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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第26巻(丑の巻)
序歌
凡例
総説歌
第1篇 伊都宝珠
第1章 麻邇の玉
第2章 真心の花(一)
第3章 真心の花(二)
第4章 真心の花(三)
第5章 真心の花(四)
第2篇 蓮華台上
第6章 大神宣
第7章 鈴の音
第8章 虎の嘯
第9章 生言霊
第3篇 神都の秋
第10章 船歌
第11章 言の波
第12章 秋の色
第4篇 波瀾重畳
第13章 三つ巴
第14章 大変歌
第15章 諭詩の歌
第16章 三五玉
第17章 帰り路
跋
余白歌
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<<< 真心の花(二)
(B)
(N)
真心の花(四) >>>
第四章
真心
(
まごころ
)
の
花
(
はな
)
(三)〔七六九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第26巻 海洋万里 丑の巻
篇:
第1篇 伊都宝珠
よみ(新仮名遣い):
いずほっしゅ
章:
第4章 真心の花(三)
よみ(新仮名遣い):
まごころのはな
通し章番号:
769
口述日:
1922(大正11)年07月17日(旧閏05月23日)
口述場所:
筆録者:
谷村真友
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年6月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
続いて玉能姫は立ち上がり、玉の無事安着したことを祝って、これまでの経緯を歌った。そして、蜈蚣姫がバラモン教の副棟梁の妻でありながら、心を清めて改め、三五教に使えてこの度の神業に功績をあらわしたことを称えた。
蜈蚣姫は立ち上がり、バラモン教ではさまざまに三五教の妨害をなした経緯を歌った。そして娘の小糸姫を探して高姫と共に竜宮島にたどり着き、女王となっていた娘と再会し、その後さまざまな試練を経て心を清められて神業に参加した経緯を歌った。
久助の歌:久助は、妻のお民と共にバラモン教の教えを奉じていたが、竜宮島に渡って三五教に改心し、試練にあって麻邇の宝玉の神業に参加した経緯を、諏訪の湖の玉依姫命の神殿の荘厳な様子を描写しつつ歌った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
ニユージランド(ニュージーランド)
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-09-25 18:27:32
OBC :
rm2604
愛善世界社版:
60頁
八幡書店版:
第5輯 167頁
修補版:
校定版:
66頁
普及版:
21頁
初版:
ページ備考:
001
玉能姫
(
たまのひめ
)
は
立上
(
たちあが
)
りて
玉
(
たま
)
の
無事
(
ぶじ
)
到着
(
たうちやく
)
を
祝
(
しゆく
)
する
為
(
た
)
めに
歌
(
うた
)
ひ
舞
(
ま
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
002
玉能姫
『
埴安彦
(
はにやすひこ
)
や
埴安姫
(
はにやすひめ
)
003
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
開
(
ひら
)
かれし
004
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
の
教
(
のり
)
005
四方
(
よも
)
に
伝
(
つた
)
ふる
宣伝使
(
せんでんし
)
006
玉能
(
たまの
)
の
姫
(
ひめ
)
の
名
(
な
)
を
負
(
お
)
ひて
007
綾
(
あや
)
の
聖地
(
せいち
)
に
仕
(
つか
)
へつつ
008
言依別
(
ことよりわけ
)
の
神言
(
みこと
)
もて
009
三
(
み
)
つの
宝
(
たから
)
の
神業
(
かむわざ
)
に
010
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
りて
朝夕
(
あさゆふ
)
に
011
心
(
こころ
)
を
配
(
くば
)
る
吾
(
わが
)
身魂
(
みたま
)
012
豊国姫
(
とよくにひめ
)
の
常久
(
とことは
)
に
013
鎮
(
しづ
)
まりいます
比沼
(
ひぬ
)
真奈井
(
まなゐ
)
014
神
(
かみ
)
の
霊地
(
れいち
)
に
程
(
ほど
)
近
(
ちか
)
き
015
丹波村
(
あかなみむら
)
の
平助
(
へいすけ
)
が
016
娘
(
むすめ
)
のお
節
(
せつ
)
の
身
(
み
)
の
果
(
は
)
ては
017
三五教
(
あななひけう
)
の
神司
(
かむづかさ
)
018
青葉
(
あをば
)
繁
(
しげ
)
れる
若彦
(
わかひこ
)
の
019
妻
(
つま
)
の
命
(
みこと
)
と
選
(
えら
)
まれて
020
袂
(
たもと
)
を
別
(
わか
)
つ
北南
(
きたみなみ
)
021
生田
(
いくた
)
の
森
(
もり
)
の
神館
(
かむやかた
)
022
謹
(
つつし
)
み
守
(
まも
)
る
折柄
(
をりから
)
に
023
高姫
(
たかひめ
)
さまの
玉探
(
たまさが
)
し
024
瀬戸
(
せと
)
の
荒浪
(
あらなみ
)
打
(
う
)
ち
渡
(
わた
)
り
025
家島
(
えじま
)
の
山
(
やま
)
の
奥
(
おく
)
深
(
ふか
)
く
026
迷
(
まよ
)
ひ
入
(
い
)
ります
心根
(
こころね
)
を
027
思
(
おも
)
ひ
参
(
まゐ
)
らせ
樟船
(
くすぶね
)
を
028
新
(
あら
)
たに
造
(
つく
)
りて
磯端
(
いそばた
)
に
029
繋
(
つな
)
ぎて
帰
(
かへ
)
る
其
(
その
)
後
(
あと
)
に
030
懸
(
かか
)
らせ
給
(
たま
)
ふ
木
(
こ
)
の
花姫
(
はなひめ
)
の
031
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
を
畏
(
かしこ
)
みて
032
又
(
また
)
もや
船
(
ふね
)
に
身
(
み
)
を
任
(
まか
)
せ
033
初稚姫
(
はつわかひめ
)
や
玉治別
(
たまはるわけ
)
の
034
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
035
心
(
こころ
)
の
闇
(
やみ
)
を
明石潟
(
あかしがた
)
036
波
(
なみ
)
も
高砂浦
(
たかさごうら
)
近
(
ちか
)
く
037
飾磨
(
しかま
)
の
海
(
うみ
)
を
