霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第五章 真心(まごころ)の花(はな)(四)〔七七〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第26巻 海洋万里 丑の巻 篇:第1篇 伊都宝珠 よみ(新仮名遣い):いずほっしゅ
章:第5章 真心の花(四) よみ(新仮名遣い):まごころのはな 通し章番号:770
口述日:1922(大正11)年07月17日(旧閏05月23日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年6月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
続いて友彦は踊り狂いながら歌った。これまでの自分の罪を歌で洗いざらい漂白して懺悔し、竜宮島の西方に分け入ってジャンナの里で改心し、麻邇の宝玉の神業に参加した経緯を歌った。そして仁慈無限の大神が罪深い自分を見捨てずに宝玉を授け、神政成就の神業に加えてくださった神恩に感謝の意を表した。
続いてお民は、皇大神のご神徳をたたえる祝歌を歌った。
続いてテールス姫が祝歌を歌う。友彦と出会って三五教に改心した様を歌い、三五教の大神と一同に感謝の意を表した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-09-26 17:48:25 文字数:4087 OBC :rm2605
愛善世界社版:78頁 八幡書店版:第5輯 173頁 修補版: 校定版:86頁 普及版:28頁 初版: ページ備考:
001 友彦(ともひこ)宣伝使(せんでんし)は立(た)ち上(あが)つて銀扇(ぎんせん)を開(ひら)き、002自(みづか)ら歌(うた)ひ自(みづか)ら踊(をど)り狂(くる)うた。003その歌(うた)、
004友彦『バラモン教(けう)の神司(かむつかさ)
005鬼雲彦(おにくもひこ)の副柱(そへばしら)
006鬼熊別(おにくまわけ)の家(いへ)の子(こ)と
007仕(つか)へ奉(まつ)りし友彦(ともひこ)は
008花見(はなみ)の宴(えん)の帰(かへ)りがけ
009エデンの川(かは)を渡(わた)らむと
010宴会(うたげ)の酒(さけ)に酔(ゑ)ひ潰(つぶ)れ
011諸人(もろびと)騒(さわ)ぎ立(た)ち廻(まは)る
012頃(ころ)しも主(あるじ)の愛娘(まなむすめ)
013小糸(こいと)の姫(ひめ)は過(あやま)ちて
014ザンブとばかり川(かは)の瀬(せ)に
015落(お)ち込(こ)み給(たま)ふと見(み)るよりも
016身(み)を躍(をど)らして川中(かはなか)に
017生命(いのち)を的(まと)にもぐり込(こ)み
018溺(おぼ)れながらも救(すく)ひ上(あ)げ
019鬼熊別(おにくまわけ)の御(ご)夫婦(ふうふ)に
020此上(こよ)なきものと愛(あい)せられ
021抜擢(ばつてき)されてバラモンの
022珍(うづ)の教(をしへ)の神司(かむづかさ)
023仕(つか)へ奉(まつ)るを幸(さいは)ひに
024深窓(しんそう)に育(そだ)ちし小糸姫(こいとひめ)
025隙間(すきま)の風(かぜ)にもあてられぬ
026一人(ひとり)の乙女(をとめ)を友彦(ともひこ)が
027舌(した)の剣(つるぎ)にチヨロまかし
028手(て)に手(て)を取(と)つてエデン川(がは)
029流(なが)れ流(なが)れて錫蘭(セイロン)の
030島(しま)に漸(やうや)う辿(たど)りつき
031山奥(やまおく)深(ふか)く身(み)を潜(ひそ)め
032小糸(こいと)の姫(ひめ)を女王(ぢよわう)とし
033吾(われ)は僕(しもべ)の神(かみ)となり
034此(この)世(よ)を誑(たば)かり居(ゐ)たりしが
035持(も)つて生(うま)れた酒好(さけずき)の
