霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第五章 (くし)滝壺(たきつぼ)〔七五一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第25巻 海洋万里 子の巻 篇:第2篇 自由活動 よみ(新仮名遣い):じゆうかつどう
章:第5章 酒の滝壺 よみ(新仮名遣い):くしのたきつぼ 通し章番号:751
口述日:1922(大正11)年07月08日(旧閏05月14日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年5月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
清公は、地恩郷の左守に任命されたが、権謀術数を駆使して宇豆姫と結婚し、権勢を拡げようとしたが、そのためにかえって地位を失ってしまったのは、まったく自分の利己主義の罪のためであると自覚した。
そこで清公は、黄竜姫の承諾を得て、チャンキーとモンキーと従えて、タカの港と漕ぎ出して日の出神の事跡を巡礼し、宣伝の旅に出ることになった。
一行はヒルの港に着き、飯依彦らの事跡を参拝して、クシの滝に向かった。その途上で休息を取っていた。清彦は、自分の悪念から起こったことから、かえって一宣伝使となって宣伝の旅に出る境遇になったことを神に感謝した。
モンキーは、かつて田依彦、時彦、芳彦が日の出神に導かれて改心した酒の滝が近いことを告げた。すると上流の谷間から、人々の鬨の声が聞こえてきた。モンキーを偵察に行かせたが、モンキーは大蛇を見て腰を抜かしてしまう。
チャンキーもモンキーの報告を聞いてその場に腰を抜かしてしまった。清公は二人に対して文句を言いながら一人様子を見に行くと、大蛇を郷人たちが取り巻いていた。
日の出神が渡ってきてから、この滝の酒は涸れてしまった。そのため、この酒を飲んでいた大蛇は業を煮やして、人間の子を襲うようになってしまった。神託を請うと、大蛇は飯依彦の子孫に憑依し、月に一回酒を醸して滝壺に満たすよう要求した。
しかしこれが郷人たちの非常な負担になっていた。そこで遂に郷人たちは、酒に毒を混ぜて大蛇を退治しようとしていたのだった。郷人たちは、大蛇に早く毒が回るように取り囲んで祈願を凝らしていたのであった。
この様子を見ていた清公は体が硬直してしまった。大蛇は苦しみ出して暴れまわった。その尻尾に振られて、清公は空中に飛ばされ、チャンキーとモンキーが腰を抜かしてしまった岩の上に落ちて来てしまった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-05-10 10:55:55 OBC :rm2505
愛善世界社版:93頁 八幡書店版:第5輯 65頁 修補版: 校定版:97頁 普及版:44頁 初版: ページ備考:
001(かみ)(めぐみ)(ひら)()
002()太平(たいへい)洋中(わだなか)
003堅磐常磐(かきはときは)(うか)びたる
004(かみ)(つく)りし冠島(かむりじま)
005黄金(こがね)(はな)()竜宮(りうぐう)
006(ひと)つの(しま)()()ひし
007()出神(でのかみ)御遺跡(おんゐせき)
008醜女(しこめ)探女(さぐめ)祝姫(はふりひめ)初版や愛世版では「祝部」だが、校定版・八幡版では「祝姫」に直している。文脈上は「祝姫」が正しい
009三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
010(かぜ)()(わた)(なみ)(うへ)
011(すべ)(きた)りし面那芸(つらなぎ)
012(かみ)(みこと)(まう)でたる
013(たつ)宮居(みやゐ)(いま)(なほ)
014御稜威(みいづ)(かがや)くヒル(みなと)
015屋根無(たなな)(ぶね)()(まか)
016(ちから)(かぎ)りに()(きた)
017三五教(あななひけう)神司(かむづかさ)
018地恩(ちおん)(さと)(あと)にして
019(たま)(あら)ひし清公(きよこう)