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
えて
038
小豆
(
せうど
)
ケ
島
(
しま
)
や
大島
(
おほしま
)
や
039
馬関
(
ばくわん
)
の
瀬戸
(
せと
)
を
後
(
あと
)
にして
040
大島
(
おほしま
)
越
(
こ
)
えてアンボイナ
041
南洋一
(
なんやういち
)
の
竜宮
(
りうぐう
)
に
042
高姫
(
たかひめ
)
さまや
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
043
その
他
(
た
)
の
人々
(
ひとびと
)
救
(
すく
)
ひつつ
044
波
(
なみ
)
を
隔
(
へだ
)
てて
帰
(
かへ
)
り
来
(
く
)
る
045
又
(
また
)
もや
吾
(
わが
)
身
(
み
)
に
神懸
(
かむがか
)
り
046
御言
(
みこと
)
の
儘
(
まま
)
に
樟船
(
くすぶね
)
を
047
大海原
(
おほうなばら
)
に
浮
(
うか
)
べつつ
048
大海中
(
おほわだなか
)
に
漂
(
ただよ
)
へる
049
魔島
(
ましま
)
に
近
(
ちか
)
く
漕
(
こ
)
ぎ
寄
(
よ
)
せて
050
高姫
(
たかひめ
)
一行
(
いつかう
)
救
(
すく
)
ひ
上
(
あ
)
げ
051
夜
(
よ
)
を
日
(
ひ
)
に
次
(
つ
)
いで
限
(
かぎ
)
りなき
052
島
(
しま
)
を
縫
(
ぬ
)
ひつつ
沓島
(
くつじま
)
の
053
ニユージランドの
玉
(
たま
)
の
森
(
もり
)
054
此処
(
ここ
)
に
一先
(
ひとま
)
づ
息
(
いき
)
休
(
やす
)
め
055
数多
(
あまた
)
の
土人
(
どじん
)
に
送
(
おく
)
られて
056
波
(
なみ
)
に
漂
(
ただよ
)
ふ
海中
(
わだなか
)
の
057
竜宮島
(
りうぐうじま
)
のタカ
港
(
みなと
)
058
目出度
(
めでた
)
く
船
(
ふね
)
を
乗
(
の
)
り
棄
(
す
)
てて
059
初稚姫
(
はつわかひめ
)
や
玉治別
(
たまはるわけ
)
の
060
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
061
蜈蚣
(
むかで
)
の
姫
(
ひめ
)
を
送
(
おく
)
りつつ
062
地恩
(
ちおん
)
の
郷
(
さと
)
の
傍
(
かたはら
)
に
063
袂
(
たもと
)
を
別
(
わか
)
ち
峰
(
みね
)
伝
(
つた
)
ひ
064
ネルソン
山
(
ざん
)
を
後
(
あと
)
にして
065
ジヤンナの
郷
(
さと
)
に
友彦
(
ともひこ
)
が
066
館
(
やかた
)
を
訪
(
たづ
)
ね
西北
(
せいほく
)
を
067
目当
(
めあて
)
に
行方
(
ゆくへ
)
も
白雲
(
しらくも
)
の
068
玉野
(
たまの
)
ケ
原
(
はら
)
に
着
(
つ
)
きにける
069
酷暑
(
こくしよ
)
の
空
(
そら
)
に
焼
(
や
)
きつかれ
070
椰子樹
(
やしじゆ
)
の
蔭
(
かげ
)
に
一夜
(
ひとよさ
)
を
071
憩
(
いこ
)
ふ
折
(
をり
)
しも
羽撃
(
はばた
)
きの
072
激
(
はげ
)
しき
音
(
おと
)
に
目
(
め
)
を
覚
(
さ
)
まし
073
諏訪
(
すは
)
の
湖辺
(
こへん
)
に
佇
(
たたず
)
みて
074
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
神勅
(
しんちよく
)
を
075
畏
(
かしこ
)
み
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
りつつ
076
百
(
もも
)
の
試練
(
ためし
)
に
遭
(
あ
)
ひながら
077
神
(
かみ
)
の
助
(
たす
)
けの
八咫烏
(
やあたがらす
)
078
背
(
せ
)
に
跨
(
またが
)
りて
悠々
(
いういう
)
と
079
再
(
ふたた
)
び
帰
(
かへ
)
る
諏訪
(
すは
)
の
湖
(
うみ
)
080
眼下
(
がんか
)
に
眺
(
なが
)
めて
玉依姫
(
たまよりひめ
)
の
081
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
隠
(
かく
)
れます
082
竜
(
たつ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
に
参上
(
まゐのぼ
)
り
083
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
を
楽
(
たの
)
しみつ
084
心
(
こころ
)
を
洗
(
あら
)
ふ
折柄
(
をりから
)
に
085
梅子
(
うめこ
)
の
姫
(
ひめ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
086
黄竜姫
(
わうりようひめ
)
や
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
087
テールス
姫
(
ひめ
)
や
友彦
(
ともひこ
)
の
088
五
(
い
)
つの
御魂
(
みたま
)
の
悠々
(
いういう
)
と
089
訪
(
たづ
)
ね
来
(
きた
)
りし
嬉
(
うれ
)
しさに
090
胸
(
むね
)
轟
(
とどろ
)
かし
出
(
い
)
で
迎
(
むか
)
へ
091
玉依姫
(
たまよりひめ
)
の
神言
(
みこと
)
もて
092
奥殿
(
おくでん
)
近
(
ちか
)
く
導
(
みちび
)
きつ
093
三日月
(
みかづき
)
形
(
がた
)
に
座
(
ざ
)
を
占
(
し
)
めて
094
暫
(
しばら
)
く
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
つ
程
(
ほど
)
に
095
玉依姫
(
たまよりひめ
)
の
現
(
あ
)
れまして
096
賤
(
いや
)
しき
妾
(
わらは
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
ち
097
心
(
こころ
)
も
赤
(
あか
)
き
麻邇
(
まに
)
の
玉
(
たま
)
098
ものをも
言
(
い
)
はずわが
御手
(
みて
)
に
099
授
(
さづ
)
け
給
(
たま
)
ひし
尊
(
たふと
)
さを
100
私
(
わたくし
)
せじと
心
(
こころ
)
付
(
づ
)
き
101
年波
(
としなみ
)
高
(
たか
)
き
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
