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霊界物語
真善美愛(第49~60巻)
第56巻(未の巻)
序文
総説
第1篇 自愛之柵
第1章 神慮
第2章 恋淵
第3章 仇花
第4章 盗歌
第5章 鷹魅
第2篇 宿縁妄執
第6章 高圧
第7章 高鳴
第8章 愛米
第9章 我執
第3篇 月照荒野
第10章 十字
第11章 惚泥
第12章 照門颪
第13章 不動滝
第14章 方岩
第4篇 三五開道
第15章 猫背
第16章 不臣
第17章 強請
第18章 寛恕
第19章 痴漢
第20章 犬嘘
余白歌
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(B)
(N)
不動滝 >>>
第一二章
照門颪
(
てるもんおろし
)
〔一四四二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第56巻 真善美愛 未の巻
篇:
第3篇 月照荒野
よみ(新仮名遣い):
げっしょうこうや
章:
第12章 照門颪
よみ(新仮名遣い):
てるもんおろし
通し章番号:
1442
口述日:
1923(大正12)年03月16日(旧01月29日)
口述場所:
竜宮館
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年5月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
求道居士とケリナは、テルモン山のケリナの生家・小国別の館を目指して夜道を歩いていく。二人はそれぞれ述懐の歌を歌いながら進む。
猛獣の唸り声が前後左右から聞こえて来る。求道居士は天の数歌を歌い、経文を念じて力いっぱいほら貝を吹きたてた。ケリナは猛獣の声に戦慄し、求道居士にすがりついて経文を称えている。やがて猛獣の唸り声はぴたりと止まった。
これよりケリナは何となく求道居士を尊信愛慕する念が深くなるに至った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2024-06-24 17:32:43
OBC :
rm5612
愛善世界社版:
169頁
八幡書店版:
第10輯 209頁
修補版:
校定版:
178頁
普及版:
83頁
初版:
ページ備考:
001
求道
(
きうだう
)
居士
(
こじ
)
はケリナ
姫
(
ひめ
)
を
伴
(
ともな
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
002
テルモン
山
(
ざん
)
の
小国別
(
をくにわけ
)
の
館
(
やかた
)
を
指
(
さ
)
して
送
(
おく
)
り
行
(
ゆ
)
く
途々
(
みちみち
)
歌
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
したり。
003
求道
(
きうだう
)
『
有為
(
うゐ
)
転変
(
てんぺん
)
は
世
(
よ
)
の
習
(
なら
)
ひ
004
とは
云
(
い
)
ふものの
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
の
005
行末
(
ゆくすゑ
)
こそは
不思議
(
ふしぎ
)
なれ
006
三国一
(
さんごくいち
)
の
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
007
ハルナの
都
(
みやこ
)
に
程近
(
ほどちか
)
き
008
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
現
(
あ
)
れませる
009
大雲山
(
だいうんざん
)
に
立籠
(
たてこも
)
り
010
バラモン
教
(
けう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
011
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
信仰
(
しんかう
)
し
012
抜擢
(
ばつてき
)
されてバラモンの
013
教司
(
をしへつかさ
)
と
任
(
ま
)
けられつ
014
追々
(
おひおひ
)
功績
(
いさを
)
を
現
(
あら
)
はして
015
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
御
(
お
)
見出
(
みだ
)
しに
016
あづかり
遂
(
つひ
)
にカーネルの
017
尊
(
たふと
)
き
職
(
しよく
)
を
授
(
さづ
)
けられ
018
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのを
)
の
現
(
あ
)
れませる
019
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
を
屠
(
ほふ
)
らむと
020
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
命
(
めい
)
を
受
(
う
)
け
021
鬼春別
(
おにはるわけ
)
や
久米彦
(
くめひこ
)
の
022
両将軍
(
りやうしやうぐん
)
に
扈従
(
こじゆう
)
して
023
旗鼓
(
きこ
)
堂々
(
だうだう
)
と
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
024
後
(
あと
)
に
眺
(
なが
)
