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明智光秀

インフォメーション
題名:12 明智光秀 著者:出口王仁三郎
ページ:
概要: 備考: タグ: データ凡例:『神の国』昭和10年(1935年)10月号 データ最終更新日: OBC :B182000c12
 明智光秀は(まれ)に見るの明将であつたのである。太閤秀吉にあの偉業を遂げさした裏面には光秀の功績を無視することは出来ない、(しか)し表面伝はつて()る歴史では、(しゆ)(ごろ)し親殺しの大罪人の汚名を着て()るが決してそんな大悪人ではない、天下の将来を達観して大所(たいしよ)高所(かうしよ)から身を殺して(じん)を為した大勇者である。それでわしは(その)城趾を手に入れて亀岡に皇道の大法城を築いたのである。建設当時数百年土中(どちう)に埋没して()つた石垣の根石(ねいし)掘起(ほりおこ)して現在の石垣の大部分を築いたのであるが、()の石には毛利(まうり)とか小早川(こばやかは)とか西国(さいごく)大名から献じたのある石が沢山出て来た、(これ)らから推測しても(その)当時すでに西国大名の多くは光秀に(かん)を通じていた事が判る。太閤記の十段目の文句に「(しゆ)を殺した天罰に報いは親にも此の通り」と言ふのがあるが、天恩郷ではそれを絶対に口にすることを禁じて()る。(その)(ほか)光秀を(あし)ざまに言ふことを一切禁じて()所以(ゆゑん)である。人為の歴史といふものは信ずるに足らぬものである。
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