102
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
玉
(
たま
)
の
手
(
て
)
に
103
渡
(
わた
)
して
帰
(
かへ
)
る
三
(
み
)
つの
門
(
もん
)
104
浜辺
(
はまべ
)
に
出
(
い
)
でし
時
(
とき
)
も
時
(
とき
)
105
空
(
そら
)
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
る
金翼
(
きんよく
)
の
106
八咫烏
(
やあたがらす
)
に
乗
(
の
)
せられて
107
世
(
よ
)
も
久方
(
ひさかた
)
の
天
(
あま
)
の
原
(
はら
)
108
雲霧
(
くもきり
)
分
(
わ
)
けて
自転倒
(
おのころ
)
の
109
神
(
かみ
)
の
鎮
(
しづ
)
まる
竜
(
たつ
)
の
島
(
しま
)
110
綾
(
あや
)
の
聖地
(
せいち
)
の
外囲
(
そとがこ
)
ひ
111
由良
(
ゆら
)
の
港
(
みなと
)
に
名
(
な
)
も
高
(
たか
)
き
112
人子
(
ひとご
)
の
司
(
つかさ
)
秋山彦
(
あきやまひこ
)
の
113
貴
(
うづ
)
の
命
(
みこと
)
の
庭先
(
にはさき
)
に
114
悠々
(
いういう
)
降
(
くだ
)
り
来
(
きた
)
りけり
115
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
116
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
の
弥
(
いや
)
高
(
たか
)
く
117
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
の
霑
(
うるほ
)
ひて
118
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
の
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
119
仕
(
つか
)
へ
給
(
たま
)
ひし
玉能姫
(
たまのひめ
)
120
吾
(
わが
)
身
(
み
)
に
余
(
あま
)
る
光栄
(
くわうえい
)
を
121
担
(
にな
)
ひて
又
(
また
)
も
竜宮
(
りうぐう
)
の
122
麻邇
(
まに
)
の
玉
(
たま
)
まで
拝戴
(
はいたい
)
し
123
五六七
(
みろく
)
神政
(
しんせい
)
の
一端
(
いつたん
)
に
124
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
りし
嬉
(
うれ
)
しさよ
125
バラモン
教
(
けう
)
に
身
(
み
)
を
委
(
ゆだ
)
ね
126
大江
(
おほえ
)
の
山
(
やま
)
に
現
(
あ
)
れませし
127
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
の
副棟梁
(
ふくとうりやう
)
128
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
の
妻神
(
つまがみ
)
と
129
現
(
あら
)
はれまして
鬼
(
おに
)
ケ
城
(
じやう
)
130
厳
(
いづ
)
の
砦
(
とりで
)
を
構
(
かま
)
へつつ
131
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
遠近
(
をちこち
)
に
132
伝
(
つた
)
へ
給
(
たま
)
ひし
女丈夫
(
ぢよぢやうふ
)
も
133
三五教
(
あななひけう
)
の
皇神
(
すめかみ
)
の
134
教
(
をしへ
)
の
水
(
みづ
)
に
清
(
きよ
)
められ
135
今
(
いま
)
は
尊
(
たふと
)
き
宣伝使
(
せんでんし
)
136
蜈蚣
(
むかで
)
の
姫
(
ひめ
)
の
御
(
おん
)
光
(
ひかり
)
137
普
(
あまね
)
く
四方
(
よも
)
に
輝
(
かがや
)
きぬ
138
心
(
こころ
)
も
赤
(
あか
)
き
赤玉
(
あかだま
)
の
139
光
(
ひかり
)
ますます
照
(
て
)
りはえて
140
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
は
四方
(
よも
)
の
国
(
くに
)
141
伊照
(
いて
)
り
透
(
とう
)
らひ
隈
(
くま
)
もなく
142
蜈蚣
(
むかで
)
の
姫
(
ひめ
)
の
功績
(
いさをし
)
は
143
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
は
言
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
144
国
(
くに
)
の
悉
(
ことごと
)
雷
(
いかづち
)
の
145
轟
(
とどろ
)
く
如
(
ごと
)
く
鳴
(
な
)
り
渡
(
わた
)
り
146
神
(
かみ
)
の
御楯
(
みたて
)
と
常久
(
とことは
)
に
147
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
らせ
給
(
たま
)
ふらむ
148
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
149
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましまして
150
千代
(
ちよ
)
も
八千代
(
やちよ
)
も
変
(
かは
)
りなく
151
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
仕
(
つか
)
へませ
152
拙
(
つたな
)
き
身魂
(
みたま
)
の
玉能姫
(
たまのひめ
)
153
心
(
こころ
)
を
籠
(
こ
)
めて
皇神
(
すめかみ
)
の
154
貴
(
うづ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
155
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
156
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましませよ』
157
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
つて
座
(
ざ
)
に
着
(
つ
)
いた。
158
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
は
