霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一三章 国別(こくべつ)〔一七五八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第69巻 山河草木 申の巻 篇:第3篇 神柱国礎 よみ(新仮名遣い):しんちゅうこくそ
章:第13章 国別 よみ(新仮名遣い):こくべつ 通し章番号:1758
口述日:1924(大正13)年01月24日(旧12月19日) 口述場所:伊予 山口氏邸 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1927(昭和2)年10月26日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
国照別は、魂を磨き、真の神徳を治めるため、生まれ故郷の珍の国を出ていく。
共の浅公とともに、アリナ山を下り、最初の目的地、懸橋御殿を指して、歌を歌いながら進む。
霧は深く、太陽も沈み、やむを得ず山中にて一夜を明かすことになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm6913
愛善世界社版:187頁 八幡書店版:第12輯 342頁 修補版: 校定版:195頁 普及版:66頁 初版: ページ備考:
001国照別(くにてるわけ)『われは(さび)しき(ふゆ)(つき)
002御空(みそら)(たか)(うち)ふるひ
003中空(ちうくう)(さへぎ)(くも)()
004(ひら)くよしなき(かな)しさに
005(くるし)(もだ)ゆる(をり)もあれ
006(たちま)()()時津風(ときつかぜ)
007十重(とへ)二十重(はたへ)(つつ)みたる
008(くも)()(はら)(やうや)くに
009地上(ちじやう)(くだ)(みち)(ひら)
010(くさ)片葉(かきは)におく(しも)
011(つめ)たき宿(やど)()(なが)
012(みやこ)(あと)(くだ)りゆく
013(わが)()(うへ)(たの)もしき
014(はるか)地上(ちじやう)見渡(みわた)せば
015(とら)(おほかみ)獅子(しし)(くま)
016伊猛(いたけ)(くる)荒野原(あれのはら)
017(ただ)しき(ひと)醜神(しこがみ)
018(あし)ににじられ()まれつつ
019悲鳴(ひめい)をあげて()(さけ)
020(まが)れる(ひと)揚々(やうやう)
021春野(はるの)(てふ)()(ごと)
022地上(ちじやう)(なや)みを他所(よそ)にして
023歌舞(かぶ)音楽(おんがく)にひたりゐる
024()にも矛盾(むじゆん)天地(てんち)かな
025いよいよ(かみ)(あら)はれて
026三千(さんぜん)世界(せかい)(ひき)ならし
027(くさ)片葉(かきは)(いた)(まで)
028(めぐみ)(つゆ)にしたしつつ
029(すく)はむ(とき)(ちか)づきぬ
030あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
031()れは国照別(くにてるわけ)(つかさ)
032(この)(くも)りたる国土(くにつち)
033三五(さんご)(つき)御教(みをしへ)
034(てら)(きよ)めて永久(とこしへ)
035国照別(くにてるわけ)御世(みよ)となし
036草木(くさき)もめぐむ春乃姫(はるのひめ)
037(つき)(はな)との兄妹(おとどい)
038(かみ)(たま)ひし(うづ)(くに)
039(むかし)神代(かみよ)(ひき)(もど)
040(うき)(なや)める人草(ひとぐさ)
041(すく)(たす)けむ(わが)(ねが)
042(たつ)せむ(ため)鹿島立(かしまだち)
043(まも)らせ(たま)惟神(かむながら)
044(かみ)御前(みまへ)()ぎまつる
045()()(かぜ)(あら)くとも
046()()(あめ)(つよ)(とも)
047仮令(たとへ)(つち)()(いかづち)
048頭上(づじやう)(とどろ)()あり(とも)
049いかでか(おそ)れむ敷島(しきしま)
050(きよ)国照別(くにてるわけ)(たま)
051如何(いか)なる権威(けんゐ)物欲(ぶつよく)
052左右(さいう)()べき(ちから)なし
053(うづ)御国(みくに)()ふも(さら)
054高砂島(たかさごじま)(くに)()
055(くに)のことごと三五(あななひ)
056(かみ)(をしへ)とねぢ(なほ)
057()ける(まこと)(かみ)として