036乱暴(らんばう)狼藉(ろうぜき)末(すゑ)遂(つひ)に
037小糸(こいと)の姫(ひめ)に棄(す)てられて
038怨(うら)みは深(ふか)き錫蘭(シロ)の海(うみ)
039土人(どじん)の船(ふね)に身(み)を任(まか)せ
040印度(つき)の国(くに)まで漕(こ)ぎ渡(わた)り
041難行(なんぎやう)苦行(くぎやう)の数(かず)尽(つく)し
042又(また)もや流(なが)れて自転倒(おのころ)の
043敦賀(つるが)の海(うみ)に上陸(じやうりく)し
044夜(よ)を日(ひ)についで丹波路(たにはぢ)の
045宇都山(うづやま)郷(がう)に身(み)をひそめ
046鳥(とり)なき郷(さと)の蝙蝠(かうもり)を
047気取(きど)りて茲(ここ)にバラモンの
048教司(をしへつかさ)となりすまし
049郷(さと)の老若(らうにやく)男女(なんによ)をば
050言葉(ことば)巧(たくみ)に説(と)きつけて
051教(をしへ)を開(ひら)く折柄(をりから)に
052天(あめ)の真浦(まうら)の宣伝使(せんでんし)
053現(あら)はれ来(きた)りいと清(きよ)き
054その言霊(ことたま)にまくられて
055雲(くも)を霞(かすみ)と逃(に)げて行(ゆ)く
056山城(やましろ)、大和(やまと)、紀伊(きい)、和泉(いづみ)
057浪速(なには)の里(さと)に舞(ま)ひ込(こ)みて
058数多(あまた)の男女(なんによ)を誑(たぶ)らかし
059心(こころ)も暗(くら)き身(み)ながらも
060神(かみ)を表(おもて)に標榜(へうぼう)し
061明石(あかし)の里(さと)の久助(きうすけ)が
062家(いへ)に到(いた)りて曲事(まがこと)の
063限(かぎ)りを尽(つく)し磯端(いそばた)に
064繋(つな)ぎし船(ふね)を横奪(わうだつ)し
065力(ちから)限(かぎ)りに漕(こ)ぎ渡(わた)る
066浪(なみ)の淡路(あはぢ)の一(ひと)つ島(じま)
067残(のこ)る隈(くま)なく遍歴(へんれき)し
068そのいやはてに東助(とうすけ)が
069不在(るす)を嗅(か)ぎつけうまうまと
070館(やかた)に招(まね)き入(い)れられて
071お百合(ゆり)の方(かた)を前(まへ)に置(お)き
072憑依(ひようい)もせない神(かむ)がかり
073うまうまやつて九分(くぶ)九厘(くりん)
074忽(たちま)ち尻尾(しつぽ)を掴(つか)まれて
075進退(しんたい)谷(きは)まる折柄(をりから)に
076死(し)んだと思(おも)うた東助(とうすけ)が
077清(きよ)、武(たけ)、鶴(つる)の三(さん)人(にん)を
078伴(ともな)ひ此処(ここ)に帰(かへ)り来(く)る
079南無(なむ)三宝(さんぼう)と気(き)を焦(いら)ち
080少時(しばし)の猶予(いうよ)と暇(ひま)どらせ
081廁(かはや)の中(なか)に忍(しの)び入(い)り
082思案(しあん)の果(はて)は跨(また)げ穴(あな)
083潜(くぐ)りて此(この)家(や)を逃(のが)れ出(い)で
084沖(おき)に繋(つな)ぎし屋根無(たなな)しの
085小舟(こぶね)に身(み)をば任(まか)せつつ
086生命(いのち)からがら瀬戸(せと)の海(うみ)
087力(ちから)限(かぎ)りに漕(こ)ぎ出(だ)せば
088如何(いか)なる風(かぜ)の吹(ふ)き廻(まは)し
089小豆(せうど)ケ島(しま)へつけられて
090風(かぜ)凪(な)ぎ渡(わた)るその間(あひだ)
091此(こ)の浮島(うきしま)をめぐらむと
092脚(あし)に任(まか)せて国城(くにしろ)の
093山(やま)の砦(とりで)に行(い)て見(み)れば
094思(おも)ひがけなき蜈蚣姫(むかでひめ)
095三五教(あななひけう)の高姫(たかひめ)や
096明石(あかし)の里(さと)の久助(きうすけ)に
097出会(であ)つた時(とき)の苦(くる)しさは