020チヤンキーモンキー引連(ひきつ)れて
021(すす)(きた)るぞ(けな)げなれ
022あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
023御霊(みたま)(さち)はひましまして
024(こころ)ねぢけし清公(きよこう)
025(むね)(とばり)()きあげて
026(かがや)()めし厳御魂(いづみたま)
027(みづ)御霊(みたま)神習(かむなら)
028天津祝詞(あまつのりと)()(なが)
029御船(みふね)浜辺(はまべ)(つな)ぎつつ
030身装(みなり)(かる)蓑笠(みのかさ)
031金剛杖(こんがうづゑ)(おく)られて
032山奥(やまおく)()して(すす)()る。
033 地恩城(ちおんじやう)一切(いつさい)教権(けうけん)掌握(しやうあく)したる高山彦(たかやまひこ)(あと)(おそ)ひ、034左守(さもり)となりすまし()たる清公(きよこう)(ここ)地恩城(ちおんじやう)のブランジーとして権威(けんゐ)(ふる)ひ、035宇豆姫(うづひめ)をクロンバーの位置(ゐち)()ゑ、036(わが)勢力(せいりよく)扶植(ふしよく)せむと種々(しゆじゆ)権謀術数(けんぼうじゆつすう)(ろう)したるも、037(てん)清公(きよこう)邪曲(じやきよく)(くみ)せず、038(つい)左守(さもり)(みづか)()し、039スマートボールをしてブランジーの(しよく)(もつぱ)らにせしむるの余儀(よぎ)なきに立到(たちいた)つたのも、040(まつた)()利己主義(りこしゆぎ)(つみ)(いた)(ところ)自覚(じかく)したる清公(きよこう)は、041転迷開悟(てんめいかいご)梅花(ばいくわ)(かをり)(こころ)(まなこ)(きよ)まり、042如何(いか)にもして神界(しんかい)御用(ごよう)身魂(みたま)相応(さうおう)(つと)め、043名誉(めいよ)恢復(くわいふく)せばやと、044チヤンキー、045モンキー両人(りやうにん)賛同(さんどう)()黄竜姫(わうりようひめ)以下(いか)承認(しようにん)(うへ)046タカの(みなと)()()でて屋根無(たなな)(ぶね)()(まか)せ、047(かつ)()出神(でのかみ)一行(いつかう)上陸(じやうりく)したるヒルの(みなと)(ふね)(とど)め、048竜宮(りうぐう)(みや)(まう)でて前途(ぜんと)無事(ぶじ)(いの)り、049飯依彦(いひよりひこ)050久々神(くくのかみ)051久木神(くきのかみ)遺跡(ゐせき)巡拝(じゆんぱい)(すす)んでクシの(たき)間近(まぢか)まで、052茴香(ういきよう)(かをり)(おく)られ(なが)夏風(なつかぜ)そよぐ急坂(きふはん)(あへ)(あへ)宣伝歌(せんでんか)(うた)(やうや)くにして、053風景(ふうけい)(もつと)()谷川(たにがは)(かたはら)()てる岩石(がんせき)(うへ)腰打掛(こしうちか)け、054(たび)(つか)れを(やす)めつつ(はなし)(ふけ)る。
055チヤンキー『アヽ(なん)()景色(けしき)だなア。056谷間(たにあひ)()両方(りやうはう)より(やま)(やま)とに圧搾(あつさく)されて、057非常(ひじやう)狭隘(けふあい)ではあるが、058(きよ)渓流(けいりう)飛沫(ひまつ)()ばし淙々(そうそう)水音(みなおと)()て、059(いは)()みつき、060佐久那太理(さくなだり)()()光景(くわうけい)は、061到底(たうてい)地恩城(ちおんじやう)附近(ふきん)にては()(こと)出来(でき)ない絶景(ぜつけい)だ。062我々(われわれ)清公(きよこう)さまの失敗(しつぱい)のお(かげ)で、063天下(てんか)自由自在(じいうじざい)宣伝(せんでん)する(こと)(ゆる)され、064(なん)だか(かご)(とり)宇宙(うちう)(はな)たれた(やう)気分(きぶん)になつて()た。065()うなると人間(にんげん)一度(いちど)失敗(しつぱい)もし、066慢心(まんしん)もやつて()なくては、067本当(ほんたう)天地(てんち)068人生(じんせい)真実味(しんじつみ)(わか)らないものだ。069……南無清公大明神(なむきよこうだいみやうじん)070チヤンキー、071モンキー両手(りやうて)(あは)有難(ありがた)感謝(かんしや)(いた)します。072アハヽヽヽ』