058(くだ)()くこそ(いさ)ましき
059あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
060御霊(みたま)恩頼(ふゆ)()(まつ)る』
061(うた)(なが)ら、062アリナ(やま)(たうげ)頂上(ちやうじやう)()いた。063国照別(くにてるわけ)東方(とうはう)原野(げんや)(はるか)()おろし(なが)ら、
064『あゝ(うづ)(くに)(しばら)くこれで()ることが出来(でき)ないだらう。065(その)(かは)今度(こんど)(かへ)つて()(とき)は、066(この)広大(くわうだい)なる荒野(あれの)(はら)金銀(きんぎん)瑪瑙(めなう)067瑠璃(るり)硨磲(しやこ)068玻璃(はり)などの七宝(しつぽう)(かざ)られた地上(ちじやう)天国(てんごく)一変(いつぺん)するだらう。069(くも)(ふか)城中(じやうちう)(あと)(おや)兄弟(きやうだい)家来(けらい)()すてて、070(ひな)(くだ)り、071(いま)(また)(わが)城下(じやうか)にも()(こと)()ず、072(こころ)からとは()(なが)ら、073(うま)故郷(こきやう)(たち)()るは、074どこともなく(こころ)(さび)しいやうだ。075あゝ否々(いないな)076そんな()(よわ)いことで、077(この)神業(しんげふ)(つと)まらうか。078(うづ)(くに)国司(こくし)(もと)三五(あななひ)(をしへ)(もつ)人草(ひとぐさ)教化(けうくわ)するのが天職(てんしよく)であつた。079(あま)政治(せいぢ)などに(こころ)(もち)ひなくても自然(しぜん)(をさ)まつてゐたのだ。080(しか)(なが)今日(こんにち)となつては国外(こくぐわい)よりいろいろの主義(しゆぎ)思想(しさう)無用(むよう)学術(がくじゆつ)(なが)()んで()て、081(いにしへ)(ごと)簡易(かんい)信仰(しんかう)のみを(もつ)(くに)(をさ)むる(こと)出来(でき)なくなつて(しま)つた。082(しか)(なが)083どうしても()(なか)知識(ちしき)学問(がくもん)(ちから)では(をさ)まるものでない。084()(まつりごと)第一(だいいち)(とく)(もつ)てするより(ほか)にない。085自分(じぶん)(その)(とく)(やしな)はむが(ため)に、086城中(じやうちう)をぬけ()し、087(もつと)(いや)しき車夫(しやふ)仲間(なかま)()り、088下層(かそう)社会(しやくわい)事情(じじやう)(さぐ)り、089(いま)(また)侠客(けふかく)となつて、090市井(しせい)(ちまた)出没(しゆつぼつ)し、091(わが)霊魂(れいこん)をして金剛(こんがう)不壊(ふゑ)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)たらしめむと、092(あせ)れど藻掻(もが)けど如何(いか)にせむ、093(なが)(あひだ)(ぢやう)(ぼん)にて(そだ)てられ、094(すこ)しの(あら)(かぜ)にさへも(なや)まされるやうな(よわ)身体(からだ)で、095どうして衆生(しゆじやう)安堵(あんど)せしむることが出来(でき)ようか。096(なん)()つても自分(じぶん)(うづ)(くに)世子(せいし)097清家(せいか)生活(せいくわつ)顕要(けんえう)地位(ちゐ)(すこ)しも(のぞ)まぬけれど、098(この)(さき)自分(じぶん)(この)(くに)()らなくなつたならば、099信仰(しんかう)中心(ちうしん)100尊敬(そんけい)(まと)101思想(しさう)真柱(しんばしら)(うしな)ふたも同然(どうぜん)102容易(ようい)に、103如何(いか)なる賢者(けんじや)(あら)はれても、104徳望者(とくばうしや)(あら)はれても、105(をさ)むることは(むつ)かしいだらう。106それを(おも)へば、107(いち)()(はや)(たま)(みが)き、108(しん)神徳(しんとく)()にうけて、109(ふたた)(この)(くに)(かへ)つて()なくてはならうまい。110(うづ)(くに)(ひろ)原野(げんや)(いま)(わが)視線(しせん)(はな)れるに(のぞ)んで、111(なん)となく、112山河(さんか)草木(さうもく)(はじ)(わが)(くに)衆生(しゆじやう)(こひ)しくなつて()た。113(しか)(なが)一旦(いつたん)決心(けつしん)した(わが)(たましひ)(ひるがへ)すことは出来(でき)ぬ。114あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)115国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)(さま)116何卒(なにとぞ)国照別(くにてるわけ)赤心(まごころ)()受納(じゆなふ)(くだ)さいまして、117(うづ)(くに)(まを)すも(さら)なり、118高砂島(たかさごじま)天地(てんち)をして119(むかし)神代(かみよ)歓楽郷(くわんらくきやう)にねぢ(なほ)させて(くだ)さいませ。120(また)両親(りやうしん)(はじ)(いもうと)春乃姫(はるのひめ)(その)()城中(じやうちう)老臣(らうしん)121(およ)友人(いうじん)()(うへ)特別(とくべつ)()恩寵(おんちよう)()れさせ(たま)ひて、122(うづ)国家(こくか)平安(へいあん)隆昌(りうしやう)(すす)ませ(たま)(やう)(ひとへ)()(ねがひ)(まをし)(あげ)ます。123(うづ)(くに)(わか)るるに(のぞ)んで、124国魂(くにたまの)(かみ)(さま)御前(みまへ)(つつし)んで()(れい)(まをし)()げます。125あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
126感慨(かんがい)無量(むりやう)(てい)で、127(ふと)(いき)をついてゐる。128浅公(あさこう)(うづ)原野(げんや)()おろし(なが)ら、
129親分(おやぶん)さま、130(なん)とマア(うづ)(くに)(ひろ)いものですなア、131そして(なん)だか(うづ)(くに)山河(さんか)草木(さうもく)が……浅公(あさこう)()くな()くな 132(もと)()やせ……と手招(てまね)きするやうな気分(きぶん)(いた)しまして、133(これ)から(さき)()くのが、134(なん)だかおつくうなやうな、135(うれ)しくない(やう)()になりました。136(いま)親方(おやかた)様子(やうす)()てゐると(ふた)つの()から(なみだ)がポロリポロリと()ちてゐましたよ。137(なに)(ほど)侠客(けふかく)親分(おやぶん)でも、138人情(にんじやう)(かは)りはないとみえますな』
139国照(くにてる)『ウン、140(うま)れた(くに)といふものは、141(なん)とはなしに(こひ)しいものだ。142()はば自分(じぶん)(たち)(なが)らく(そだ)ててくれた(しん)(はは)だからな。143幼子(をさなご)(はは)(ふところ)をはなれて、144異郷(いきやう)(そら)()るのだもの、145(おれ)だつて、146チツトは感慨(かんがい)無量(むりやう)(なみだ)にくれるのは当然(あたりまへ)だ。147(なみだ)のない人間(にんげん)(おに)だ。148(おれ)()(おに)境遇(きやうぐう)だけは(まぬが)れたとみえるワイ。149アツハヽヽヽヽ』
150(にはか)(わら)ひに(まぎ)らす。151浅公(あさこう)()(ごゑ)(まじ)りに『アツハヽヽヽヽ』と附合(つきあひ)(わら)ひをする。
152国照(くにてる)浅公(あさこう)153(これ)から(さき)はつまりいへば、154他国(たこく)だ。155(かみ)(さま)(はう)からいへば、156(みな)(かみ)(くに)境界(きやうかい)もなければ差別(さべつ)もないが、157地上(ちじやう)人間(にんげん)(ども)が、158(これ)(まで)(うづ)(くに)159(これ)から(さき)はテルの(くに)だとか、160カルの(くに)だとかヒルだとかハルだとか、161勝手(かつて)境界(きやうかい)をつけ、162(たがひ)権勢(けんせい)(あらそ)うてゐるのだから、163(その)(かんが)へでゐないと、164大変(たいへん)失敗(しつぱい)をするよ。165自分(じぶん)国内(こくない)では侠客(けふかく)羽振(はぶり)()くが、166様子(やうす)(わか)らぬ他国(たこく)では、167そういふ(わけ)にはゆかぬからのう』
168(あさ)(ところ)(ほえ)(いぬ)はないとかいひましてな』
169国照(くにてる)『オイ(あさ)170(いぬ)(たとへ)るとは殺生(せつしやう)ぢやないか、171ハヽヽ。172サアここを(くだ)つて、173懸橋(かけはし)御殿(ごてん)といふのがあるさうだから、174それへ参拝(さんぱい)をして一夜(いちや)宿(やど)()り、175ゆつくり()くことにせう』
