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霊界物語
真善美愛(第49~60巻)
第56巻(未の巻)
序文
総説
第1篇 自愛之柵
第1章 神慮
第2章 恋淵
第3章 仇花
第4章 盗歌
第5章 鷹魅
第2篇 宿縁妄執
第6章 高圧
第7章 高鳴
第8章 愛米
第9章 我執
第3篇 月照荒野
第10章 十字
第11章 惚泥
第12章 照門颪
第13章 不動滝
第14章 方岩
第4篇 三五開道
第15章 猫背
第16章 不臣
第17章 強請
第18章 寛恕
第19章 痴漢
第20章 犬嘘
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霊界物語
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真善美愛(第49~60巻)
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第56巻(未の巻)
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<<< 強請
(B)
(N)
痴漢 >>>
第一八章
寛恕
(
くわんじよ
)
〔一四四八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第56巻 真善美愛 未の巻
篇:
第4篇 三五開道
よみ(新仮名遣い):
あなないかいどう
章:
第18章 寛恕
よみ(新仮名遣い):
かんじょ
通し章番号:
1448
口述日:
1923(大正12)年03月17日(旧02月1日)
口述場所:
竜宮館
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年5月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
小国姫と三千彦は、家令オールスチンのせがれが如意宝珠紛失事件に関わっていると気づいていた。三千彦は、この罪は内々にこの件を処理することが肝心であることを小国姫に説いて聞かせている。
そこへエルがあわてて家令家で起こったことを報告しにやってきた。慌て者のエルの説明は要領を得なかったが、三千彦はすべて見通していた。そこへオールスチンが如意宝珠の玉を持ち、息子を引いてやってきて、罪を告白し、謝罪した。
オールスチンが自害しようとしたのを三千彦は素早く引き留め、自分が三五教の宣伝使であることを一同に明かした。三千彦は立って宣伝歌を歌い、これまでの述懐を述べた。そしてこれ以上罪びとを造らせない意志を明かした。
オールスチンとワックスは、三千彦の宣伝歌を聞いて安堵した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2024-07-16 12:07:31
OBC :
rm5618
愛善世界社版:
256頁
八幡書店版:
第10輯 241頁
修補版:
校定版:
270頁
普及版:
122頁
初版:
ページ備考:
001
小国姫
(
をくにひめ
)
は
三千彦
(
みちひこ
)
と
共
(
とも
)
に
一間
(
ひとま
)
に
入
(
はい
)
つて
心配
(
しんぱい
)
らし
相
(
さう
)
に、
002
密々
(
ひそびそ
)
と
話
(
はなし
)
をしてゐる。
003
姫
(
ひめ
)
『モシ、
004
アンブラツク
様
(
さま
)
、
005
家令
(
かれい
)
の
態度
(
たいど
)
がどうも
貴方
(
あなた
)
が
御
(
お
)
出
(
いで
)
になつてから、
006
何
(
なん
)
だかソワソワしてゐるやうですから、
007
彼
(
かれ
)
の
悴
(
せがれ
)
でも
若
(
も
)
しや
玉
(
たま
)
を
隠
(
かく
)
したのでは
厶
(
ござ
)
いますまいか。
008
吾々
(
われわれ
)
夫婦
(
ふうふ
)
を
困
(
こま
)
らせ
窮地
(
きうち
)
に
陥
(
おとしい
)
れ、
009
娘
(
むすめ
)
のデビス
姫
(
ひめ
)
を
女房
(
にようばう
)
に
致
(
いた
)
し、
010
良
(
よ
)
からぬ
思惑
(
おもわく
)
を
立
(
た
)
てようとしてゐるのでは
厶
(
ござ
)
いますまいか。
011
何
(
ど
)
うも
常
(
つね
)
から
怪
(
あや
)
しいと
思
(
おも
)
つてゐますが、
012
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
つても
家令
(
かれい
)
の
悴
(
せがれ
)
ではあり、
013
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
しかねて
誠
(
まこと
)
に
困
(
こま
)
つて
居
(
を
)
ります。
014
貴方
(
あなた
)
の
御
(
お
)
考
(
かんが
)
へは
何
(
ど
)
うで
厶
(
ござ
)
いますな』
015
三千
(
みち
)
『モシ
貴方
(
あなた
)
、
016
家令
(
かれい
)
の
