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霊界物語
真善美愛(第49~60巻)
第49巻(子の巻)
序文
総説
第1篇 神示の社殿
第1章 地上天国
第2章 大神人
第3章 地鎮祭
第4章 人情
第5章 復命
第2篇 立春薫香
第6章 梅の初花
第7章 剛胆娘
第8章 スマート
第3篇 暁山の妖雲
第9章 善幻非志
第10章 添書
第11章 水呑同志
第12章 お客さん
第13章 胸の轟
第14章 大妨言
第15章 彗星
第4篇 鷹魅糞倒
第16章 魔法使
第17章 五身玉
第18章 毒酸
第19章 神丹
第20章 山彦
余白歌
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霊界物語
>
真善美愛(第49~60巻)
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第49巻(子の巻)
> 第2篇 立春薫香 > 第6章 梅の初花
<<< 復命
(B)
(N)
剛胆娘 >>>
第六章
梅
(
うめ
)
の
初花
(
はつはな
)
〔一二八〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第49巻 真善美愛 子の巻
篇:
第2篇 立春薫香
よみ(新仮名遣い):
りっしゅんくんこう
章:
第6章 梅の初花
よみ(新仮名遣い):
うめのはつはな
通し章番号:
1280
口述日:
1923(大正12)年01月16日(旧11月30日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年11月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
初稚姫は神素盞嗚大神の命を奉じ、大黒主の身魂を救い天下の害を除くために、ハルナの都に向かってただ一人、征途の旅に出ようとしていた。
初稚姫は照国別、玉国別、治国別、黄金姫、清照姫たちと同時に出征の徒に上るはずであったが、神素盞嗚大神の命によって百有余日、自宅において修業を命じられていた。
修業が終わって、初稚姫はいよいよ父に別れを告げ、斎苑館の八島主神に挨拶をすべく訪問した。八島主は、初稚姫の精神を試すために、征途の旅に出る前に夫たるべき人を決めておくべきだと告げた。
八島主は、初稚姫の疑問に答えて、天国の理想の夫婦とは神が結び給うた婚姻であり、互いに善と真、意志と知性が和合一致していると説明した。
初稚姫は、自分は決して独身主義ではないが、ハルナの都の御用が済んでから八島主の世話に預かってそれ相当の夫を持つつもりだと答えた。
八島主は初稚姫の答えに満足し、互いに別れの歌を詠み交わした。初稚姫は旅支度に身を整えて斎苑館を出立し、進んで行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-06-12 16:03:13
OBC :
rm4906
愛善世界社版:
85頁
八幡書店版:
第9輯 62頁
修補版:
校定版:
87頁
普及版:
39頁
初版:
ページ備考:
派生
[?]
この文献を底本として書かれたと思われる文献です。
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:
出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 第四篇 神霊世界 > 第十三章 天国の婚姻
001
初稚姫
(
はつわかひめ
)
はハルナの
都
(
みやこ
)
に
蟠
(
わだかま
)
る
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
身魂
(
みたま
)
を
救
(
すく
)
ひ、
002
天下
(
てんか
)
の
害
(
がい
)
を
除
(
のぞ
)
かむため
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
命
(
めい
)
を
奉
(
ほう
)
じ、
003
供
(
とも
)
をもつれず
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
征途
(
せいと
)
に
上
(
のぼ
)
らむとし、
004
百日
(
ひやくにち
)
有余
(
いうよ
)
を
杢助
(
もくすけ
)
の
宅
(
たく
)
に
奥
(
おく
)
深
(
ふか
)
く
潜
(
ひそ
)
みて
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
をよく
調
(
しら
)
べ
聖言
(
せいげん
)
を
耽読
(
たんどく
)
し
愈
(
いよいよ
)
父
(
ちち
)
に
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げ
征途
(
せいと
)
に
上
(
のぼ
)
るべくイソの
館
(
やかた
)
の
八島主
(
やしまぬし
)
に
暇
(
いとま
)
乞
(
ご
)
ひのため
面会
(
めんくわい
)
を
乞
(
こ
)
ふた。
005
此
(
この
)
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
照国別
(
てるくにわけ
)
、
006
玉国別
(
たまくにわけ
)
、
007
治国別
(
はるくにわけ
)
及
(
およ
)
び
黄金姫
(
わうごんひめ
)
、
008
清照姫
(
きよてるひめ
)
等
(
など
)
と
同時
(
どうじ
)
に
出征
(
しゆつせい
)
の
途
(
と
)
に
上
(
のぼ
)
る
筈
(
はず
)
であつたが、
009
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
命令
(
めいれい
)
黙
(
もだ
)
し
難
(
がた
)
く、
010
ここに
一百有余
(
いつぴやくいうよ
)
日
(
にち
)
自宅
(
じたく
)
に
於
(
おい
)
て
修業
(
しうげふ
)
を
命
(
めい
)
ぜらるる
事
(
こと
)
となつたのである。
011
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は、
012