176(あさ)『ハイ、177(とも)(いた)しませう、178あーあ、179(これ)故郷(こきやう)(そら)(しばら)見納(みをさ)めかなア………
180()りかねて()(かへ)()(うづ)(くに)
181(つま)さへ()さへなき()なれ(ども)
182(なん)となく(こひ)しくなりぬ(うづ)(そら)
183(いま)(わか)れむとして(なみだ)こぼるる』
184国照別(くにてるわけ)(なれ)(また)(ひと)御子(みこ)なれ()のあはれ
185よくも(さと)れり(ふか)(さと)れり。
186足乳根(たらちね)(おや)のまします(うづ)(そら)
187()(あふ)ぎつつ(わか)()(かな)
188国愛別(くにちかわけ)(した)しき(とも)如何(いか)にして
189(わが)ゆく(あと)活動(くわつどう)やせむ。
190(わが)(とも)(しばら)()てよ国照別(くにてるわけ)
191(かみ)(あら)はれ(かへ)()(まで)
192(わが)()くは御国(みくに)をすつる(ため)ならず
193(まこと)(かみ)(くに)にせむ(ため)
194(わが)ゆくは(おや)(くるし)むる(ため)ならず
195大御心(おほみこころ)(なぐさ)めむ(ため)
196(わが)ゆくは国民(くにたみ)すつる(ため)ならず
197天国(てんごく)浄土(じやうど)(すく)はむが(ため)
198(うた)(をは)り、199金剛杖(こんがうづゑ)(ちから)急坂(きふはん)(くだ)りゆく。
200国照別(くにてるわけ)(かみ)(めぐみ)のアリナ(やま)
201(つゑ)(ちから)(くだ)りゆく
202(あさひ)()(とも)(くも)(とも)
203(つき)()(とも)()くる(とも)
204仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
205(まこと)(ひと)つの三五(あななひ)
206(かみ)(まか)せし(わが)身魂(みたま)
207(かみ)(くに)とに真心(まごころ)
208(つく)(わが)()(さち)あれと
209朝夕(あさゆふ)(いの)(いさ)ましさ
210故国(ここく)(そら)(あと)にして
211()みもならはぬ山阪(やまざか)
212(のぼ)りつ(くだ)りつ(すす)()
213国魂神(くにたまがみ)竜世姫(たつよひめ)
214(まも)らせ(たま)惟神(かむながら)
215(つつし)(うや)まひ()(まつ)
216(この)()(つく)(たま)ひたる
217国治立(くにはるたちの)大御神(おほみかみ)
218世人(よびと)(をし)(さと)しゆく
219(みづ)御霊(みたま)大御神(おほみかみ)
220(この)()(ちり)(うち)(はら)
221科戸(しなど)(かぜ)(あめ)となり
222(ゆき)ともなりて(まも)ります
223(うづ)(ちから)(たよ)りとし
224(てん)にも()にも掛替(かけがへ)
225なき垂乳根(たらちね)(いもうと)
226(あと)()すてて()でてゆく
227(なみだ)(あめ)(そで)()
228(まなこ)はかすむ今日(けふ)(そら)
229(めぐ)ませ(たま)惟神(かむながら)
230(かみ)かけ(ねん)(たてまつ)る』
231(うた)ひつつ、232国照別(くにてるわけ)(さき)()ち、233浅公(あさこう)(つゑ)(ちから)足拍子(あしびやうし)()(なが)ら、234九十九(つづら)(まが)りの(いし)だらけの(みち)(あと)(したが)()く。
235浅公(あさこう)『ウントコドツコイ、アリナ(やま)
236(うはさ)()いたきつい(さか)
237いよいよ(こひ)しい(うづ)(くに)
238(なみだ)(とも)(たち)わかれ
239ウントコドツコイ(あぶ)ないぞ
240(いし)のゴラゴラする(さか)
241親方(おやかた)用心(ようじん)なさいませ
242(いち)()(はや)(この)(さか)
243無事(ぶじ)(くだ)つてウントコシヨ
244懸橋(かけはし)御殿(ごてん)にまゐ(まう)
245(あし)(つか)れを(やす)めませう
246(かがみ)(いけ)とて()(たか)
247(むかし)(かみ)霊跡(れいせき)
248(いま)(のこ)つてゐるといふ
249名所(めいしよ)()るのも(いま)少時(しばし)
250あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
251何卒(なにとぞ)無事(ぶじ)(この)(さか)
252親方(おやかた)さまと諸共(もろとも)
253(くだ)らせ(たま)惟神(かむながら)
