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霊界物語
真善美愛(第49~60巻)
第49巻(子の巻)
序文
総説
第1篇 神示の社殿
第1章 地上天国
第2章 大神人
第3章 地鎮祭
第4章 人情
第5章 復命
第2篇 立春薫香
第6章 梅の初花
第7章 剛胆娘
第8章 スマート
第3篇 暁山の妖雲
第9章 善幻非志
第10章 添書
第11章 水呑同志
第12章 お客さん
第13章 胸の轟
第14章 大妨言
第15章 彗星
第4篇 鷹魅糞倒
第16章 魔法使
第17章 五身玉
第18章 毒酸
第19章 神丹
第20章 山彦
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(B)
(N)
毒酸 >>>
第一七章
五身玉
(
いづみたま
)
〔一二九一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第49巻 真善美愛 子の巻
篇:
第4篇 鷹魅糞倒
よみ(新仮名遣い):
ようみふんとう
章:
第17章 五身玉
よみ(新仮名遣い):
いずみたま
通し章番号:
1291
口述日:
1923(大正12)年01月19日(旧12月3日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年11月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
イル、イク、サールは、ハルとテルが高姫からせしめた酒を、楓姫に酌をさせながら飲んでいた。三人は酔いが回ると脱線してあたりかまわず歌いだし、楓姫にちょっかいを出しては逆にからかわれ、笑いさんざめいている。
ハルとテルはそこへやってきて、奥にいる杢助と高姫に聞こえると一同に注意した。酔った三人は、我々は正当な三五教の信者であり、玉国別から正式に祠の森の御用を仰せつかったのだから、団結して杢助と高姫の方を逆に追い出してやろうと息巻いた。
ハルも賛成し、五人はどやどやと高姫の居間になだれ込んだ。杢助の姿は消えてしまい、高姫は一人でたたずんでいた。五人が乱入して杢助と高姫を追い出すと歌を歌うと、高姫は怒って怒鳴りたてた。
しかしイクは、自分たちは団結して杢助・高姫を追い出すのだと鼻息が荒い。高姫は下手に出て、玉国別が留守の間だから、祠の森にいる者たち仲良く御神業に奉仕しようと呼び掛けた。
ハルは、お神酒のおさがりをもらっても干渉しないようにと高姫に釘をさし、高姫はその代わりに日の出神の生き宮である自分の言うことをよく聞くようにとして、その場は収まった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-06-30 09:12:41
OBC :
rm4917
愛善世界社版:
260頁
八幡書店版:
第9輯 128頁
修補版:
校定版:
267頁
普及版:
120頁
初版:
ページ備考:
001
イル、
002
イク、
003
サールは、
004
やさしき
楓姫
(
かへでひめ
)
に
酌
(
しやく
)
をさせ
乍
(
なが
)
ら
四辺
(
あたり
)
を
憚
(
はばか
)
りチビリチビリと
飲
(
の
)
んでゐたがソロソロ
酔
(
よ
)
ひがまはるにつれて
脱線
(
だつせん
)
し
四辺
(
あたり
)
構
(
かま
)
はず
唄
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
した。
005
イル『おい、
006
イク、
007
サール、
008
如何
(
どう
)
だ。
009
かう
黙
(
だま
)
つてクビリクビリとやつてゐた
処
(
ところ
)
で
酒
(
さけ
)
が
沈
(
しづ
)
んで
仕方
(
しかた
)
がないぢやないか。
010
チツト
歌
(
うた
)
でも
唄
(
うた
)
つたら
如何
(
どう
)
だい。
011
エーイ』
012
イク『
宜
(
よ
)
からう
宜
(
よ
)
からう
一
(
ひと
)
つ
唄
(
うた
)
はうかな。
013
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
神
(
かみ
)
の
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
014
イソの
宮
(
みや
)
から
降
(
ふ
)
つて
来
(
き
)
て
015
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
までコテコテと
016
白
(
しろ
)
い
粉
(
こな
)
をば
顔
(
かほ
)
に
塗
(
ぬ
)
り
017
一寸
(
ちよつと
)
眺
(
なが
)
めれや
雪婆
(
ゆきばば
)
か
018
ヨイトセー ヨイトセー
019
もとの
木阿弥
(
もくあみ
)
杢助
(
もくすけ
)
が
020
ブラリブラリとやつて
来
(
き
)
て
021
何
(
なん
)
だか
俺
(
おれ
)
は
知
(
し
)
らないが
022
目出度
(
めでた
)
い
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
たさうだ
023
お
寅婆
(
とらばあ
)
さまや
魔我彦
(
まがひこ
)
や
024
ヨルの
兄貴
(
あにき