く
の
字
(
じ
)
に
曲
(
まが
)
つた
腰
(
こし
)
を
揺
(
ゆす
)
りながら、
159
銀扇
(
ぎんせん
)
を
開
(
ひら
)
き
満面
(
まんめん
)
に
喜
(
よろこ
)
びの
色
(
いろ
)
を
湛
(
たた
)
へ、
160
中央
(
ちうあう
)
の
席
(
せき
)
に
現
(
あら
)
はれて
自
(
みづか
)
ら
歌
(
うた
)
ひ
自
(
みづか
)
ら
舞
(
ま
)
うた。
161
蜈蚣姫
『メソポタミヤの
楽園地
(
らくゑんち
)
162
顕恩郷
(
めぐみのさと
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
163
鬼雲彦
(
おにくもひこ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
164
自転倒
(
おのころ
)
島
(
じま
)
の
中心地
(
ちうしんち
)
165
大江
(
おほえ
)
の
山
(
やま
)
にバラモンの
166
教
(
をしへ
)
の
庭
(
には
)
を
開
(
ひら
)
きつつ
167
三嶽
(
みたけ
)
の
山
(
やま
)
や
鬼
(
おに
)
ケ
城
(
じやう
)
168
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
や
川
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
の
169
数多
(
あまた
)
の
神
(
かみ
)
を
寄
(
よ
)
せ
集
(
つど
)
へ
170
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
開
(
ひら
)
きつつ
171
大国彦
(
おほくにひこの
)
大神
(
おほかみ
)
に
172
百
(
もも
)
の
犠牲
(
いけにへ
)
奉
(
たてまつ
)
り
173
大神慮
(
おほみこころ
)
を
慰
(
なぐさ
)
めつ
174
教
(
をしへ
)
の
花
(
はな
)
を
遠近
(
をちこち
)
に
175
世
(
よ
)
に
芳
(
かん
)
ばしく
伝
(
つた
)
へむと
176
心
(
こころ
)
を
焦
(
いら
)
つ
折柄
(
をりから
)
に
177
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
と
現
(
あ
)
れませる
178
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
に
179
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
れる
神司
(
かむつかさ
)
180
心
(
こころ
)
も
清
(
きよ
)
き
大丈夫
(
ますらを
)
に
181
大江
(
おほえ
)
の
城
(
しろ
)
や
鬼
(
おに
)
ケ
城
(
じやう
)
182
追
(
お
)
ひ
払
(
はら
)
はれて
鬼雲
(
おにくも
)
の
183
彦
(
ひこ
)
の
命
(
みこと
)
と
鬼熊別
(
おにくまわけ
)
は
184
伊吹
(
いぶき
)
の
山
(
やま
)
を
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
えて
185
再
(
ふたた
)
び
波斯
(
フサ
)
の
野
(
の
)
を
横
(
よ
)
ぎり
186
埃及
(
エヂプト
)
指
(
さ
)
して
帰
(
かへ
)
りまし
187
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
りし
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
188
此
(
この
)
頽勢
(
たいせい
)
を
何処迄
(
どこまで
)
も
189
翻
(
ひるがへ
)
さむと
近江路
(
あふみぢ
)
や
190
丹波
(
たんば
)
若狭
(
わかさ
)
の
境
(
さかひ
)
なる
191
三国
(
みくに
)
ケ
嶽
(
だけ
)
に
立
(
た
)
て
籠
(
こも
)
り
192
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
と
知
(
し
)
りながら
193
時
(
とき
)
の
勢
(
いきほひ
)
已
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず
194
醜
(
しこ
)
の
御業
(
みわざ
)
を
継続
(
けいぞく
)
し
195
国依別
(
くによりわけ
)
や
玉治別
(
たまはるわけ
)
の
196
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
に
退
(
やら
)
はれて
197
再
(
ふたた
)
び
開
(
ひら
)
く
魔谷
(
まや
)
ケ
岳
(
だけ
)
198
小豆
(
せうど
)
ケ
島
(
しま
)
に
名
(
な
)
も
高
(
たか
)
き
199
国城山
(
くにしろやま
)
に
身
(
み
)
を
転
(
てん
)
じ
200
教
(
をしへ
)
を
開
(
ひら
)
き
黄金
(
わうごん
)
の
201
玉
(
たま
)
の
在処
(
ありか
)
を
探
(
たづ
)
ねつつ
202
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
る
山
(
やま
)
の
上
(
うへ
)
203
思
(
おも
)
ひがけなき
三五
(
あななひ
)
の
204
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
高姫
(
たかひめ
)
や
205
友彦
(
ともひこ
)
其
(
その
)
他
(
た
)
に
廻
(
めぐ
)
り
会
(
あ
)
ひ
206
小糸
(
こいと
)
の
姫
(
ひめ
)
の
行末
(
ゆくすゑ
)
を
207
探
(
たづ
)
ねがてらの
玉探
(
たまさが
)
し
208
名
(
な
)
は
太平
(
たいへい
)
の
洋
(
うみ
)
なれど
209
荒浪
(
あらなみ
)
猛
(
たけ
)
る
和田
(
わだ
)
の
原
(
はら
)
210
生死
(
せいし
)
の
境
(
さかひ
)
に
浮沈
(
ふちん
)
して
211
数多
(
あまた
)
の
島
(
しま
)
を
横
(
よ
)
ぎりつつ
212
高姫
(
たかひめ
)
一行
(
いつかう
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
213
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
なる
地恩城
(
ちおんじやう
)
214
黄竜姫
(
わうりようひめ
)
に
面会
(
めんくわい
)
し
215
始
(
はじ
)
めて
覚
(
さと
)
