霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第八章 スマート〔一二八二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第49巻 真善美愛 子の巻 篇:第2篇 立春薫香 よみ:りっしゅんくんこう
章:第8章 スマート よみ:すまーと 通し章番号:1282
口述日:1923(大正12)年01月18日(旧12月2日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年11月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
六と八が怖気づいてぶるぶる震えながら夜を過ごしていると、一本橋の向こうから提灯を下げて杢助がやってくるのが見えた。六と八は、恐ろしい剛胆なことを言って野宿に熟睡している初稚姫は、本物の姫ではなく、化け物が化けているのではないかと杢助に訴えた。
杢助と六と八のやり取りの中、初稚姫はやにわに旅支度を整えて起き上がり、斎苑館の総務として仕える父・杢助が、神務を忘れてわが子を気にかけて出てくるはずがないと言い残し、夜中にもかかわらずすたすたと進んで行ってしまった。
初稚姫を河鹿峠の坂口の岩に腰かけて休みながら、昨夜の杢助、六、八三人のことを不審に考えていた。そこへ三人がやってきて、杢助は言い残したことがあるから追いかけてきたのだ、と話しかけた。
初稚姫は、旅立ちにあたってわが子を気にかけて追いかけてくるような卑怯な父は持っていないときっぱり答えた。そして杢助に化けているのは、自分を邪道に導こうとする妖怪だろうと言い放った。
六と八はこれを聞いて、杢助を疑い始めた。杢助は初稚姫、六、八に対して怒ったが、初稚姫が天の数歌を歌いあげるとたちまち、唐獅子の正体を現した。
初稚姫は平然として天津祝詞を奏上し始めた。唐獅子が初稚姫にかみつこうとしたとき、後ろの方から山犬が現れ、疾風のように唐獅子に飛びついた。唐獅子は一目散に逃げて行き、山犬はその後を追跡して行った。
初稚姫は神様の試にあって及第したようだと喜び、驚いて倒れていた六と八に、館に帰って自分の無事を杢助に報告せよと告げ、足早に河鹿峠を登って行った。
初稚姫が峠を登って行くと、先ほどの猛犬が尾を振りながら駆けてきて後をついてきた。姫が坂の頂上で休息すると、猛犬も前にうずくまって尾を振っている。
初稚姫は犬の働きに感じ、スマートと名を与えて家来となし、ハルナの都までついてくるようにと告げた。初稚姫は犬を抱いていたわり、スマートはワンワンと鳴きながら尾を振り、感謝の意を表している。
初稚姫はスマートを得て心強くなり、宣伝歌を歌いながら河鹿峠の南坂を下って行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm4908
愛善世界社版:111頁 八幡書店版:第9輯 72頁 修補版: 校定版:114頁 普及版:51頁 初版: ページ備考:
001夜風(よかぜ)(さむ)吹雪(ふぶき)さへ
002まじりて(さび)しき草枕(くさまくら)
003(つゆ)(しとね)をやすやすと
004初稚姫(はつわかひめ)(ねむ)(ども)
005臆病風(おくびやうかぜ)(さそ)はれし
006六公(ろくこう)八公(はちこう)両人(りやうにん)
007()()()はずガタガタと
008(ふる)(をのの)(いだ)()
009()()けゆくを一時(ひととき)
010(はや)かれかしと(いの)りつつ
011(ちう)()ばした(たましひ)
012()(どころ)なき(あは)れさよ
013(やみ)はますます(ふか)くして
014天津空(あまつそら)には(ほし)さへも
015()えぬ(ばか)りの黒雲(くろくも)
016(つつ)まれ(むね)はドキドキと
017(をのの)(をり)しも時置師(ときおかし)
018(かみ)(みこと)(いへ)(もん)