)
に
扮装
(
ふんさう
)
して
025
ヤ、ドツコイシヨ ドツコイシヨ
026
うまく
眼
(
まなこ
)
を
晦
(
くら
)
ました
027
おかげでお
酒
(
さけ
)
やお
肴
(
さかな
)
が
028
これ
程
(
ほど
)
沢山
(
たくさん
)
戴
(
いただ
)
ける
029
ア、ヨイトセー ヨイトセー。
030
アハヽヽヽヽ、
031
エヘヽヽヽヽ、
032
うまいうまい、
033
こんな
事
(
こと
)
なら
毎日
(
まいにち
)
でもあつて
欲
(
ほ
)
しいものだ。
034
僅
(
わづ
)
か
蓑笠
(
みのかさ
)
着
(
き
)
て
一丁
(
いつちやう
)
ばかり
行
(
い
)
つて
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
み、
035
又
(
また
)
帰
(
かへ
)
つて
此処
(
ここ
)
で
楓姫
(
かへでひめ
)
の
白
(
しろ
)
い
手
(
て
)
で……イヒヽヽヽヽ、
036
ぼろいぢやないか』
037
サール『ナヽヽヽ
何
(
なに
)
がぼろいのだい、
038
エーン。
039
これ
位
(
くらゐ
)
な
味
(
あぢ
)
なくもない
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
まされて、
040
見
(
み
)
た
事
(
こと
)
もない
様
(
やう
)
な
生肴
(
なまざかな
)
をつきつけやがつて、
041
アタ
甘
(
うま
)
い、
042
それが
何
(
なに
)
結構
(
けつこう
)
なのだ。
043
糞面白
(
くそおもしろ
)
くもない。
044
俺
(
おれ
)
や、
045
モウ
自棄
(
やけ
)
だ。
046
之
(
これ
)
から
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
処
(
ところ
)
へ
行
(
い
)
つて
一
(
ひと
)
つ
管
(
くだ
)
を
巻
(
ま
)
いて
来
(
き
)
てやるのだい』
047
イル『こりや こりや さう
八釜
(
やかま
)
しう
云
(
い
)
ふない。
048
ハル、
049
テルの
哥兄
(
あにい
)
が
気
(
き
)
を
揉
(
も
)
むぢやないか』
050
サール『ナヽヽヽ
何
(
なん
)
ぢや、
051
木
(
き
)
をもむ、
052
そんな
事
(
こと
)
があつて
堪
(
たま
)
らうかい。
053
木
(
き
)
をもむ
奴
(
やつ
)
あ
三目錐
(
みつめきり
)
だ。
054
俺
(
おれ
)
は
鉋
(
かんな
)
だぞ。
055
親
(
おや
)
の
脛
(
すね
)
を
削
(
けづ
)
り、
056
腕
(
うで
)
を
削
(
けづ
)
り
又
(
また
)
高姫
(
たかひめ
)
の
肴
(
さかな
)
を
削
(
けづ
)
り、
057
削
(
けづ
)
つて
削
(
けづ
)
つて
削
(
けづ
)
りまはす
鉋
(
かんな
)
だ。
058
それだから
かんな
がら
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
と
云
(
い
)
ふのだ。
059
エヘヽヽヽヽあゝ
酔
(
よ
)
ふた
酔
(
よ
)
ふた。
060
楓
(
かへで
)
さま、
061
おい
何
(
なん
)
だ。
062
イルの
方
(
はう
)
に
妙
(
めう
)
な
視線
(
しせん
)
を
向
(
む
)
けてゐるぢやないか。
063
チツと
俺
(
おれ
)
の
方
(
はう
)
にも
向
(
む
)
けたら
如何
(
どう
)
だい』
064
楓
(
かへで
)
『ホヽヽヽヽ、
065
あまりイルさまは
男前
(
をとこまへ
)
のいい、
066
何処
(
どこ
)
ともなしに
虫
(
むし
)
の
好
(
す
)
く
方
(
かた
)
ですから、
067
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
視線
(
しせん
)
を
向
(
む
)
けて
イル
さまですよ』
068
イク『おい、
069
楓姫
(
かへでひめ
)
さま、
070
このイクには
如何
(
どう
)
だい。
071
思召
(
おぼしめ
)
しは
厶
(
ござ
)
りますかな』
072
楓
(
かへで
)
『
イク
ら
仰有
(
おつしや
)
つて
下
(
くだ
)
さつてもイク
地
(
ぢ
)
のないイクさまの
方
(
はう
)
へは
私
(
わたし
)
の
視線
(
しせん
)
がイク
道理
(
だうり
)
が
厶
(
ござ
)
りませぬわ。
073
ホヽヽヽヽ、
074
お
気
(
き
)
に
障
(
さはり
)
ましたらイクへにもお
詫
(
わび
)
致
(
いた
)
します』
075
イク『こりや、
076
あまり
馬鹿
(
ばか
)
にすない。
077
イクら
女
(
をんな
)
だつて、
078
酒
(
さけ
)
の
上
(
うへ
)
だつて、
079
あまりの
暴言
(
ばうげん
)
吐
(
は
)
くと
此
(
この
)
拳骨
(
げんこつ
)
が
貴様
(
きさま
)
の
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
にポカンとイクさまだぞ』