098此(こ)の地(ち)の底(そこ)に穴(あな)あらば
099消(き)えも入(い)りたき心地(ここち)して
100心(こころ)悩(なや)ます折柄(をりから)に
101又(また)もや来(きた)る東助(とうすけ)が
102捕手(とりて)の男(をとこ)に縛(しば)られて
103一旦(いつたん)淡路(あはぢ)の洲本(すもと)まで
104連(つ)れ帰(かへ)られし苦(くる)しさよ
105地獄(ぢごく)で仏(ほとけ)の東助(とうすけ)が
106情(なさけ)の言葉(ことば)にほだされて
107ヤツと胸(むね)をば撫(な)で下(おろ)し
108清(きよ)、鶴(つる)、武(たけ)の三(さん)人(にん)と
109船(ふね)を操(あやつ)り高姫(たかひめ)が
110危(あやふ)き身(み)の上(うへ)守(まも)らむと
111南洋(なんやう)大小(だいせう)の島嶼(しまじま)に
112後(あと)を尋(たづ)ねて周航(しうかう)し
113蜈蚣(むかで)の姫(ひめ)や初稚姫(はつわかひめ)の
114神(かみ)の命(みこと)にめぐりあひ
115海洋(かいやう)万里(ばんり)の浪(なみ)の上(うへ)
116月日(つきひ)を重(かさ)ねて漸(やうや)うに
117一(ひと)つの島(しま)に安着(あんちやく)し
118タカの港(みなと)を後(あと)に見(み)て
119地恩(ちおん)の郷(さと)に行(ゆ)き見(み)れば
120女王(ぢよわう)と名乗(なの)る黄竜姫(わうりようひめ)の
121神(かみ)の命(みこと)は小糸姫(こいとひめ)
122過(す)ぎし昔(むかし)を懐(おも)ひ出(だ)し
123心(こころ)を悩(なや)ます折柄(をりから)に
124地恩(ちおん)の城(しろ)の下人(しもびと)に
125追(お)ひまくられて城外(じやうぐわい)の
126林(はやし)の中(なか)に放棄(はうき)され
127百(もも)の艱難(なやみ)を忍(しの)びつつ
128山(やま)の尾(を)伝(つた)ひ峰(みね)越(こ)えて
129百(ひやく)里(り)二百(にひやく)里(り)何時(いつ)しかに
130果実(このみ)に飢(うゑ)をしのぎつつ
131ネルソン山(ざん)の頂上(いただき)に
132登(のぼ)りて息(いき)を休(やす)めつつ
133四辺(あたり)の景色(けしき)を打眺(うちなが)め
134心(こころ)を養(やしな)ふ折(をり)もあれ
135忽(たちま)ち起(おこ)る山腹(さんぷく)の
136黒白(あやめ)もわかぬ黒雲(くろくも)に
137包(つつ)まれ咫尺(しせき)も弁(わきま)へず
138心(こころ)痛(いた)むる折柄(をりから)に
139レコード破(やぶ)りの烈風(れつぷう)に
140吹(ふ)き捲(まく)られて中天(ちうてん)に
141空中(くうちう)飛行(ひかう)を演(えん)じつつ
142数多(あまた)の峰(みね)の彼方(あなた)なる
143ジヤンナの郷(さと)に顛落(てんらく)し
144息(いき)も絶(た)えなむ其(その)時(とき)に
145ジヤンナイ教(けう)の人々(ひとびと)に
146ヤツと生命(いのち)を助(たす)けられ
147鼻(はな)の赤(あか)きを幸(さいは)ひに
148数多(あまた)の人(ひと)にオーレンス
149サーチライスと敬(うやま)はれ
150テールス姫(ひめ)に思(おも)はれて
151茲(ここ)にメシヤとなりすまし
152言葉(ことば)も通(かよ)はぬ郷人(さとびと)に
153出任(でまか)せ言葉(ことば)を列(なら)べつつ
154崇拝(すうはい)させて居(ゐ)たりしが
155妻(つま)の命(みこと)に実情(じつじやう)を
156残(のこ)る隈(くま)なく打明(うちあ)けて
157夫婦(ふうふ)は茲(ここ)に気(き)を合(あは)せ
158地恩(ちおん)の城(しろ)に立(た)ち向(むか)ひ
159黄竜姫(わうりようひめ)に昔日(せきじつ)の
160無礼(ぶれい)を謝(しや)せば快(こころよ)く
161昔(むかし)の怨(うら)みを打忘(うちわす)れ