019()けた提灯(ちようちん)ブラブラと
020一本橋(いつぽんばし)向方(むかふ)より
021此方(こなた)(むか)つて足早(あしばや)
022(すす)(きた)るを両人(りやうにん)
023(なが)めてハツと(むね)()
024これぞ(まつた)時置師(ときおかし)
025(かみ)(みこと)のわれわれを
026(すく)はむ(ため)遥々(はるばる)
027イソの(やかた)立出(たちい)でて
028(きた)らせ(たま)ふものならむ
029卑怯未練(ひけふみれん)有様(ありさま)
030()せまいものと両人(りやうにん)
031(にはか)にムツクと立上(たちあが)
032近寄(ちかよ)提灯(ちようちん)(うち)ながめ
033貴方(あなた)杢助(もくすけ)御主人(ごしゆじん)
034六公(ろくこう)八公(はちこう)(ござ)ります
035(あふ)せに(したが)(ひめ)(さま)
036度胸(どきよう)(うま)くためさむと
037(ここ)まで(すす)()()れば
038初稚姫(はつわかひめ)()たれ(ども)
039まだ十七(じふしち)初心娘(うぶむすめ)
040(がら)()はないことを()
041此奴(こいつ)ア、テツキリ妖怪(えうくわい)()
042初稚姫(はつわかひめ)御身(おんみ)をば
043うまうま(くら)吾々(われわれ)
044(だま)さむ(ため)(ひめ)となり
045ここにグウスウ八兵衛(はちべゑ)
046大胆(だいたん)至極(しごく)()てゐます
047何卒々々(なにとぞなにとぞ)御主人(ごしゆじん)
048()でありしを(さいはひ)
049(ひめ)(かたき)吾々(われわれ)
050(ちから)(あは)()つてたべ
051残念(ざんねん)至極(しごく)(ござ)います
052(わたし)もすでに妖怪(えうくわい)
053餌食(ゑじき)たらむとせし(ところ)
054ウブスナ(やま)神徳(しんとく)
055貴方(あなた)(ここ)(つか)はして
056(ひと)つは(ひめ)(あだ)()
057(ひと)つは家来(けらい)(たす)けむと
058()しなさつた有難(ありがた)
059(はや)御査(おしら)(くだ)さんせ
060それそれそこにあの(とほ)
061バツチヨ(かさ)をばひつかぶり
062グウグウ(いびき)をかいてゐる
063大胆不敵(だいたんふてき)化物(ばけもの)
064いふ(こゑ)さへも(ふる)ひつつ
065(かた)れば杢助(もくすけ)打笑(うちわら)
066卑怯未練(ひけふみれん)(ろく)(はち)
067そも()(なか)化物(ばけもの)
068(まこと)のあるべき(はず)がない
069貴様(きさま)余程(よほど)卑怯者(ひけふもの)
070(その)化物(ばけもの)はどこにゐる
071(はや)案内(あんない)(いた)せよと
072一声(ひとこゑ)呶鳴(どな)れば両人(りやうにん)
073ハイハイ只今(ただいま)それ其処(そこ)
074(いびき)をかいて()りまする
075貴方(あなた)(さき)御出張(ごしゆつちやう)
076(あそ)ばしませ(こし)(ほね)
077(なん)とはなしに(ふる)()
078(わたし)命令(めいれい)()きませぬ
079自由(じいう)身体(からだ)となつたなら
080どんなことでも()きませう
081()かる(をり)しもムクムクと
082(かさ)(かぶ)つて立上(たちあが)
083片方(かたへ)(なが)芒原(すすきばら)
084初稚姫(はつわかひめ)(やさ)しげに
085三人(みたり)(をとこ)打向(うちむか)
086汝等(なんぢら)三人(みたり)荒男(あらをとこ)
087何用(なによう)あつて真夜中(まよなか)
088(わらは)(あと)(した)()
089(ろく)(はち)二人(ふたり)()(かく)
090杢助(もくすけ)などと(いつは)つて
091ここに(きた)れる可笑(をか)しさよ
092そも杢助(もくすけ)はイソ(やかた)
093総務(そうむ)(やく)(つか)へたる
094(たふと)(つかさ)()(もつ)
