獣類に呼吸合わされるな

　夜中(やちう)寝て居て悪夢に襲はれ等(など)して呼吸困難に陥り非常に苦しむ如(や)うな事がある、それ等(ら)の多くの場合は鼠(ねづみ)などが天井の上にあつて人間の寝息を窺ひ、呼吸(いき)を合(あは)す為である。開(あ)け放しの縁(えん)のない座敷の戸障子の側(そば)に寝る時は狐狸(こり)其(その)他(た)の動物が外から呼吸(いき)を合(あは)す恐れがあるから必ず戸障子から三尺以上の距離を置いて寝る様(やう)にせねばいけない、それ故、日本の建築には戸の内側に三尺の縁を付けてあるのである。

　又山や野原で寝る場合は、必ず大神様に御願ひして必要な丈(だ)けの地面を臨時拝借して四方に縄張(なはばり)をなし其(その)中で寝るべきである。縄の無き時は霊線で境界をして置いてもよい。