イソの
館
(
やかた
)
の
奥
(
おく
)
の
神殿
(
しんでん
)
に
進
(
すす
)
み、
013
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
の
大前
(
おほまへ
)
に
伺候
(
しこう
)
し、
014
八島主
(
やしまぬしの
)
神
(
かみ
)
に
挨拶
(
あいさつ
)
すべく
訪問
(
はうもん
)
した。
015
八島主
(
やしまぬし
)
は
喜
(
よろこ
)
んで
出
(
い
)
で
迎
(
むか
)
へ
初稚姫
(
はつわかひめ
)
を
居間
(
ゐま
)
に
招
(
せう
)
じて
悪魔
(
あくま
)
征討
(
せいたう
)
に
対
(
たい
)
し
初稚姫
(
はつわかひめ
)
が
採
(
と
)
らむとする
其
(
その
)
大略
(
たいりやく
)
を
聞
(
き
)
きとり
莞爾
(
くわんじ
)
として
打喜
(
うちよろこ
)
び
且
(
か
)
つ
云
(
い
)
ふやう、
016
八島
(
やしま
)
『
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
、
017
貴女
(
あなた
)
は
愈
(
いよいよ
)
数千
(
すうせん
)
里
(
り
)
を
隔
(
へだ
)
てたるハルナの
都
(
みやこ
)
にお
出
(
いで
)
遊
(
あそ
)
ばすに
就
(
つ
)
いては、
018
最早
(
もはや
)
年頃
(
としごろ
)
、
019
独身者
(
どくしんもの
)
では
何
(
なに
)
かの
都合
(
つがふ
)
が
悪
(
わる
)
いでせう。
020
どうか
今
(
いま
)
の
間
(
うち
)
に
夫
(
をつと
)
たるべき
人
(
ひと
)
をきめておかなくては、
021
途中
(
とちう
)
に
困
(
こま
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るでせう』
022
初稚
(
はつわか
)
『
妾
(
わらは
)
は
年
(
とし
)
が
若
(
わか
)
う
厶
(
ござ
)
りますれば
夫
(
をつと
)
なぞは
持
(
も
)
つ
気
(
き
)
はありませぬ、
023
又
(
また
)
理想
(
りさう
)
の
夫
(
をつと
)
が
見当
(
みあた
)
りませぬから』
024
八島
(
やしま
)
『
人間
(
にんげん
)
が
地上
(
ちじやう
)
の
世界
(
せかい
)
にある
間
(
うち
)
は
如何
(
どう
)
しても
独身
(
どくしん
)
生活
(
せいくわつ
)
は
出来
(
でき
)
ませぬ。
025
又
(
また
)
理想
(
りさう
)
の
夫
(
をつと
)
を
得
(
え
)
様
(
やう
)
等
(
など
)
と
何程
(
なにほど
)
思
(
おも
)
つても、
026
さううまく
貴女
(
あなた
)
の
気
(
き
)
に
入
(
い
)
りさうな
事
(
こと
)
はありませぬ。
027
夫
(
をつと
)
たり
妻
(
つま
)
たるものは
各
(
かく
)
其
(
その
)
欠点
(
けつてん
)
を
辛抱
(
しんばう
)
し
合
(
あ
)
ふてここに
初
(
はじ
)
めて
円満
(
ゑんまん
)
な
家庭
(
かてい
)
を
作
(
つく
)
り、
028
大神
(
おほかみ
)
の
神業
(
しんげふ
)
に
参加
(
さんか
)
し
得
(
う
)
るのです。
029
理想
(
りさう
)
の
夫
(
をつと
)
を
求
(
もと
)
めむとし
又
(
また
)
理想
(
りさう
)
の
妻
(
つま
)
を
得
(
え
)
むとする
欲望
(
よくばう
)
は
到底
(
たうてい
)
現界
(
げんかい
)
では
望
(
のぞ
)
み
得
(
え
)
られませぬ。
030
何事
(
なにごと
)
も
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
命
(
めい
)
に
従
(
したが
)
つて
夫婦
(
ふうふ
)
睦
(
むつま
)
じく
暮
(
くら
)
すより
道
(
みち
)
はありませぬ。
031
理想
(
りさう
)
の
夫
(
をつと
)
又
(
また
)
は
妻
(
つま
)
等
(
など
)
は
到底
(
たうてい
)
天国
(
てんごく
)
でなければ
自然界
(
しぜんかい
)
に
左右
(
さいう
)
せらるる
肉体人
(
にくたいじん
)
は
到底
(
たうてい
)
駄目
(
だめ
)
です。
032
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら、
033
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
がスツパリと
天下
(
てんか
)
に
行
(
ゆ
)
き
渡
(
わた
)
り
人間
(
にんげん
)
の
心
(
こころ
)
が
理想
(
りさう
)
的
(
てき
)
に
改良
(
かいりやう
)
さるる
様
(
やう
)
になつた
暁
(
あかつき
)
は
地上
(
ちじやう
)
にも
亦
(
また
)
天国
(
てんごく
)
の
型
(
かた
)
が
其
(
その
)
儘
(
まま
)
に
映
(
うつ
)
り
人間
(
にんげん
)
は
理想
(
りさう
)
の
婚姻
(
こんいん
)
をする
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るでせう』
034
初稚
(
はつわか
)
『
然
(
しから
)
ば
妾
(
わらは
)
は
地上
(
ちじやう
)
にミロクの
世
(
よ
)
が
来
(
く
)
る
迄
(
まで
)
待
(
ま
)
つ
事
(
こと
)
に
致
(
いた
)
しませう。
035
高天原
(
たかあまはら
)
の
天人
(
てんにん
)
と
天人
(
てんにん
)
との
間
(
あひだ
)
に
於
(
お
)
ける
神聖
(
しんせい
)
なる
婚姻
(
こんいん
)
の
状態
(
じやうたい
)
は
如何
(
いかが
)
なもので
厶
(
ござ
)
りませうか』
036
八島
(
やしま
)
『ここ
五
(
ご
)
年
(
ねん
)
や
十
(
じふ
)
年