073とそろそろ地金(ぢがね)(あら)はし、074洒落(しやれ)気分(きぶん)になつて、075駄句(だく)()した。
076清公(きよこう)()(なか)一切万事(いつさいばんじ)惟神(かむながら)御経綸(ごけいりん)左右(さいう)されて()るものだ。077(おれ)地恩城(ちおんじやう)大野心(だいやしん)(おこ)し、078宇豆姫(うづひめ)()むとして終生(しうせい)(ぬぐ)(べか)らざる大恥(おほはじ)()いたのも、079(いま)になつて(かへり)みれば、080(じつ)仁慈(じんじ)無限(むげん)大神様(おほかみさま)御恵(みめぐみ)であつた。081(おのれ)()づるものは(おのれ)(かへ)る。082(わる)(こと)をすればキツト(わる)(むく)いが()るのは当然(たうぜん)だ。083(しか)るに(なん)ぞや。084あれ()体主霊従的(たいしゆれいじうてき)陰謀(いんぼう)組立(くみた)て、085(その)結果(けつくわ)斯様(かやう)結構(けつこう)宣伝使(せんでんし)となり、086(この)冠島(かむりじま)自由自在(じいうじざい)開放的(かいはうてき)宣伝(せんでん)せよとの(ゆる)しを()けたのは、087(あく)自然(しぜん)(ぜん)結果(けつくわ)(もたら)した(やう)なものだ。088これと()ふのも(まつた)神様(かみさま)神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)し、089()かして(はたら)かして(くだ)さる有難(ありがた)思召(おぼしめ)し、090逆境(ぎやくきやう)()ちて(はじ)めて(かみ)慈愛(じあい)()り、091宇宙(うちう)真善美(しんぜんび)(あぢ)はふ(こと)()た。092左守神(さもりのかみ)となつて日夜(にちや)(こころ)(いた)め、093(くだ)らぬ野心(やしん)(おに)駆使(くし)されて()るよりも、094()身軽(みがる)になつて、095(なん)束縛(そくばく)もなく、096自由自在(じいうじざい)活動(くわつどう)()機会(きくわい)(あた)へられたと()(こと)は、097(じつ)我々(われわれ)として無上(むじやう)幸福(かうふく)だ。098アヽ(かたじけ)なし、099勿体(もつたい)なし、100惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
101有難涙(ありがたなみだ)(こゑ)(くも)らす。
102チヤンキー『(かみ)(ほとけ)(おに)(じや)悪魔(あくま)も、103(のこ)らず自分(じぶん)(まね)くのだ。104(けつ)して(ほか)から襲来(しふらい)するものでない。105盗賊(たうぞく)用意(ようい)戸締(とじま)りをするよりも、106(こころ)盗賊(たうぞく)(まね)かない(やう)にするのが肝要(かんえう)だ。107一切万事(いつさいばんじ)(のこ)らず自分(じぶん)(こころ)から(まね)くものだからなア』
108モンキー『清公(きよこう)さま、109此処(ここ)はその(むかし)110()出神(でのかみ)(さま)竜宮城(りうぐうじやう)従神(じうしん)たりし、111田依彦(たよりひこ)112時彦(ときひこ)113芳彦(よしひこ)()玉抜(たまぬ)かれ(がみ)引連(ひきつ)れ、114(さけ)()みの副守護神(ふくしゆごじん)()()(たま)うた名高(なだか)(くし)滝壺(たきつぼ)附近(ふきん)ではありますまいか。115竜宮様(りうぐうさま)天然(てんねん)(つく)つて()かれた酒壺(さけつぼ)()ると()(こと)ですが、116(いま)だに相変(あひかは)らず(その)(さけ)()いて()るでせうか。117一度(いちど)拝見(はいけん)したいものですな』
118清公(きよこう)『サア、119必要(ひつえう)があれば()いて()るだらうが、120……()(なか)不必要(ふひつえう)(もの)(ひと)つもないのだから、121今日(こんにち)となりては(なん)とも(わか)らないなア』