254御霊(みたま)恩頼(ふゆ)()ぎまつる
255(あさひ)もテルの国野原(くにのはら)
256(むか)つておりゆく二人(ふたり)()
257()しも国人(くにびと)(わが)姿(すがた)
258(なが)めて(そら)から天人(てんにん)
259(くだ)つて()たかと(あや)しんで
260いと(めづ)らしき穀物(たなつもの)
261八足(やたり)(つくゑ)におき(なら)
262(むか)へてくれれば(うれ)しいが
263ウントコドツコイ、アイタツタ
264メツタに左様(さやう)なうまい(こと)
265あらうと(おも)はぬボンの(くそ)
266雨露(うろ)(しの)がしてドツコイシヨ
267くれてもそれで満足(まんぞく)
268もうしもうし親分(おやぶん)
269(にはか)(きり)(ふか)くなり
270一間先(いつけんさき)(もや)(うみ)
271だんだん(さび)しうなつてくる
272一足(ひとあし)々々(ひとあし)阪路(さかみち)
273(くだ)(たび)(ごと)()(くに)
274(そこ)(くに)へと()(やう)
275(さび)しい気分(きぶん)になつて()
276あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
277(かみ)(さま)(よろ)しく(たの)みます
278(あと)へは(かへ)さぬ男伊達(をとこだて)
279仮令(たとへ)(いのち)はすつるとも
280(おも)()つたる親分(おやぶん)
281気象(きしやう)はいつかな(ひる)むまい
282(わつち)此処(ここ)(まで)(とも)して
283卑怯(ひけふ)未練(みれん)引返(ひつかへ)
284(わけ)にはゆかぬ(をとこ)意気地(いくぢ)
285()うなりやホンに侠客(けふかく)
286ウントコドツコイ(つら)いもの
287(あさひ)()るとも(くも)るとも
288(つき)()つとも()くるとも
289(きり)山路(やまぢ)(つつ)むとも
290大蛇(をろち)(やつ)行先(ゆくさき)
291(みち)(ふさ)いで()()とも
292(よわ)きを(たす)(つよ)きをば
293(くじ)いて(とほ)男伊達(をとこだて)
294それを(かね)たる宣伝使(せんでんし)
295国照別(くにてるわけ)(うづ)御子(みこ)
296御供(みとも)(つか)へた浅州(あさしう)
297(けつ)して(けつ)してひるまない
298あゝ(いさ)ましや(いさ)ましや
299一足(ひとあし)々々(ひとあし)ウントコシヨ
300勝利(しようり)(みやこ)(すす)()
301(かみ)(われ)()(とも)にあり
302親分(おやぶん)(われ)()(とも)にあり
303(われ)()(まも)るは(かみ)にまし
304(われ)()(まも)るは親分(おやぶん)
305(また)親分(おやぶん)()(うへ)
306(まも)(まこと)(かみ)(さま)
307国治立(くにはるたちの)大御神(おほみかみ)
308(つぎ)乾児(こぶん)浅州(あさしう)
309(あさ)から(ばん)(まで)テクテクと
310御後(みあと)(したが)(すす)()
311どこを(あて)とも白雲(しらくも)
312山路(やまぢ)(わく)(たび)(そら)
313()面白(おもしろ)(いさ)ましし
314あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
315御霊(みたま)(さち)はひましませよ
316ウントコドツコイ ドツコイシヨ
317ドツコイ ドツコイ ドツコイシヨ』
318とちぎれちぎれに山降(やまくだ)りの(うた)(うた)(なが)ら、319(やうや)くにして(やや)平坦(へいたん)緩勾配(くわんこうばい)阪道(さかみち)()いた。320(きり)益々(ますます)(ふか)くして咫尺(しせき)(べん)ぜず、321太陽(たいやう)西天(せいてん)にかくれしと()え、322(やみ)(とばり)はチクチクと二人(ふたり)(つつ)んで()た。323二人(ふたり)はやむを()ず、324此処(ここ)一夜(いちや)(あか)すこととなつた。325あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
326大正一三・一・二四 旧一二・一二・一九 伊予 於山口氏邸、松村真澄録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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