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大文字山の行事

インフォメーション
題名:15 大文字山の行事 著者:出口王仁三郎
ページ:
概要: 備考: タグ: データ凡例:『神の国』昭和10年(1935年)10月号 データ最終更新日: OBC :B182000c15
 京都洛北(らくほく)に俗に大文字山(だいもんじやま)といふ山がある、(その)山腹に昔から盆の十六日の(よひ)に、沢山な(たきぎ)を大の字形に積んでそれに火を点ずるが為め、京洛中(きやうらくちう)より之を眺むれば(あだか)も空中に火の大の字が(うか)び出て()る如く見えて非常に美観を呈するものである。(この)日は昔からの習慣で地獄の釜も蓋が()くといふ日で、各家庭の奉公人()は男女に(かかは)らず(みな)養父入(やぶいり)と称し、主家(しゆけ)から開放され、又一般の休日なれば、遠近より沢山な人が集ひ(きた)つて(にぎは)ふのである。
 此の大文字(だいもんじ)の年中行事は仏教にて大般若経を読誦(どくしよう)して一般の餓鬼に施餓鬼(せがき)を行ふ意味に(おい)て残つて()るのであるけれど、現今は京都市の観光客吸収のため繁栄策の一として之を行うて()るとか聞いて()る。
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