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霊界物語
如意宝珠(第13~24巻)
第21巻(申の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 千辛万苦
第1章 高春山
第2章 夢の懸橋
第3章 月休殿
第4章 砂利喰
第5章 言の疵
第2篇 是生滅法
第6章 小杉の森
第7章 誠の宝
第8章 津田の湖
第9章 改悟の酬
第3篇 男女共権
第10章 女権拡張
第11章 鬼娘
第12章 奇の女
第13章 夢の女
第14章 恩愛の涙
第4篇 反復無常
第15章 化地蔵
第16章 約束履行
第17章 酒の息
第18章 解決
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<<< 奇の女
(B)
(N)
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第一三章
夢
(
ゆめ
)
の
女
(
をんな
)
〔六八七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第21巻 如意宝珠 申の巻
篇:
第3篇 男女共権
よみ(新仮名遣い):
だんじょきょうけん
章:
第13章 夢の女
よみ(新仮名遣い):
ゆめのおんな
通し章番号:
687
口述日:
1922(大正11)年05月20日(旧04月24日)
口述場所:
筆録者:
谷村真友
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年4月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
竜国別は社の下から這い出して、灯りをつけた。女は自分は里の娘でお作と名乗った。お作はこの社に願をかけて密かに夜分詣でていたのを、アルプス教の男たちに待ち伏せされたのだ、と語った。
女は、竜国別はアルプス教ではなく三五教の宣伝使だろう、と図星を指す。そして、自分がこの社に詣でていたのは、夫を探していて、神夢にお宮に三週間詣でると本当の夫に会える、その日が今日だから、竜国別が自分の夫だと言い出した。
竜国別は高春山の悪魔退治の途上だから、女房を持つことはおろか、後の約束でも今することはできない、と堅持する。
しかしお作は弁を尽くして竜国別に迫る。竜国別がそれなら約束だけなら、と言いかけると、頭上より「馬鹿」と竜国別に怒鳴りつける者がある。
竜国別は戒めを受けて前言を取り消すが、お作はあれは天狗の声だとなおも迫り、竜国別の手を握る。
竜国別は観念して、自分からもお作の手を握り返そうとすると、突然お作は怒って竜国別をその場に突き倒した。そして曲津退治の途上で、いかなる理由や誘惑があろうとも、決心を翻すとは何事かと竜国別を叱り付けた。
たちまちとどろく雷鳴の音に眼を覚ますと、それは夢であり、竜国別は依然として社の縁の下に身を横たえていた。
竜国別は神前に額づき、夢の教訓に感謝して心魂を練り、いよいよ高春山の征服に赴くことになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-07-02 07:19:33
OBC :
rm2113
愛善世界社版:
220頁
八幡書店版:
第4輯 344頁
修補版:
校定版:
227頁
普及版:
98頁
初版:
ページ備考:
001
竜国別
(
たつくにわけ
)
は
祠
(
ほこら
)
の
下
(
した
)
より
蜘蛛
(
くも
)
の
巣
(
す
)
だらけになつて
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
002
あたりの
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
や
枯枝
(
かれえだ
)
を
集
(
あつ
)
め、
003
社側
(
しやそく
)
の
広場
(
ひろば
)
に
火
(
ひ
)
を
焚
(
た
)
いた。
004
此
(
この
)
火光
(
くわくわう
)
に
照
(
て
)
らされて
以前
(
いぜん
)
の
女
(
をんな
)
は、
005
艶麗
(
えんれい
)
譬
(
たと
)
ふるに
物
(
もの
)
なく、
006
暗
(
やみ
)
よりポツと
浮出
(
うきで
)
たかの
如
(
や
)
うに
輪廓
(
りんくわく
)
も
判然
(
はんぜん
)
として、
007
竜国別
(
たつくにわけ
)
の
前
(
まへ
)
に
徐々
(
しづしづ
)
近寄
(
ちかよ
)
つて
来
(
き
)
た。
008
竜国別
『ヤア
何処
(
いづく
)
のお
女中
(
ぢよちう
)
か
知
(
し
)
りませぬが、
009
大変
(
たいへん
)
な
危
(
あぶな
)
い
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