悴
(
せがれ
)
が
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
玉
(
たま
)
を
隠
(
かく
)
して
居
(
を
)
つたとすれば、
017
何
(
ど
)
うなさる
考
(
かんが
)
へで
厶
(
ござ
)
いますか』
018
姫
(
ひめ
)
『
左様
(
さやう
)
な
事
(
こと
)
が
判
(
わか
)
れば、
019
何程
(
なにほど
)
家令
(
かれい
)
の
息子
(
むすこ
)
と
云
(
い
)
つても
許
(
ゆる
)
す
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ますまい』
020
三千
(
みち
)
『ここは
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
円満
(
ゑんまん
)
に
事
(
こと
)
を
済
(
す
)
まさなくてはなりますまい。
021
第一
(
だいいち
)
お
館
(
やかた
)
の
恥
(
はぢ
)
になりますから……、
022
そして
世間
(
せけん
)
へパツとしてからは
仕方
(
しかた
)
がありませぬから、
023
成
(
な
)
るべくは
内証
(
ないしよう
)
で
済
(
す
)
ましてやつたら
何
(
ど
)
うで
厶
(
ござ
)
いませう』
024
姫
(
ひめ
)
『
玉
(
たま
)
さへ
還
(
かへ
)
つて
参
(
まゐ
)
りますれば、
025
吾々
(
われわれ
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
不調法
(
ぶてうはふ
)
にもならず、
026
皆
(
みな
)
が
助
(
たす
)
かる
事
(
こと
)
ならば
余
(
あま
)
り
表
(
おもて
)
へ
出
(
だ
)
したくは
厶
(
ござ
)
いませぬ。
027
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
之
(
これ
)
も
明瞭
(
はつきり
)
した
事
(
こと
)
は
判
(
わか
)
りませぬから
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
に
伺
(
うかが
)
つて
頂
(
いただ
)
き
度
(
た
)
いと
思
(
おも
)
つて、
028
主人
(
しゆじん
)
の
病気
(
びやうき
)
の
看護
(
かんご
)
の
隙
(
すき
)
に
御
(
お
)
居間
(
ゐま
)
迄
(
まで
)
参
(
まゐ
)
りました』
029
三千
(
みち
)
『
貴方
(
あなた
)
が
如何
(
いか
)
なる
罪
(
つみ
)
も
内済
(
ないさい
)
にしてやると
云
(
い
)
ふ
御
(
お
)
考
(
かんが
)
へならば
申
(
まを
)
しませう。
030
実
(
じつ
)
は
御
(
お
)
察
(
さつ
)
しの
通
(
とほ
)
り
家令
(
かれい
)
の
悴
(
せがれ
)
ワツクス、
031
並
(
ならび
)
にエキス、
032
ヘルマンと
云
(
い
)
ふ
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
若
(
わか
)
い
者
(
もの
)
が
或
(
ある
)
目的
(
もくてき
)
の
為
(
ため
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
を
盗
(
ぬす
)
んで
隠
(
かく
)
してゐるのです』
033
姫
(
ひめ
)
『ア、
034
それで
合点
(
がつてん
)
が
行
(
ゆ
)
きました。
035
何
(
ど
)
うもワツクスの
態度
(
たいど
)
がソワソワして
居
(
ゐ
)
ると
思
(
おも
)
ふて
居
(
を
)
りました。
036
家令
(
かれい
)
のオールスチンは
極
(
きは
)
めて
忠実
(
ちうじつ
)
な
正直
(
しやうぢき
)
な
者
(
もの
)
で
厶
(
ござ
)
いますから、
037
彼
(
かれ
)
に
限
(
かぎ
)
つてそんな
事
(
こと
)
をする
気遣
(
きづかひ
)
は
厶
(
ござ
)
いませぬが、
038
体
(
からだ
)
は
生
(
う
)
みつけても、
039
魂
(
たましひ
)
は
生
(
う
)
みつけぬとか
申
(
まを
)
しまして、
040
英雄
(
えいゆう
)
豪傑
(
がうけつ
)
の
悴
(
せがれ
)
に
馬鹿
(
ばか
)
が
生
(
うま
)
れたり、
041
忠臣
(
ちうしん
)
義士
(
ぎし
)
の
子
(
こ
)
に
叛逆人
(
はんぎやくにん
)
の
生
(
うま
)
れるのは
世間
(
せけん
)
に
沢山
(
たくさん
)
ある
習
(
なら
)
ひで
厶
(
ござ
)
いますから、
042
家令
(
かれい
)
が
貴方
(
あなた
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いて