る
吾
(
わが
)
娘
(
むすめ
)
216
ヤツと
一息
(
ひといき
)
つく
間
(
うち
)
に
217
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
る
蜃気楼
(
しんきろう
)
218
梅子
(
うめこ
)
の
姫
(
ひめ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
219
黄竜姫
(
わうりようひめ
)
や
友彦
(
ともひこ
)
や
220
テールス
姫
(
ひめ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
221
遠
(
とほ
)
き
山野
(
やまの
)
を
打渉
(
うちわた
)
り
222
神
(
かみ
)
の
経綸
(
しぐみ
)
の
秘密郷
(
ひみつきやう
)
223
波
(
なみ
)
も
輝
(
かがや
)
く
諏訪
(
すは
)
の
湖
(
うみ
)
224
梅子
(
うめこ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
神勅
(
しんちよく
)
に
225
初
(
はじ
)
めて
開
(
ひら
)
く
胸
(
むね
)
の
中
(
うち
)
226
君
(
きみ
)
と
臣
(
おみ
)
とに
麻柱
(
あななひ
)
の
227
誠
(
まこと
)
を
悟
(
さと
)
り
勇
(
いさ
)
ましく
228
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
229
歓
(
ゑら
)
ぎ
喜
(
よろこ
)
ぶ
一行
(
いつかう
)
は
230
黄金
(
こがね
)
の
船
(
ふね
)
に
迎
(
むか
)
へられ
231
竜
(
たつ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
に
参上
(
まゐのぼ
)
り
232
四辺
(
あたり
)
眩
(
まばゆ
)
き
神社
(
かむやしろ
)
233
光
(
ひか
)
り
輝
(
かがや
)
き
出
(
い
)
で
給
(
たま
)
ふ
234
玉依姫
(
たまよりひめ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
235
進
(
すす
)
みし
時
(
とき
)
の
嬉
(
うれ
)
しさよ
236
玉依姫
(
たまよりひめ
)
の
御
(
おん
)
手
(
て
)
より
237
麻邇
(
まに
)
の
赤玉
(
あかだま
)
受取
(
うけと
)
りし
238
玉能
(
たまの
)
の
姫
(
ひめ
)
の
真心
(
まごころ
)
は
239
玉
(
たま
)
と
光
(
ひかり
)
を
争
(
あらそ
)
ひつ
240
顔色
(
かほいろ
)
黒
(
くろ
)
く
腹
(
はら
)
黒
(
くろ
)
き
241
厭
(
いや
)
しき
蜈蚣
(
むかで
)
の
姫
(
ひめ
)
の
前
(
まへ
)
242
玉
(
たま
)
の
御
(
おん
)
手
(
て
)
をさし
伸
(
の
)
べて
243
麻邇珠
(
まにしゆ
)
の
玉
(
たま
)
を
吾
(
わ
)
が
御手
(
みて
)
に
244
渡
(
わた
)
し
給
(
たま
)
ひし
健気
(
けなげ
)
さよ
245
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
恥
(
はづか
)
しき
246
執着心
(
しふちやくしん
)
の
曲鬼
(
まがおに
)
に
247
取
(
と
)
りひしがれし
老
(
おい
)
の
身
(
み
)
の
248
開悟
(
かいご
)
の
花
(
はな
)
は
咲
(
さ
)
き
出
(
い
)
でぬ
249
梅子
(
うめこ
)
の
姫
(
ひめ
)
に
従
(
したが
)
ひて
250
一同
(
いちどう
)
館
(
やかた
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
づる
251
荘厳
(
さうごん
)
無比
(
むひ
)
の
三
(
み
)
つの
門
(
もん
)
252
潜
(
くぐ
)
るや
間
(
ま
)
もなく
金翼
(
きんよく
)
の
253
八咫烏
(
やあたがらす
)
に
助
(
たす
)
けられ
254
一潟
(
いつしや
)
千里
(
せんり
)
の
勢
(
いきほひ
)
に
255
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
も
秋山彦
(
あきやまひこ
)
の
256
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
庭先
(
にはさき
)
に
257
紅葉
(
もみぢ
)
彩
(
いろど
)
る
今日
(
けふ
)
の
空
(
そら
)
258
悠々
(
いういう
)
降
(
くだ
)
り
着
(
つ
)
きにけり
259
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
260
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましまして
261
今迄
(
いままで
)
犯
(
をか
)
せし
親
(
おや
)
と
子
(
こ
)
が
262
深
(
ふか
)
き
罪咎
(
つみとが
)
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
し
263
見直
(
みなほ
)
しまして
三五
(
あななひ
)
の
264
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
片端
(
かたはし
)
に
265
列
(
つら
)
ね
給
(
たま
)
へよ
瑞御魂
(
みづみたま
)
266
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大御神
(
おほみかみ
)
267
国治立
(
くにはるたちの
)
大神
(
おほかみ
)
の
268
御分霊
(
わけのみたま
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
269
霊魂
(
みたま
)
を
洗
(
あら
)
ひ
身
(
み
)
を
清
(
きよ
)
め
270
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
も
赤玉
(
あかだま
)
の
271
曇
(
くも
)
り
晴
(
は
)
らして
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
272
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
273
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
274