いましたなア』
010
女(お作)
『ハイ
私
(
わたし
)
は
此
(
この
)
里
(
さと
)
のもので、
011
お
作
(
さく
)
と
申
(
まを
)
す
一人娘
(
ひとりむすめ
)
で
御座
(
ござ
)
います』
012
竜国別
『
貴女
(
あなた
)
は
御
(
ご
)
兄弟
(
きやうだい
)
はありませぬか』
013
お作
『
兄
(
あに
)
が
二人
(
ふたり
)
、
014
弟
(
おとうと
)
が
一人
(
ひとり
)
、
015
さうして
両親
(
りやうしん
)
共
(
とも
)
壮健
(
さうけん
)
に
暮
(
く
)
らして
居
(
を
)
ります』
016
竜国別
『それは
何
(
なに
)
よりお
目出度
(
めでた
)
い
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
います。
017
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
此
(
この
)
真夜中
(
まよなか
)
にどうして、
018
あの
様
(
やう
)
な
悪漢
(
ならずもの
)
が
貴女
(
あなた
)
を
引攫
(
ひつさら
)
へたのでせう。
019
貴女
(
あなた
)
は
女
(
をんな
)
に
似
(
に
)
ず
夜徘徊
(
よあるき
)
をなさいますと
見
(
み
)
えますなア、
020
それ
丈
(
だけ
)
親
(
おや
)
もあり
御
(
ご
)
兄弟
(
きやうだい
)
もあれば、
021
何程
(
なにほど
)
無茶
(
むちや
)
な
奴
(
やつ
)
でも、
022
貴女
(
あなた
)
の
家
(
うち
)
へ
乗込
(
のりこ
)
むことは
出来
(
でき
)
ますまいに』
023
お作
『ハイ
妾
(
わたし
)
は
恥
(
はづ
)
かし
乍
(
なが
)
ら
一
(
ひと
)
つの
御
(
お
)
願
(
ねがひ
)
があつて、
024
何時
(
いつ
)
も
此
(
この
)
山口
(
やまぐち
)
の
宮様
(
みやさま
)
へ
丑満
(
うしみつ
)
の
刻
(
こく
)
に、
025
親
(
おや
)
兄弟
(
きやうだい
)
にも
知
(
し
)
らさず、
026
参詣
(
さんけい
)
を
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
りました。
027
今日
(
けふ
)
は
三七
(
さんしち
)
二十一
(
にじふいち
)
日
(
にち
)
の
上
(
あが
)
りで
御座
(
ござ
)
ります。
028
然
(
しか
)
るにどうして
妾
(
わたし
)
のお
宮詣
(
みやまゐ
)
りを
覚
(
さと
)
つたか
知
(
し
)
りませぬが、
029
此
(
この
)
お
山
(
やま
)
の
入口
(
いりぐち
)
に
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
が
待伏
(
まちぶ
)
せして、
030
妾
(
わたし
)
を
惟神
(
かむながら
)
にお
宮
(
みや
)
の
前
(
まへ
)
に
連
(
つ
)
れて
来
(
き
)
て
呉
(
く
)
れましたのよ』
031
竜国別
『さうして
其
(
その
)
御
(
お
)
願
(
ねがひ
)
とは
如何
(
いか
)
なる
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
いますか。
032
何
(
なに
)
か
一身
(
いつしん
)
上
(
じやう
)
に
関
(
かか
)
はる
御
(
ご
)
難儀
(
なんぎ
)
でもおありになるのですか』
033
お作
『
貴方
(
あなた
)
は
今
(
いま
)
社
(
やしろ
)
の
背後
(
はいご
)
より
大自在天
(
だいじざいてん
)
大国別
(
おほくにわけの
)
命
(
みこと
)
と
仰有
(
おつしや
)
りましたなア。
034
それは
本当
(
ほんたう
)
で
御座
(
ござ
)
いますか。
035
大自在天
(
だいじざいてん
)
大国別
(
おほくにわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
なれば、
036
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
悪漢
(
わるもの
)
の
日頃
(
ひごろ
)
尊敬
(
そんけい
)
する、
037
バラモン
教
(
けう
)
やアルプス
教
(
けう
)
の
祖神
(
おやがみ
)
様
(
さま
)
です。
038
それにも
不拘
(
かかはらず
)
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
が
脆
(
もろ
)
くも
逃散
(
にげち