慌
(
あわ
)
てて
帰
(
かへ
)
りましたのも、
043
何
(
なに
)
か
心
(
こころ
)
に
当
(
あた
)
る
事
(
こと
)
があつたので
厶
(
ござ
)
いませう。
044
夫
(
それ
)
に
就
(
つい
)
て
僕
(
しもべ
)
のエルをして
様子
(
やうす
)
を
考
(
かんが
)
へにやらせましたが
何
(
ど
)
うしたものか
未
(
ま
)
だ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
ませぬ』
045
三千
(
みち
)
『ヤ、
046
今
(
いま
)
に
帰
(
かへ
)
られます。
047
さうすれば
真相
(
しんさう
)
が
解
(
わか
)
ります。
048
成
(
な
)
る
可
(
べ
)
く
之
(
これ
)
は
大業
(
おほげふ
)
にしては
成
(
な
)
りますまい』
049
と
話
(
はな
)
す
処
(
ところ
)
へ、
050
僕
(
しもべ
)
のエルは
慌
(
あわ
)
ただしく
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
り、
051
息
(
いき
)
を
喘
(
はづ
)
ませ
乍
(
なが
)
ら、
052
エル『モシ
奥様
(
おくさま
)
、
053
タタ
大変
(
たいへん
)
で
厶
(
ござ
)
います。
054
殺
(
ころ
)
し
合
(
あ
)
ひが
始
(
はじ
)
まりました』
055
姫
(
ひめ
)
『ナニ、
056
殺
(
ころ
)
し
合
(
あひ
)
が
始
(
はじ
)
まつたと……どこかに
喧嘩
(
けんくわ
)
をして
居
(
を
)
つたのかい』
057
エル『メメ
滅相
(
めつさう
)
な、
058
殺
(
ころ
)
し
合
(
あひ
)
といつたら
喧嘩
(
けんくわ
)
ぢやありませぬがなア。
059
喧嘩
(
けんくわ
)
のモ
一
(
ひと
)
つ
毛
(
け
)
の
生
(
は
)
えた
事
(
こと
)
ですがなア。
060
ソレ
生命
(
いのち
)
の
取合
(
とりあひ
)
の
事
(
こと
)
ですがなア。
061
怖
(
おそ
)
ろしや
怖
(
おそ
)
ろしや、
062
地異
(
ちい
)
天変
(
てんぺん
)
地異
(
ちい
)
天変
(
てんぺん
)
、
063
喉
(
のど
)
を
締
(
し
)
める、
064
置物
(
おきもの
)
をブツつける、
065
喚
(
わめ
)
く、
066
裏口
(
うらぐち
)
から
山越
(
やまご
)
しに
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
す、
067
庫
(
くら
)
へスツ
込
(
こ
)
む、
068
ソレはソレは
偉
(
えら
)
い
事
(
こと
)
で
厶
(
ござ
)
いました』
069
姫
(
ひめ
)
『エル、
070
そんな
事
(
こと
)
云
(
い
)
つて
解
(
わか
)
るかい。
071
そら
一体
(
いつたい
)
何処
(
どこ
)
の
事
(
こと
)
だい』
072
エル『ヘイ、
073
定
(
きま
)
つて
居
(
を
)
りますがなア。
074
家
(
いへ
)
の
中
(
なか
)
の
事
(
こと
)
ですがなア』
075
姫
(
ひめ
)
『
誰
(
たれ
)
と
誰
(
たれ
)
とが
喧嘩
(
けんくわ
)
をしたと
云
(
い
)
ふのだ』
076
エル『
男
(
をとこ
)
と
男
(
をとこ
)
が
命
(
いのち
)
の
奪
(
と
)
り
合
(
あひ
)
をしたのです。
077
エー、
078
解
(
わか
)
らぬ
御
(
お
)
方
(
かた
)
ですなア』
079
姫
(
ひめ
)
『
何処
(
どこ
)
の
何兵衛
(
なにべゑ
)
だと
問
(
と
)
ふてゐるのぢや』
080
エル『エー
辛気臭
(
しんきくさ
)
い、
081
何兵衛
(
なにべゑ
)
も
彼兵衛
(
かんべゑ
)
もありますかい。
082
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
して
居
(
を
)
ると
生命
(
いのち
)
が
失
(
な
)
くなりますがなア。
083
アアもどかしい
事
(
こと
)
だワイ』
084
姫
(
ひめ
)
『そんな
解
(
わか
)
らぬ
事
(
こと
)
を
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
も
云
(
い
)
つて
居
(
を
)
つても
埒
(
らち
)
があかぬぢやないか。
085
此方
(
こちら
)
がもどかしいワ。
086
家令
(
かれい
)
の
館
(
やかた
)
へ
未
(
ま
)
だ
行
(
ゆ
)
かぬのか。
087
大方
(
おほかた
)
犬
(
いぬ
)
の
喧嘩
(
けんくわ
)
でも
見
(
み
)
て
居
(
を
)
つたのだらう』
088
エル『ハイ、
089
その
家令
(
かれい
)
ですがなア。
090
それはそれは
偉
(