めて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
025
万里
(
ばんり
)
の
山野
(
さんや
)
を
跋渉
(
ばつせう
)
し
026
蹄
(
ひづめ
)
の
音
(
おと
)
も
勇
(
いさ
)
ましく
027
浮木
(
うきき
)
の
森
(
もり
)
迄
(
まで
)
進軍
(
しんぐん
)
し
028
片彦
(
かたひこ
)
、
久米彦
(
くめひこ
)
将軍
(
しやうぐん
)
と
029
隊伍
(
たいご
)
を
整
(
ととの
)
へ
河鹿山
(
かじかやま
)
030
進
(
すす
)
む
折
(
をり
)
しも
三五
(
あななひ
)
の
031
治国別
(
はるくにわけ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
032
打破
(
うちやぶ
)
られて
敗走
(
はいそう
)
し
033
浮木
(
うきき
)
の
陣屋
(
ぢんや
)
へ
引返
(
ひつかへ
)
し
034
又
(
また
)
もや
茲
(
ここ
)
に
全軍
(
ぜんぐん
)
を
035
二
(
ふた
)
つに
分
(
わ
)
けてライオンの
036
広
(
ひろ
)
き
流
(
なが
)
れを
相渡
(
あひわた
)
り
037
ビクトル
山
(
さん
)
の
袂
(
たもと
)
にて
038
仮
(
かり
)
の
陣屋
(
ぢんや
)
を
造
(
つく
)
りつつ
039
ビクトリヤ
城
(
じやう
)
を
脅
(
おびや
)
かし
040
味方
(
みかた
)
の
軍勢
(
ぐんぜ
)
に
驚
(
おどろ
)
いて
041
ゼネラル
様
(
さま
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
042
総隊
(
そうたい
)
崩
(
くづ
)
れ
逃
(
に
)
げ
出
(
いだ
)
す
043
戦
(
いくさ
)
の
庭
(
には
)
に
出
(
い
)
で
乍
(
なが
)
ら
044
薄
(
すすき
)
の
穂
(
ほ
)
にも
怖
(
お
)
ぢ
恐
(
おそ
)
れ
045
慄
(
ふる
)
ひ
慄
(
ふる
)
ひて
広野原
(
ひろのはら
)
046
漸
(
やうや
)
く
渡
(
わた
)
りシメヂ
坂
(
ざか
)
047
壁
(
かべ
)
立
(
た
)
つ
如
(
ごと
)
き
坂道
(
さかみち
)
を
048
漸
(
やうや
)
く
下
(
くだ
)
り
猪倉
(
ゐのくら
)
の
049
難攻
(
なんこう
)
不落
(
ふらく
)
の
山寨
(
さんさい
)
に
050
永久
(
えいきう
)
的
(
てき
)
の
陣営
(
ぢんえい
)
を
051
構
(
かま
)
へて
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
つ
内
(
うち
)
に
052
又
(
また
)
も
聞
(
きこ
)
ゆる
宣伝歌
(
せんでんか
)
053
三五教
(
あななひけう
)
に
名
(
な
)
も
高
(
たか
)
き
054
神将軍
(
しんしやうぐん
)
と
聞
(
きこ
)
えたる
055
治国別
(
はるくにわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
に
056
又
(
また
)
も
攻
(
せ
)
められゼネラルは
057
脆
(
もろ
)
くも
茲
(
ここ
)
に
兜
(
かぶと
)
脱
(
ぬ
)
ぎ
058
バラモン
教
(
けう
)
の
軍職
(
ぐんしよく
)
を
059
捨
(
すて
)
て
忽
(
たちま
)
ち
三五
(
あななひ
)
の
060
教
(
をしへ
)
の
道
(
みち
)
のピユリタンと
061
変
(
かは
)
らせ
玉
(
たま
)
ふ
果敢
(
はか
)
なさよ
062
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
も
共
(
とも
)
に
進退
(
しんたい
)
を
063
同
(
おな
)
じうせむとカーネルの
064
職
(
しよく
)
をば
止
(
や
)
めて
修験者
(
しゆげんじや
)
065
名
(
な
)
も
求道
(
きうだう
)
と
改
(
あらた
)
めて
066
ビクの
御国
(
みくに
)
の
清滝
(
きよたき
)
に
067
霊
(
みたま
)
を
洗
(
あら
)
ひビクトルの
068
下津
(
したつ
)
岩根
(
いはね
)
に
宮柱
(
みやばしら
)
069
太
(
ふと
)
しく
立
(
た
)
てて
永久
(
とこしへ
)
に
070
鎮
(
しづ
)
まり
居
(
ゐ
)
ます
大神
(
おほかみ
)
の
071
御前
(
みまへ
)
に
日毎
(
ひごと
)
詣
(
まう
)
でつつ
072
治道
(
ちだう
)
、
道貫
(
だうくわん
)
、
素道
(
そだう
)
居士
(
こじ
)
073
三人
(
みたり
)
の
許
(
ゆる
)
しを
受
(
う
)
け
乍
(
なが
)
ら
074
フサの
国
(
くに
)
をば
横断
(
わうだん
)
し
075
猛獣
(
まうじう
)
毒蛇
(
どくじや
)
の
荒
(
すさ
)
ぶ
野
(
の
)
を
076
神
(
かみ
)
の
光
(
ひかり
)
を
杖
(
つゑ
)
となし
077
夜路
(
よぢ
)
の
露
(
つゆ
)
をば
浴
(
あ
)
び
乍
(
なが
)
ら
078
エルシナ
川
(
がは
)
の
麓
(
ふもと
)
まで
079
来
(
きた
)
る
折
(
をり
)
しも
大空
(
おほぞら
)
の
080
月
(
つき
)
は
漸
(
やうや
)
く
薄
(
うす
)