)
つたのは、
039
不思議
(
ふしぎ
)
ぢやありませぬか。
040
妾
(
わたし
)
は
察
(
さつ
)
するに、
041
どうしても
大自在天
(
だいじざいてん
)
系統
(
けいとう
)
の、
042
貴方
(
あなた
)
の
言霊
(
ことたま
)
とは
受取
(
うけと
)
れませぬ。
043
屹度
(
きつと
)
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
………』
044
と
図星
(
づぼし
)
を
指
(
さ
)
されて
竜国別
(
たつくにわけ
)
は、
045
竜国別
『イヤもう
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
りました、
046
貴女
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
明察
(
めいさつ
)
。
047
さうして
貴女
(
あなた
)
の
御
(
お
)
願
(
ねが
)
ひの
筋
(
すぢ
)
は、
048
何
(
なに
)
か
六ケ敷
(
むつかし
)
い
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
て
居
(
を
)
るのではありませぬか』
049
お作
『
妾
(
わたし
)
の
一生
(
いつしやう
)
に
取
(
と
)
つて
一大事
(
いちだいじ
)
が
突発
(
とつぱつ
)
したので
御座
(
ござ
)
います』
050
竜国別
『それや
又
(
また
)
どういふ
理由
(
わけ
)
ですか』
051
お作
『ハイ
妾
(
わたし
)
も
最早
(
もはや
)
十八
(
じふはつ
)
才
(
さい
)
になりました。
052
彼方
(
あちら
)
此方
(
こちら
)
から
嫁
(
よめ
)
にくれいと、
053
父母
(
ふぼ
)
兄弟
(
きやうだい
)
に
向
(
むか
)
つて
日々
(
にちにち
)
迫
(
せま
)
つて
参
(
まゐ
)
ります。
054
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
私
(
わたし
)
としては
理想
(
りさう
)
の
夫
(
をつと
)
が、
055
まだ
一人
(
ひとり
)
も
見付
(
みつ
)
かりませぬ。
056
それ
故
(
ゆゑ
)
適当
(
てきたう
)
な
夫
(
をつと
)
を
授
(
さづ
)
けて
下
(
くだ
)
さるようにと、
057
今日
(
けふ
)
で
三
(
さん
)
週間
(
しうかん
)
お
詣
(
まゐ
)
りを
致
(
いた
)
しました。
058
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
夢
(
ゆめ
)
の
御
(
お
)
告
(
つげ
)
には、
059
三週間
(
さんしうかん
)
目
(
め
)
に
宮
(
みや
)
の
前
(
まへ
)
で、
060
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
に
逢
(
あ
)
はして
遣
(
や
)
らう。
061
それがお
前
(
まへ
)
の
本当
(
ほんたう
)
の
夫
(
をつと
)
だと
教
(
をし
)
へられました。
062
貴方
(
あなた
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
から
御
(
お
)
許
(
ゆる
)
し
下
(
くだ
)
された
本当
(
ほんたう
)
の
夫
(
をつと
)
、
063
どうぞ
可愛
(
かあい
)
がつて
下
(
くだ
)
さいませ』
064
竜国別
『これはしたりお
女中
(
ぢよちう
)
、
065
聊
(
いささ
)
か
迷惑
(
めいわく
)
のお
言葉
(
ことば
)
』
066
お作
『ホヽヽヽヽ、
067
迷惑
(
めいわく
)
と
仰有
(
おつしや
)
いますか、
068
貴方
(
あなた
)
は
女
(
をんな
)
はお
嫌
(
きら
)
ひですか。
069
広
(
ひろ
)
い
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
女嫌
(
をんなぎら
)
ひな
男
(
をとこ
)
はありますまい』
070
竜国別
『
男
(
をとこ
)
の
方
(
はう
)
から
申
(
まを
)
し
込
(
こ
)
んだ
女房
(
にようばう
)
なら
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も、
071
女
(
をんな
)
の
方
(
はう
)
からさう
出
(
で
)
られては
何
(
なん
)
だか
恐
(
おそ
)
ろしくて、
072
早速
(
さつそく
)
に
御
(
ご
)
返事
(