095(わが)()のことが()にかかり
096神務(しんむ)(わす)れてはるばると
097(した)ふて()()(むか)()
098左様(さやう)(わけ)(わか)らない
099(わらは)(おや)()ちませぬ
100(まさ)しく悪魔(あくま)変化(へんげ)して
101吾等(われら)行手(ゆくて)妨害(ばうがい)
102神務(しんむ)遂行(すゐかう)させまいと
103(たく)みしものと(おぼ)えたり
104早々(さうさう)(この)()立去(たちさ)れよ
105(わらは)初稚姫神(はつわかひめのかみ)
106(なんぢ)(かま)つてゐる(ひま)
107なければ(これ)より()でて()
108汝等(なんぢら)三人(さんにん)トツクリと
109()からぬ相談(さうだん)するがよい
110(さき)御免(ごめん)()ひながら
111(みの)(かぶ)つて(つゑ)をつき
112スタスタ(すす)()でて()
113杢助(もくすけ)(あと)より(こゑ)をかけ
114オーイオーイと()(なが)
115(ろく)(はち)二人(ふたり)(したが)へて
116(ひめ)(あと)をば()(きた)
117初稚姫(はつわかひめ)はトントンと
118天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)
119神歌(しんか)(うた)(すす)()
120()はホノボノと()けそめて
121あたりも(あか)くなりぬれば
122(みち)片方(かたへ)岩石(がんせき)
123(こし)うちかけて(いき)(やす)
124少時(しばし)思案(しあん)()れにける。
125 初稚姫(はつわかひめ)河鹿峠(かじかたうげ)坂口(さかぐち)(いは)(うへ)(こし)うちかけ、
126昨夜(さくや)(あら)はれし怪物(くわいぶつ)合点(がつてん)のゆかぬ代物(しろもの)だナア。127(ろく)128(はち)両人(りやうにん)()ひ、129(ちち)杢助(もくすけ)()ひ、130合点(がつてん)のゆかぬことだなア。131(わらは)首途(かどで)(とき)132あの(やう)素気(すげ)なく()つた(わが)(ちち)が、133(わらは)(した)つて()つかける(くらゐ)ならば、134モウ(すこ)(やさ)しい言葉(ことば)をかけさうな(はず)135大神様(おほかみさま)の、136(わたし)(こころ)(ため)さむ(ため)御計(おはか)らひだらうか、137(なに)につけても合点(がつてん)のゆかぬことだなア』
138差俯(さしうつむ)いて思案(しあん)()れてゐる。139そこへ突然(とつぜん)(あら)はれたのは杢助(もくすけ)140(ろく)141(はち)三人(さんにん)であつた。
142杢助(もくすけ)『オイ其方(そなた)初稚姫(はつわかひめ)だないか、143なぜ(ちち)があれ(ほど)()()めるのに()つてくれないのだ。144一言(いちごん)(まへ)旅立(たびだち)について()つておきたいことがあつた。145それを(わす)れたに()つて、146(あと)()つかけ、147()ひきかしに()たのだ』
148初稚(はつわか)(わらは)はお(まへ)さまの(やう)卑怯未練(ひけふみれん)(おや)()ちませぬ。149()(かんが)へて御覧(ごらん)なさい。150貴方(あなた)(はた)して杢助(もくすけ)とやら()ふお(かた)ならば、151なぜイソの(やかた)専心(せんしん)(つか)へなされませぬか。152何事(なにごと)一身一家(いつしんいつか)(ささ)げて(かみ)(つか)へるとお(ちか)ひなさつた杢助(もくすけ)ぢやありませぬか。153ヤツパリ貴方(あなた)(とし)()つたとみえて耄碌(まうろく)しましたねえ。154(わらは)はイソの(やかた)大神様(おほかみさま)より直接(ちよくせつ)使命(しめい)()けた、155(とし)(わか)うても、156立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)(ござ)います。