(
ねん
)
に
到底
(
たうてい
)
理想
(
りさう
)
の
世界
(
せかい
)
の
出現
(
しゆつげん
)
は
難
(
むつ
)
かしいでせう。
037
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
の
亡
(
ほろ
)
ぶ
迄
(
まで
)
は
到底
(
たうてい
)
地上
(
ちじやう
)
に
天国
(
てんごく
)
は
完全
(
くわんぜん
)
に
来
(
き
)
ませぬ。
038
高天原
(
たかあまはら
)
の
婚姻
(
こんいん
)
に
就
(
つい
)
て
一言
(
ひとこと
)
お
話
(
はな
)
しすれば、
039
天人
(
てんにん
)
と
天女
(
てんによ
)
との
婚姻
(
こんいん
)
あるは
猶
(
なほ
)
地上
(
ちじやう
)
の
世界
(
せかい
)
に
男女
(
だんぢよ
)
両性
(
りやうせい
)
の
婚姻
(
こんいん
)
が
行
(
おこな
)
はれてゐるやうなものであります。
040
そして
高天原
(
たかあまはら
)
に
於
(
お
)
けると
地上
(
ちじやう
)
の
世界
(
せかい
)
に
於
(
お
)
けるとはその
婚姻
(
こんいん
)
に
相違
(
さうゐ
)
の
点
(
てん
)
もあり
一致
(
いつち
)
の
点
(
てん
)
もあります。
041
そもそも、
042
一、
043
高天原
(
たかあまはら
)
の
婚姻
(
こんいん
)
なるものは
智性
(
ちせい
)
と
意志
(
いし
)
との
二
(
ふた
)
つのものを
和合
(
わがふ
)
して
一心
(
いつしん
)
となすの
謂
(
いひ
)
であり、
044
智性
(
ちせい
)
と
意志
(
いし
)
の
二
(
ふた
)
つのものが
合一
(
がふいつ
)
して、
045
動作
(
どうさ
)
するものを
一心
(
いつしん
)
といひます。
046
夫
(
をつと
)
は
智性
(
ちせい
)
妻
(
つま
)
は
意志
(
いし
)
と
呼
(
よ
)
ばるる
部分
(
ぶぶん
)
を
代表
(
だいへう
)
するものであります。
047
一、
048
此
(
この
)
和合
(
わがふ
)
は
元
(
もと
)
より
内分
(
ないぶん
)
的
(
てき
)
に
起
(
おこ
)
るものであつて、
049
之
(
これ
)
が
霊身
(
れいしん
)
に
属
(
ぞく
)
する
時
(
とき
)
、
050
之
(
これ
)
を
知覚
(
ちかく
)
し
感覚
(
かんかく
)
して
愛
(
あい
)
なるものを
生
(
しやう
)
ずる。
051
この
愛
(
あい
)
を
婚姻
(
こんいん
)
の
愛
(
あい
)
といふのであります。
052
智性
(
ちせい
)
と
意志
(
いし
)
両者
(
りやうしや
)
の
和合
(
わがふ
)
して
一心
(
いつしん
)
となる
所
(
ところ
)
に
婚姻
(
こんいん
)
の
愛
(
あい
)
なるものが
発生
(
はつせい
)
するのである。
053
故
(
ゆゑ
)
に
天人
(
てんにん
)
は
男女
(
だんぢよ
)
一体
(
いつたい
)
にして
一双
(
いつつい
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
は
二個
(
にこ
)
の
天人
(
てんにん
)
でなく
一個
(
いつこ
)
の
天人
(
てんにん
)
となすのであります』
054
初稚
(
はつわか
)
『
夫婦
(
ふうふ
)
の
間
(
あひだ
)
に
以上
(
いじやう
)
御
(
お
)
話
(
はなし
)
の
如
(
ごと
)
き
親和
(
しんわ
)
のあるのは
男子
(
だんし
)
女子
(
ぢよし
)
創造
(
さうざう
)
の
真因
(
しんいん
)
より
来
(
き
)
たるものでせうか』
055
八島
(
やしま
)
『
男子
(
だんし
)
の
生
(
うま
)
るるや
自
(
おのずか
)
ら
智的
(
ちてき
)
であるから
凡
(
すべ
)
ての
思索
(
しさく
)
は
智性
(
ちせい
)
よりするものです。
056
之
(
これ
)
に
反
(
はん
)
して
女子
(
ぢよし
)
の
生
(
うま
)
るるや
自
(
おのづか
)
ら
情的
(
じやうてき
)
であるから、
057
其
(
その
)
思索
(
しさく
)
も
又
(
また
)
意志
(
いし
)
より
来
(
きた
)
るものであります。
058
男女
(
だんぢよ
)
の
性行
(
せいかう
)
より
見
(
み
)
るも
形体
(
けいたい
)
より
見
(
み
)
るも
明
(
あきら
)
かな
事実
(
じじつ
)
です。
059
性情
(
せいじやう
)
から
見
(
み
)
る
時
(
とき
)
は
男子
(
だんし
)
の
行動
(
かうどう
)
は
凡
(
すべ
)
て
理性
(
りせい
)
的
(
てき
)
で
女子
(
ぢよし
)
は
情動
(
じやうどう
)
的
(
てき
)
であります。
060
その
形態
(
けいたい
)
の
上
(
うへ
)
から
見
(
み
)
ても
男子
(
だんし
)
の
面
(
かほ
)
は
女子
(
ぢよし
)
の
如
(
ごと
)
く
優美
(
いうび
)
で
柔軟
(
じうなん
)
でない。
061
男子
(
だんし
)
は
身体
(
しんたい
)
剛健
(
がうけん
)
なれども
女子
(
ぢよし
)
は
柔嫩
(
じうどん
)
なものであります。
062
故
(
ゆゑ
)
に
男女間
(
だんぢよかん
)
に
於
(
お
)
ける
智性
(
ちせい
)
と
意志
(
いし
)
や
情動
(
じやうだう
)
と
想念
(
さうねん
)
との
間
(
あひだ
)
にも
亦
(
また
)
これに
似
(
に
)
たる
区別
(
くべつ
)
があります。
063
真
(
しん
)
と
善
(
ぜん
)
、
064
信
(
しん
)
と
愛
(
あい
)
との
間
(
あひだ
)
にも
区別
(
くべつ
)
がある。
065
如何
(
いかん
)
とならば
信
(
しん
)
と
真
(
しん
)
とは
智性
(
ちせい
)
に
属
(
ぞく
)
し、
066
善
(
ぜん
)
と
愛
(
あい
)
とは
意志
(
いし
)
に