122 ()(はな)()(うち)123何処(いづく)ともなく二三丁(にさんちやう)(ばか)上流(じやうりう)谷間(たにま)より、124数多(あまた)老若男女(らうにやくなんによ)(とき)(こゑ)(きこ)えて()た。
125チヤンキー『ヤア、126清公(きよこう)さま、127不思議(ふしぎ)(こゑ)がするぢやありませぬか。128(ひと)探検(たんけん)()かけませうか』
129清公(きよこう)一寸(ちよつと)()てよ、130何事(なにごと)慎重(しんちよう)態度(たいど)()らねば、131軽々(かるがる)しく(すす)んで取返(とりかへ)しの()かぬ失敗(しつぱい)(えん)じてはならないから、132よくよく様子(やうす)(うかが)つた(うへ)()かける(こと)にしよう。133それに()いては……モンキー、134(まへ)斥候(せきこう)として(こゑ)する(はう)(たづ)ね、135そつと様子(やうす)(かんが)へ、136報告(はうこく)をして()れ。137それまで我々(われわれ)両人(りやうにん)(この)(いはほ)(うへ)(おい)時期(じき)()(こと)とするから』
138モンキー『(かしこ)まりました。139どんな(こと)突発(とつぱつ)しても、140此処(ここ)一寸(ちよつと)(うご)いてはなりませぬぞ』
141清公(きよこう)『ヨシ合点(がつてん)だ。142サア()(しげ)みに()(かく)しつつ、143偵察隊(ていさつたい)任務(にんむ)(つく)して()れ』
144モンキー『承知(しようち)(いた)したぞよエヘン』
145とモンキーは茴香(ういきよう)(はな)()()はれぬ(かをり)(つつ)まれ(なが)ら、146(くし)滝壺(たきつぼ)間近(まぢか)(しの)()り、147少時(しばらく)あつてモンキーは(いき)をはづませ(かへ)(きた)り、148(ふる)(ごゑ)になりて、
149『キ……キ……清公(きよこう)さま、150タ……タ……大変(たいへん)御座(ござ)います。151モウ(かへ)りませう。152()んな(ところ)宣伝(せんでん)したつて、153あちらに一軒(いつけん)154こちらに二軒(にけん)と、155バラバラに(いへ)()つて()る……モウ()んな(ところ)(らう)して(かう)(すくな)活動(くわつどう)をするよりも、156一遍(いつぺん)ヒルの(みなと)引返(ひきかへ)し、157(すこ)しく人家(じんか)稠密(ちうみつ)地点(ちてん)()かうぢやありませぬか』
158清公(きよこう)『そんな(はなし)はどうでもよい。159(まへ)探検(たんけん)して()次第(しだい)逐一(ちくいち)注進(ちゆうしん)せぬかい』
160モンキー『イヤ……モウ、161(おも)()してもゾツとする。162どうぞそればつかりは御量見(ごりやうけん)(くだ)さい』
163チヤンキー『(なん)だか周章(あわて)たモンキーの様子(やうす)164日頃(ひごろ)臆病(おくびやう)突発(とつぱつ)したのだな。165何時(いつ)口癖(くちぐせ)(やう)仮令(たとへ)天地(てんち)(かへ)るとも、166(まこと)(ちから)()(すく)ふ……と()つて()つたぢやないか。167一体(いつたい)()んな(こと)があつたのか。168斥候(せきこう)報告(はうこく)をせないと()(こと)があるものか。169大蛇(だいじや)(ねら)はれた(かへる)(やう)(ちひ)さくなつて、170(なん)(ざま)ぢや』
171モンキー『ヤイヤイ、172大蛇(をろち)(こと)はモウ()うて()れな。173(おれ)(からだ)(ちぢ)(あが)(やう)だ』
174清公(きよこう)『ハヽア、175(うはさ)()いたクシの(たき)の、176酒呑大蛇(さけのみだいじや)()()よつたな。177ヨシ、178其奴(そいつ)面白(おもしろ)い。179(ひと)生命懸(いのちが)けの活動(くわつどう)をして、180三五教(あななひけう)言向(ことむ)(やは)すか。181さもなくば()(どり)にして、182地恩城(ちおんじやう)()つて(かへ)るか。183()(かく)それを()けば、184(なん)だか(どう)がすわつた(やう)心持(こころもち)がするワイ』