へんじ
)
が
出来
(
でき
)
ませぬワ』
073
お作
『
貴方
(
あなた
)
は
独身
(
どくしん
)
でせう。
074
奥
(
おく
)
さんがあれば
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
、
075
今
(
いま
)
のお
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
、
076
どうで
一度
(
いちど
)
妻帯
(
さいたい
)
を
遊
(
あそ
)
ばさねばならないのでせう。
077
神
(
かみ
)
の
結
(
むす
)
んだ
二人
(
ふたり
)
の
縁
(
えん
)
、
078
どうぞ
色
(
いろ
)
よき
御
(
ご
)
返事
(
へんじ
)
をして
下
(
くだ
)
さいな』
079
竜国別
『モシモシお
作
(
さく
)
さんとやら、
080
貴女
(
あなた
)
は
随分
(
ずゐぶん
)
新
(
あたら
)
しい
女
(
をんな
)
と
見
(
み
)
えますなア。
081
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
が
変
(
かは
)
つて
来
(
く
)
ると、
082
女
(
をんな
)
の
方
(
はう
)
から
男
(
をとこ
)
に
直接
(
ちよくせつ
)
談判
(
だんぱん
)
を
始
(
はじ
)
める
様
(
やう
)
になつて
来
(
く
)
ると
見
(
み
)
える。
083
ハテ
変
(
かは
)
れば
変
(
かは
)
るものだワイ』
084
お作
『どうしても
私
(
わたし
)
の
様
(
やう
)
な
不束者
(
ふつつかもの
)
はお
気
(
き
)
に
入
(
い
)
らないのですか』
085
竜国別
『イエ
滅相
(
めつさう
)
もない。
086
天女
(
てんによ
)
の
天降
(
あまくだ
)
りか、
087
弁財天
(
べんざいてん
)
の
再来
(
さいらい
)
とも
云
(
い
)
ふ
様
(
やう
)
な
立派
(
りつぱ
)
な
綺麗
(
きれい
)
な
貴女
(
あなた
)
、
088
花
(
はな
)
で
譬
(
たと
)
へて
見
(
み
)
れば、
089
今
(
いま
)
半開
(
はんかい
)
の
美
(
うつく
)
しき
露
(
つゆ
)
を
帯
(
お
)
びた
最中
(
さいちう
)
、
090
決
(
けつ
)
して
厭
(
いや
)
でも
嫌
(
きら
)
ひでもありませぬが、
091
何
(
なに
)
を
申
(
まを
)
しても、
092
神命
(
しんめい
)
を
奉
(
ほう
)
じ
高春山
(
たかはるやま
)
に
悪魔
(
あくま
)
の
征服
(
せいふく
)
に
参
(
まゐ
)
る
途中
(
とちう
)
ですから、
093
夫婦
(
ふうふ
)
の
約束
(
やくそく
)
なぞ
思
(
おも
)
ひもよらぬ
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
います』
094
お作
『それでは
女
(
をんな
)
には
決
(
けつ
)
して
目
(
め
)
を
呉
(
く
)
れないと
仰有
(
おつしや
)
るのですなア』
095
竜国別
『
勿論
(
もちろん
)
の
事
(
こと
)
です。
096
折角
(
せつかく
)
乍
(
なが
)
ら
今日
(
けふ
)
はお
断
(
ことわ
)
りを
申
(
まを
)
しませう』
097
お作
『そんなら
何時
(
いつ
)
約束
(
やくそく
)
をして
下
(
くだ
)
さいますか』
098
竜国別
『
刹那心
(
せつなしん
)
です。
099
明日
(
あす
)
の
事
(
こと
)
は
分
(
わか
)
らないから、
100
お
約束
(
やくそく
)
する
訳
(
わけ
)
には
参
(
まゐ
)
りませぬ』
101
お作
『
貴方
(
あなた
)
は
高春山
(
たかはるやま
)
の
軍功
(
ぐんこう
)
を
現
(
あら
)
はし、
102
其
(
その
)
上
(
うへ
)
で
天下
(
てんか
)
の
立派
(
りつぱ
)
な
女
(
をんな
)
を
抜萃
(
ばつすい
)
して、
103
女房
(
にようばう
)
にする
考
(
かんが
)
へだから、
104
お
前
(
まへ
)
見
(
み
)
たやうな
草深
(
くさぶか
)
い
山家育
(
やまがそだ
)
ちの
女
(
をんな
)
には、
105
目
(
め
)
を
呉
(
く
)
れないと
云
(
い
)
ふお
積
(
つも
)
りでせう』
106
竜国別
『イエイエ
決
(
けつ
)
して
決
(
けつ
)
して、
107
そんな
事
(
こと
)
は
毛頭
(
まうとう
)
、
108
心
(
こころ
)
には
浮
(
うか
)
びませぬ。
109