080
楓
(
かへで
)
『
山田
(
やまだ
)
の
案山子
(
かがし
)
の
様
(
やう
)
なスタイルで、
081
オヽヽヽ
可笑
(
おか
)
し、
082
これイクさま、
083
弥之助
(
やのすけ
)
人形
(
にんぎやう
)
の
踊
(
をどり
)
一
(
ひと
)
つ、
084
して
御覧
(
ごらん
)
。
085
貴方
(
あなた
)
ならよく
似合
(
にあ
)
ふに
違
(
ちが
)
ひないわ。
086
丁度
(
ちやうど
)
渋紙
(
しぶがみ
)
に
顔
(
かほ
)
かいた
様
(
やう
)
なスタイルだからね』
087
イル『アハヽヽヽヽ、
088
面白
(
おもしろ
)
い
面白
(
おもしろ
)
い』
089
イク『ヘン、
090
馬鹿
(
ばか
)
にしやがる。
091
楓
(
かへで
)
、
092
覚
(
おぼ
)
えてゐやがれ。
093
月夜
(
つきよ
)
の
晩
(
ばん
)
ばかりでないぞ。
094
暗
(
やみ
)
の
晩
(
ばん
)
に
首筋
(
くびすぢ
)
がヒヤリとしたら
俺
(
おれ
)
だからな』
095
楓
(
かへで
)
『
何
(
なん
)
とマア
気障
(
きざ
)
な
男
(
をとこ
)
だ
事
(
こと
)
。
096
あゝ
臭
(
く
)
さ、
097
臭
(
くさ
)
い
臭
(
くさ
)
い。
098
息
(
いき
)
のかからぬ
処
(
ところ
)
に
行
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
099
お
前
(
まへ
)
の
口
(
くち
)
はまるで
鰯
(
いわし
)
のドーケン
壺
(
つぼ
)
を
交
(
ま
)
ぜかへした
様
(
やう
)
だわ』
100
サール『これ、
101
楓
(
かへで
)
さま、
102
此
(
この
)
面
(
つら
)
はお
気
(
き
)
に
入
(
い
)
りますかな』
103
とニユツと
前
(
まへ
)
に
出
(
だ
)
す。
104
楓
(
かへで
)
は
頬辺
(
ほほべた
)
をピシヤツと
叩
(
たた
)
き、
105
楓
(
かへで
)
『エーエ、
106
好
(
す
)
かぬたらしい
男
(
をとこ
)
だ
事
(
こと
)
。
107
お
前
(
まへ
)
はサールの
人真似
(
ひとまね
)
だよ。
108
悪戯
(
ふざけ
)
た
事
(
こと
)
をなサールと、
109
此
(
この
)
楓
(
かへで
)
だつて
量見
(
りやうけん
)
はしませぬぞえ』
110
サール『ヤー、
111
こいつは
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
つた。
112
如何
(
どう
)
したら
姫
(
ひめ
)
さまのお
気
(
き
)
に
入
(
い
)
るのですかな』
113
楓
(
かへで
)
『さうだね。
114
私
(
わたし
)
の
好
(
す
)
きな
男
(
をとこ
)
は
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
まない、
115
さうして
色
(
いろ
)
の
白
(
しろ
)
い、
116
年
(
とし
)
の
若
(
わか
)
い、
117
頭
(
あたま
)
の
毛
(
け
)
の
黒
(
くろ
)
い、
118
目
(
め
)
のパツチリした、
119
口許
(
くちもと
)
のしまつた
鼻
(
はな
)
のツンモリとした
男
(
をとこ
)
が
好
(
す
)
きだよ』
120
サール『さうすると、
121
その
条件
(
でうけん
)
に
合格
(
がふかく
)
したのは
此
(
この
)
サールかな。
122
只
(
ただ
)
欠点
(
けつてん
)
は
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
むだけの
事
(
こと
)
だ。
123
これ
楓姫
(
かへでひめ
)
さま、
124
そんなら
今日
(
けふ
)
限
(
かぎ
)
り
酒
(
さけ
)
は
一吸
(
ひとすひ
)
も
飲
(
の
)
まぬ
様
(
やう
)
にする。
125
そしたらお
気
(
き
)
に
入
(
い
)
るだらうね』
126
楓
(
かへで
)
『エー、
127
好
(
す
)
かぬたらしい。
128
誰
(
たれ
)
がお
前
(
まへ
)
の
様
(
やう
)
なスカンペイに
秋波
(
しうは
)
を
送
(
おく
)
るものがありますか。
129
冗談
(
じようだん
)
もいい
加減
(
かげん
)
にしなさい』
130
と
小
(
ちひ
)
さい
柔
(
やはら
)
かい
手
(
て
)
で
頬辺
(
ほほべた
)
をピシヤピシヤと
殴
(
なぐ
)
る。
131
サールは
頗
(
すこぶ
)
る
御
(
ご
)
機嫌
(
きげん
)
で
相好
(
さうがう
)
を
崩
(
くづ
)
し
涎
(
よだれ
)
を
垂
(
た
)
らし
乍
(
なが
)
ら、
132
サール『エツヘヽヽヽ、
133
姫
(
ひめ
)
さまのおやさしい
手
(
て
)
でピシヤピシヤとおいでやしたのだな。
134
憎
(
にく
)
くて
一
(
ひと
)
つも
叩
(
たた
)
かれやうかと
云
(
い
)
つて、
135
俺
(
おれ
)
にはホの
字
(
じ
)
とレの