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
275
教
(
をしへ
)
の
君
(
きみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
276
汚
(
きたな
)
き
心
(
こころ
)
二心
(
ふたごころ
)
277
孫子
(
まごこ
)
の
末
(
すゑ
)
に
至
(
いた
)
るまで
278
夢
(
ゆめ
)
にも
持
(
も
)
たじと
皇神
(
すめかみ
)
の
279
御前
(
みまへ
)
に
誓
(
ちか
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る
280
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
281
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへ
給
(
たま
)
へかし』
282
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
つた。
283
久助
(
きうすけ
)
は
数多
(
あまた
)
の
人々
(
ひとびと
)
を
憚
(
はばか
)
りながら、
284
声
(
こゑ
)
密
(
ひそ
)
かに
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
285
久助
『バラモン
教
(
けう
)
の
神司
(
かむづかさ
)
286
蜈蚣
(
むかで
)
の
姫
(
ひめ
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
287
此上
(
こよ
)
なく
尊
(
たふと
)
み
敬
(
うやま
)
ひて
288
妻
(
つま
)
のお
民
(
たみ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
289
大国彦
(
おほくにひこの
)
大神
(
おほかみ
)
に
290
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
りて
村肝
(
むらきも
)
の
291
心
(
こころ
)
の
雲
(
くも
)
を
明石潟
(
あかしがた
)
292
浪
(
なみ
)
を
渡
(
わた
)
りて
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
293
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
に
浮
(
うか
)
びたる
294
小豆
(
せうど
)
ケ
島
(
しま
)
に
名
(
な
)
も
高
(
たか
)
き
295
国城山
(
くにしろやま
)
の
岩窟
(
がんくつ
)
に
296
心
(
こころ
)
を
清
(
きよ
)
め
身
(
み
)
を
潔
(
きよ
)
め
297
教
(
をしへ
)
の
道
(
みち
)
を
歩
(
あゆ
)
む
折
(
をり
)
298
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
299
高姫
(
たかひめ
)
さまや
貫州
(
くわんしう
)
の
300
教司
(
をしへつかさ
)
の
出
(
い
)
でまして
301
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
を
宣
(
の
)
り
給
(
たま
)
ふ
302
時
(
とき
)
しもあれや
其
(
その
)
昔
(
むかし
)
303
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
夫婦
(
ふうふ
)
を
虐
(
しひた
)
げし
304
バラモン
教
(
けう
)
の
友彦
(
ともひこ
)
が
305
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
るより
306
ハツと
見合
(
みあ
)
はす
顔
(
かほ
)
と
顔
(
かほ
)
307
心
(
こころ
)
の
曇
(
くもり
)
晴
(
は
)
れやらぬ
308
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
夫婦
(
ふうふ
)
は
友彦
(
ともひこ
)
に
309
掴
(
つか
)
み
掛
(
かか
)
つて
恨
(
うら
)
み
言
(
ごと
)
310
口
(
くち
)
を
極
(
きは
)
めて
罵
(
ののし
)
りし
311
己
(
おの
)
が
心
(
こころ
)
の
恥
(
はづか
)
しさ
312
蜈蚣
(
むかで
)
の
姫
(
ひめ
)
や
高姫
(
たかひめ
)
の
313
後
(
あと
)
に
従
(
したが
)
ひ
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
314
国城山
(
くにしろやま
)
を
後
(
あと
)
に
見
(
み
)
て
315
馬関
(
ばくわん
)
の
海峡
(
かいけふ
)
打渡
(
うちわた
)
り
316
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みの
大島
(
おほしま
)
や
317
南洋一
(
なんやういち
)
の
竜宮島
(
りうぐうじま
)
318
波
(
なみ
)
のまにまに
漂
(
ただよ
)
ひて
319
ニユージランドの
沓島
(
くつじま
)
に
320
月日
(
つきひ
)
を
重
(
かさ
)
ねて
辿
(
たど
)
り
着
(
つ
)
き
321
又
(
また
)
もや
竜宮
(
りうぐう
)
の
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
322
タカの
港
(
みなと
)
に
船
(
ふね
)
繋
(
つな
)
ぎ
323
焦付
(
こげつ
)
く
様
(
やう
)
な
炎天
(
えんてん
)
を
324
蜈蚣
(
むかで
)
の
姫
(
ひめ
)
に
従
(
したが
)
ひて
325
全島一
(
ぜんたういち
)
の
高原地
(
かうげんち
)
326
青垣山
(
あをがきやま
)
を
廻
(
めぐ
)
らせる
327
風
(
かぜ
)
さへ
清
(
きよ
)
き
地恩城
(
ちおんじやう
)
328
広
(
ひろ
)
き
馬場
(
ばんば
)
に
立向
(
たちむか
)
ひ
329
群集
(
ぐんしふ
)
に
紛
(
まぎ
)
れて
城
(
しろ
)
の
側
(
わき
)
330
峰
(
みね
)
をつたひてネルソンの
331
山
(
やま
)
の
絶頂
(
ぜつちやう
)
に
登
(
のぼ
)
りつめ
332
四方
(
よも
)
を
見晴
(
みは
)
らす
折柄
(
をりから
)
に
333
空前
(
くうぜん
)
絶後
(
ぜつご
)
の
旋風
(
つむじかぜ
)
334
吹
(
ふ
)
き
散