えら
)
い
事
(
こと
)
怒
(
おこ
)
つてましたよ。
091
大
(
おほ
)
きな
額口
(
ひたひぐち
)
に
青筋
(
あをすぢ
)
を
立
(
た
)
てましてね……』
092
三千
(
みち
)
『アハハハハ、
093
イヤもうエルさまとやら、
094
分
(
わか
)
つて
居
(
を
)
ります。
095
お
前
(
まへ
)
さまは
随分
(
ずいぶん
)
慌
(
あわ
)
てて
居
(
を
)
るから、
096
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
がシドロモドロになつて
解
(
わか
)
り
憎
(
にく
)
いが、
097
お
前
(
まへ
)
は
家令
(
かれい
)
の
宅
(
うち
)
へ
行
(
い
)
つて
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
喧嘩
(
けんくわ
)
を
見
(
み
)
て
来
(
き
)
たのだらう』
098
エル『ハイ
其
(
その
)
通
(
とほ
)
りで
厶
(
ござ
)
います。
099
サア
之
(
これ
)
から
村中
(
むらぢう
)
を
布令
(
ふれ
)
て
来
(
き
)
ます。
100
大変
(
たいへん
)
ぢや
大変
(
たいへん
)
ぢや』
101
と
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
さうとするのを、
102
小国姫
(
をくにひめ
)
は
襟髪
(
えりがみ
)
掴
(
つか
)
んでグツと
引戻
(
ひきもど
)
し、
103
姫
(
ひめ
)
『コリヤ、
104
エル、
105
何処
(
どこ
)
へも
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
はならぬ。
106
そして
何
(
なに
)
も
喋
(
しやべ
)
る
事
(
こと
)
はならぬぞ』
107
エル『ソソそんな
事
(
こと
)
仰有
(
おつしや
)
つても、
108
之
(
これ
)
が
黙
(
だま
)
つて
居
(
を
)
られませうか。
109
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
して
居
(
を
)
ると
家令
(
かれい
)
の
生命
(
いのち
)
が
失
(
な
)
くなるか
知
(
し
)
れませぬぞや』
110
三千
(
みち
)
『エルさま、
111
まア
落付
(
おちつ
)
いて
下
(
くだ
)
さい。
112
家令
(
かれい
)
は
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だから、
113
そして
何
(
なに
)
も
云
(
い
)
つちやなりませぬよ』
114
エルは『ハイ』と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
115
縮
(
ちぢ
)
んで
了
(
しま
)
つた。
116
三千
(
みち
)
『
奥
(
おく
)
さま、
117
何
(
ど
)
うやらワツクスが
隠
(
かく
)
してゐたところ、
118
家令殿
(
かれいどの
)
に
看破
(
かんぱ
)
されて
一悶着
(
ひともんちやく
)
が
起
(
おこ
)
つたと
見
(
み
)
えます。
119
之
(
これ
)
は
私
(
わたし
)
に
任
(
まか
)
して
下
(
くだ
)
さい。
120
キツト
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
を
持
(
も
)
つて
帰
(
かへ
)
り
御
(
お
)
目
(
め
)
にかけます。
121
そして
家令
(
かれい
)
の
親子
(
おやこ
)
を
私
(
わたくし
)
に
任
(
まか
)
して
下
(
くだ
)
さいませ。
122
斯
(
か
)
うして
発見
(
はつけん
)
したのも
矢張
(
やつぱり
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
蔭
(
かげ
)
で
厶
(
ござ
)
いますからなア』
123
姫
(
ひめ
)
『
何事
(
なにごと
)
も
神徳
(
しんとく
)
高
(
たか
)
き
貴方
(
あなた
)
様
(
さま
)
の
仰
(
おほ
)
せ、
124
御
(
お
)
任
(
まか
)
せ
申
(
まを
)
します』
125
と
話
(
はな
)
して
居
(
を
)
る
処
(
ところ
)
へ、
126
家令
(
かれい
)
のオールスチンは、
127
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
のワツクスを
引立
(
ひきた
)
て
乍
(
なが
)
ら、
128
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
玉
(
たま
)
を
幾重
(
いくへ
)
にも
厳重
(
げんぢう
)
に
包
(
つつ
)
み、