らぎて
081
忽
(
たちま
)
ち
聞
(
きこ
)
ゆる
鳥
(
とり
)
の
声
(
こゑ
)
082
川
(
かは
)
の
水瀬
(
みなせ
)
のはやる
音
(
おと
)
083
たよりに
伝
(
つた
)
ひ
下
(
くだ
)
る
折
(
をり
)
084
淵
(
ふち
)
に
浮
(
う
)
かんだ
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
姿
(
すがた
)
085
見逃
(
みの
)
がしならずと
衣
(
きぬ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ
086
法螺
(
ほら
)
を
口
(
くち
)
に
喰
(
くは
)
へつつ
087
ザンブと
許
(
ばか
)
り
飛込
(
とびこ
)
んで
088
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男女
(
なんによ
)
を
空砂
(
からずな
)
の
089
上
(
うへ
)
に
救
(
すく
)
ひて
耳元
(
みみもと
)
に
090
大
(
おほ
)
法螺貝
(
ほらがひ
)
を
吹立
(
ふきた
)
つる
091
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
は
忽
(
たちま
)
ちに
092
シヤール
一人
(
ひとり
)
を
除
(
のぞ
)
く
外
(
ほか
)
093
三人
(
みたり
)
は
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
き
返
(
かへ
)
し
094
やつと
胸
(
むね
)
をば
撫
(
な
)
で
下
(
おろ
)
し
095
三人
(
みたり
)
の
男女
(
なんによ
)
に
皇神
(
すめかみ
)
の
096
御教
(
みのり
)
を
完全
(
うまら
)
に
諭
(
さと
)
しつつ
097
大岩谷
(
おほいはだに
)
の
麓
(
ふもと
)
まで
098
来
(
きた
)
りて
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
めつつ
099
十字
(
じふじ
)
の
秘法
(
ひはふ
)
や
数歌
(
かずうた
)
の
100
功力
(
くりき
)
を
伝
(
つた
)
へゐたる
折
(
をり
)
101
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
のベルの
奴
(
やつ
)
102
わが
懐
(
ふところ
)
に
金子
(
かね
)
ありと
103
早
(
はや
)
くも
悟
(
さと
)
り
悪心
(
あくしん
)
を
104
起
(
おこ
)
して
奪
(
と
)
らむと
攻
(
せ
)
め
来
(
きた
)
る
105
ヘルとベルとは
初
(
はじ
)
めより
106
わが
懐
(
ふところ
)
を
狙
(
ねら
)
ひつつ
107
八百長
(
やほちやう
)
喧嘩
(
げんくわ
)
を
徐々
(
そろそろ
)
と
108
真面目
(
しんめんもく
)
にやり
出
(
いだ
)
し
109
ベルの
司
(
つかさ
)
は
逸早
(
いちはや
)
く
110
此
(
この
)
場
(
ば
)
を
後
(
あと
)
に
逃
(
に
)
げて
行
(
ゆ
)
く
111
さはさり
乍
(
なが
)
らヘルの
奴
(
やつ
)
112
色
(
いろ
)
と
欲
(
よく
)
とに
心
(
こころ
)
をば
113
曇
(
くも
)
らせ
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
ひ
114
ケリナの
姫
(
ひめ
)
を
送
(
おく
)
らむと
115
草野
(
くさの
)
を
別
(
わ
)
けて
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
る
116
日
(
ひ
)
も
黄昏
(
たそがれ
)
になりぬれば
117
ポプラの
蔭
(
かげ
)
に
立寄
(
たちよ
)
りて
118
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
むる
折
(
をり
)
もあれ
119
又
(
また
)
もや
来
(
きた
)
る
黒
(
くろ
)
い
影
(
かげ
)
120
これぞ
正
(
まさ
)
しくベルの
奴
(
やつ
)
121
ヘルと
二人
(
ふたり
)
が
言
(
い
)
ひ
合
(
あは
)
せ
122
吾
(
わ
)
が
懐
(
ふところ
)
を
狙
(
ねら
)
はむと
123
来
(
きた
)
りしものと
悟
(
さと
)
りしゆ
124
いろいろ
雑多
(
ざつた
)
と
真道
(
まさみち
)
を
125
説
(
と
)
き
諭
(
さと
)
せども
如何
(
いか
)
にせむ
126
地獄
(
ぢごく
)
の
境
(
さかひ
)
に
堕
(
お
)
ち
果
(
は
)
てし
127
二人
(
ふたり
)
の
霊
(
みたま
)
は
飽
(
あ
)
く
迄
(
まで
)
も
128
悪
(
あく
)
の
企
(
たく
)
みを
遂
(
と
)
げなむと
129
忽
(
たちま
)
ち
棍棒
(
こんぼう
)
振
(
ふ
)
り
翳
(
かざ
)
し
130
吾
(
わ
)
が
脳天
(
なうてん
)
を
打
(
うち
)
すゑぬ
131
何
(
なに
)
かは
以
(
もつ
)
て
耐
(
たま
)
るべき
132
忽
(
たちま
)
ちウンと
昏倒
(
こんたう
)
し
133
夢路
(
ゆめぢ
)
を
辿
(
たど
)