185 チヤンキー、186モンキーは蒼白(まつさを)(かほ)して、187(こし)をワナワナ(ふる)はせ(なが)ら、
188両人(りやうにん)『ワ…ワ…ワ…(わたし)はド…ド…どうやら(どう)(すわ)り……ませぬワイ。189如何(どう)しませう』
190清公(きよこう)貴様(きさま)(こし)(なん)だ。191胴体(どうたい)()しの(いかのぼり)192いかにも卑怯(ひけふ)未練(みれん)腰抜(こしぬけ)野郎(やらう)だな。193奴腰抜(どこしぬけ)()194モウ貴様(きさま)免除(めんぢよ)してやるから、195勝手(かつて)にヒルの(みなと)()(かへ)つたがよからうぞ』
196 チヤン、197モン二人(ふたり)は、
198『それは有難(ありがた)御座(ござ)います。199(しか)(おく)つて(いただ)かぬと、200(みち)(また)あんな(やつ)がやつて()たら如何(どう)する(こと)出来(でき)ませぬワイ』
201清公(きよこう)『チヤンキー、202貴様(きさま)(はなし)()いた(だけ)(ふる)うてるぢやないか。203モンキーの恐怖心(きようふしん)()られた精神(せいしん)作用(さよう)で、204そんな幻覚(げんかく)(おこ)したのだらう。205貴様(きさま)此処(ここ)()つて()れ。206(うご)いちや()けないぞ。207(おれ)実地(じつち)探検(たんけん)をやつて()るから……』
208両人(りやうにん)『ハイどうぞ、209御無事(ごぶじ)(かへ)つて(くだ)さい。210(うご)けと仰有(おつしや)つても(うご)けませぬワ。211()足部(そくぶ)菎蒻(こんにやく)幽霊(いうれい)憑依(ひようい)しては、212如何(いかん)ともする(こと)出来(でき)ぬ』
213清公(きよこう)『アーア勇将(ゆうしやう)(もと)勇卒(ゆうそつ)なし。214(おれ)もヤツパリ因縁(いんねん)(わる)いと()える。215()んな(やつ)()れて()なかつた(はう)が、216何程(なにほど)よかつたか()れやしない。217まさかの(とき)(ほね)(ひろ)うてやる面倒(めんだう)()らず、218エーエ()穀潰(ごくつぶ)しだな』
219二人(ふたり)(のこ)し、220()(しげ)みを()けて近寄(ちかよ)つて()れば、221数十人(すうじふにん)真黒(まつくろ)けの(をとこ)222滝壺(たきつぼ)(まへ)堵列(とれつ)一生懸命(いつしやうけんめい)何事(なにごと)(いの)つて()る。223白衣(はくい)()けた神主(かむぬし)らしい(をとこ)三人(さんにん)224大麻(おほぬさ)前後左右(ぜんごさいう)(しき)りに振廻(ふりまは)し、225片言混(かたことまじ)りの宣伝歌(せんでんか)(うた)土人(どじん)(その)(こゑ)()れて、226(あせ)をタラタラ(なが)(なが)合唱(がつしやう)して()る。227よくよく()れば、228周囲(まはり)一丈(いちぢやう)()らむと(おも)はるる大蛇(をろち)229(あか)蛇腹(じやばら)をダンダラ(まく)(やう)()せた(まま)230二三間(にさんげん)(ばか)鎌首(かまくび)()て、231(しき)りに毒気(どくき)()いて()(ところ)であつた。
232 (むかし)(この)(たき)自然(しぜん)清酒(せいしゆ)()()で、233(やま)竜神(りうじん)時々(ときどき)(きた)つて()れを()みつつあつたが、234()出神(でのかみ)(はじ)めて(この)(しま)(わた)られし(とき)より、235次第(しだい)々々(しだい)(さけ)湧出量(ゆうしゆつりやう)(げん)じ、236(つい)には一滴(いつてき)()なくなつて(しま)つた。237(かたはら)(たき)淙々(そうそう)として(むかし)(かは)らず(なが)()ちて()る。238(この)水上(みなかみ)棲息(せいそく)せる大蛇(をろち)は、239(さけ)()まむと()()れば、240一滴(いつてき)もなきに(ごふ)()やし、241()()人間(にんげん)()()(くら)(こと)となつた。242附近(ふきん)郷人(さとびと)(この)(がい)(ふせ)がむ(ため)に、243飯依彦神(いひよりひこのかみ)末裔(まつえい)たる飯依別(いひよりわけ)神宣(しんせん)()はしめた。244(この)(とき)245大蛇(をろち)(れい)246憑依(ひようい)して()ふ……