属
(
ぞく
)
するからであります』
067
初稚
(
はつわか
)
『
天国
(
てんごく
)
に
於
(
おい
)
て
青年
(
せいねん
)
、
068
成人
(
せいじん
)
、
069
処女
(
しよぢよ
)
、
070
婦人
(
ふじん
)
の
区別
(
くべつ
)
がありますか』
071
八島
(
やしま
)
『
霊的
(
れいてき
)
意義
(
いぎ
)
より
言
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
は、
072
真
(
しん
)
を
全得
(
ぜんとく
)
すべき
智
(
ち
)
を
表
(
あら
)
はして
青年
(
せいねん
)
成人
(
せいじん
)
となし、
073
善
(
ぜん
)
に
対
(
たい
)
する
情動
(
じやうだう
)
を
表
(
あら
)
はして
処女
(
しよぢよ
)
、
074
婦人
(
ふじん
)
といふのである。
075
又
(
また
)
この
善
(
ぜん
)
と
真
(
しん
)
とに
対
(
たい
)
する
情動
(
じやうどう
)
より
見
(
み
)
て
聖場
(
せいぢやう
)
、
076
又
(
また
)
は
教場
(
けうぢやう
)
を
婦人
(
ふじん
)
と
呼
(
よ
)
んだり、
077
処女
(
しよぢよ
)
と
呼
(
よ
)
び、
078
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
の
身魂
(
みたま
)
と
呼
(
よ
)
ぶこともあるのです』
079
初稚
(
はつわか
)
『
男子
(
だんし
)
は
智性
(
ちせい
)
のみ
活動
(
くわつどう
)
し、
080
女子
(
ぢよし
)
は
意志
(
いし
)
のみ
活動
(
くわつどう
)
するものとの
御
(
お
)
説
(
せつ
)
は、
081
妾
(
わらは
)
には
少
(
すこ
)
しも
合点
(
がてん
)
が
行
(
ゆ
)
きませぬ。
082
女子
(
ぢよし
)
だつて
智性
(
ちせい
)
をも
有
(
も
)
つてゐる
様
(
やう
)
に
思
(
おも
)
はれますが……』
083
八島
(
やしま
)
『
男女
(
だんぢよ
)
の
区別
(
くべつ
)
なく
智性
(
ちせい
)
も
意志
(
いし
)
も
保有
(
ほいう
)
してゐるのです。
084
唯々
(
ただただ
)
男子
(
だんし
)
は
智性
(
ちせい
)
を
主
(
しゆ
)
とし
女子
(
ぢよし
)
は
意志
(
いし
)
を
主
(
しゆ
)
とするのみです。
085
人
(
ひと
)
の
性格
(
せいかく
)
を
定
(
さだ
)
むるは、
086
其
(
その
)
主
(
しゆ
)
とする
所
(
ところ
)
如何
(
いかん
)
に
由
(
よ
)
らなければ
成
(
な
)
らない。
087
併
(
しか
)
し
高天原
(
たかあまはら
)
に
於
(
お
)
ける
婚姻
(
こんいん
)
には
偏重
(
へんちよう
)
する
所
(
ところ
)
がない。
088
即
(
すなは
)
ち
妻
(
つま
)
の
意志
(
いし
)
は
夫
(
をつと
)
の
意志
(
いし
)
であり、
089
夫
(
をつと
)
の
智性
(
ちせい
)
は
妻
(
つま
)
の
智性
(
ちせい
)
である。
090
男女
(
だんぢよ
)
互
(
たがひ
)
に
他
(
た
)
の
思
(
おも
)
ふ
所
(
ところ
)
を
思
(
おも
)
ひ、
091
志
(
こころざ
)
す
所
(
ところ
)
を
志
(
こころざ
)
すが
故
(
ゆゑ
)
に、
092
両者
(
りやうしや
)
の
想念
(
さうねん
)
と
意志
(
いし
)
とは
互
(
たがひ
)
に
感応
(
かんおう
)
し
相
(
あひ
)
和合
(
わがふ
)
して
一体
(
いつたい
)
となるのです。
093
この
和合
(
わがふ
)
は
実際
(
じつさい
)
上
(
じやう
)
の
和合
(
わがふ
)
だから
夫
(
をつと
)
の
智性
(
ちせい
)
は
妻
(
つま
)
の
意志
(
いし
)
に
入
(
い
)
り、
094
妻
(
つま
)
の
意志
(
いし
)
は
夫
(
をつと
)
の
智性
(
ちせい
)
に
入
(
い
)
るものです。
095
そしてこの
和合
(
わがふ
)
は
殊
(
こと
)
に
相互間
(
さうごかん
)
に
於
(
おい
)
てその
面
(
おもて
)
を
見
(
み
)
る
時
(
とき
)
に
於
(
おい
)
て
生
(
しやう
)
ずるものである。
096
高天原
(
たかあまはら
)
には、
097
想念
(
さうねん
)
と
情動
(
じやうどう
)
の
交通
(
かうつう
)
あるが
上
(
うへ
)
に
殊
(
こと
)
に
夫婦
(
ふうふ
)
の
間
(
あひだ
)
には
相愛
(
さうあい
)
深
(
ふか
)
き
故
(
ゆゑ
)
、
098
この
交通
(
かうつう
)
は
更
(
さら
)
に
濃厚
(
のうこう
)
密接
(
みつせつ
)
の
度
(
ど
)
が
強
(
つよ
)
いからであります。
099
是
(
これ
)
を
見
(
み
)
ても
高天原
(
たかあまはら
)
の
天人
(
てんにん
)
等
(
たち
)
の
婚姻
(
こんいん
)
状態
(
じやうたい
)
は
如何
(
いか
)
にして
成立
(
せいりつ
)
するか。
100
この
愛
(
あい
)
を
喚起
(
くわんき
)
する
所
(
ところ
)
の
男女
(
だんぢよ
)
両心
(
りやうしん
)
の
和合
(
わがふ
)
とは
如何
(
いか
)
なるものかが
明
(
あきら
)
かになつたでありませう。
101
天国
(
てんごく
)
のこの
愛
(
あい
)
なるものは
相互
(
さうご
)
に
自己
(
じこ
)
の
有
(
いう
)
する
一切
(
いつさい
)
を
挙
(
あ
)
げて
他
(
た
)
に
与
(
あた
)
へむと
願
(
ねが
)
ふ
心
(
こころ
)
なることは
明
(
あきら
)
かであります』
102
初稚
(
はつわか
)
『
男子
(
だんし
)
の
智性
(
ちせい
)
と
女子
(
ぢよし
)
の
意志
(
いし
)
との
和合