162東(ひがし)と西(にし)と携(たづさ)へて
163竜宮島(りうぐうじま)を治(をさ)めむと
164宣(の)らせ給(たま)ひし嬉(うれ)しさよ
165黄竜姫(わうりようひめ)の計(はか)らひに
166地恩(ちおん)の城(しろ)の馬場(ばんば)にて
167園遊会(ゑんいうくわい)を開(ひら)かれし
168時(とき)しもあれやネルソンの
169山(やま)の尾(を)高(たか)く蜃気楼(しんきろう)
170現(あら)はれ来(きた)り友彦(ともひこ)は
171猿田彦(さだひこ)司(がみ)と相成(あひな)りて
172一行(いつかう)五(ご)人(にん)蓑笠(みのかさ)の
173軽(かる)き身装(みなり)を装(よそほ)ひつつ
174ジヤンナの郷(さと)に立寄(たちよ)りて
175教(をしへ)の御子(みこ)に送(おく)られつ
176山川(やまかは)渡(わた)り漸々(やうやう)に
177玉野(たまの)ケ原(はら)に安着(あんちやく)し
178茲(ここ)に身魂(みたま)を清(きよ)めつつ
179梅子(うめこ)の姫(ひめ)に罪科(つみとが)を
180宣(の)り直(なほ)されて潔(いさぎよ)く
181喜(よろこ)び勇(いさ)む折柄(をりから)に
182湖(うみ)を辷(すべ)つて駆(か)け来(きた)る
183黄金(こがね)の船(ふね)を眺(なが)むれば
184地恩(ちおん)の城(しろ)に現(あら)はれて
185左守(さもりの)神(かみ)と仕(つか)へたる
186清公(きよこう)さまを始(はじ)めとし
187チヤンキー、モンキー外(ほか)二人(ふたり)
188無言(むごん)の儘(まま)に船(ふね)の上(うへ)
189此方(こなた)に向(むか)つて麾(さしまね)く
190梅子(うめこ)の姫(ひめ)を始(はじ)めとし
191一行(いつかう)船(ふね)に飛(と)び乗(の)りて
192真帆(まほ)を孕(はら)みし浪(なみ)の上(うへ)
193風(かぜ)に吹(ふ)かれて辷(すべ)り行(ゆ)く
194妙音(めうおん)菩薩(ぼさつ)の音楽(おんがく)や
195浪(なみ)の鼓(つづみ)に送(おく)られて
196玉依姫(たまよりひめ)の在(あ)れませる
197竜(たつ)の宮居(みやゐ)の側近(そばちか)く
198御船(みふね)を横(よこ)たへ十柱(とはしら)の
199教(をしへ)の御子(みこ)は悠々(いういう)と
200黄金(こがね)の門(もん)を潜(くぐ)りつつ
201心(こころ)いそいそ進(すす)む折(をり)
202初稚姫(はつわかひめ)や玉能姫(たまのひめ)
203玉治別(たまはるわけ)の一行(いつかう)に
204思(おも)はぬ処(ところ)に迎(むか)へられ
205又(また)も十二(じふに)の姫神(ひめがみ)に
206前後(ぜんご)左右(さいう)を守(まも)られて
207玉依姫(たまよりひめ)の常久(とことは)に
208鎮(しづ)まりいます水館(みづやかた)
209奥(おく)の広間(ひろま)に招(せう)ぜられ
210畏(かしこ)み仕(つか)へ奉(まつ)る折(をり)
211上座(じやうざ)の玉(たま)の扉(と)押開(おしひら)き
212近侍(きんじ)の女神(めがみ)に五色(いついろ)の
213玉(たま)を持(も)たせて悠々(いういう)と
214現(あら)はれ給(たま)ひし崇高(けだか)さよ
215心(こころ)も清(きよ)き白玉(しらたま)の
216麻邇(まに)の宝珠(ほつしゆ)の其(そ)の光(ひかり)
217明石(あかし)の郷(さと)の久助(きうすけ)に
218手(て)づから授(さづ)け給(たま)ひつつ
219無言(むごん)の儘(まま)に微笑(びせう)して
220其(そ)の場(ば)に立(た)たせ給(たま)ひける
221久助(きうすけ)玉(たま)を頂(いただ)きて
222教(をしへ)の道(みち)の友彦(ともひこ)が
223手(て)に渡(わた)しつつ悠々(いういう)と
224元(もと)の座(ざ)につき畏(かしこ)まる