247汝等(なんぢら)248愛児(あいじ)生命(いのち)()らるるを(かな)しと(おも)はば、249所在(あらゆる)果物(くだもの)(もつ)(さけ)(つく)り、250()滝壺(たきつぼ)(みた)して(われ)(けん)ぜよ。251さすれば汝等(なんぢら)愛児(あいじ)()(こと)(とど)めむ』
252()つた。253それより郷人(さとびと)数多(あまた)果物(くだもの)(あつ)(さけ)(つく)り、254(この)山坂(やまさか)(のぼ)(きた)つて、255(この)滝壺(たきつぼ)(さけ)()たす(こと)仕事(しごと)(ごと)くにして()た。256大蛇(をろち)(つき)一回(いつくわい)づつ(あら)はれ(きた)り、257滝壺(たきつぼ)(さけ)一滴(いつてき)(のこ)らず()()(こと)(れい)となつて()た。
258 一年(いちねん)一回(いつくわい)(くらゐ)ならば如何(どう)なつと仕様(しやう)もあるが、259数十石(すうじつこく)(みた)(この)滝壺(たきつぼ)に、260毎月(まいつき)果物(くだもの)(さけ)(みた)さねばならぬと()(こと)は、261(あま)(おほ)からぬ郷人(さとびと)()つては、262(この)(うへ)なき大苦痛(だいくつう)であつた。263一ケ月(いつかげつ)にても(これ)(おこた)りし(とき)は、264大蛇(をろち)(たちま)(きた)りて(さと)()()(くら)ひ、265()らざる(とき)(わか)妙齢(めうれい)(をんな)(かた)(ぱし)から()んで(しま)ふ。266(この)惨状(さんじやう)如何(いか)にもして(のが)れむと郷人(さとびと)(しめ)(あは)(さけ)茴香(ういきやう)粉末(ふんまつ)(こん)じ、267(にほひ)よき(さけ)となし、268(この)滝壺(たきつぼ)(みた)()き、269大蛇(をろち)(きた)()むを、270木蔭(こかげ)(ひそ)んで(いき)をこらして()つて()た。
271 大蛇(をろち)二三日前(にさんにちまへ)より此処(ここ)(あら)はれ、272数十石(すうじつこく)(さけ)悠々(いういう)として()()し、273最早(もはや)半分(はんぶん)(ばか)三日間(みつかかん)()(をは)り、274(どく)(まは)つて(もだ)(くるし)みつつあつた。275そこへ飯依別(いひよりわけ)276久木別(くきわけ)277久々別(くくわけ)神司(かむづかさ)は、278数多(あまた)郷人(さとびと)(とも)に、279大蛇(をろち)(なか)四方(しはう)取囲(とりかこ)み、280一時(いちじ)(はや)(どく)大蛇(をろち)全身(ぜんしん)(まは)り、281(ほろ)びます(やう)祈願(きぐわん)をこめつつあつたのである。282大蛇(をろち)一丈(いちぢやう)(ばか)りの大口(おほぐち)をパツと(ひら)いて、283(くび)をシヤクリ(なが)死物狂(しにものぐるひ)になつて、284郷人(さとびと)目蒐(めが)けて()みつかむとする。285飯依別(いひよりわけ)(ほか)二人(ふたり)は、286(その)(たび)(ごと)大蛇(をろち)比礼(ひれ)(しよう)する、287大麻(おほぬさ)打振(うちふ)打振(うちふ)大蛇(をろち)(なや)ませて()た。