129
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
130
パツと
両手
(
りやうて
)
をつき、
131
オールス『
奥様
(
おくさま
)
、
132
誠
(
まこと
)
に
申訳
(
まをしわけ
)
の
無
(
な
)
い
事
(
こと
)
を
致
(
いた
)
しました。
133
悴
(
せがれ
)
の
馬鹿者
(
ばかもの
)
が
悪
(
わる
)
い
友達
(
ともだち
)
に
唆
(
そそのか
)
され、
134
種々
(
いろいろ
)
の
謀叛
(
むほん
)
を
企
(
たく
)
み、
135
隠
(
かく
)
して
居
(
を
)
りましたのを
漸
(
やうや
)
く
覚
(
さと
)
り、
136
悴
(
せがれ
)
に
腰縄
(
こしなは
)
をつけて、
137
此処迄
(
ここまで
)
お
詫
(
わび
)
に
参
(
まゐ
)
りました。
138
何
(
いづ
)
れ
倅
(
せがれ
)
は
生命
(
いのち
)
の
大罪人
(
だいざいにん
)
で
厶
(
ござ
)
いますから、
139
思
(
おも
)
ふ
存分
(
ぞんぶん
)
にしてやつて
下
(
くだ
)
さいませ。
140
私
(
わたし
)
の
倅
(
せがれ
)
に
斯様
(
かやう
)
な
者
(
もの
)
が
出来
(
でき
)
たと
思
(
おも
)
へば
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
へも、
141
世間
(
せけん
)
へも
申訳
(
まをしわけ
)
が
立
(
た
)
ちませぬから……』
142
と
云
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く
懐剣
(
くわいけん
)
を
引抜
(
ひきぬ
)
き、
143
矢庭
(
やには
)
に
吾
(
わが
)
腹
(
はら
)
に
突立
(
つきた
)
てようとする
一刹那
(
いつせつな
)
、
144
三千彦
(
みちひこ
)
は
飛
(
と
)
び
下
(
くだ
)
りて
懐剣
(
くわいけん
)
をもぎとり、
145
声
(
こゑ
)
を
励
(
はげ
)
まして、
146
三千
(
みち
)
『オールスチン
殿
(
どの
)
、
147
心
(
こころ
)
を
落付
(
おちつ
)
けなされ。
148
何事
(
なにごと
)
も
皆
(
みな
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
摂理
(
せつり
)
で
厶
(
ござ
)
いませう。
149
此
(
この
)
問題
(
もんだい
)
は
奥様
(
おくさま
)
より
私
(
わたし
)
が
一任
(
いちにん
)
されて
居
(
を
)
りますから、
150
先
(
ま
)
づ
御
(
お
)
急
(
せ
)
きなさるには
及
(
およ
)
びませぬ。
151
今
(
いま
)
死
(
し
)
ぬる
命
(
いのち
)
を
長
(
なが
)
らへて
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
様
(
さま
)
へ
忠義
(
ちうぎ
)
を
御
(
お
)
尽
(
つく
)
しなさる
方
(
はう
)
が、
152
何程
(
なにほど
)
誠
(
まこと
)
が
通
(
とほ
)
るか
知
(
し
)
れませぬよ。
153
そして
貴方
(
あなた
)
の
息子
(
むすこ
)
、
154
ワツクス
殿
(
どの
)
も
三千彦
(
みちひこ
)
が
預
(
あづ
)
かつて
居
(
を
)
りますれば
安心
(
あんしん
)
なさるが
宜
(
よろ
)
しい。
155
実
(
じつ
)
の
処
(
ところ
)
私
(
わたし
)
はアンブラツクとは
仮
(
かり
)
の
名
(
な
)
、
156
実
(
じつ
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
三千彦
(
みちひこ
)
と
申
(
まを
)
す
者
(
もの
)
、
157
当館
(
たうやかた
)
はバラモン
教
(
けう
)
だと
知
(
し
)
つた
故
(
ゆゑ
)
に、
158
故意
(
わざ
)
とバラモン
教
(
けう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
と
化
(
ば
)
け
込
(
こ
)
んで
御
(
お
)
救
(
すく
)
ひに
参
(
まゐ
)
つたのです。
159
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
吾
(
わが
)
名
(
な
)
を
詐
(
いつは
)
つた
罪
(
つみ
)
は
奥様
(
おくさま
)
を
始
(
はじ
)
め
御
(
ご
)
一同
(
いちどう
)
様
(
さま
)
御
(
お
)
許
(
ゆる
)
しを
願
(
ねが
)
ひます』
160
姫
(
ひめ
)
『エー
何
(
なん
)
と
仰有
(
おつしや
)
います。
161
貴方
(