(
わがふ
)
して
一心
(
いつしん
)
一体
(
いつたい
)
となり、
103
天国
(
てんごく
)
の
婚姻
(
こんいん
)
が
神聖
(
しんせい
)
に
行
(
おこな
)
はれる
状態
(
じやうたい
)
は
明瞭
(
めいれう
)
に
覚
(
さと
)
る
事
(
こと
)
を
得
(
え
)
ました。
104
併
(
しか
)
し
智性
(
ちせい
)
は
何物
(
なにもの
)
を
摂受
(
せつじゆ
)
し、
105
意志
(
いし
)
は
何
(
なに
)
ものを
天国
(
てんごく
)
に
於
(
おい
)
て
摂受
(
せつじゆ
)
し
得
(
う
)
るものなるか
今
(
いま
)
一度
(
いちど
)
御
(
ご
)
明示
(
めいじ
)
を
願
(
ねが
)
ひます』
106
八島
(
やしま
)
『
神聖
(
しんせい
)
なる
婚姻
(
こんいん
)
をなせる
男女
(
だんぢよ
)
の
間
(
あひだ
)
に
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
和合
(
わがふ
)
一致
(
いつち
)
のある
限
(
かぎ
)
り
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
天人
(
てんにん
)
男女
(
だんぢよ
)
は
婚姻
(
こんいん
)
の
愛
(
あい
)
に
居
(
を
)
り
又
(
また
)
之
(
これ
)
と
同時
(
どうじ
)
に
智慧
(
ちゑ
)
と
証覚
(
しようかく
)
と
幸福
(
かうふく
)
と
歓喜
(
くわんき
)
とに
居
(
を
)
るものであります。
107
一切
(
いつさい
)
の
智慧
(
ちゑ
)
と
証覚
(
しようかく
)
と
幸福
(
かうふく
)
と
歓喜
(
くわんき
)
の
来
(
きた
)
るべき
源泉
(
げんせん
)
なる
神善
(
しんぜん
)
の
神真
(
しんしん
)
とは
主
(
しゆ
)
として
婚姻
(
こんいん
)
の
愛
(
あい
)
の
中
(
なか
)
に
流入
(
りうにふ
)
するものなるが
故
(
ゆゑ
)
であります。
108
故
(
ゆゑ
)
に
婚姻
(
こんいん
)
の
愛
(
あい
)
なるものは
神格
(
しんかく
)
が
流入
(
りうにふ
)
する
所
(
ところ
)
の
平面
(
へいめん
)
そのものである。
109
蓋
(
けだ
)
し
同時
(
どうじ
)
に
真
(
しん
)
と
善
(
ぜん
)
との
婚姻
(
こんいん
)
だからであります。
110
真
(
しん
)
と
善
(
ぜん
)
との
和合
(
わがふ
)
は
智性
(
ちせい
)
と
意志
(
いし
)
との
和合
(
わがふ
)
の
如
(
ごと
)
くであつて、
111
智
(
ち
)
は
神真
(
しんしん
)
を
摂受
(
せつじゆ
)
し、
112
これに
由
(
よ
)
つて
其
(
その
)
智性
(
ちせい
)
を
成就
(
じやうじゆ
)
し、
113
意
(
い
)
は
神善
(
しんぜん
)
を
摂受
(
せつじゆ
)
し
之
(
これ
)
に
由
(
よ
)
つて
其
(
その
)
意性
(
いせい
)
を
成就
(
じやうじゆ
)
するのであります』
114
初稚
(
はつわか
)
『
智性
(
ちせい
)
と
意志
(
いし
)
との
和合
(
わがふ
)
と、
115
真
(
しん
)
と
善
(
ぜん
)
との
和合
(
わがふ
)
に
如何
(
いか
)
なる
区別
(
くべつ
)
がありますか』
116
八島
(
やしま
)
『
畢竟
(
ひつきやう
)
同一
(
どういつ
)
であります。
117
真
(
しん
)
と
善
(
ぜん
)
との
和合
(
わがふ
)
は
天人
(
てんにん
)
を
成就
(
じやうじゆ
)
し、
118
又
(
また
)
智慧
(
ちゑ
)
と
証覚
(
しようかく
)
と
幸福
(
かうふく
)
と
歓喜
(
くわんき
)
とを
成就
(
じやうじゆ
)
するものです。
119
如何
(
いかん
)
となれば
天人
(
てんにん
)
の
天人
(
てんにん
)
たるは
如何
(
いか
)
なる
程度
(
ていど
)
まで
彼
(
かれ
)
の
善
(
ぜん
)
は
真
(
しん
)
と
和合
(
わがふ
)
し、
120
彼
(
かれ
)
の
真
(
しん
)
は
善
(
ぜん
)
と
和合
(
わがふ
)
したかに
在
(
あ
)
るのです。
121
要
(
えう
)
するに
彼
(
かれ
)
の
愛
(
あい
)
は
信
(
しん
)
と
和合
(
わがふ
)
し
彼
(
かれ
)
の
信
(
しん
)
は
愛
(
あい
)
と
和合
(
わがふ
)
した
程度
(
ていど
)
の
如何
(
いかん
)
に
由
(
よ
)
つて
婚姻
(
こんいん
)
の
行
(
おこな
)
はるるものであります』
122
初稚
(
はつわか
)
『
善
(
ぜん
)
と
真
(
しん
)
との
和合
(
わがふ
)
の
原因
(
げんいん
)
は
何
(
いづ
)
れより
来
(
き
)
たるものですか』
123
八島
(
やしま
)
『
太元神
(
おほもとがみ
)
が
高天原
(
たかあまはら
)
及
(
およ
)
び
地
(
ち
)
の
世界
(
せかい
)
にある
万物
(
ばんぶつ
)
に
対
(
たい
)
して
有
(
いう
)
し
給
(
たま
)
へる
神愛
(
しんあい
)
より
発
(
はつ
)
するのです。
124
この
神愛
(
しんあい
)
より
神善
(
しんぜん
)
を
出
(
いだ
)
し、
125
そして
此
(
この
)
神善
(
しんぜん
)
は
天人
(
てんにん
)
と
神的
(
しんてき
)
諸真
(
しよしん
)
に
居
(
を
)
る
人々
(
ひとびと
)
とが
享
(
う
)
くるものである。
126
善
(
ぜん
)
を
享
(
う
)
くる
唯一
(
ゆゐいつ
)
無二
(
むに
)
の
器
(
うつは
)
は、
127
真
(
しん
)
より
外
(
ほか
)
に
無
(
な
)
いのだから、
128
真
(
しん
)
に
居
(
を
)
らないものは
何事
(
なにごと
)
も
太元神
(
おほもとがみ
)
及
(
およ
)