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
もあれ
一
(
ひと
)
つの
使命
(
しめい
)
を
果
(
はた
)
すまでは、
110
女
(
をんな
)
に
関係
(
くわんけい
)
は
致
(
いた
)
しませぬ。
111
神界
(
しんかい
)
に
対
(
たい
)
して
恐
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
う
御座
(
ござ
)
いますから』
112
お作
『
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
高春山
(
たかはるやま
)
の
征服
(
せいふく
)
が
済
(
す
)
む
迄
(
まで
)
は、
113
女
(
をんな
)
に
会
(
あ
)
つて
約束
(
やくそく
)
をしてはならないと
仰
(
あふ
)
せられましたか、
114
伊邪那岐
(
いざなぎの
)
命
(
みこと
)
、
115
伊邪那美
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
は、
116
夫婦
(
ふうふ
)
水火
(
いき
)
を
合
(
あは
)
せて、
117
国生
(
くにう
)
み
島産
(
しまう
)
み
神産
(
かみう
)
みの
神業
(
しんげふ
)
を
遊
(
あそ
)
ばしたぢやありませぬか。
118
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
も
夫婦
(
ふうふ
)
なくては
真
(
まこと
)
の
御
(
ご
)
活動
(
くわつどう
)
は
出来
(
でき
)
ますまい。
119
陰陽
(
いんやう
)
の
水火
(
いき
)
を
合
(
あは
)
して、
120
初
(
はじ
)
めて
万物
(
ばんぶつ
)
が
発生
(
はつせい
)
するのでせう。
121
然
(
しか
)
るに
大切
(
たいせつ
)
なる
神業
(
しんげふ
)
の
途中
(
とちう
)
だから、
122
女
(
をんな
)
には
絶対
(
ぜつたい
)
に
約束
(
やくそく
)
せないと
仰有
(
おつしや
)
るのは、
123
少
(
すこ
)
し
合点
(
がてん
)
が
参
(
まゐ
)
りませぬワ』
124
竜国別
『イヤ
絶対
(
ぜつたい
)
にと
申
(
まを
)
すのではありませぬが、
125
今度
(
こんど
)
ばかりは
何卒
(
どうぞ
)
許
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さいませ。
126
又
(
また
)
首尾好
(
しゆびよ
)
く
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たつ
)
した
上
(
うへ
)
、
127
御
(
ご
)
相談
(
そうだん
)
に
乗
(
の
)
りませう』
128
お作
『オホヽヽヽ、
129
勝手
(
かつて
)
なお
方
(
かた
)
、
130
貴方
(
あなた
)
は
杢助
(
もくすけ
)
さんの
奥
(
おく
)
さまの
葬式
(
さうしき
)
までなさつたでせう。
131
それを
思
(
おも
)
へば
私
(
わたし
)
と
今
(
いま
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
約束
(
やくそく
)
を
結
(
むす
)
んだ
位
(
くらゐ
)
が、
132
何故
(
なぜ
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
気
(
き
)
に
入
(
い
)
らないのでせう。
133
貴方
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
の
妨
(
さまた
)
げになるのでせうか』
134
竜国別
『アヽどうしたら
好
(
よ
)
からうかなア。
135
かう
追求
(
つゐきう
)
されては、
136
我々
(
われわれ
)
は
身
(
み
)
の
振方
(
ふりかた
)
に
迷
(
まよ
)
はざるを
得
(
え
)
ない』
137
お作
『
宜
(
よろ
)
しいぢやありませぬか。
138
これだけ
女
(
をんな
)
の
真心
(
まごころ
)
を
無
(
む
)
になされますと、
139
遂
(
つひ
)
には
女冥加
(
をんなみやうが
)
に
尽
(
つ
)
きて、
140
一代
(
いちだい
)
セリバシー
生活
(
せいくわつ
)
を
送
(
おく
)
らねばなりますまい』
141
竜国別
『アヽ
情
(
じやう
)
に
脆
(
もろ
)
いは
男子
(
だんし
)
の
心
(
こころ
)
、
142
さう
懇切
(
こんせつ
)
に
仰有
(
おつしや
)
つて
下
(
くだ
)
さらば、
143