あなた
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
で
厶
(
ござ
)
いましたか。
162
之
(
これ
)
はイカイ
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
を
致
(
いた
)
しました。
163
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
らよくまア
急場
(
きふば
)
を
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さいました。
164
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます。
165
貴方
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
に
依
(
よ
)
つて
玉
(
たま
)
の
所在
(
ありか
)
が
分
(
わか
)
り、
166
斯
(
こ
)
んな
嬉
(
うれ
)
しい
事
(
こと
)
は
厶
(
ござ
)
いませぬ』
167
三千
(
みち
)
『
三五教
(
あななひけう
)
と
云
(
い
)
ひ、
168
バラモン
教
(
けう
)
と
云
(
い
)
ふも
元
(
もと
)
を
正
(
ただ
)
せば
一
(
ひと
)
つの
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
で
厶
(
ござ
)
いますから、
169
教
(
をしへ
)
に
勝劣
(
しようれつ
)
は
厶
(
ござ
)
いますまい。
170
只
(
ただ
)
道
(
みち
)
を
奉
(
ほう
)
ずるものの
心
(
こころ
)
に
依
(
よ
)
つて
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
の
現
(
あら
)
はれに
大小
(
だいせう
)
高下
(
かうげ
)
の
区別
(
くべつ
)
がつく
丈
(
だ
)
けのものです』
171
オールス『
貴方
(
あなた
)
は
初
(
はじ
)
めて
御
(
お
)
目
(
め
)
にかかつた
時
(
とき
)
から、
172
何処
(
どこ
)
とはなしに
変
(
かは
)
つた
御
(
お
)
方
(
かた
)
と
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
りましたが、
173
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
で
厶
(
ござ
)
いましたか。
174
誠
(
まこと
)
に
失礼
(
しつれい
)
致
(
いた
)
しました。
175
斯様
(
かやう
)
な
乱痴気
(
らんちき
)
騒
(
さわ
)
ぎを
御
(
お
)
目
(
め
)
に
掛
(
か
)
け、
176
誠
(
まこと
)
に
御
(
お
)
恥
(
はづ
)
かしう
厶
(
ござ
)
います。
177
吾々
(
われわれ
)
親子
(
おやこ
)
はバラモンの
顔
(
かほ
)
に
泥
(
どろ
)
を
塗
(
ぬ
)
つたものですから、
178
何卒
(
どうぞ
)
死
(
し
)
なして
下
(
くだ
)
さいませ。
179
之
(
これ
)
ばかりがお
願
(
ねがひ
)
で
厶
(
ござ
)
います。
180
そして
私
(
わたし
)
の
自殺
(
じさつ
)
に
依
(
よ
)
つて
倅
(
せがれ
)
の
罪
(
つみ
)
を
幾分
(
いくぶん
)
軽
(
かる
)
くして
下
(
くだ
)
さる
事
(
こと
)
ならば、
181
それを
冥途
(
めいど
)
の
御
(
お
)
土産
(
みやげ
)
として、
182
勇
(
いさ
)
んで
死
(
し
)
に
就
(
つ
)
きます。
183
南無
(
なむ
)
大自在天
(
だいじざいてん
)
大国彦
(
おほくにひこの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
……』
184
と
合掌
(
がつしやう
)
し、
185
決死
(
けつし
)
の
覚悟
(
かくご
)
を
示
(
しめ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
186
三千彦
(
みちひこ
)
は
立上
(
たちあが
)
り
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めたり。
187
三千彦
『
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
188
吾
(
われ
)
は
三千彦
(
みちひこ
)
神司
(
かむつかさ
)
189
神
(
かみ
)
の
御綱
(
みつな
)
に
操
(
あやつ
)
られ
190
不知
(
しらず
)
々々
(
しらず
)
にテルモンの
191
山
(
やま
)
の
麓
(
ふもと
)
に
現
(
あら