び
高天原
(
たかあまはら
)
より
享
(
う
)
くることは
出来
(
でき
)
ないのです。
129
故
(
ゆゑ
)
に
人間
(
にんげん
)
にある
所
(
ところ
)
の
諸々
(
もろもろ
)
の
真
(
しん
)
にして
善
(
ぜん
)
と
和合
(
わがふ
)
した
限
(
かぎ
)
り、
130
太元神
(
おほもとがみ
)
及
(
およ
)
び
天界
(
てんかい
)
と
和合
(
わがふ
)
するのです。
131
婚姻
(
こんいん
)
の
愛
(
あい
)
の
原頭
(
げんとう
)
なるものは
茲
(
ここ
)
にあります。
132
故
(
ゆゑ
)
にこの
愛
(
あい
)
なるものは
神格
(
しんかく
)
の
流
(
なが
)
るる
平面
(
へいめん
)
そのものです。
133
又
(
また
)
高天原
(
たかあまはら
)
に
於
(
おい
)
て
善
(
ぜん
)
と
真
(
しん
)
との
和合
(
わがふ
)
せし
状態
(
じやうたい
)
を、
134
天的
(
てんてき
)
婚姻
(
こんいん
)
と
云
(
い
)
ふのであります』
135
初稚
(
はつわか
)
『
高天原
(
たかあまはら
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
は
二個
(
にこ
)
一体
(
いつたい
)
即
(
すなは
)
ち
一天人
(
いちてんにん
)
の
形式
(
けいしき
)
の
様
(
やう
)
に
承
(
うけたま
)
はりましたが、
136
尚
(
なほ
)
今
(
いま
)
一度
(
いちど
)
詳細
(
しやうさい
)
な
説明
(
せつめい
)
を
願
(
ねが
)
ひます』
137
八島
(
やしま
)
『
天人
(
てんにん
)
または
地上
(
ちじやう
)
の
人間
(
にんげん
)
の
中
(
うち
)
に
和合
(
わがふ
)
した
善
(
ぜん
)
と
真
(
しん
)
とは
一
(
いつ
)
にして
二
(
に
)
にあらず。
138
何故
(
なにゆゑ
)
なれば
善
(
ぜん
)
は
真
(
しん
)
よりし
真
(
しん
)
は
善
(
ぜん
)
よりするからである。
139
この
和合
(
わがふ
)
は
人
(
ひと
)
その
志
(
こころざ
)
す
所
(
ところ
)
を
思
(
おも
)
ひ、
140
その
思
(
おも
)
ふ
所
(
ところ
)
を
志
(
こころざ
)
す
時
(
とき
)
に
成
(
な
)
り
立
(
た
)
つ
所
(
ところ
)
の
和合
(
わがふ
)
の
如
(
ごと
)
くにして、
141
この
時
(
とき
)
彼
(
かれ
)
の
想念
(
さうねん
)
と
意志
(
いし
)
とは
一
(
いつ
)
となつて
即
(
すなは
)
ち
一心
(
いつしん
)
を
成
(
な
)
すに
至
(
いた
)
る。
142
何
(
な
)
んとなれば
想念
(
さうねん
)
は
意志
(
いし
)
の
欲
(
ほつ
)
する
所
(
ところ
)
に
従
(
したが
)
つて
象
(
かたち
)
づくり
之
(
これ
)
を
形式
(
けいしき
)
の
上
(
うへ
)
に
現
(
あら
)
はし、
143
而
(
しか
)
して
意志
(
いし
)
は
之
(
これ
)
に
歓喜
(
くわんき
)
の
情
(
じやう
)
を
附与
(
ふよ
)
するからであります。
144
高天原
(
たかあまはら
)
に
於
(
おい
)
て
男女
(
だんぢよ
)
両者
(
りやうしや
)
の
婚姻
(
こんいん
)
せるを
一個
(
いつこ
)
の
天人
(
てんにん
)
と
呼
(
よ
)
びなし、
145
両個
(
りやうこ
)
の
天人
(
てんにん
)
とせないのは
之
(
これ
)
が
為
(
ため
)
であります』
146
初稚
(
はつわか
)
『
元始
(
はじめ
)
に
人
(
ひと
)
を
造
(
つく
)
り
給
(
たま
)
ひしものは
之
(
これ
)
を
男女
(
だんぢよ
)
に
造
(
つく
)
れり。
147
此
(
これ
)
故
(
ゆゑ
)
に
人
(
ひと
)
父母
(
ふぼ
)
を
離
(
はな
)
れて
其
(
その
)
妻
(
つま
)
に
合
(
あ
)
ふ。
148
二人
(
ふたり
)
のもの
一体
(
いつたい
)
となるなり。
149
されば
二
(
ふた
)
つにはあらず
一体
(
いつたい
)
なり。
150
神
(
かみ
)
の
合
(
あは
)
せ
給
(
たま
)
へるものは
人
(
ひと
)
之
(
これ
)
を
離
(
はな
)
すべからず。
151
此
(
この
)
言
(
げん
)
は
人
(
ひと
)
皆
(
みな
)
受
(
う
)
け
納
(
い
)
るること
能
(
あた
)
はず、
152
唯
(
ただ
)
賦
(
さづ
)
けられたるもののみ
之
(
これ
)
を
為
(
な
)
し
得
(
う
)
べし……と
聖言
(
せいげん
)
[
※
この「聖言」とは新約聖書の言葉のようである。マタイによる福音書第19章第4節から第11節を要約したものか? 次は口語訳聖書からの引用。「『創造者は初めから人を男と女とに造られ、そして言われた、それゆえに、人は父母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりの者は一体となるべきである』彼らはもはや、ふたりではなく一体である。だから、神が合わせられたものを、人は離してはならない」(第4~6節)、「その言葉を受けいれることができるのはすべての人ではなく、ただそれを授けられている人々だけである」(第11章)
]
に
記
(
しる
)
されたるは
天人
(
てんにん
)
の
居
(
を
)
る
天界
(
てんかい
)
の
婚姻
(
こんいん
)
ですか』
153
八島
(
やしま
)
『
天界
(
てんかい
)
に
於
(
お
)
ける
天人
(
てんにん
)
の
婚姻
(
こんいん
)
であつて
是
(
こ
)
れ
善
(
ぜん
)
と
真
(
しん
)
との
婚姻
(
こんいん
)
、
154
神
(
かみ
)
の
結
(
むす
)
び
給
(
たま
)
ふた
婚姻
(
こんいん
)
は
人
(
ひと
)
が
離
(
はな
)
すことは
出来
(
でき
)