157最早(もはや)悪魔(あくま)征途(せいと)(のぼ)つた(うへ)は、158立派(りつぱ)使命(しめい)(はた)(まで)159杢助(もくすけ)さま(なん)かに(よう)(ござ)いませぬ。160(はや)御帰(おかへ)りなさいませ。161(しか)しお(まへ)本当(ほんたう)杢助(もくすけ)さまぢやありますまい。162(その)(みみ)(なん)ですか、163(けもの)(やう)にペラペラと(うご)いているぢやありませぬか。164初稚姫(はつわかひめ)がハルナの(みやこ)(まゐ)ると()き、165()をまはして出発(しゆつぱつ)間際(まぎわ)(わらは)邪道(じやだう)引入(ひきい)れ、166目的(もくてき)(さまた)げを(いた)さうとするのだらう。167いかなる魔術(まじゆつ)初稚姫(はつわかひめ)(たい)しては一切(いつさい)駄目(だめ)ですよ。168ホヽヽヽヽ、169マアマア()くも(たくみ)()けましたねえ』
170杢助(もくすけ)其方(そなた)(ちち)(むか)つて(なん)といふ無礼(ぶれい)なことを()ふのだ。171これ()よ、172何程(なにほど)(みみ)(うご)いても、173これは(かぜ)()いてゐるからだ。174(かぜ)()けば(みみ)(ばか)りか、175()()でさへも、176大木(たいぼく)でも(うご)くだないか、177流石(さすが)子供(こども)だなア。178(おや)(こころ)()()らずとはお(まへ)のことだ。179(この)杢助(もくすけ)何程(なにほど)冷淡(れいたん)()せて()つても、180(こころ)(うち)には(あい)熱涙(ねつるゐ)()()つてゐるのだ。181左様(さやう)なことをいはずに人間(にんげん)老少不定(らうせうふぢやう)だ。182不惜身命的(ふじやくしんめいてき)神業(しんげふ)参加(さんか)するお(まへ)183これが(わか)れにならうも()れぬと(おも)ひ、184態々(わざわざ)ここ(まで)185()()()ずに、186御用(ごよう)(すき)(かんが)へて()つかけて()たのだ。187(おや)(こころ)もチツとは推量(すゐりやう)してくれ、188初稚姫(はつわかひめ)殿(どの)
189初稚(はつわか)『ホツホヽヽヽ、190うまい(こと)()けなさいますなア。191(わらは)二人(ふたり)(ちち)()ちませぬ、192いい加減(かげん)にお(かへ)りなさい。193(なん)()つても駄目(だめ)ですよ』
194(ろく)『もし(ひめ)(さま)195(この)杢助様(もくすけさま)はさうすると本真物(ほんまもの)ぢや(ござ)いませぬか』
196初稚(はつわか)本真物(ほんまもの)贋物(にせもの)か、197(あたま)(うへ)から(あし)爪先(つまさき)(まで)198()()御覧(ごらん)
199(はち)『オイ(ろく)200(ひめ)(さま)仰有(おつしや)(とほ)り、201様子(やうす)(へん)だぞ。202御主人(ごしゆじん)本当(ほんたう)()()てゐるが、203(なん)となしに()におちぬ(ところ)があるぢやないか』
204(ろく)『コヽコラ、205モヽ杢助(もくすけ)のバヽ化物(ばけもの)206ドヽ()うぢや、207(ひめ)(さま)眼力(がんりき)には往生(わうじやう)(いた)したか』
208杢助(もくすけ)『コラ(ろく)209主人(しゆじん)(むか)つて不都合千万(ふつがふせんばん)な、210化物扱(ばけものあつか)ひに(いた)すことがあるか、211(はち)212貴様(きさま)(ろく)(おな)じやうな(やつ)だ。213今日(けふ)(かぎ)(ひま)(つか)はすから、214モウ、215イソ(やかた)(かへ)るには(およ)ばぬツ』
216(ろく)貴様(きさま)(やう)化物(ばけもの)乾児(こぶん)になつてたまるかい。217のう八公(はちこう)218さうではないか』