る
折
(
をり
)
もあれ
134
高天原
(
たかあまはら
)
の
霊国
(
れいごく
)
を
135
領有
(
うしは
)
ぎ
玉
(
たま
)
ふエンゼルが
136
鳩
(
はと
)
の
如
(
ごと
)
くに
下
(
くだ
)
りまし
137
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
二人
(
ふたり
)
の
危難
(
きなん
)
をば
138
救
(
すく
)
ひ
玉
(
たま
)
ひし
有難
(
ありがた
)
さ
139
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
140
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
目
(
ま
)
の
当
(
あた
)
り
141
受
(
う
)
けたる
吾々
(
われわれ
)
両人
(
りやうにん
)
は
142
仮令
(
たとへ
)
如何
(
いか
)
なる
悩
(
なや
)
みにも
143
撓
(
たゆ
)
まず
屈
(
くつ
)
せず
道
(
みち
)
の
為
(
ため
)
144
世人
(
よびと
)
の
為
(
た
)
めに
真心
(
まごころ
)
の
145
有
(
あ
)
らむ
限
(
かぎ
)
りを
尽
(
つく
)
しつつ
146
進
(
すす
)
まにやならぬ
両人
(
りやうにん
)
を
147
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
148
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
149
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
150
旭
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
151
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
152
星
(
ほし
)
は
天
(
てん
)
より
落
(
お
)
つるとも
153
印度
(
いんど
)
の
海
(
うみ
)
はあするとも
154
此
(
この
)
大恩
(
だいおん
)
は
何時
(
いつ
)
の
世
(
よ
)
か
155
報
(
むく
)
い
奉
(
まつ
)
らで
置
(
お
)
くべきぞ
156
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
有難
(
ありがた
)
き
157
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
の
天地
(
あめつち
)
に
158
充
(
み
)
ち
足
(
たら
)
ひたる
神
(
かみ
)
の
世
(
よ
)
は
159
草野
(
くさの
)
の
末
(
すゑ
)
に
置
(
お
)
く
露
(
つゆ
)
も
160
一々
(
いちいち
)
月
(
つき
)
の
御光
(
みひかり
)
を
161
宿
(
やど
)
し
玉
(
たま
)
ひて
瑠璃光
(
るりくわう
)
の
162
如
(
ごと
)
く
光
(
ひか
)
らせ
玉
(
たま
)
ふなり
163
ああ
天国
(
てんごく
)
か
楽園
(
らくゑん
)
か
164
際限
(
さいげん
)
もなき
広野原
(
ひろのはら
)
165
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
身
(
み
)
ぞ
楽
(
たの
)
しけれ』
166
ケリナ『わが
足乳根
(
たらちね
)
の
父母
(
ちちはは
)
は
167
月
(
つき
)
の
都
(
みやこ
)
に
現
(
あ
)
れませる
168
バラモン
教
(
けう
)
の
太柱
(
ふとばしら
)
169
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
部下
(
ぶか
)
となり
170
仁慈
(
じんじ
)
無限
(
むげん
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
171
テルモン
山
(
ざん
)
の
山腹
(
さんぷく
)
に
172
大宮柱
(
おほみやばしら
)
太知
(
ふとし
)
りて
173
鎮
(
しづ
)
まりゐます
皇神
(
すめかみ
)
に
174
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
仕
(
つか
)
へつつ
175
四方
(
よも
)
の
国人
(
くにびと
)
悉
(
ことごと
)
く
176
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
靡
(
なび
)
かせつ
177
教
(
をしへ
)
を
開
(
ひら
)
き
玉
(
たま
)
ひしが
178
ウラルの
教
(
をしへ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
179
数多
(
あまた
)
の
手下
(
てした
)
を
引率
(
ひきつ
)
れて
180
得物
(
えもの
)
を
携
(
たづ
)
さへ
堂々
(
だうだう
)
と
181
勢
(
いきほひ
)
猛
(
たけ
)
く
迫
(
せま
)
り
来
(
く
)
る
182
其
(
その
)
勢
(
いきほひ
)
に
辟易
(
へきえき
)
し
183
吾
(
わ
)
が
足乳根
(
たらちね
)
は
逸早
(
いちはや
)
く
184
館
(