ない。
155
要
(
えう
)
するに
善
(
ぜん
)
を
真
(
しん
)
から
離
(
はな
)
すことは
出来
(
でき
)
ぬといふ
意義
(
いぎ
)
であります。
156
是
(
これ
)
に
由
(
よ
)
つて
真
(
しん
)
の
婚姻
(
こんいん
)
は
何
(
いづ
)
れの
処
(
ところ
)
から
創
(
はじ
)
まるかを
見
(
み
)
ることが
出来
(
でき
)
るのです。
157
即
(
すなは
)
ち
先
(
ま
)
づ
婚姻
(
こんいん
)
を
結
(
むす
)
ぶものの
心裡
(
しんり
)
が
成
(
な
)
り
立
(
た
)
ち
之
(
これ
)
から
伝
(
つた
)
はつて
肉体
(
にくたい
)
に
下
(
くだ
)
り、
158
此処
(
ここ
)
に
知覚
(
ちかく
)
ありて
之
(
これ
)
を
感
(
かん
)
じて
愛
(
あい
)
となるのです。
159
凡
(
すべ
)
て
肉体
(
にくたい
)
の
感
(
かん
)
ずる
所
(
ところ
)
、
160
知覚
(
ちかく
)
する
所
(
ところ
)
は、
161
皆
(
みな
)
其
(
その
)
源泉
(
げんせん
)
を
人
(
ひと
)
の
霊的
(
れいてき
)
原力
(
げんりよく
)
に
汲
(
く
)
むものなるが
故
(
ゆゑ
)
であります』
162
初稚
(
はつわか
)
『いろいろと
御
(
ご
)
理解
(
りかい
)
を
仰
(
あふ
)
ぎまして
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
います。
163
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら、
164
それを
承
(
うけたま
)
はらば
尚々
(
なほなほ
)
私
(
わたし
)
は
地上
(
ちじやう
)
に
於
(
おい
)
て
婚姻
(
こんいん
)
をする
事
(
こと
)
が
気
(
き
)
が
向
(
む
)
かない
様
(
やう
)
です。
165
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
父
(
ちち
)
にも
申
(
まを
)
して
置
(
お
)
きましたものですが、
166
ハルナの
都
(
みやこ
)
の
御用
(
ごよう
)
が
済
(
す
)
んでから
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
方
(
がた
)
の
御
(
お
)
世話
(
せわ
)
に
預
(
あづか
)
つて、
167
それ
相当
(
さうたう
)
の
夫
(
をつと
)
と
婚姻
(
こんいん
)
する
事
(
こと
)
を
誓
(
ちか
)
つておきます。
168
決
(
けつ
)
して
妾
(
わらは
)
は
独身
(
どくしん
)
主義
(
しゆぎ
)
でやり
通
(
とほ
)
さうとは
申
(
まを
)
しませぬ。
169
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
年
(
とし
)
も
若
(
わか
)
く
前途
(
ぜんと
)
も
長
(
なが
)
いのですから、
170
独立
(
どくりつ
)
独歩
(
どくぽ
)
の
活動
(
くわつどう
)
が
致
(
いた
)
し
度
(
た
)
う
厶
(
ござ
)
ります』
171
八島
(
やしま
)
『さう
仰有
(
おつしや
)
れば
強
(
た
)
つて
申
(
まを
)
しませぬ。
172
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
白状
(
はくじやう
)
致
(
いた
)
しますが
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
より
貴女
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
精神
(
せいしん
)
を
試
(
ため
)
して
見
(
み
)
よとの
仰
(
あふ
)
せで
厶
(
ござ
)
りました
故
(
ゆゑ
)
、
173
斯様
(
かやう
)
の
事
(
こと
)
を
申上
(
まをしあ
)
げました。
174
其
(
その
)
御
(
ご
)
決心
(
けつしん
)
ならばキツとハルナの
都
(
みやこ
)
の
邪神
(
じやしん
)
を
言向和
(
ことむけやは
)
す
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るでせう。
175
夫
(
をつと
)
がお
在
(
あ
)
りになるとすれば
実際
(
じつさい
)
の
活動
(
くわつどう
)
は
出来
(
でき
)
ませぬからな。
176
八人
(
やたり
)
乙女
(
をとめ
)
の
方々
(
かたがた
)
でも
夫
(
をつと
)
を
持
(
も
)
たれた
方
(
かた
)
は
家庭
(
かてい
)
の
主婦
(
しゆふ
)
として
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
の
活動
(
くわつどう
)
が
出来
(
でき
)
ない
様
(
やう
)
なものです。
177
まだ
独身
(
どくしん
)
でゐらつしやる
英子姫
(
ひでこひめ
)
様
(
さま
)
悦子姫
(
よしこひめ
)
様
(
さま
)
等
(
など
)
はあの
通
(
とほ
)
りの
大活動
(
だいくわつどう
)
を
試
(
こころ
)
みられて
居
(
を
)
られますからな。
178
それもやはり
独身
(
ひとりみ
)
のお
蔭
(
かげ
)
ですよ。
179
時
(
とき
)
に
初稚姫
(
はつわかひめ
)
さま、
180
杢助
(
もくすけ
)
さまは
貴女
(
あなた
)
の
出立
(
しゆつたつ
)
を
何故
(
なぜ
)
お
送
(
おく
)
りにならないのですか』
181
初稚
(
はつわか
)
『
父
(
ちち
)
は
左様
(
さやう
)
な
女々
(
めめ
)
しいものでは
御座
(
ござ
)
りませぬ。
182
妾
(
わらは
)
が「
父上
(
ちちうへ
)
さま、
183
之
(
これ
)
より
御用