字
(
じ
)
だな。
136
おい、
137
イク、
138
イル、
139
羨
(
けな
)
るい
事
(
こと
)
はないか』
140
イク『ハヽヽヽ、
141
馬鹿
(
ばか
)
だな。
142
子供
(
こども
)
上
(
あが
)
りの
女
(
をんな
)
に
玩弄
(
おもちや
)
にされやがつて、
143
何
(
なん
)
の
態
(
ざま
)
だ。
144
それだから
高姫
(
たかひめ
)
の
風来者
(
ふうらいもの
)
に
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
されるのだ』
145
サール『
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
されたのは
俺
(
おれ
)
ばかりぢやない。
146
貴様
(
きさま
)
等
(
たち
)
両人
(
りやうにん
)
も
同様
(
どうやう
)
ぢやないか』
147
イル『
何
(
なに
)
、
148
一寸
(
ちよつと
)
芝居
(
しばゐ
)
したのだ。
149
何
(
なに
)
も
貴様
(
きさま
)
、
150
よう
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
よ。
151
高姫
(
たかひめ
)
や
杢助
(
もくすけ
)
に
命令
(
めいれい
)
を
受
(
う
)
けたのぢやない。
152
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
は
此
(
この
)
宮
(
みや
)
を
創立
(
さうりつ
)
遊
(
あそ
)
ばした
玉国別
(
たまくにわけ
)
御
(
ご
)
夫婦
(
ふうふ
)
から
任命
(
にんめい
)
されたものだ。
153
云
(
い
)
はば
高姫
(
たかひめ
)
如
(
ごと
)
きは
風来者
(
ふうらいもの
)
だ。
154
彼奴
(
あいつ
)
は
屹度
(
きつと
)
イソの
館
(
やかた
)
を
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
されて
来
(
き
)
たに
違
(
ちが
)
ひないぞ。
155
それでヨルや
魔我彦
(
まがひこ
)
がイソの
館
(
やかた
)
へ
行
(
ゆ
)
くのを
頻
(
しき
)
りにとめやがるのだ』
156
サール『さう
聞
(
き
)
けばさうだ。
157
高姫
(
たかひめ
)
に
何
(
なに
)
も
遠慮
(
ゑんりよ
)
会釈
(
ゑしやく
)
があるものか。
158
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
は
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
の
常置品
(
じやうちひん
)
だ。
159
之
(
これ
)
から
高姫
(
たかひめ
)
を
揶揄
(
からか
)
つてやつたら
如何
(
どう
)
だい、
160
面白
(
おもしろ
)
いぞ』
161
イル『うん、
162
そりや
宜
(
よ
)
からう。
163
それよりも
土堤
(
どて
)
ぎり、
164
此処
(
ここ
)
で
大声
(
おほごゑ
)
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げて
唄
(
うた
)
つて
見
(
み
)
ようぢやないか。
165
さうすりやビツクリして
高
(
たか
)
ちやんがやつて
来
(
く
)
るかも
知
(
し
)
れぬぞ』
166
かかる
処
(
ところ
)
へハル、
167
テルの
両人
(
りやうにん
)
は
走
(
はし
)
り
来
(
きた
)
り、
168
ハル『おいおい、
169
チツト
静
(
しづか
)
にしてくれぬか。
170
奥
(
おく
)
へ
聞
(
きこ
)
えるぢやないか。
171
それだから
貴様
(
きさま
)
等
(
たち
)
に
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
ますと
困
(
こま
)
ると
云
(
い
)
ふのだ。
172
なあテル
公
(
こう
)
、
173
困
(
こま
)
つたものぢやないか』
174
テル『うん、
175
本当
(
ほんたう
)
に
仕方
(
しかた
)
のない
代物
(
しろもの
)
だな。
176
コリヤコリヤ
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
奴
(
やつ
)
、
177
もつと
静
(
しづ
)
かにせぬか』
178
サール『イヤー、
179
魔法使
(
まはふつかひ
)
のハルに、
180
テル、
181
ヤー、
182
先
(
さき
)
程
(
ほど
)
は
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
で
厶
(
ござ
)
りました。
183
お
蔭
(
かげ
)
さまで
此
(
この
)
通
(
とほ
)
りお
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
さまも、
184
魔我彦
(
まがひこ
)
さまもヨルも、
185
夜中
(
よなか
)
も、
186
