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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第69巻(申の巻)
巻頭言
第1篇 清風涼雨
第1章 大評定
第2章 老断
第3章 喬育
第4章 国の光
第5章 性明
第6章 背水会
第2篇 愛国の至情
第7章 聖子
第8章 春乃愛
第9章 迎酒
第10章 宣両
第11章 気転使
第12章 悪原眠衆
第3篇 神柱国礎
第13章 国別
第14章 暗枕
第15章 四天王
第16章 波動
第4篇 新政復興
第17章 琴玉
第18章 老狽
第19章 老水
第20章 声援
第21章 貴遇
第22章 有終
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霊界物語
>
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
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第69巻(申の巻)
> 第4篇 新政復興 > 第22章 有終
<<< 貴遇
(B)
(N)
余白歌 >>>
第二二章
有終
(
いうしう
)
〔一七六七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第69巻 山河草木 申の巻
篇:
第4篇 新政復興
よみ(新仮名遣い):
しんせいふっこう
章:
第22章 有終
よみ(新仮名遣い):
ゆうしゅう
通し章番号:
1767
口述日:
1924(大正13)年01月25日(旧12月20日)
口述場所:
伊予 山口氏邸
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1927(昭和2)年10月26日
概要:
舞台:
ヒルの都、ウヅの都・高砂城
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
一行はあばら家を借りて住み、子分たちが畑で野菜を作り、国照別がそれを町に売りに出て、一年ほど暮らしていた。
しかし、ふとしたことから一行の素性が秋山別・モリスの耳に入り、両老中は清香姫に自分の至誠を表すために地位・名望を投げ捨てて共に耕作に従事し、その上で城に帰るように懇願した。
城に帰った清香姫は、両親に自分たち兄妹の意中を明らかにした。楓別命夫婦は吾が子らの誠に感じ入り、自分たちは退隠して清香姫、国照別に政治を譲った。
清香姫・国照別らは仁恵を行い、徳政を施し、貧富を収まるべきところに収め、上下の障壁を取り、老若男女に選挙権を与えた。ここに騒乱はたちまち収まり、地上の天国が実現した。
国照別は選ばれて、ヒルの国の大王となった。
一方、その後珍の国では、上下の乖離がますますはなはだしく、国愛別・岩治別、春乃姫・常盤姫らの活動により人心はやや緩和したけれども、いよいよ状況は厳しくなってきていた。
そこへ、ヒルの国の大王となった国照別は多数の部下を従えて、救援に駆けつけた。国照別は三年ぶりの故国の惨状に心を痛めたが、民衆は国照別の行軍に恭順の意を示して迎えた。
国愛別らは、国照別を導いて城内深く入り、ここにおいてようやく、松若彦・伊佐彦は今までの地位・爵位を投げ打って、民衆の前に罪を謝すこととなった。
国愛別は春乃姫と夫婦となり、また民衆に推されて珍の国の大王となった。ここに貧富の懸隔は打破され、上下の待遇は改善され、ようやく珍の国は平安無事に治まった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2018-11-24 16:58:31
OBC :
rm6922
愛善世界社版:
302頁
八幡書店版:
第12輯 383頁
修補版:
校定版:
317頁
普及版:
66頁
初版:
ページ備考:
001
国照別
(
くにてるわけ
)
一行
(
いつかう
)
はヒルの
都
(
みやこ
)
の
町外
(
まちはづ
)
れの
半
(
なかば
)
倒
(
たふ
)
れた
古家
(
ふるいへ
)
を
借
(
か
)
つて