(
ち
)
らされて
谷
(
たに
)
の
底
(
そこ
)
335
名
(
な
)
も
恐
(
おそ
)
ろしき
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
336
大蛇
(
をろち
)
にまかれて
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
337
息
(
いき
)
も
絶
(
た
)
えむとする
時
(
とき
)
に
338
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
著
(
いちじる
)
く
339
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
340
玉治別
(
たまはるわけ
)
の
神司
(
かむつかさ
)
341
其
(
その
)
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれましまして
342
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
夫婦
(
ふうふ
)
を
救
(
すく
)
ひまし
343
初稚姫
(
はつわかひめ
)
や
玉能姫
(
たまのひめ
)
344
愈
(
いよいよ
)
揃
(
そろ
)
ふ
五
(
い
)
つ
御霊
(
みたま
)
345
人跡
(
じんせき
)
絶
(
た
)
えし
谷道
(
たにみち
)
を
346
辿
(
たど
)
り
辿
(
たど
)
りて
日
(
ひ
)
を
重
(
かさ
)
ね
347
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
や
鬼
(
おに
)
大蛇
(
をろち
)
348
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
の
猛
(
たけ
)
び
声
(
ごゑ
)
349
胸
(
むね
)
を
躍
(
をど
)
らせ
肝
(
きも
)
冷
(
ひや
)
し
350
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
力
(
ちから
)
とし
351
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
杖
(
つゑ
)
として
352
一望
(
いちばう
)
千
(
せん
)
里
(
り
)
の
玉野原
(
たまのはら
)
353
金銀
(
きんぎん
)
輝
(
かがや
)
く
砂道
(
すなみち
)
を
354
汗
(
あせ
)
をダラダラ
滝津瀬
(
たきつせ
)
の
355
落
(
お
)
つるが
如
(
ごと
)
く
搾
(
しぼ
)
りつつ
356
神
(
かみ
)
の
経綸
(
しぐみ
)
の
秘密郷
(
ひみつきやう
)
357
諏訪
(
すは
)
の
湖辺
(
こへん
)
に
着
(
つ
)
きにける
358
初稚姫
(
はつわかひめ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
359
一行
(
いつかう
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
玉依姫
(
たまよりひめ
)
の
360
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
神勅
(
しんちよく
)
を
361
畏
(
かしこ
)
み
麻柱
(
あなな
)
ひ
奉
(
まつ
)
りつつ
362
教司
(
をしへつかさ
)
に
従
(
したが
)
ひて
363
竜宮島
(
りうぐうじま
)
を
廻
(
めぐ
)
り
終
(
を
)
へ
364
神
(
かみ
)
の
救
(
すく
)
ひの
八咫烏
(
やあたがらす
)
365
黄金
(
こがね
)
の
翼
(
つばさ
)
に
助
(
たす
)
けられ
366
金波
(
きんぱ
)
銀波
(
ぎんぱ
)
の
漂
(
ただよ
)
へる
367
諏訪
(
すは
)
の
湖水
(
こすゐ
)
に
翔
(
か
)
け
戻
(
もど
)
り
368
黄金
(
こがね
)
の
門
(
もん
)
をかい
潜
(
くぐ
)
り
369
玉依姫
(
たまよりひめ
)
の
潜
(
ひそ
)
みます
370
竜
(
たつ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
の
奥
(
おく
)
深
(
ふか
)
く
371
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
りて
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
つ
372
時
(
とき
)
しもあれや
瑞御霊
(
みづみたま
)
373
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
374
貴
(
うづ
)
の
御
(
おん
)
子
(
こ
)
と
生
(
あ
)
れませる
375
梅子
(
うめこ
)
の
姫
(
ひめ
)
を
初
(
はじ
)
めとし
376
黄竜姫
(
わうりようひめ
)
や
蜈蚣姫
(
むかでひめ
)
377
テールス
姫
(
ひめ
)
や
友彦
(
ともひこ
)
の
378
神
(
かみ
)
の
使
(
つかひ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
379
面
(
おもて
)
に
笑
(
ゑみ
)
を
浮
(
うか
)
べつつ
380
徐々
(
しづしづ
)
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
ります
381
其
(
その
)
御姿
(
みすがた
)
を
拝
(
はい
)
してゆ
382
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
は
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
383
嬉
(
うれ
)
し
涙
(
なみだ
)
はあふれける
384
奥殿
(
おくでん
)
深
(
ふか
)
く
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
り
385
奥
(
おく
)
の
一間
(
ひとま
)
に
座
(
ざ
)
を
占
(
し
)
めて
386
月
(
つき
)
の
形
(
かたち
)
の
簾
(
みす
)
の
内
(
うち
)
387
十曜
(
とえう
)
の
紋
(
もん
)
の
十人
(
とたり
)
連
(
づれ
)
388
三日月
(
みかづき
)
形
(
がた
)
に
並
(
なら
)
び
居
(
ゐ
)
る
389
高座
(
かうざ
)
の
扉
(
とびら
)
を
押開
(
おしあ
)
けて
390
四辺
(
あたり
)
眩
(
まばゆ
)
き
玉依
(
たまより
)