やかた
)
を
捨
(
す
)
ててテルモンの
185
高嶺
(
たかね
)
を
渡
(
わた
)
り
森林
(
しんりん
)
に
186
暫
(
しば
)
し
難
(
なん
)
をば
避
(
さ
)
け
玉
(
たま
)
ふ
187
此
(
この
)
時
(
とき
)
信者
(
しんじや
)
と
現
(
あ
)
れませる
188
鎌彦司
(
かまひこつかさ
)
が
現
(
あら
)
はれて
189
神変
(
しんぺん
)
不思議
(
ふしぎ
)
の
神力
(
しんりき
)
を
190
現
(
あら
)
はし
玉
(
たま
)
ひ
攻
(
せ
)
め
来
(
きた
)
る
191
ウラルの
教
(
をしへ
)
の
司
(
つかさ
)
等
(
ら
)
を
192
一人
(
ひとり
)
も
残
(
のこ
)
らず
退
(
しりぞ
)
けて
193
難
(
なん
)
をば
救
(
すく
)
ひ
玉
(
たま
)
ひしゆ
194
吾
(
わ
)
が
足乳根
(
たらちね
)
は
漸
(
やうや
)
くに
195
元
(
もと
)
の
館
(
やかた
)
に
帰
(
かへ
)
りまし
196
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
詳細
(
まつぶさ
)
に
197
開
(
ひら
)
かせ
玉
(
たま
)
ふ
折
(
をり
)
もあれ
198
館
(
やかた
)
の
難
(
なん
)
を
救
(
すく
)
ひたる
199
鎌彦司
(
かまひこつかさ
)
は
妾
(
わらは
)
をば
200
ラブし
給
(
たま
)
ひて
朝夕
(
あさゆふ
)
に
201
言
(
い
)
ひよりたまひし
果敢
(
はかな
)
さよ
202
妾
(
わらは
)
は
素
(
もと
)
より
鎌彦
(
かまひこ
)
に
203
少
(
すこ
)
しも
心
(
こころ
)
はなけれ
共
(
ども
)
204
度重
(
たびかさ
)
なれば
何時
(
いつ
)
となく
205
男
(
をとこ
)
の
情
(
なさ
)
けを
慕
(
した
)
ひ
出
(
だ
)
し
206
遂
(
つひ
)
には
割
(
わり
)
なき
仲
(
なか
)
となり
207
父
(
ちち
)
と
母
(
はは
)
との
目
(
め
)
を
忍
(
しの
)
び
208
月夜
(
つきよ
)
を
恨
(
うら
)
み
暗
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
を
209
指折
(
ゆびを
)
り
数
(
かぞ
)
へ
待
(
ま
)
ち
暮
(
くら
)
す
210
怪
(
あや
)
しき
仲
(
なか
)
とはなりにけり
211
さはさり
乍
(
なが
)
ら
足乳根
(
たらちね
)
の
212
吾
(
わ
)
が
両親
(
りやうしん
)
は
頭
(
かうべ
)
をば
213
左右
(
さいう
)
にふりて
両人
(
りやうにん
)
が
214
恋
(
こひ
)
を
許
(
ゆる
)
させ
玉
(
たま
)
ふ
可
(
べ
)
き
215
気色
(
けはひ
)
なければ
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず
216
夜陰
(
やいん
)
に
紛
(
まぎ
)
れて
両人
(
りやうにん
)
は
217
手
(
て
)
に
手
(
て
)
をとつて
逃
(
に
)
げ
出
(
いだ
)
し
218
エリシナ
谷
(
だに
)
の
山奥
(
やまおく
)
に
219
形
(
かたち
)
ばかりの
草庵
(
さうあん
)
を
220
結
(
むす
)
びて
暮
(
くら
)
す
折
(
をり
)
もあれ
221
吾
(
わ
)
が
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
の
鎌彦
(
かまひこ
)
は
222
俄
(
にはか
)
に
駱駝
(
らくだ
)
を
引
(
ひき
)
つれて
223
妾
(
わらは
)
を
家
(
いへ
)
に
残
(
のこ
)
しつつ
224
何処
(
いづく
)
ともなく
出
(
い
)
でましぬ
225
深山
(
みやま
)
の
奥
(
おく
)
に
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
226
果実
(
このみ
)
を
喰
(
くら
)
ひ
芋
(
いも
)
を
掘
(
ほ
)
り
227
漸
(
やうや
)
く
餓
(
うゑ
)
を
凌
(
しの
)
ぎつつ
228
悲
(
かな
)
しき
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
ること
229
早
(
はや
)
一年
(
ひととせ
)
に
及
(
およ
)
べども
230
夫
(
つま
)
の
便
(
たよ
)
りは
泣
(
な
)
く
許
(
ばか
)
り
231
袖
(
そで
)
をば
濡
(
ぬ
)
らす
草
(
くさ
)
の
露
(
つゆ
)
232
衣
(
ころも
)
は
破
(
やぶ
)
れ
肉
(
にく
)
は
痩
(
や
)
せ
233
見
(
み
)
る
影
(
かげ
)
も
無
(
な
)
き
状
(
さま
)
となり
234
淋
(
さび
)
しき
浮世
(
うきよ
)
を
果敢
(
はかな
)
みて
235
冥途
(
めいど
)
の
旅
(
たび
)
を
為
(
な
)
さむかと
236
庵
(
いほり
)
を
後
(
あと
)
に
夜
(
よる
)
の
道
(
みち
)
237
エルシナ
川
(
がは
)
の
川岸
(
かはぎし
)
に
238
佇
(
たたず
)
み
胸
(
むね
)
を
押
(
おさ
)
へつつ
239