225心(こころ)穢(けが)れし友彦(ともひこ)も
226案(あん)に相違(さうゐ)の此(この)始末(しまつ)
227うら恥(はづ)かしく思(おも)へども
228神(かみ)の恵(めぐみ)の露(つゆ)の玉(たま)
229潤(うるほ)ふ顔(かほ)に伏(ふ)し拝(をが)み
230侍女(じぢよ)の賜(たま)ひし錦襴(きんらん)の
231袋(ふくろ)に深(ふか)く秘(ひ)めながら
232首(くび)に確(しつか)と結(むす)びつけ
233神(かみ)の恵(めぐみ)を感謝(かんしや)しつ
234涙(なみだ)に暮(く)るる時(とき)もあれ
235梅子(うめこ)の姫(ひめ)は座(ざ)を立(た)ちて
236悠々(いういう)此(この)場(ば)を出(い)で給(たま)ふ
237十曜(とえう)の紋(もん)に因(ちな)みたる
238神(かみ)の十柱(とはしら)宣伝使(せんでんし)
239竜(たつ)の館(やかた)を立(た)ち出(い)でて
240八咫烏(やあたがらす)の背(せな)に乗(の)り
241雲霧(くもきり)分(わ)けて浪(なみ)の上(うへ)
242渡(わた)りて漸(やうや)く秋山彦(あきやまひこ)の
243貴(うづ)の命(みこと)の庭園(ていゑん)に
244降(くだ)り来(きた)れる嬉(うれ)しさよ
245あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
246仁慈(じんじ)無限(むげん)の大神(おほかみ)の
247御霊(みたま)幸(さち)はへましまして
248罪科(つみとが)深(ふか)き友彦(ともひこ)を
249見捨(みす)て給(たま)はず竜宮(りうぐう)の
250麻邇(まに)の玉(たま)をば授(さづ)けられ
251神政(しんせい)成就(じやうじゆ)の神業(かむわざ)に
252加(くは)へ給(たま)ひし有難(ありがた)さ
253これより心(こころ)取(と)り直(なほ)し
254身魂(みたま)を浄(きよ)め夢(ゆめ)の間(ま)も
255神(かみ)の恵(めぐみ)を忘(わす)れずに
256真心(まごころ)尽(つく)して仕(つか)へなむ
257錦(にしき)の宮(みや)に常久(とことは)に
258鎮(しづ)まりいます天地(あめつち)の
259元(もと)の御祖(みおや)の大御神(おほみかみ)
260瑞(みづ)の御魂(みたま)の大御神(おほみかみ)
261力(ちから)なき身(み)を憐(あは)れみて
262三千(さんぜん)世界(せかい)の神業(かむわざ)を
263過(あやま)ちなしにすくすくに
264仕(つか)へさせませ友彦(ともひこ)が
265心(こころ)の限(かぎ)り身(み)の限(かぎ)り
266力(ちから)の限(かぎ)り真心(まごころ)を
267捧(ささ)げて祈(いの)り奉(たてまつ)る
268あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
269御霊(みたま)幸(さち)はへましませよ』
270 お民(たみ)は又(また)もや立(た)ち上(あが)つて祝意(しゆくい)を表(へう)し、271歌(うた)ひ舞(ま)ふ。
272お民『此(この)世(よ)を造(つく)りし大神(おほかみ)の
273五六七(みろく)の神世(みよ)の御(おん)仕組(しぐみ)
274三(み)つの御玉(みたま)は永久(とこしへ)に
275自転倒(おのころ)島(じま)に納(をさ)まりて
276神(かみ)の御稜威(みいづ)も弥顕著(いやちこ)に
277輝(かがや)く折(をり)しも竜宮(りうぐう)の
278五(いつ)つの宝(たから)麻邇(まに)宝珠(ほつしゆ)
279神(かみ)の御稜威(みいづ)に現(あら)はれて
280大和(やまと)島根(しまね)に恙(つつが)なく
281寄(よ)らせ給(たま)ひし尊(たふと)さよ
282三(みづ)と五(いづ)との睦(むつ)び合(あ)ひ
283三五(さんご)の月(つき)の御教(みをしへ)は