(
ごよう
)
のため
遥々
(
はるばる
)
ハルナの
都
(
みやこ
)
へ
参
(
まゐ
)
りますから
何卒
(
なにとぞ
)
御
(
ご
)
壮健
(
さうけん
)
で」と
申
(
まを
)
しましたら
父
(
ちち
)
は
直
(
ただ
)
ちに
声
(
こゑ
)
を
荒
(
あら
)
らげ「
決
(
けつ
)
して
杢助
(
もくすけ
)
の
事
(
こと
)
は
気
(
き
)
にかけちやならない。
184
お
前
(
まへ
)
はお
前
(
まへ
)
の
御用
(
ごよう
)
があるのだ」と
云
(
い
)
つたきり
門口
(
もんぐち
)
へ
見送
(
みおく
)
りもして
呉
(
く
)
れませなんだのです。
185
実
(
じつ
)
に
親
(
おや
)
の
愛
(
あい
)
と
云
(
い
)
ふものは
深
(
ふか
)
いもので
厶
(
ござ
)
ります。
186
妾
(
わらは
)
も
父
(
ちち
)
の
雄々
(
をを
)
しき
心根
(
こころね
)
に
対
(
たい
)
しても
飽迄
(
あくまで
)
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
のため、
187
世人
(
よびと
)
のために、
188
活動
(
くわつどう
)
を
致
(
いた
)
さねばなりませぬ』
189
八島
(
やしま
)
『
成程
(
なるほど
)
、
190
此
(
この
)
親
(
おや
)
にして
此
(
この
)
子
(
こ
)
あり、
191
イヤもう
感
(
かん
)
じ
入
(
い
)
りました。
192
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
が
貴女
(
あなた
)
親子
(
おやこ
)
の
御
(
ご
)
精神
(
せいしん
)
をお
聞
(
き
)
きになりましたら
嘸
(
さぞ
)
御
(
ご
)
満足
(
まんぞく
)
に
思召
(
おぼしめ
)
すで
御座
(
ござ
)
りませう。
193
何卒
(
なにとぞ
)
仕合
(
しあは
)
せよく
征途
(
せいと
)
にお
上
(
のぼ
)
り
下
(
くだ
)
さいませ』
194
初稚姫
(
はつわかひめ
)
『
惟神
(
かむながら
)
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みに
助
(
たす
)
けられ
195
ハルナの
都
(
みやこ
)
に
進
(
すす
)
む
嬉
(
うれ
)
しさ。
196
八島主
(
やしまぬし
)
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
よ
吾
(
わが
)
父
(
ちち
)
を
197
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
へ
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに』
198
八島主
(
やしまぬし
)
『
親
(
おや
)
思
(
おも
)
ひ
子
(
こ
)
思
(
おも
)
ふ
心
(
こころ
)
ぞ
世
(
よ
)
にも
尊
(
たふと
)
けれ
199
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せし
心
(
こころ
)
ぞ
尚
(
なほ
)
も
尊
(
たふと
)
き。
200
初稚姫
(
はつわかひめ
)
イソの
館
(
やかた
)
を
出
(
い
)
でませば
201
神
(
かみ
)
は
汝
(
なれ
)
をば
守
(
まも
)
りますらむ』
202
初稚姫
(
はつわかひめ
)
『
八十
(
やそ
)
曲津
(
まがつ
)
如何
(
いか
)
に
伊猛
(
いたけ
)
り
狂
(
くる
)
ふとも
203
誠
(
まこと
)
の
剣
(
つるぎ
)
に
斬
(
き
)
り
屠
(
ほふ
)
らなむ。
204
大神
(
おほかみ
)
の
依
(
よ
)
さし
玉
(
たま
)
ひし
言霊
(
ことたま
)
を
205
力
(
ちから
)
と
頼
(
たの
)
み
行
(
ゆ
)
くぞ
嬉
(
うれ
)
しき』
206
八島主
(
やしまぬし
)
『いざさらば
之
(
これ
)
にてお
別
(
わか
)
れ
申
(
まを
)
すべし
207
初稚
(
はつわか
)
……………
八島主
(
やしまぬし
)
君
(
きみ
)
安
(
やす
)
くましませ』
208
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り
此処
(
ここ
)
に
両神人
(
りやうしんじん
)
は
袂
(
たもと
)
を
分
(
わか
)
つ
事
(
こと
)
となりぬ。
209
初稚姫
(
はつわかひめ
)
は
春
(
はる
)
とは
云
(
い
)
へどまだ
寒
(
さむ
)
き
風
(
かぜ
)
に
衣
(
ころも
)
の
袖
(
そで
)
を
煽
(
あふ
)
られ
乍
(
なが
)
ら、
210
ウブスナ
山
(
やま
)
の
咲
(
さ
)
き
初
(
そ
)
めし
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
の
薫
(
かを
)
りに
名残
(
なごり
)
を
惜
(
お
)
しみつつ、
211
此
(
この
)
聖場
(
せいぢやう
)
を
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
草鞋
(
わらぢ
)
脚絆
(
きやはん
)
に
身
(
み
)
を
固
(
かた
)
め
扮装
(
みなり
)
も
軽
(
かる
)
き
蓑笠
(
みのかさ
)
、
212
金剛杖
(
こんがうづゑ
)
を
突
(
つ
)
き
乍
(
なが
)
ら
踏
(
ふ
)
みもならはぬ
長途
(
ちやうと
)
の
旅
(
たび
)
に
上
(
のぼ
)
るべく
勇
(
いさ
)
み
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
213
(
大正一二・一・一六
旧一一・一一・三〇
北村隆光
録)
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