少時
(
しばし
)
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れけるが
240
何処
(
いづく
)
ともなく
吾
(
わ
)
が
耳
(
みみ
)
に
241
死
(
し
)
ねよ
死
(
し
)
ねよと
教
(
をし
)
へ
来
(
く
)
る
242
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
か
知
(
し
)
らね
共
(
ども
)
243
切迫
(
せつぱ
)
詰
(
つま
)
つた
此
(
この
)
場合
(
ばあひ
)
244
死
(
し
)
ぬより
外
(
ほか
)
に
途
(
みち
)
無
(
な
)
しと
245
心
(
こころ
)
を
定
(
さだ
)
めて
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
めば
246
千尋
(
ちひろ
)
の
底
(
そこ
)
の
青
(
あを
)
い
淵
(
ふち
)
247
息
(
いき
)
も
苦
(
くる
)
しくなりければ
248
再
(
ふたた
)
び
娑婆
(
しやば
)
が
恋
(
こひ
)
しうなり
249
ま
一度
(
いちど
)
生命
(
いのち
)
を
保
(
たも
)
たむと
250
焦
(
あせ
)
れど
詮
(
せん
)
なし
女
(
をんな
)
の
身
(
み
)
251
弊衣
(
へいい
)
に
水
(
みづ
)
を
含
(
ふく
)
みしゆ
252
身
(
み
)
も
儘
(
まま
)
ならず
悶
(
もだ
)
え
居
(
ゐ
)
る
253
時
(
とき
)
しもあれや
何物
(
なにもの
)
か
254
吾
(
わ
)
が
身
(
み
)
に
触
(
ふ
)
るる
物
(
もの
)
ありと
255
矢庭
(
やには
)
にしかと
抱
(
いだ
)
き
付
(
つ
)
き
256
浮
(
うき
)
つ
沈
(
しづ
)
みつ
争
(
あらそ
)
へば
257
何時
(
いつ
)
しか
息
(
いき
)
は
絶
(
た
)
え
果
(
は
)
てて
258
前後
(
ぜんご
)
不覚
(
ふかく
)
となりにけり
259
斯
(
か
)
かる
処
(
ところ
)
へヘル
司
(
つかさ
)
260
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り
両人
(
りやうにん
)
を
261
救
(
すく
)
ひ
助
(
たす
)
けて
森林
(
しんりん
)
の
262
中
(
なか
)
に
伴
(
ともな
)
ひ
労
(
いたは
)
りつ
263
種々
(
いろいろ
)
雑多
(
ざつた
)
の
介抱
(
かいはう
)
に
264
再
(
ふたた
)
び
正気
(
しやうき
)
に
復
(
ふく
)
しける
265
悪逆
(
あくぎやく
)
非道
(
ひだう
)
の
一
(
いち
)
人
(
にん
)
は
266
妾
(
わらは
)
の
姿
(
すがた
)
見
(
み
)
るよりも
267
あやしき
眼
(
まなこ
)
を
光
(
ひか
)
らせて
268
耳
(
みみ
)
も
汚
(
けが
)
るる
口説言
(
くどきごと
)
269
三人
(
みたり
)
の
男
(
をとこ
)
は
吾
(
わ
)
が
身
(
み
)
をば
270
妻
(
つま
)
になさむと
争
(
あらそ
)
ひつ
271
パインの
蔭
(
かげ
)
に
組
(
く
)
みついて
272
組
(
く
)
んづ
転
(
ころ
)
んづ
又
(
また
)
元
(
もと
)
の
273
青淵
(
あをぶち
)
目蒐
(
めが
)
けて
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
みぬ
274
妾
(
わらは
)
を
救
(
たす
)
けし
恩人
(
おんじん
)
の
275
生命
(
いのち
)
を
助
(
たす
)
けにやなるまいと
276
吾
(
わ
)
が
身
(
み
)
を
忘
(
わす
)
れて
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
めば
277
又
(
また
)
もや
溺
(
おぼ
)
れて
人心
(
ひとごころ
)
278
無
(
な
)
き
身
(
み
)
とこそはなりにけり
279
これより
一行
(
いつかう
)
四人
(
よにん
)
連
(
づ
)
れ
280
青野
(
あをの
)
ケ
原
(
はら
)
を
打渡
(
うちわた
)
り
281
当途
(
あてど
)
もなしに
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
282
忽
(
たちま
)
ち
関所
(
せきしよ
)
に
突
(
つ
)
き
当
(
あた
)
り
283
容子
(
ようす
)
を
聞
(
き
)
けば
霊界
(
れいかい
)
の
284
八衢
(
やちまた
)
関所
(
せきしよ
)
と
聞
(
き
)
きしより
285
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
一行
(
いつかう
)
驚
(
おどろ
)
いて
286
再
(
ふたた
)
び
元
(
もと
)
の
道
(
みち
)
をとり
287
帰
(
かへ
)
らむとする
折
(
をり
)
もあれ
288
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
ふたる
六造
(
ろくざう
)
が
289
又
(
また
)
もや
途中
(
とちう
)
に
塞
(
ふさ
)
がりて
290
何
(
なん
)
ぢやかんぢやと