)
はれて
192
清
(
きよ
)
き
流
(
なが
)
れを
打
(
う
)
ち
渡
(
わた
)
り
193
此方
(
こなた
)
に
向
(
むか
)
つて
進
(
すす
)
む
折
(
をり
)
194
小国姫
(
をくにひめ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
195
二人
(
ふたり
)
の
侍女
(
じぢよ
)
を
伴
(
ともな
)
ひて
196
いと
懇
(
ねもごろ
)
に
吾
(
わ
)
が
身
(
み
)
をば
197
館
(
やかた
)
に
誘
(
いざな
)
ひ
帰
(
かへ
)
りまし
198
種々
(
いろいろ
)
雑多
(
ざつた
)
の
御
(
おん
)
悩
(
なや
)
み
199
包
(
つつ
)
まず
隠
(
かく
)
さず
宣
(
の
)
り
玉
(
たま
)
ひ
200
はからせ
玉
(
たま
)
ふを
聞
(
き
)
くよりも
201
同情
(
どうじやう
)
の
涙
(
なみだ
)
に
堪
(
た
)
えかねて
202
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
203
真心
(
まごころ
)
籠
(
こ
)
めて
祈
(
いの
)
る
折
(
をり
)
204
神
(
かみ
)
の
化身
(
けしん
)
のスマートが
205
吾
(
わ
)
が
耳
(
みみ
)
近
(
ちか
)
く
声
(
こゑ
)
をかけ
206
如意
(
によい
)
の
宝珠
(
ほつしゆ
)
の
行衛
(
ゆくゑ
)
をば
207
完全
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
相示
(
あひしめ
)
し
208
ケリナの
姫
(
ひめ
)
や
其
(
その
)
外
(
ほか
)
の
209
数多
(
あまた
)
の
託宣
(
たくせん
)
下
(
くだ
)
しつつ
210
雲路
(
くもぢ
)
を
分
(
わ
)
けて
帰
(
かへ
)
ります
211
吾
(
わ
)
れは
心
(
こころ
)
も
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
212
小国姫
(
をくにひめ
)
に
打
(
う
)
ち
向
(
むか
)
ひ
213
天地
(
てんち
)
の
道理
(
だうり
)
を
説
(
と
)
き
諭
(
さと
)
し
214
唯
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
神直日
(
かむなほひ
)
215
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
216
見直
(
みなほ
)
しませと
勧
(
すす
)
めつつ
217
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
平伏
(
ひれふ
)
して
218
此
(
この
)
難局
(
なんきよく
)
をいと
安
(
やす
)
く
219
結
(
むす
)
ばむために
村肝
(
むらきも
)
の
220
心
(
こころ
)
を
千々
(
ちぢ
)
に
配
(
くば
)
りけり
221
時
(
とき
)
しもあれやエルさまは
222
慌
(
あわ
)
ただしくも
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り
223
家令
(
かれい
)
の
館
(
やかた
)
に
人殺
(
ひとごろし
)
224
大騒動
(
だいさうどう
)
が
突発
(
とつぱつ
)
し
225
居
(
ゐ
)
たりと
報告
(
ほうこく
)
聞
(
き
)
くよりも
226
外
(
ほか
)
へ
洩
(
も
)
れては
一大事
(
いちだいじ
)
227
如何
(
いかが
)
はせむと
思
(
おも
)
ふ
折
(
をり
)
228
オールスチンの
御
(
ご
)
入来
(
じうらい
)
229
珍
(
うづ
)
の
宝
(
たから
)
を
芽出度
(
めでたく
)
も
230
此処
(
ここ
)
に
運
(
はこ
)
ばせ
玉
(
たま
)
ひたる
231
此
(
この
)
瑞祥
(
ずゐしやう
)
はテルモンの
232
館
(
やかた
)
の
万代
(
ばんだい
)
不易
(
ふえき
)
なる
233
瑞祥
(
ずゐしやう
)
なりと
祝
(
いは
)
ひつつ
234
凡
(
すべ
)
ての
曲
(
まが
)
を
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
し
235
唯
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
大神
(
おほかみ
)
の
236
さばきに
任
(
まか
)
せ
奉
(
まつ
)
るべし
237
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
238
元
(
もと
)
より
悪
(
あ
)
しきものならず
239