219(はち)『さう(とも)さう(とも)220本当(ほんたう)杢助様(もくすけさま)御家来(ごけらい)だ。221こんな(みみ)(うご)(やつ)家来(けらい)になつてたまるかい。222コラ化州(ばけしう)223何時(なんどき)だと(かんが)へてる、224モウ夜明(よあ)けだないか。225()いかげんスツ()まぬかい』
226杢助(もくすけ)『アツハヽヽヽ(ろく)227(はち)両人(りやうにん)228(もし)(この)(はう)本当(ほんたう)杢助(もくすけ)であつたら(なん)(いた)す』
229(ろく)『ナアニ、230本当(ほんたう)杢助(もくすけ)であつた(ところ)(かま)ふものかい。231(ひま)(もら)つたら(ひめ)(さま)(あと)()いて、232何処(どこ)(まで)でもお(とも)するのだ。233のう八公(はちこう)
234初稚(はつわか)(ろく)235(はち)両人(りやうにん)236一時(いつとき)(はや)御帰(おかへ)りなさい、237(わらは)飽迄(あくまで)一人旅(ひとりたび)でゆかねばならぬ。238(いま)(この)化物(ばけもの)正体(しやうたい)(あら)はし往生(わうじやう)さして()せるから、239(まへ)さまは(はや)御帰(おかへ)りなさい』
240()(なが)ら、241(あま)数歌(かずうた)(とな)()げた。242杢助(もくすけ)(たちま)ち、243(うし)(ごと)怪物(くわいぶつ)となり、
244『ウー』
245(うな)りを()て、246()(いか)らし、247(きば)()()し、248初稚姫(はつわかひめ)()がけて()びかからむとし、249前足(まへあし)(つめ)逆立(さかだ)て、250大地(だいち)(つち)をかいて、251(つめ)(とが)らしてゐる。252初稚姫(はつわかひめ)平然(へいぜん)として天津祝詞(あまつのりと)奏上(そうじやう)(はじ)めた。253(ろく)254(はち)両人(りやうにん)(この)姿(すがた)をみて、255顔色(がんしよく)(つち)(ごと)くに(かは)り、256(その)()打倒(うちたふ)れ、257チウの(こゑ)得上(えあ)げず(ふる)ふてゐる。258怪獣(くわいじう)(かほ)をよくよくみれば、259巨大(きよだい)なる唐獅子(からしし)である。260唐獅子(からしし)初稚姫(はつわかひめ)をグツと()めつけ、261猛然(まうぜん)として()みつかむとする一刹那(いちせつな)262(うしろ)(かた)より『ウー』と(また)(うな)(ごゑ)263何者(なにもの)ならむと、264(あと)ふり(かへ)れば、265(たくま)しい(おほ)きい山犬(やまいぬ)である。266山犬(やまいぬ)大獅子(おほしし)(むか)つて、267疾風(しつぷう)(ごと)()()いた。268獅子(しし)一目散(いちもくさん)(ほそ)くなつて、269()げてゆく、270山犬(やまいぬ)獅子(しし)(あと)追跡(つゐせき)する。271初稚姫(はつわかひめ)(あと)見送(みおく)つて打笑(うちわら)ひ、
272『ホツホヽヽ、273(はじ)めての神様(かみさま)(ため)しに()うて、274(かげ)及第(きふだい)した(やう)だ。275ヤア(ろく)276(はち)277最早(もはや)心配(しんぱい)()らぬ、278一時(いつとき)(はや)(わが)()立帰(たちかへ)り、279(ちち)杢助(もくすけ)に、280初稚姫(はつわかひめ)大丈夫(だいぢやうぶ)だから御安心(ごあんしん)(あそ)ばせと(つた)へてくれ、281左様(さやう)ならば』
282といふより(はや)く、283足早(あしばや)河鹿峠(かじかたうげ)(のぼ)()く。284(ろく)285(はち)両人(りやうにん)はヤツと(むね)()でおろし、286神言(かみごと)(とな)(なが)ら、287杢助館(もくすけやかた)()して、288(また)()()れては一大事(いちだいじ)(いそ)(かへ)()く。289初稚姫(はつわかひめ)(ただ)一人(ひとり)宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)ら、290河鹿峠(かじかたうげ)(のぼ)()く。