住
(
すみ
)
込
(
こ
)
み、
002
博奕
(
ばくち
)
をやめ、
003
自分
(
じぶん
)
は
青物
(
あをもの
)
を
担
(
にな
)
うて
町中
(
まちぢう
)
を
売
(
う
)
り
歩
(
ある
)
き、
004
乾児
(
こぶん
)
は
畠
(
はたけ
)
を
作
(
つく
)
つて
野菜
(
やさい
)
の
栽培
(
さいばい
)
をやつてゐた。
005
そして
清香姫
(
きよかひめ
)
は
裁縫
(
さいほう
)
炊事
(
すゐじ
)
等
(
など
)
に
全力
(
ぜんりよく
)
を
尽
(
つく
)
してゐた。
006
春子姫
(
はるこひめ
)
は
浅
(
あさ
)
、
007
市
(
いち
)
、
008
馬
(
うま
)
、
009
駒治
(
こまはる
)
などの
乾児
(
こぶん
)
を
率
(
ひき
)
ゐて、
010
毎日
(
まいにち
)
野良
(
のら
)
へ
出
(
い
)
で
耕作
(
かうさく
)
に
従事
(
じゆうじ
)
してゐたが、
011
誰
(
たれ
)
も
其
(
その
)
素性
(
すじやう
)
を
知
(
し
)
るものはなかつた。
012
然
(
しか
)
るに
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
許
(
ばか
)
り
経
(
た
)
つて、
013
ふとした
事
(
こと
)
から
清香姫
(
きよかひめ
)
、
014
春子姫
(
はるこひめ
)
が
此
(
この
)
町外
(
まちはづ
)
れの
茅屋
(
ばうをく
)
に
賤
(
しづ
)
の
女
(
め
)
となつて、
015
四五
(
しご
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
と
共
(
とも
)
に
耕作
(
かうさく
)
に
従事
(
じゆうじ
)
してゐる
事
(
こと
)
が、
016
其
(
その
)
筋
(
すぢ
)
の
耳
(
みみ
)
に
入
(
い
)
り、
017
秋山別
(
あきやまわけ
)
、
018
モリスは
職
(
しよく
)
に
居
(
を
)
る
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
かず
019
一切
(
いつさい
)
の
地位
(
ちゐ
)
も
名望
(
めいばう
)
も
抛
(
なげう
)
ちて、
020
老躯
(
らうく
)
を
引提
(
ひつさ
)
げ、
021
耕耘
(
かううん
)
に
従事
(
じゆうじ
)
した。
022
そして
清香姫
(
きよかひめ
)
に
自分
(
じぶん
)
の
至誠
(
しせい
)
を
現
(
あら
)
はして
再
(
ふたた
)
び
城中
(
じやうちう
)
に
帰
(
かへ
)
つて
貰
(
もら
)
ふ
事
(
こと
)
にした。
023
清香姫
(
きよかひめ
)
は
国照別
(
くにてるわけ
)
と
共
(
とも
)
に
城中
(
じやうちう
)
へ
帰
(
かへ
)
り、
024
父
(
ちち
)
楓別
(
かへでわけの
)
命
(
みこと
)
及
(
およ
)
び
母
(
はは
)
の
清子姫
(
きよこひめ
)
に
対
(
たい
)
して、
025
自分
(
じぶん
)
等
(
たち
)
兄妹
(
きやうだい
)
の
意中
(
いちう
)
を
露
(
つゆ
)
程
(
ほど
)
も
包
(
つつ
)
まず
吐露
(
とろ
)
した。
026
両親
(
りやうしん
)
も
吾
(
わが
)
子
(
こ
)
の
至誠
(
しせい
)
に
感
(
かん
)
じ、
027
自分
(
じぶん
)
は
退隠
(
たいいん
)
して、
028
高倉山
(
たかくらやま
)
の
宮
(
みや
)
に
専仕
(
せんじ
)
し、
029
清香姫
(
きよかひめ
)
、
030
国照別
(
くにてるわけ
)
の
意見
(
いけん
)
に
従
(
したが
)
つて、
031
国内
(
こくない
)
に
仁恵
(
じんけい
)
を
行
(
おこな
)
ひ、
032
且
(
か
)
つ
衆生
(
しゆじやう
)
の
意