昼
(
ひる
)
も
今日
(
けふ
)
も
明日
(
あす
)
も
明後日
(
あさつて
)
もお
酒
(
さけ
)
を
頂
(
いただ
)
きまして
結構
(
けつこう
)
な
睾丸
(
きんたま
)
の
皺伸
(
しわのば
)
しをさして
頂
(
いただ
)
きました』
187
ハル『
睾丸
(
きんたま
)
の
皺伸
(
しわのば
)
しはいいが、
188
さう
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
しちや
困
(
こま
)
るぢやないか』
189
サール『
声
(
こゑ
)
の
大
(
おほ
)
きいのは
俺
(
おれ
)
の
持前
(
もちまへ
)
だよ。
190
臍下
(
さいか
)
丹田
(
たんでん
)
から
副守
(
ふくしゆ
)
が
発動
(
はつどう
)
して
責
(
せ
)
めるのだからな。
191
おい、
192
ハル、
193
テルの
哥兄
(
あにい
)
、
194
よう
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
よ。
195
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
は
別
(
べつ
)
に
高姫
(
たかひめ
)
に
遠慮
(
ゑんりよ
)
する
必要
(
ひつえう
)
がないぢやないか。
196
珍彦
(
うづひこ
)
様
(
さま
)
や
静子
(
しづこ
)
様
(
さま
)
、
197
楓
(
かへで
)
さまは
申
(
まを
)
すに
及
(
およ
)
ばず、
198
吾々
(
われわれ
)
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
はバラモン
組
(
ぐみ
)
とは
云
(
い
)
へ
今
(
いま
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
立派
(
りつぱ
)
な
信者
(
しんじや
)
だ。
199
否
(
いな
)
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
の
役員
(
やくゐん
)
だ。
200
誰
(
たれ
)
に
遠慮
(
ゑんりよ
)
会釈
(
ゑしやく
)
が
要
(
い
)
るものか。
201
高姫
(
たかひめ
)
と
杢助
(
もくすけ
)
を、
202
同盟
(
どうめい
)
してオツ
放
(
ぽ
)
り
出
(
だ
)
してやらうぢやないか』
203
ハル『
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
、
204
そりや、
205
さうだ。
206
さア
之
(
これ
)
から
一杯
(
いつぱい
)
機嫌
(
きげん
)
で
高姫
(
たかひめ
)
の
居間
(
ゐま
)
へ
乗
(
の
)
り
込
(
こ
)
み、
207
一談判
(
ひとだんぱん
)
やらうかな』
208
一同
(
いちどう
)
『
賛成
(
さんせい
)
賛成
(
さんせい
)
』
209
とヒヨロヒヨロし
乍
(
なが
)
ら、
210
長
(
なが
)
い
廊下
(
らうか
)
を
伝
(
つた
)
ふてドヤドヤと
高姫
(
たかひめ
)
の
部屋
(
へや
)
へ
転
(
ころ
)
げ
込
(
こ
)
んだ。
211
高姫
(
たかひめ
)
は
今
(
いま
)
やフツと
気
(
き
)
がついて
火鉢
(
ひばち
)
に
凭
(
もた
)
れて
煙草
(
たばこ
)
をくゆらしてゐる
処
(
ところ
)
であつた。
212
四辺
(
あたり
)
を
見
(
み
)
れば
杢助
(
もくすけ
)
の
姿
(
すがた
)
は
何処
(
どこ
)
へ
行
(
い
)
つたか
影
(
かげ
)
も
形
(
かたち
)
もない。
213
高姫
(
たかひめ
)
は
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
で、
214
高姫
(
たかひめ
)
『アーア、
215
何
(
なん
)
だか
怪体
(
けたい
)
の
奴
(
やつ
)
が
出
(
で
)
て
来
(
き
)
たので、
216
杢助
(
もくすけ
)
さまも
私
(
わたし
)
に
恥
(
はづ
)
かしいと
見
(
み
)
えて、
217
森
(
もり
)
の
散歩
(
さんぽ
)
でもやつて
厶
(
ござ
)
るのかな。
218
大
(
おほ
)
きな
図体
(
づうたい
)
をしても
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
い
男
(
をとこ
)
だな。
219
然
(
しか
)
し
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
の
生宮
(
いきみや
)
にはもつて
来
(
こ
)
いだ。
220
あまり
男
(
をとこ
)
がテキハキすると
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
神
(
かみ
)
の
勤
(
つと
)
めが
仕難
(
しにく
)
うて
仕方
(
しかた
)
がない。
221
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