291以前(いぜん)猛犬(まうけん)(あわ)ただしく駆来(かけきた)り、292初稚姫(はつわかひめ)(まへ)になり、293(あと)になり()()つて、294(うれ)しさうにワンワンとなき(なが)ら、295()けめぐる。296初稚姫(はつわかひめ)(やうや)(さか)頂上(ちやうじやう)(たつ)し、297四方(よも)景色(けしき)(なが)(なが)ら、298少時(しばし)(こし)(おろ)して休息(きうそく)した。299以前(いぜん)猛犬(まうけん)初稚姫(はつわかひめ)(まへ)(うづく)まり、300(みみ)()()(ほそ)くし、301()()つてゐる。
302其方(そなた)はどこの山犬(やまいぬ)()らぬが、303随分(ずいぶん)敏活(びんくわつ)(はたら)きをする(もの)だ。304これから(わらは)家来(けらい)として()げよう。305ハルナの(みやこ)まで()いて()るのだよ。306(さう)してお(まへ)には「スマート」といふ()()げませう』
307()(なが)ら、308猛犬(まうけん)(かか)へ、309首筋(くびすぢ)()でなどして(いた)はつてゐる。310スマートは(しき)りに()()り、311ワンワンと(さけ)(なが)ら、312感謝(かんしや)()(へう)してゐる。313初稚姫(はつわかひめ)(この)(いぬ)()非常(ひじやう)心強(こころづよ)くなり、314宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)ら、315河鹿峠(かじかたうげ)南坂(みなみざか)(くだ)りつつ(うた)ふ。
316(かみ)(おもて)(あら)はれて
317(ぜん)(あく)とを立別(たてわ)ける
318悪魔(あくま)征途(せいと)(のぼ)()
319初稚姫(はつわかひめ)(たましひ)
320(しら)べむ(ため)(ちち)となり
321(あるひ)巨大(きよだい)獅子(しし)となり
322(わらは)首途(かどで)(さへぎ)りて
323所存(しよぞん)(ほど)調(しら)べしか
324(ただ)しは(まこと)曲神(まがかみ)
325(こころ)()せぬ(こと)あれど
326(ただ)何事(なにごと)一身(いつしん)
327(かみ)(まか)せし(うへ)からは
328仮令(たとへ)如何(いか)なる(こと)あるも
329初心(しよしん)()げずドシドシと
330(ひと)にたよらず皇神(すめかみ)
331神言(みこと)のままに真心(まごころ)
332(つく)して()かむ(わが)(こころ)
333仮令(たとへ)曲津(まがつ)行先(ゆくさき)
334さやりて(あだ)をなすとても
335(われ)には(かみ)(まも)りあり
336(いま)(また)(かみ)はスマートを
337(わが)行先(ゆくさき)(とも)となし
338(あた)(たま)ひし(たふと)さよ
339(かみ)吾等(われら)(とも)にあり
340吾等(われら)(かみ)()(かみ)(みや)
341いかでか(おそ)れむ敷島(しきしま)
342大和心(やまとごころ)をふり(おこ)
343ハルナの(みやこ)(わだか)まる
344八岐大蛇(やまたをろち)言向(ことむ)けて
345神素盞嗚(かむすさのを)大神(おほかみ)
346(まこと)をあらはし(たてまつ)
347五六七(みろく)御代(みよ)詳細(まつぶさ)
348(あまね)地上(ちじやう)建設(けんせつ)
349三五教(あななひけう)神力(しんりき)
350(あら)はし(まつ)(かみ)(みち)
351(すす)みゆくこそ(うれ)しけれ
352あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
353御霊(みたま)(さちは)ひましませよ』
354(うた)(なが)(すす)()く。
355大正一二・一・一八 旧一一・一二・二 松村真澄録)
   
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