉(こひ)にたはむれ遊びけるかな。
庭の面(も)に咲き乱れたる草花の
色々見れば心柔(やはら)ぐ。
土佐の守(かみ)細川居城三四丁
東南にあれど訪ねん暇なし。
此(この)あたり長曽我部(ちやうそかべ)軍戦歿(せんぼつ)の
勇士の墓のありしとぞ聞く。
山々に包まれにける土佐の国に
この辺りのみ平野広がる。
香美(かみ)郡田村［※旧・香美郡田村、現・南国市田村］の香長(かなが)支部に居て
十一枚の半切を書く。
藤の宮山岡邸を後にして
山田の西内宅次氏を訪(おとな)ふ。
大神の恵みの光暉(かがや)きて
此のあたりにも信徒(まめひと)ありけり。
山田町西内方に来て見れば
鳴球白嶺数氏待ち居り。
赤岡の公会堂の聴講者
二百余名有りしとぞ聞く。
今晩は後免(ごめん)公会堂に於(おい)て
両氏大本講演を為す。
道行けば四国巡礼五六人
法衣をつけて徐(おもむ)ろに行く。
町人は次々に来て面会を
求めけるかな西内宅まで。
栗原氏小学校に鳴球氏
御免(ごめん)公会堂に出演。
昼飯を信徒(まめひと)共に饗応(きやうおう)され
午後二時高知をさして立ち行く。
出発の間際(まぎは)となりて半切紙
二十一枚揮毫(きがう)せしかな。
自動車は四十哩(マイル)の速力を
出して高知へ直進を為す。
紺屋町伯耆(はうき)氏宅に立寄りて
神の御前に太祝詞(ふとのりと)宣(の)る。
どんよりと空は曇りて暖かく
風さへも無く苦しき今日かな。
先々で果物数多(あまた)並べられ
見るだけにても腹のふくるる。
出発に当り半切十一枚
心せはしく揮毫(きがう)せしかな。
新市(しんいち)町山本氏方を訪問し
神の大前神言(かみごと)を宣(の)る。
此処(ここ)も亦(また)半切十枚揮毫(きがう)して
神子に授け蓮(はす)池に向ふ。
蓮池町畠中氏の家さして
群衆の市中押し分けて行く。
畠中大人(うし)のやかたを立出でて
夕(ゆふ)べ足立氏館につきけり。
貫之(つらゆき)の君の昔をしのびつつ
土佐の国原めぐり見しかな。
徳島市中央支部長酒井宣使
吾迎へんと黄昏(たそがれ)に着く。
東京の事に関して亀岡ゆ
今日夕暮に電信きたる。
支那(しな)某氏神戸着との電報も
亦(また)亀岡ゆ届きて忙し。
水晶の象牙(ざうげ)細工の観音像
武田夫人ゆ貰(もら)ひけるかな。
山田町後免(ごめん)二ケ所の講演を
終りて両氏夜更(ふ)けて帰る。
黄昏に神職武内直氏来り
霊学上の談話為し行く。
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