折角
(
せつかく
)
のお
志
(
こころざし
)
、
144
無
(
む
)
にするも
済
(
す
)
まない
様
(
やう
)
な
感
(
かん
)
じが
致
(
いた
)
します。
145
そんなら
此処
(
ここ
)
で
約束
(
やくそく
)
だけ
固
(
かた
)
めませうか』
146
此
(
この
)
時
(
とき
)
樹上
(
じゆじやう
)
より「
馬鹿
(
ばか
)
ツ」と
一喝
(
いつかつ
)
した。
147
竜国別
『
折角
(
せつかく
)
ながらお
作
(
さく
)
さんとやら、
148
今
(
いま
)
彼
(
あ
)
の
通
(
とほ
)
り
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
から
私
(
わたくし
)
の
言葉
(
ことば
)
に
対
(
たい
)
し「
馬鹿
(
ばか
)
」と
呶鳴
(
どな
)
り
付
(
つ
)
けました。
149
矢張
(
やつぱり
)
これは
取消
(
とりけ
)
しませう』
150
お作
『
男
(
をとこ
)
が
一旦
(
いつたん
)
歯
(
は
)
の
外
(
そと
)
へ
出
(
だ
)
した
言葉
(
ことば
)
を、
151
無責任
(
むせきにん
)
にも
引込
(
ひつこ
)
めなさる
積
(
つも
)
りですか。
152
そんな
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るのなれば、
153
吐
(
は
)
いた
唾
(
つばき
)
を
飲
(
の
)
んでも
宜
(
よろ
)
しからう。
154
妾
(
わたし
)
は、
155
どうしても
此
(
この
)
約束
(
やくそく
)
を
履行
(
りかう
)
して
貰
(
もら
)
はねば
承知
(
しようち
)
致
(
いた
)
しませぬよ』
156
竜国別
『まだ
約束
(
やくそく
)
はして
居
(
ゐ
)
ませぬ。
157
約束
(
やくそく
)
をしようかと
云
(
い
)
つたまでですワ』
158
お作
『
其
(
その
)
お
言葉
(
ことば
)
が
出
(
で
)
るに
先立
(
さきだ
)
ち、
159
貴方
(
あなた
)
の
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
では
既
(
すで
)
に
承諾
(
しようだく
)
をしたのでせう。
160
人
(
ひと
)
問
(
と
)
はば
鬼
(
おに
)
は
居
(
ゐ
)
ぬとも
答
(
こた
)
ふ
可
(
べ
)
し
心
(
こころ
)
の
問
(
と
)
はば
如何
(
いか
)
に
答
(
こた
)
へむ
161
貴方
(
あなた
)
は
自
(
みづか
)
ら
心
(
こころ
)
を
欺
(
あざむ
)
く
積
(
つも
)
りですか』
162
竜国別
『さうぢやと
言
(
い
)
つて、
163
どうしてこれが
承諾
(
しようだく
)
出来
(
でき
)
ませう。
164
又
(
また
)
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
から
馬鹿
(
ばか
)
呼
(
よ
)
ばはりをされますから』
165
お作
『オホヽヽヽヽ、
166
あれは
何時
(
いつ
)
も
此
(
この
)
森
(
もり
)
に
棲
(
す
)
まひをして
居
(
を
)
る、
167
大天狗
(
だいてんぐ
)
が
云
(
い
)
つたのですよ。
168
貴方
(
あなた
)
は
結構
(
けつこう
)
な
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
使
(
つかひ
)
でありながら、
169
天狗
(
てんぐ
)
の
一匹
(
いつぴき
)
や
二匹
(
にひき
)
が、
170
それほど
怖
(
こは
)
いのですかい』
171
竜国別
『
何
(
なに
)
天狗
(
てんぐ
)
ならば
怖
(
こわ
)
くはありませぬが、
172
あの
言葉
(
ことば
)
は、
173
どうしても
私
(
わたくし
)
の
考
(
かんが
)
へに
共鳴
(
きようめい
)
して
居
(
ゐ
)
る
様
(
やう
)
ですから、
174
服従
(
ふくじゆう
)
せなくてはなりませぬ。
175
どうぞ
此
(
この
)
場
(
ば
)
を
見遁
(
みのが
)
して
下
(
くだ
)
さいませ』
176
お作
『エヽ
男
(
をとこ
)
と
云
(
い
)
ふものは
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
いものだなア。
177
もうかうなれば
仕方
(
しかた
)
がない』
178
と
いきなり
握手
(
あくしゆ
)
した。
179
竜国別
『
何
(
な
)
んと
仰有
(
おつしや
)
つても、
180
こればかりは