284八洲(やしま)の国(くに)に隈(くま)もなく
285照(て)り渡(わた)るらむ皇神(すめかみ)の
286経綸(しぐみ)の糸(いと)にあやつられ
287誠(まこと)あかしの郷人(さとびと)と
288生(うま)れ出(い)でたる久助(きうすけ)が
289妻(つま)のお民(たみ)は如何(いか)にして
290斯(かか)る尊(たふと)き神業(かむわざ)に
291仕(つか)へ得(え)たるか尊(たふと)くも
292皇(すめ)大神(おほかみ)の御(おん)恵(めぐ)み
293有難涙(ありがたなみだ)に咽(むせ)びつつ
294神(かみ)の仕組(しぐみ)の永久(とこしへ)に
295末(すゑ)ひろびろと開(ひら)く世(よ)を
296松(まつ)の神世(かみよ)と仰(あふ)ぎつつ
297明石(あかし)の浜(はま)の松原(まつばら)に
298打寄(うちよ)せ来(きた)る清砂(きよすな)の
299数(かず)限(かぎ)りなき神徳(しんとく)を
300尊(たふと)み畏(かしこ)み喜(よろこ)びて
301皇(すめ)大神(おほかみ)の御(おん)前(まへ)に
302心(こころ)の限(かぎ)り身(み)の限(かぎ)り
303御稜威(みいづ)を称(たた)へ終(を)へ奉(まつ)る
304あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
305御霊(みたま)幸(さち)はへましまして
306玉依姫(たまよりひめ)の賜(たま)ひたる
307黄金色(こがねいろ)なす麻邇(まに)の珠(たま)
308四方(よも)の国々(くにぐに)テールス姫(ひめ)の
309神(かみ)の命(みこと)の厳身魂(いづみたま)
310輝(かがや)き渡(わた)れ永久(とこしへ)に
311あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
312御霊(みたま)幸(さち)はへましませよ』
313と歌(うた)ひ終(をは)つた。
314 テールス姫(ひめ)は立(た)ち上(あが)り、315又(また)も祝歌(しゆくか)をうたひ始(はじ)めた。
316テールス姫『大海原(おほうなばら)に漂(ただよ)へる
317黄金(こがね)花(はな)咲(さ)く竜宮(りうぐう)の
318一(ひと)つ島(じま)にて名(な)も高(たか)き
319ネルソン山(ざん)の山(やま)つづき
320ジヤンナの郷(さと)に現(あら)はれて
321ジヤンナイ教(けう)を開(ひら)きたる
322テールス姫(ひめ)は三五(あななひ)の
323道(みち)の司(つかさ)の友彦(ともひこ)に
324尊(たふと)き道(みち)を伝(つた)へられ
325鬼(おに)をも欺(あざむ)く郷人(さとびと)に
326誠(まこと)の道(みち)を宣(の)り了(を)へて
327地恩(ちおん)の城(しろ)に名(な)も高(たか)き
328黄竜姫(わうりようひめ)の御(おん)前(まへ)に
329夫(つま)の命(みこと)と諸共(もろとも)に
330現(あら)はれ出(い)でて村肝(むらきも)の
331心(こころ)の底(そこ)を語(かた)り合(あ)ひ
332力(ちから)を協(あは)せ竜宮(りうぐう)の
333一(ひと)つの島(しま)を治(をさ)めむと
334語(かた)らふ折(をり)しも中天(ちうてん)に
335現(あら)はれ出(い)でし蜃気楼(しんきろう)
336諏訪(すは)の湖水(こすゐ)は竜宮(りうぐう)の
337麻邇(まに)の宝(たから)を取(と)りもたし
338数多(あまた)の女神(めがみ)いそいそと
339いそしみ給(たま)ふ其(その)姿(すがた)
340遥(はるか)に拝(をが)み奉(たてまつ)り
341梅子(うめこ)の姫(ひめ)と諸共(もろとも)に
342一行(いつかう)五(ご)人(にん)打揃(うちそろ)ひ
343虎(とら)狼(おほかみ)や獅子(しし)大蛇(をろち)
344曲神(まがかみ)猛(たけ)ぶ山道(やまみち)を