(
い
)
を
迎
(
むか
)
へて、
033
徳政
(
とくせい
)
を
施
(
ほどこ
)
し、
034
貧富
(
ひんぷ
)
其
(
そ
)
の
処
(
ところ
)
を
得
(
え
)
せしめ、
035
上下
(
じやうげ
)
の
障壁
(
しやうへき
)
を
除
(
と
)
り、
036
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
一般
(
いつぱん
)
に
選挙権
(
せんきよけん
)
を
与
(
あた
)
へた。
037
茲
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
038
すでに
擾乱
(
ぜうらん
)
勃発
(
ぼつぱつ
)
し、
039
国家
(
こくか
)
崩壊
(
ほうくわい
)
せむとする
危機
(
きき
)
一髪
(
いつぱつ
)
のヒルの
天地
(
てんち
)
は、
040
忽
(
たちま
)
ち
黎明
(
れいめい
)
の
新空気
(
しんくうき
)
に
充
(
み
)
ち
041
地上
(
ちじやう
)
に
天国
(
てんごく
)
を
実現
(
じつげん
)
する
事
(
こと
)
となつた。
042
そして
国政
(
こくせい
)
を
改
(
あらた
)
めて、
043
インカ
国
(
こく
)
の
制度
(
せいど
)
を
改善
(
かいぜん
)
し
044
万代
(
ばんだい
)
不易
(
ふえき
)
の
礎
(
いしずゑ
)
を
固
(
かた
)
め、
045
国照別
(
くにてるわけ
)
は
選
(
えら
)
まれて
大王
(
だいわう
)
となり、
046
ヒルの
国家
(
こくか
)
は
永遠
(
えいゑん
)
無窮
(
むきう
)
に、
047
旭
(
あさひ
)
の
豊栄
(
とよさか
)
昇
(
のぼ
)
りに
栄
(
さか
)
ゆる
事
(
こと
)
となつた。
048
実
(
げ
)
に
名
(
な
)
にし
負
(
お
)
ふ
高砂島
(
たかさごじま
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
、
049
高倉山
(
たかくらやま
)
は
永久
(
とことは
)
に
平和
(
へいわ
)
の
花
(
はな
)
香
(
かほ
)
り、
050
鸞鳳
(
らんぽう
)
空
(
そら
)
に
飛
(
と
)
び、
051
迦陵
(
かりよう
)
頻伽
(
びんが
)
は
春夏
(
しゆんか
)
秋冬
(
しうとう
)
の
別
(
わかち
)
なく、
052
御代
(
みよ
)
の
隆盛
(
りうせい
)
を
謳
(
うた
)
ひ、
053
神人
(
しんじん
)
和楽
(
わらく
)
して、
054
国内
(
こくない
)
一点
(
いつてん
)
の
不平
(
ふへい
)
も
不満
(
ふまん
)
もなく
055
至治
(
しち
)
太平
(
たいへい
)
の
瑞祥
(
ずゐしやう
)
を
味
(
あぢ
)
はふ
事
(
こと
)
となつた。
056
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
057
話
(
はなし
)
変
(
か
)
はつて、
058
珍
(
うづ
)
の
国
(
くに
)
にては
上下
(
じやうげ
)
の
乖離
(
くわいり
)
益々
(
ますます
)
甚
(
はなは
)
だしく、
059
衆生
(
しゆじやう
)
は
猛虎
(
まうこ
)
の
如
(
ごと
)
く
狂
(
くる
)
ひ
立
(
た
)
つて、
060
松若彦
(
まつわかひこ
)
、
061
伊佐彦
(
いさひこ
)
の
館
(
やかた
)
を
包囲
(
はうゐ
)
し、
062
各地
(
かくち
)
に
殺人
(
さつじん
)
強盗
(
がうたう
)
出没
(
しゆつぼつ
)
し、
063
人心
(
じんしん
)
戦々
(
せんせん
)
恟々
(
きようきよう
)
として
不安
(
ふあん
)
の
雲
(
くも
)
に
包
(
つつ
)
まれた。
064
侠客
(
けふかく
)
の
愛州
(
あいしう
)
始
(
はじ
)
め
岩治別