もうまく
配剤
(
はいざい
)
をして
下
(
くだ
)
さるものだ。
222
あゝ
有難
(
ありがた
)
い
有難
(
ありがた
)
い、
223
此
(
この
)
生宮
(
いきみや
)
も
何
(
なん
)
だか
肩幅
(
かたはば
)
が
広
(
ひろ
)
くなつた
様
(
やう
)
な
気
(
き
)
がしますわい』
224
と
独言
(
ひとりごち
)
つつ
笑壺
(
ゑつぼ
)
に
入
(
い
)
つてゐる。
225
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
泥酔者
(
よひどれ
)
は
襖
(
ふすま
)
をガラリと
開
(
あ
)
け、
226
居間
(
ゐま
)
に
雪崩
(
なだ
)
れ
込
(
こ
)
み、
227
捻鉢巻
(
ねぢはちまき
)
をし
乍
(
なが
)
ら
毛
(
け
)
の
生
(
は
)
えた
尻
(
しり
)
を
引
(
ひ
)
きまくり、
228
五
(
ご
)
人
(
にん
)
『
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
に、デツカンシヨ
229
デカイお
尻
(
しり
)
据
(
す
)
えよつて
230
デツカンシヨ デツカンシヨ
231
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
神
(
かみ
)
とは
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
232
元
(
もと
)
をただせば
居候
(
ゐさふらふ
)
ぢやないか
233
魔法使
(
まはうつかひ
)
と
騙
(
だ
)
まされて
234
それを
誠
(
まこと
)
と
思
(
おも
)
ひつめ
235
喜
(
よろこ
)
んでゐる
様
(
やう
)
な
盲神
(
めくらがみ
)
236
デツカンシヨ デツカンシヨ
237
サア サア
之
(
これ
)
から
出
(
で
)
て
貰
(
もら
)
はう
238
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
の
239
神
(
かみ
)
の
任
(
よ
)
さしの
常置品
(
じやうちひん
)
240
挺
(
てこ
)
でも
棒
(
ぼう
)
でも
動
(
うご
)
かない
241
デツカンシヨ デツカンシヨ
242
さアさア
杢助
(
もくすけ
)
、
高姫
(
たかひめ
)
さま
243
早
(
はや
)
くトツトとお
帰
(
かへ
)
りよ
244
お
前
(
まへ
)
に
頼
(
たの
)
んで
来
(
き
)
てくれと
245
云
(
い
)
つたぢやあろまい、
御
(
ご
)
勝手
(
かつて
)
に
246
お
出
(
いで
)
たのだから
御
(
ご
)
勝手
(
かつて
)
に
247
お
帰
(
かへ
)
りなさるが
宜
(
よろ
)
しかろ
248
ア、デツカンシヨ デツカンシヨ
249
お
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
さまや
魔我彦
(
まがひこ
)
や
250
ヨルの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
今頃
(
いまごろ
)
は
251
河鹿
(
かじか
)
峠
(
たうげ
)
を
鼻唄
(
はなうた
)
で
252
ア、ウントコドツコイ ドツコイシヨ
253
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝歌
(
せんでんか
)
254
歌
(
うた
)
ふて
渡
(
わた
)
つて
厶
(
ござ
)
るだろ
255
やがて
四五
(
しご
)
日
(
にち
)
経
(
た
)
つたなら
256
八島
(
やしま
)
の
主
(
ぬし
)
の
神
(
かみ
)
さまの
257
屹度
(
きつと
)
使
(
つかひ
)
が
見
(
み
)
えるだろ
258
其
(
その
)
時
(
とき
)
やアフンと
高姫
(
たかひめ
)
が
259
肝玉
(
きもだま
)
潰
(
つぶ
)
すに
違
(
ちが
)
ひない
260
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だ
261
これこれもうし
高
(
たか
)
チヤンよ
262
お
前
(
まへ
)
の
足許
(
あしもと
)
明
(
あか
)
い
中
(
うち
)
263
杢助
(
もくすけ
)
親爺
(
おやぢ
)
と
手
(
て
)
を
曳
(
ひ
)
いて
264
ここをば
立
(
た
)
つて
下
(
くだ
)
さんせ
265
之
(
これ
)
が
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
のお
願
(
ねが
)
ひだ
266
之
(
これ
)
程
(
ほど
)
優
(
やさ
)
しう
頼
(
たの
)
むのに
267
四
(
し
)
の
五
(
ご
)
の
吐
(
ぬか
)
して
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
かな
268
俺
(
おれ
)
も
男
(
をとこ
)
だ
腕
(
うで
)
まかせ
269