後
(
あと
)
にして
下
(
くだ
)
さい』
181
お作
『イエイエ
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても、
182
妾
(
わたし
)
の
願
(
ねが
)
ひを
聞
(
き
)
き
容
(
い
)
れて
貰
(
もら
)
はなくては
放
(
はな
)
しませぬよ』
183
竜国別
『そんなら、
184
もう
仕方
(
しかた
)
がない。
185
サア
私
(
わたし
)
から
進
(
すす
)
んで
握手
(
あくしゆ
)
致
(
いた
)
しませう』
186
と
竜国別
(
たつくにわけ
)
は
右手
(
めて
)
を
延
(
の
)
ばして、
187
お
作
(
さく
)
の
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
らうとした。
188
お
作
(
さく
)
は
喜
(
よろこ
)
ぶかと
思
(
おも
)
ひきや、
189
お作
『エヽ
汚
(
けが
)
らはしき
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
竜国別
(
たつくにわけ
)
』
190
と
言
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く、
191
満身
(
まんしん
)
の
力
(
ちから
)
を
籠
(
こ
)
めて
其
(
その
)
場
(
ば
)
に
突
(
つ
)
き
倒
(
たふ
)
した。
192
竜国別
『これや
怪
(
け
)
しからぬ。
193
何
(
なん
)
としたらお
気
(
き
)
に
入
(
い
)
るのですか』
194
お作
『
苟
(
いやし
)
くも
神命
(
しんめい
)
を
受
(
う
)
けて、
195
曲津
(
まがつ
)
の
征服
(
せいふく
)
に
向
(
むか
)
ふ
途中
(
とちう
)
に
於
(
おい
)
て、
196
如何
(
いか
)
なる
切
(
せつ
)
なる
女
(
をんな
)
の
願
(
ねが
)
ひなればとて、
197
堅
(
かた
)
き
決心
(
けつしん
)
を
翻
(
ひるがへ
)
すとは
何事
(
なにごと
)
ぞ。
198
かかる
柔弱
(
にうじやく
)
なる
汝
(
なんぢ
)
の
魂
(
たましひ
)
で、
199
どうして
悪魔
(
あくま
)
の
征服
(
せいふく
)
が
出来
(
でき
)
ようぞ』
200
竜国別
『ハテ
合点
(
がてん
)
の
行
(
ゆ
)
かぬ
女
(
をんな
)
の
振舞
(
ふるま
)
ひ』
201
と
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
んで
暫時
(
しばし
)
思案
(
しあん
)
に
耽
(
ふけ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
202
忽
(
たちま
)
ち
轟
(
とどろ
)
く
雷鳴
(
らいめい
)
にフト
頭
(
かしら
)
を
上
(
あ
)
ぐれば、
203
以前
(
いぜん
)
の
女
(
をんな
)
は
跡形
(
あとかた
)
もなく
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せ、
204
其
(
その
)
身
(
み
)
は
古社
(
ふるやしろ
)
の
縁
(
えん
)
の
下
(
した
)
に
眠
(
ねむ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
205
雷
(
かみなり
)
と
聞
(
きこ
)
えしは
社
(
やしろ
)
に
棲
(
す
)
む
古鼠
(
ふるねずみ
)
の
荒
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
ふ
足音
(
あしおと
)
であつた。
206
竜国別
(
たつくにわけ
)
は
直
(
ただち
)
に
神前
(
しんぜん
)
に
額
(
ぬか
)
づき、
207
夢
(
ゆめ
)
の
教訓
(
けうくん
)
を
感謝
(
かんしや
)
し
心魂
(
しんこん
)
を
練
(
ね
)
つて、
208
愈
(
いよいよ
)
高春山
(
たかはるやま
)
の
征服
(
せいふく
)
に
向
(
むか
)
つて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
209
(
大正一一・五・二〇
旧四・二四
谷村真友
録)
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【第13章 夢の女|第21巻|如意宝珠|霊界物語|/rm2113】
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