(
いははるわけ
)
の
岩公
(
いはこう
)
は、
065
数多
(
あまた
)
の
乾児
(
こぶん
)
と
共
(
とも
)
に
衆生
(
しゆじやう
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
つて、
066
天地
(
てんち
)
の
道理
(
だうり
)
を
説
(
と
)
き、
067
稍
(
やや
)
人心
(
じんしん
)
緩和
(
くわんわ
)
したりと
雖
(
いへど
)
も、
068
容易
(
ようい
)
に
治
(
をさ
)
まらず、
069
国家
(
こくか
)
は
累卵
(
るゐらん
)
の
危
(
あやふ
)
きに
立
(
たち
)
至
(
いた
)
つた。
070
又
(
また
)
春乃姫
(
はるのひめ
)
、
071
常磐姫
(
ときはひめ
)
は
昼夜
(
ちうや
)
の
別
(
わかち
)
なく
宣伝
(
せんでん
)
に
努
(
つと
)
め、
072
松依別
(
まつよりわけ
)
は
親爺
(
おやぢ
)
の
貯蓄金
(
ちよちくきん
)
を
取
(
とり
)
出
(
だ
)
し、
073
貧民窟
(
ひんみんくつ
)
に
持運
(
もちはこ
)
びなどして、
074
大
(
おほい
)
に
人心
(
じんしん
)
の
緩和
(
くわんわ
)
に
努
(
つと
)
めた。
075
されど
一旦
(
いつたん
)
燃
(
も
)
え
上
(
あが
)
つた
人心
(
じんしん
)
は
容易
(
ようい
)
に
治
(
をさ
)
まらず、
076
何時
(
いつ
)
大変事
(
たいへんじ
)
が
勃発
(
ぼつぱつ
)
するか
分
(
わか
)
らなくなつて
来
(
き
)
た。
077
賢平
(
けんぺい
)
の
力
(
ちから
)
も
取締
(
とりしまり
)
の
力
(
ちから
)
も
施
(
ほどこ
)
すに
由
(
よし
)
なきに
至
(
いた
)
つた。
078
加
(
くは
)
ふるに
地震
(
ぢしん
)
荐
(
しき
)
りに
至
(
いた
)
り
079
所々
(
しよしよ
)
に
大火災
(
だいくわさい
)
あり
080
収拾
(
しうしふ
)
す
可
(
べか
)
らざる
状態
(
じやうたい
)
となつた。
081
国依別
(
くによりわけ
)
、
082
末子姫
(
すゑこひめ
)
は
夜陰
(
やいん
)
に
紛
(
まぎ
)
れ
城内
(
じやうない
)
を
抜
(
ぬ
)
け
出
(
だ
)
し
083
数十
(
すうじふ
)
里
(
り
)
を
隔
(
へだ
)
てた
玉照山
(
たまてるやま
)
の
月
(
つき
)
の
宮
(
みや
)
に
立籠
(
たてこ
)
もつて、
084
国家
(
こくか
)
の
危急
(
ききふ
)
を
救
(
すく
)
ふべく、
085
老体
(
らうたい
)
乍
(
なが
)
ら
祈
(
いの
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
086
斯
(
かか
)
る
所
(
ところ
)
へ
087
ヒルの
国
(
くに
)
の
大王
(
だいわう
)
国照別
(
くにてるわけ
)
は
数多
(
あまた
)
の
勇
(
いさ
)
み
男
(
を
)
を
引
(
ひき
)
つれ、
088
珍
(
うづ
)
の
国
(
くに
)
救援
(
きうゑん
)
の
為
(
ため
)
に
夜
(
よ
)
を
日
(
ひ
)
についで
駆
(
か
)
けつけた。
089
岩治別
(
いははるわけ
)
は
愛州
(
あいしう
)
の
命
(
めい
)
に
依
(
よ
)
り、
090
ヒルの
国
(
くに
)
の
国照別
(
くにてるわけ
)
に
応援
(
おうゑん
)
を
請
(
こ
)
ふべく
091
アリナ
山
(
やま
)
の
頂上
(
ちやうじやう
)
迄
(
まで
)
登
(
のぼ
)
つた
所
(
ところ
)
、
092
ベツタリ
国照別
(
くにてるわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
に
出会
(
でつくは
)
し、
093