直接
(
ちよくせつ
)
行動
(
かうどう
)
に
出
(
で
)
まするぞ
270
さアさア
早
(
はや
)
く
返答
(
へんたふ
)
を
271
聞
(
き
)
かしてくれよ
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
272
贋
(
にせ
)
の
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
さまよ
273
アハヽヽヽ、アハヽヽヽ
274
ホンに
心地
(
ここち
)
のよい
事
(
こと
)
だ
275
高姫
(
たかひめ
)
夫婦
(
ふうふ
)
を
放
(
ほ
)
り
出
(
だ
)
した
276
あとは
珍彦
(
うづひこ
)
静子
(
しづこ
)
さま
277
天女
(
てんによ
)
のやうな
楓
(
かへで
)
さま
278
智慧
(
ちゑ
)
も
器量
(
きりやう
)
も
優
(
すぐ
)
れたる
279
イル、イク、サール、ハル、テルの
280
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
が
頑張
(
ぐわんば
)
つて
281
祠
(
ほこら
)
の
森
(
もり
)
の
神徳
(
しんとく
)
を
282
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
に
輝
(
かがや
)
かし
283
大神
(
おほかみ
)
さまのお
恵
(
めぐ
)
みを
284
世界
(
せかい
)
のものに
施
(
ほどこ
)
して
285
ミロク
成就
(
じやうじゆ
)
の
神業
(
しんげふ
)
に
286
立派
(
りつぱ
)
に
仕
(
つか
)
へて
見
(
み
)
せませう
287
アハヽヽヽ、アハヽヽヽ。
288
おい、
289
高姫
(
たかひめ
)
、
290
如何
(
どう
)
だい。
291
もういい
加減
(
かげん
)
に
尻
(
しり
)
をからげたら
宜
(
よ
)
かりさうなものだな。
292
ヨルがもし
帰
(
かへ
)
つたら
化
(
ば
)
けが
現
(
あら
)
はれるのだから、
293
其
(
その
)
前
(
まへ
)
にトツトと
帰
(
い
)
んだ
方
(
はう
)
がお
前
(
まへ
)
の
身
(
み
)
のためだぞ』
294
高姫
(
たかひめ
)
は
目
(
め
)
に
角
(
かど
)
を
立
(
た
)
て
煙管
(
きせる
)
をグツと
握
(
にぎ
)
り、
295
高姫
(
たかひめ
)
『こりや、
296
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
耄碌
(
まうろく
)
共
(
ども
)
、
297
何処
(
どこ
)
へ
行
(
い
)
つて、
298
けつかつたのだ。
299
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
を
何
(
なん
)
と
心得
(
こころえ
)
てる。
300
仮令
(
たとへ
)
イソの
館
(
やかた
)
の
八島
(
やしま
)
の
主
(
ぬし
)
が
何
(
なん
)
と
申
(
まを
)
さうとも、
301
彼奴
(
あいつ
)
は
人間
(
にんげん
)
だ。
302
誠
(
まこと
)
の
生神
(
いきがみ
)
は
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
様
(
さま
)
だぞや。
303
大国治立
(
おほくにはるたち
)
之
(
の
)
命
(
みこと
)
の
片腕
(
かたうで
)
とおなり
遊
(
あそ
)
ばす
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
を
粗末
(
そまつ
)
に
申
(
まを
)
すと、
304
神
(
かみ
)
は
堪忍袋
(
こらへぶくろ
)
が
切
(
き
)
れるぞや。
305
そしてイル、
306
イク、
307
サール、
308
お
前
(
まへ
)
は
一旦
(
いつたん
)
暇
(
ひま
)
を
出
(
だ
)
したのぢやないか。
309
盆
(
ぼん
)
すぎの
仏
(
ほとけ
)
の
様
(
やう
)
に、
310
ド
甲斐性
(
がひしやう
)
のない、
311
又
(
また
)
、
312
帰
(
かへ
)
つたのか。
313
一旦
(
いつたん
)
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
した
以上
(
いじやう
)
は
帰
(
い
)
んでくれ
帰
(
い
)
んでくれ、
314
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
が
一秒
(
いちべう
)
時間
(
じかん
)
だつて
置
(
お
)
かぬと
云
(
い
)
つたら
置
(
お
)
きはせぬぞや』
315
イク『アハヽヽヽ、
316
吐
(
ぬか
)
したりな
吐
(
ぬか
)
したりな。
317
こりや
高姫
(
たかひめ
)
、
318
此
(
この
)
方
(
はう
)
を
誰方
(
どなた
)
と
心得
(
こころえ
)
てる。
319
イルイクサールの
神
(
かみ
)
、
320
又
(
また
)
の
名
(