288 されど巨大(きよだい)なる蛇体(じやたい)茴香(ういきやう)(どく)(くらゐ)にては、289人間(にんげん)悪酔(わるゑひ)した(とき)(やう)なもので、290生命(いのち)(かか)はる(だけ)効果(かうくわ)はない。291そこで(ゑひ)()めたる(うへ)は、292(この)大蛇(をろち)(ふたた)(きた)りて如何(いか)なる復讐(ふくしう)をなすかも()れずと、293(こころ)(こころ)ならず、294数多(あまた)郷人(さとびと)()つて(たか)つて、295大蛇(をろち)退治(たいぢ)祈願(きぐわん)()らしつつあつたのである。296()れども()けども(うろこ)(かた)くして鋼鉄(かうてつ)(ごと)く、297到底(たうてい)人間(にんげん)としては如何(いかん)ともする(こと)出来(でき)なかつた。298(この)(むら)土人(どじん)にしてタリヤと()力強(ちからづよ)(をとこ)299大鎌(おほかま)(たづさ)大蛇(をろち)にワザと()まれ、300腹中(ふくちゆう)にて(かま)(もつ)臓腑(ざうふ)()(やぶ)り、301大蛇(をろち)(たふ)さむと(こころ)み、302二三日(にさんにち)以前(いぜん)にワザと()まれて(しま)つたのだが、303(いま)(その)(をとこ)如何(どう)なつたか、304(ただ)大蛇(をろち)(すこ)しく()(いろ)()へて(くる)しげに(くる)(ばか)りである。305されどさう(きふ)()にさうにもなし、306人間(にんげん)(さけ)(ゑひ)少々(せうせう)酩酊(めいてい)して(くび)()つてる(くらゐ)態度(たいど)とよりか()えないので、307飯依別(いひよりわけ)(はじ)一同(いちどう)心配(しんぱい)容易(ようい)でなかつた。308(ただ)(この)(うへ)(かみ)(ちから)()りて大蛇(をろち)退治(たいぢ)(もら)はむと(いの)るより(ほか)(みち)がなかつたのである。
309 清公(きよこう)木蔭(こかげ)(ひそ)み、310(やや)(むね)(をど)らせ(なが)(この)(てい)熟視(じゆくし)して()た。311何時(いつ)()にか身体(からだ)各部(かくぶ)痳痺(まひ)(かん)じ、312一寸(ちよつと)自由(じいう)()かぬ(やう)になつて()(こと)()()いた。313大蛇(をろち)今度(こんど)はノソリノソリと人垣(ひとがき)(やぶ)つて(ひろ)()()し、314()(しき)りに()つて、315四辺(あたり)樹木(じゆもく)しばき(たふ)()(くる)ふ。316郷人(さとびと)()(さき)(たた)かれて()する(もの)刻々(こくこく)()えて()る。317大蛇(をろち)益々(ますます)(あば)(くる)ふ。318茴香(ういきやう)(どく)全身(ぜんしん)(まは)つたのと、319蛇体(じやたい)(もつと)有毒(いうどく)なる鉄製鎌(てつせいかま)(なや)みとに()つて、320流石(さすが)大蛇(をろち)死物狂(しにものぐる)ひになり、321(くる)しみ()したのである。322清公(きよこう)(その)()()られて二三丁(にさんちやう)(ばか)中空(ちうくう)捲上(まきあ)げられ、323チヤンキー、324モンキーの(こし)()かして()つて()岩石(がんせき)(かたはら)にドサリと()つて()た。325(いよいよ)此処(ここ)三人(さんにん)(ゐざり)(そろ)つた(わけ)だ。326嗚呼(ああ)327大蛇(をろち)身体(からだ)(はじ)(この)三人(さんにん)運命(うんめい)如何(どう)なるであらうか。
328大正一一・七・八 旧閏五・一四 松村真澄録)
 

王仁三郎が著した「大作」がこれ1冊でわかる!
飯塚弘明・他著『あらすじで読む霊界物語』(文芸社文庫)
絶賛発売中!

目で読むのに疲れたら耳で聴こう!
霊界物語の朗読 ユーチューブに順次アップ中!
霊界物語の音読まとめサイト

霊界物語ネットに掲載するテキストの作成や校正を手伝っていただける方を募集しています!
まだまだ王仁三郎文献はたくさんありますので、手伝っていただけると嬉しいです。
メールでご連絡ください。oni_do@ybb.ne.jp
オニド関連サイト最新更新情報
9/8飯塚弘明.comブログ更新。「三鏡解説」を011まで載せました。目次はこちら
9/1飯塚弘明.com「霊界物語スーパーメールマガジン」に昨年から連載している三鏡の解説を、加筆訂正してブログに順次掲載して行きます。「三鏡解説 目次
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。oni_do@ybb.ne.jp(飯塚弘明)
合言葉「おに」を入力して下さい→