口説
(
くどき
)
出
(
だ
)
す
291
こりや
怺
(
たま
)
らんと
思
(
おも
)
ふ
折
(
をり
)
292
向
(
むか
)
ふの
方
(
かた
)
より
足早
(
あしばや
)
に
293
走
(
はし
)
り
来
(
きた
)
れる
婆々
(
ばばア
)
あり
294
一行
(
いつかう
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は
怪
(
あや
)
しみて
295
道
(
みち
)
の
側
(
かた
)
への
草原
(
くさはら
)
に
296
身
(
み
)
を
隠
(
かく
)
したる
時
(
とき
)
もあれ
297
婆々
(
ばばア
)
はツツと
立止
(
たちどま
)
り
298
不思議
(
ふしぎ
)
な
手
(
て
)
つきで
招
(
まね
)
きつつ
299
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
300
底津
(
そこつ
)
岩根
(
いはね
)
の
太柱
(
ふとばしら
)
301
みろくの
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
だ
302
これからお
前
(
まへ
)
等
(
ら
)
一同
(
いちどう
)
に
303
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
の
真相
(
しんさう
)
を
304
諭
(
さと
)
してやるから
跟
(
つ
)
いて
来
(
こ
)
い
305
なぞと
言葉
(
ことば
)
も
滑
(
なめ
)
らかに
306
いと
熱心
(
ねつしん
)
に
説
(
と
)
きつける
307
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
もあれ
行
(
ゆ
)
き
見
(
み
)
むと
308
婆々
(
ばばア
)
の
後
(
あと
)
に
従
(
したが
)
ひて
309
川
(
かは
)
を
隔
(
へだ
)
てて
岩山
(
いはやま
)
の
310
賤
(
しづ
)
が
伏屋
(
ふせや
)
に
跟
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
く
311
ウラナイ
教
(
けう
)
の
旗頭
(
はたがしら
)
312
高姫
(
たかひめ
)
さまが
住家
(
すみか
)
ぞと
313
聞
(
き
)
いて
驚
(
おどろ
)
く
胸
(
むね
)
の
内
(
うち
)
314
さあらぬ
顔
(
かほ
)
を
装
(
よそほ
)
ひて
315
様子
(
やうす
)
を
伺
(
うかが
)
ひ
居
(
ゐ
)
たりしが
316
忽
(
たちま
)
ち
聞
(
きこ
)
ゆる
法螺
(
ほら
)
の
声
(
こゑ
)
317
三五教
(
あななひけう
)
の
修験者
(
しゆげんじや
)
318
求道
(
きうだう
)
居士
(
こじ
)
が
現
(
あら
)
はれて
319
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
一同
(
いちどう
)
の
危難
(
きなん
)
をば
320
救
(
すく
)
はせ
玉
(
たま
)
ふと
見
(
み
)
る
内
(
うち
)
に
321
俄
(
にはか
)
に
聞
(
きこ
)
ゆる
水
(
みづ
)
の
音
(
おと
)
322
小鳥
(
ことり
)
の
声
(
こゑ
)
も
爽
(
さはや
)
かに
323
耳
(
みみ
)
に
入
(
い
)
るよと
見
(
み
)
るうちに
324
再
(
ふたた
)
び
息
(
いき
)
を
吹返
(
ふきかへ
)
し
325
又
(
また
)
もや
救
(
すく
)
ひ
上
(
あ
)
げられて
326
漸
(
やうや
)
う
此処
(
ここ
)
迄
(
まで
)
帰
(
かへ
)
りけり
327
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
328
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
に
329
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
ひて
道
(
みち
)
の
上
(
うへ
)
330
包
(
つつ
)
む
隈
(
くま
)
なく
足乳根
(
たらちね
)
の
331
居
(
ゐ
)
ますわが
家
(
や
)
へ
速
(
すみやか
)
に
332
帰
(
かへ
)
させ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
333
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る』
334
と
歌
(
うた
)
ひつつ
求道
(
きうだう
)
居士
(
こじ
)
の
後
(
あと
)
に
従
(
したが
)
つて、
335
夜道
(
よみち
)
を
辿
(
たど
)
るのは、
336
ケリナ
姫
(
ひめ
)
であつた。
337
忽
(
たちま
)
ち
聞
(
きこ
)
ゆる
猛獣
(
まうじう
)
の
唸
(
うな
)
り
声
(
ごゑ
)
、
338
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
より
一斉
(
いつせい
)
に
山彦
(
やまびこ
)
を
轟
(
とどろ
)
かして
聞
(
きこ
)
え
来
(
く
)
る。
339
求道
(
きうだう
)
居士
(
こじ
)
は