345神(かみ)の御稜威(みいづ)に助(たす)けられ
346月日(つきひ)を重(かさ)ねて竜宮(りうぐう)の
347浪(なみ)さへ清(きよ)き諏訪(すは)の湖(うみ)
348竜(たつ)の宮居(みやゐ)に参上(まゐのぼ)り
349四辺(あたり)眩(まば)ゆき金殿(きんでん)に
350優(やさ)しき侍女(じぢよ)に導(みちび)かれ
351玉依姫(たまよりひめ)の御(おん)前(まへ)に
352進(すす)みし時(とき)の嬉(うれ)しさよ
353玉依姫(たまよりひめ)のお手(て)づから
354黄金(こがね)の玉(たま)を取(と)り出(いだ)し
355お民(たみ)の方(かた)に授(さづ)けられ
356ほほゑみ給(たま)ふ折柄(をりから)に
357お民(たみ)の方(かた)は慎(つつし)みて
358受取(うけと)り直(ただち)に吾(わが)前(まへ)に
359持出(もちい)でまして快(こころよ)く
360渡(わた)し給(たま)ひし美(うる)はしさ
361あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
362神(かみ)の教(をしへ)を悟(さと)りたる
363誠(まこと)の人(ひと)の心根(こころね)は
364斯(か)くも美(うる)はしものなるか
365恥(はづか)しさよと思(おも)ひつつ
366おしいただいて錦襴(きんらん)の
367袋(ふくろ)に納(をさ)め神恩(しんおん)を
368感謝(かんしや)し奉(まつ)る折柄(をりから)に
369神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)の
370貴(うづ)の御(おん)子(こ)と生(うま)れたる
371梅子(うめこ)の姫(ひめ)は悠々(いういう)と
372此(この)場(ば)を立(た)つて門外(もんぐわい)に
373歩(あゆ)みを運(はこ)ばせ給(たま)ふより
374妾(わらは)も御後(みあと)に引添(ひきそ)うて
375黄金(こがね)の海(うみ)のほとりまで
376帰(かへ)り来(きた)れる折(をり)も折(をり)
377はばたき高(たか)く黄金(わうごん)の
378翼(つばさ)ひろげて飛(と)び下(くだ)る
379八咫烏(やあたがらす)に乗(の)せられて
380自転倒(おのころ)島(じま)に恙(つつが)無(な)く
381降(くだ)り来(きた)りし尊(たふと)さよ
382あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
383神(かみ)の恵(めぐ)みは目(ま)の当(あた)り
384仁慈(じんじ)無限(むげん)の大神(おほかみ)の
385開(ひら)き給(たま)ひし三五(あななひ)の
386教(をしへ)の道(みち)に身(み)を任(まか)せ
387心(こころ)の限(かぎ)り永久(とこしへ)に
388生命(いのち)の限(かぎ)り仕(つか)ふべし
389神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大御神(おほみかみ)
390国武彦(くにたけひこの)大御神(おほみかみ)
391お民(たみ)の方(かた)を始(はじ)めとし
392此(この)一行(いつかう)の神人(かみびと)の
393御前(みまへ)に感謝(かんしや)し奉(たてまつ)り
394貴(うづ)の御玉(みたま)の恙(つつが)なく
395還(かへ)りましたる祝言(ほぎごと)を
396喜(よろこ)び歌(うた)ひ奉(たてまつ)る
397あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
398御霊(みたま)幸(さち)はへましませよ』
399と歌(うた)ひ終(をは)つて座(ざ)についた。
400(大正一一・七・一七 旧閏五・二三 外山豊二録)
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