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
や
醜神
(
しこがみ
)
の
240
曲津霊
(
まがつみたま
)
に
曇
(
くも
)
らされ
241
不知
(
しらず
)
々々
(
しらず
)
に
悪魔道
(
あくまだう
)
へ
242
堕
(
お
)
ち
行
(
ゆ
)
きたりしものなれば
243
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
に
賜
(
たま
)
ひたる
244
厳
(
いづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
宣
(
の
)
り
上
(
あ
)
げて
245
いろいろ
雑多
(
ざつた
)
の
罪科
(
つみとが
)
を
246
科戸
(
しなど
)
の
風
(
かぜ
)
に
吹払
(
ふきはら
)
ひ
247
払
(
はら
)
ひ
清
(
きよ
)
めて
速川
(
はやかは
)
の
248
流
(
なが
)
れの
如
(
ごと
)
く
身体
(
からたま
)
や
249
霊
(
みたま
)
に
塵
(
ちり
)
も
止
(
と
)
めざれと
250
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
251
三千彦
(
みちひこ
)
祈
(
いの
)
り
奉
(
たてまつ
)
る
252
小国姫
(
をくにひめ
)
よオールスチンよ
253
ワツクス
司
(
つかさ
)
よ
心安
(
うらやす
)
く
254
思召
(
おぼしめ
)
されよ
三千彦
(
みちひこ
)
が
255
ここに
現
(
あら
)
はれ
来
(
き
)
し
上
(
うへ
)
は
256
如何
(
いか
)
でか
罪人
(
つみびと
)
造
(
つく
)
らむや
257
心
(
こころ
)
安
(
やす
)
かれ
惟神
(
かむながら
)
258
神
(
かみ
)
に
誓
(
ちか
)
ひて
宣
(
の
)
り
伝
(
つた
)
ふ
259
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
260
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
261
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
262
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
三五
(
あななひ
)
の
263
教
(
をしへ
)
に
身
(
み
)
をば
任
(
まか
)
しなば
264
如何
(
いか
)
なる
曲
(
まが
)
の
猛
(
たけ
)
びをも
265
決
(
けつ
)
して
怖
(
おそ
)
るる
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
し
266
尊
(
たふと
)
み
敬
(
ゐやま
)
へ
三五
(
あななひ
)
の
267
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
268
バラモン
教
(
けう
)
を
守
(
まも
)
ります
269
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
御
(
おん
)
稜威
(
みいづ
)
270
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
271
霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
272
三千彦
(
みちひこ
)
の
歌
(
うた
)
にて
家令
(
かれい
)
のオールスチン
及
(
および
)
ワツクスはヤツと
安心
(
あんしん
)
し、
273
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
して
神恩
(
しんおん
)
を
感謝
(
かんしや
)
し、
274
如意
(
によい
)
宝珠
(
ほつしゆ
)
を
奉持
(
ほうぢ
)
して
小国別
(
をくにわけ
)
の
病室
(
びやうしつ
)
に
罪
(
つみ
)
を
陳謝
(
ちんしや
)
すべく、
275
小国姫
(
をくにひめ
)
、
276
三千彦
(
みちひこ
)
と
共
(
とも
)
にシトシトと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
277
(
大正一二・三・一七
旧二・一
於竜宮館
外山豊二
録)
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(N)
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【第18章 寛恕|第56巻|真善美愛|霊界物語|/rm5618】
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