な
)
はハルテル
彦
(
ひこ
)
の
命
(
みこと
)
だぞ。
321
五
(
い
)
つの
身魂
(
みたま
)
が
一
(
ひと
)
つになつて
守護
(
しゆご
)
致
(
いた
)
す、
322
五身魂
(
いづみたま
)
の
神
(
かみ
)
を
何
(
なん
)
と
心得
(
こころえ
)
てる。
323
グヅグヅ
致
(
いた
)
して
居
(
ゐ
)
ると
目
(
め
)
から
火
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
としてやらうか。
324
さアさア
早
(
はや
)
く
帰
(
い
)
んで
貰
(
もら
)
はう、
325
祓
(
はら
)
ひ
給
(
たま
)
へ
清
(
きよ
)
め
給
(
たま
)
へ』
326
高姫
(
たかひめ
)
『
何
(
なん
)
とまア、
327
もとのバラモンのガラクタだけあつて、
328
分
(
わか
)
らぬ
男
(
をとこ
)
だこと。
329
そんなら
暫
(
しば
)
らく
放
(
はふ
)
り
出
(
だ
)
すのだけは
猶予
(
いうよ
)
して
上
(
あ
)
げようぞ。
330
その
代
(
かは
)
り
徹頭
(
てつとう
)
徹尾
(
てつび
)
高姫
(
たかひめ
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
くのだよ』
331
イク『ヘーン、
332
うまい
事
(
こと
)
仰有
(
おつしや
)
いますわい。
333
イルイクサールの
神
(
かみ
)
又
(
また
)
の
御名
(
みな
)
はハルテル
彦神
(
ひこのかみ
)
さまに
対
(
たい
)
し、
334
家来扱
(
けらいあつかひ
)
をすると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があるか。
335
チツと
階級
(
かいきふ
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へて
貰
(
もら
)
ひたいものだ』
336
高姫
(
たかひめ
)
『おい
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
役員
(
やくゐん
)
さま、
337
父
(
ちち
)
死
(
し
)
して
牆
(
かき
)
に
鬩
(
せめ
)
ぐ
兄弟
(
きやうだい
)
、
338
相親
(
あひした
)
しむと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があるぢやないか。
339
肝腎
(
かんじん
)
の
玉国別
(
たまくにわけ
)
さまが
留守
(
るす
)
なのだから
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
いて、
340
私
(
わたし
)
は
教
(
をしへ
)
の
親
(
おや
)
となり、
341
お
前
(
まへ
)
等
(
たち
)
は
兄弟
(
きやうだい
)
となつて
仲
(
なか
)
よく
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
したら
如何
(
どう
)
だい』
342
ハル『ヤー、
343
高姫
(
たかひめ
)
さま、
344
お
前
(
まへ
)
さまの
方
(
はう
)
から、
345
さう
柔
(
やはら
)
かく
出
(
で
)
りや
此方
(
こちら
)
も
文句
(
もんく
)
はないのだ。
346
其
(
その
)
代
(
かは
)
りお
神酒
(
みき
)
のお
下
(
さが
)
りを
何程
(
いくら
)
飲
(
あが
)
つても、
347
滅多
(
めつた
)
に
干渉
(
かんせう
)
はせぬだらうな』
348
高姫
(
たかひめ
)
『アヽ
仕方
(
しかた
)
がない。
349
暫
(
しば
)
らくはお
前
(
まへ
)
らに
任
(
まか
)
して
置
(
お
)
かう。
350
其
(
その
)
代
(
かは
)
り
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
仰有
(
おつしや
)
る
事
(
こと
)
は
何事
(
なにごと
)
も
聞
(
き
)
くのだよ』
351
五
(
ご
)
人
(
にん
)
一同
(
いちどう
)
に、
352
五人
『イルイクサールの
神
(
かみ
)
、
353
又
(
また
)
の
御名
(
みな
)
はハルテル
彦
(
ひこの
)
命
(
みこと
)
、
354
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
贋
(
にせ
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
申
(
まを
)
す
事
(
こと
)
確
(
たしか
)
に
聞
(
き
)
き
済
(
ず
)
みありたぞよ、
355
アハヽヽヽヽ』
356
高姫
(
たかひめ
)
『ウフヽヽヽヽ、
357
エー
仕様
(
しやう
)
もない』
358
(
大正一二・一・一九
旧一一・一二・三
北村隆光
録)
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