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
歌
(
うた
)
ひ
上
(
あ
)
げ、
340
求道居士
『
真
(
しん
)
観
(
くわん
)
清
(
しやう
)
浄
(
じやう
)
観
(
くわん
)
341
広
(
くわう
)
大
(
だい
)
智
(
ち
)
慧
(
ゑ
)
観
(
くわん
)
342
悲
(
ひ
)
観
(
くわん
)
及
(
ぎう
)
慈
(
じ
)
観
(
くわん
)
343
常
(
じやう
)
願
(
ぐわん
)
常
(
じやう
)
瞻
(
せん
)
仰
(
がう
)
344
無
(
む
)
垢
(
く
)
清
(
しやう
)
浄
(
じやう
)
光
(
くわう
)
345
慧
(
ゑ
)
日
(
にち
)
破
(
は
)
諸
(
しよ
)
闇
(
あん
)
346
能
(
のう
)
伏
(
ぶく
)
災
(
さい
)
風
(
ふう
)
火
(
くわ
)
347
普
(
ふ
)
明
(
みやう
)
照
(
せう
)
世
(
せ
)
間
(
けん
)
348
悲
(
ひ
)
体
(
たい
)
戒
(
かい
)
雷
(
らい
)
震
(
しん
)
349
慈
(
じ
)
意
(
い
)
妙
(
めう
)
大
(
たい
)
雲
(
うん
)
350
澍
(
じゆ
)
甘
(
かん
)
露
(
ろ
)
法
(
ほふ
)
雨
(
う
)
351
滅
(
めつ
)
除
(
ぢよ
)
煩
(
ぼん
)
悩
(
なう
)
炎
(
ゑん
)
352
諍
(
じよう
)
訟
(
しよう
)
経
(
きやう
)
官
(
くわん
)
処
(
しよ
)
353
怖
(
ふ
)
畏
(
ゐ
)
軍
(
ぐん
)
陣
(
ぢん
)
中
(
ちう
)
354
念
(
ねん
)
彼
(
ぴ
)
観
(
くわん
)
音
(
のん
)
力
(
りき
)
355
衆
(
しう
)
怨
(
をん
)
悉
(
しつ
)
退
(
たい
)
散
(
さん
)
356
妙
(
めう
)
音
(
おん
)
観
(
くわん
)
世
(
ぜ
)
音
(
おん
)
357
梵
(
ぼん
)
音
(
のん
)
海
(
かい
)
潮
(
てう
)
音
(
おん
)
358
勝
(
しよう
)
彼
(
ひ
)
世
(
せ
)
間
(
けん
)
音
(
おん
)
359
是
(
ぜ
)
故
(
こ
)
須
(
しゆ
)
常
(
じやう
)
念
(
ねん
)
360
念
(
ねん
)
々
(
ねん
)
勿
(
もつ
)
生
(
しやう
)
疑
(
ぎ
)
361
観
(
くわん
)
世
(
ぜ
)
音
(
おん
)
浄
(
じやう
)
聖
(
しやう
)
362
於
(
お
)
苦
(
く
)
悩
(
なう
)
死
(
し
)
厄
(
やく
)
363
能
(
のう
)
為
(
ゐ
)
作
(
さ
)
依
(
え
)
怙
(
こ
)
364
具
(
ぐ
)
一
(
いつ
)
切
(
さい
)
功
(
く
)
徳
(
どく
)
365
慈
(
じ
)
眼
(
がん
)
視
(
し
)
衆
(
しう
)
生
(
じやう
)
366
福
(
ふく
)
聚
(
じゆ
)
海
(
かい
)
無
(
む
)
量
(
りやう
)
367
是
(
ぜ
)
故
(
こ
)
応
(
おう
)
頂
(
ちやう
)
礼
(
らい
)
』
368
と
念
(
ねん
)
じ
乍
(
なが
)
ら、
369
負
(
まけ
)
ず
劣
(
おと
)
らず、
370
力
(
ちから
)
一杯
(
いつぱい
)
法螺貝
(
ほらがひ
)
を
吹
(
ふ
)
き
立
(
た
)
てた。
371
法螺貝
(
ほらがひ
)
の
声
(
こゑ
)
は
山野
(
さんや
)
の
邪気
(
じやき
)
を
払
(
はら
)
ふものである。
372
ケリナ
姫
(
ひめ
)
は
猛獣
(
まうじう
)
の
声
(
こゑ
)
に
戦慄
(
せんりつ
)
し、
373
求道
(
きうだう
)
居士
(
こじ
)
の
腰
(
こし
)
に
喰
(
くら
)
ひつき、
374
泣
(
な
)
き
声
(
ごゑ
)
になつて
居士
(
こじ
)
に
従
(
したが
)
ひ
経文
(
きやうもん
)
を
誦唱
(
じゆしやう
)
して
居
(
ゐ
)
る。
375
暫
(
しばら
)
くにしてさしも
激
(
はげ
)
しき
猛獣
(
まうじう
)
の
唸
(
うな
)
り
声
(
ごゑ
)
はピタリと
止
(
と
)
まつた。
376
天
(
てん
)
を
封
(
ふう
)
じて
居
(
ゐ
)
た
雲
(
くも
)
は
俄
(
にはか
)
に
散
(
ち
)
つて
夏
(
なつ
)
の
月
(
つき
)
は
洗
(
あら
)
ひ
出
(
だ
)
した
様
(
やう
)
に、
377
中天
(
ちうてん
)
低
(
ひく
)
く
輝
(
かがや
)
き
始
(
はじ
)
めた。
378
是
(
これ
)
よりケリナ
姫
(
ひめ
)
は
何
(
なん
)
となく
求道
(
きうだう
)
居士
(
こじ
)
を
尊信
(
そんしん
)
愛慕
(
あいぼ
)
するの
念
(
ねん
)
益々
(
ますます
)
深
(
ふか
)
くなり、
379
ハートに
折々
(
をりをり
)
波
(
なみ
)
を
打
(
う
)
たせ
胸
(
むね
)
を
焦
(
こ
)
がすに
至
(
いた
)
りたり。
380
(
大正一二・三・一六
旧一・二九
於竜宮館二階
外山豊二
録)
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【第12章 照門颪|第56巻|真善美愛|霊界物語|/rm5612】
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