の
391
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
の
御
(
おん
)
姿
(
すがた
)
392
玉
(
たま
)
の
肌
(
はだへ
)
も
細
(
こま
)
やかに
393
雪
(
ゆき
)
より
白
(
しろ
)
き
白玉
(
しらたま
)
を
394
明石
(
あかし
)
の
郷
(
さと
)
の
久助
(
きうすけ
)
が
395
両手
(
りやうて
)
に
授
(
さづ
)
け
給
(
たま
)
ひつつ
396
笑
(
ゑ
)
ませ
給
(
たま
)
へる
崇高
(
けだか
)
さよ
397
押戴
(
おしいただ
)
いて
久助
(
きうすけ
)
は
398
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
友彦
(
ともひこ
)
の
399
玉
(
たま
)
の
御
(
おん
)
手
(
て
)
に
差
(
さ
)
し
渡
(
わた
)
し
400
ヤツと
胸
(
むね
)
をば
撫
(
な
)
で
下
(
おろ
)
し
401
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
に
咽
(
むせ
)
ぶ
折
(
をり
)
402
玉依姫
(
たまよりひめの
)
大神
(
おほかみ
)
は
403
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
一同
(
いちどう
)
に
目礼
(
もくれい
)
し
404
ものをも
言
(
い
)
はず
元
(
もと
)
の
座
(
ざ
)
に
405
玉
(
たま
)
の
戸
(
と
)
閉
(
と
)
ぢて
入
(
い
)
り
給
(
たま
)
ふ
406
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
407
夢
(
ゆめ
)
ではないかと
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
408
心
(
こころ
)
も
輝
(
かがや
)
く
折柄
(
をりから
)
に
409
梅子
(
うめこ
)
の
姫
(
ひめ
)
は
悠々
(
いういう
)
と
410
御首
(
みくび
)
に
宝珠
(
ほつしゆ
)
をかけながら
411
早
(
はや
)
くも
此
(
この
)
場
(
ば
)
を
立
(
た
)
ち
給
(
たま
)
ふ
412
一同
(
いちどう
)
御後
(
みあと
)
に
従
(
したが
)
ひて
413
光
(
ひか
)
り
眩
(
まばゆ
)
き
三
(
み
)
つの
門
(
もん
)
414
潜
(
くぐ
)
り
出
(
い
)
づれば
諏訪
(
すは
)
の
湖
(
うみ
)
415
朝日
(
あさひ
)
に
照
(
て
)
りて
金銀
(
きんぎん
)
の
416
波
(
なみ
)
も
殊更
(
ことさら
)
爽
(
さはや
)
かに
417
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
の
有様
(
ありさま
)
も
418
かくやあらむと
思
(
おも
)
ふ
折
(
をり
)
419
御空
(
みそら
)
を
照
(
て
)
らして
降
(
くだ
)
り
来
(
く
)
る
420
八咫烏
(
やあたがらす
)
の
一行
(
いつかう
)
に
421
梅子
(
うめこ
)
の
姫
(
ひめ
)
を
初
(
はじ
)
めとし
422
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
十人
(
とたり
)
の
生身魂
(
いくみたま
)
423
列
(
れつ
)
を
正
(
ただ
)
して
中空
(
ちうくう
)
を
424
夢
(
ゆめ
)
の
如
(
ごと
)
くに
翔
(
か
)
け
廻
(
めぐ
)
り
425
名
(
な
)
さへ
目出度
(
めでた
)
き
磯輪垣
(
しわがき
)
の
426
秀妻国
(
ほづまのくに
)
の
中心地
(
ちうしんち
)
427
由良
(
ゆら
)
の
港
(
みなと
)
に
名
(
な
)
も
高
(
たか
)
き
428
秋山彦
(
あきやまひこ
)
の
庭先
(
にはさき
)
に
429
黄金
(
こがね
)
の
鳩
(
はと
)
の
降
(
くだ
)
る
如
(
ごと
)
430
天降
(
あも
)
り
来
(
きた
)
りし
嬉
(
うれ
)
しさよ
431
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
432
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましまして
433
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
434
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
隈
(
くま
)
もなく
435
教
(
をし
)
へ
導
(
みちび
)
き
皇神
(
すめかみ
)
の
436
尊
(
たふと
)
き
経綸
(
しぐみ
)
の
万分一
(
まんぶいち
)
437
尽
(
つく
)
させ
給
(
たま
)
へ
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
438
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
八百万
(
やほよろづ
)
439
別
(
わ
)
けて
尊
(
たふと
)
き
三五
(
あななひ
)
の
440
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
司神
(
つかさがみ
)
441
国治立
(
くにはるたちの
)
大神
(
おほかみ
)
や
442
豊国姫
(
とよくにひめ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
443
明石
(
あかし
)
の
郷
(
さと
)
の
久助
(
きうすけ
)
が
444
心
(
こころ
)
も
清
(
きよ
)
く
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
445
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
446
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましませよ』
447
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
つて
元
(
もと
)
の
席
(
せき
)
に
着
(
つ
)
いた。
448
(
大正一一・七・一七
旧閏五・二三
谷村真友
録)
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