詳細
(
つぶさ
)
に
珍
(
うづ
)
の
国
(
くに
)
刻下
(
こくか
)
の
現状
(
げんじやう
)
を
述
(
の
)
べ、
094
国照別
(
くにてるわけ
)
も
意外
(
いぐわい
)
の
事
(
こと
)
に
驚
(
おどろ
)
き
乍
(
なが
)
ら、
095
一行
(
いつかう
)
数百
(
すうひやく
)
人
(
にん
)
都
(
みやこ
)
を
指
(
さ
)
して、
096
駿馬
(
しゆんめ
)
に
跨
(
また
)
がり
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
097
四五
(
しご
)
日
(
にち
)
の
後
(
のち
)
、
098
国照別
(
くにてるわけ
)
は
三年振
(
さんねんぶり
)
に
再
(
ふたた
)
び
自分
(
じぶん
)
の
故国
(
ここく
)
に
帰
(
かへ
)
り、
099
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
た
時
(
とき
)
は、
100
実
(
じつ
)
に
今昔
(
こんじやく
)
の
感
(
かん
)
に
打
(
う
)
たれざるを
得
(
え
)
なかつた。
101
大廈
(
たいか
)
高楼
(
かうろう
)
は
暴動
(
ばうどう
)
の
為
(
ため
)
に
爆破
(
ばくは
)
され、
102
富豪
(
ふうがう
)
の
邸宅
(
ていたく
)
は
焼
(
やき
)
払
(
はら
)
はれ、
103
至
(
いた
)
る
所
(
ところ
)
に
仮小屋
(
かりごや
)
が
建
(
た
)
てられ、
104
衆生
(
しゆじやう
)
の
悲惨
(
ひさん
)
な
生活
(
せいくわつ
)
状態
(
じやうたい
)
が、
105
国照別
(
くにてるわけ
)
の
仁慈
(
じんじ
)
に
富
(
と
)
める
心
(
こころ
)
を
痛
(
いた
)
めた。
106
国照別
(
くにてるわけ
)
は『ヒルの
国
(
くに
)
の
大王
(
だいわう
)
、
107
珍
(
うづ
)
の
国
(
くに
)
の
世子
(
せいし
)
国照別
(
くにてるわけ
)
』といふ
大旗
(
おほはた
)
を
風
(
かぜ
)
に
翻
(
ひるがへ
)
し
乍
(
なが
)
ら、
108
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
の
大道
(
だいだう
)
を
堂々
(
だうだう
)
と
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
つた。
109
此
(
この
)
旗印
(
はたじるし
)
を
見
(
み
)
て
衆生
(
しゆじやう
)
は
再生
(
さいせい
)
の
思
(
おも
)
ひをなし、
110
手
(
て
)
にした
兇器
(
きようき
)
を
投
(
なげ
)
捨
(
す
)
てて
地上
(
ちじやう
)
に
平伏
(
へいふく
)
したり。
111
かかる
所
(
ところ
)
へ
春乃姫
(
はるのひめ
)
、
112
常磐姫
(
ときはひめ
)
は
宣伝
(
せんでん
)
に
窶
(
やつ
)
れたる
黒
(
くろ
)
い
顔
(
かほ
)
をさらし
乍
(
なが
)
ら
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
113
国照別
(
くにてるわけ
)
の
応援
(
おうゑん
)
を
涙
(
なみだ
)
と
共
(
とも
)
に
感謝
(
かんしや
)
する。
114
又
(
また
)
国愛別
(
くにちかわけ
)
の
愛州
(
あいしう
)
は
数多
(
あまた
)
の
乾児
(
こぶん
)
と
共
(
とも
)
に、
115
高砂城
(
たかさごじやう
)
の
表門
(
おもてもん
)
に
待
(
まち
)
迎
(
むか
)
へ、
116
国照別
(
くにてるわけ
)
を
導
(
みちび
)
いて
城内
(
じやうない
)
深
(
ふか
)
く
入
(
い
)
つた。
117
松若彦
(
まつわかひこ
)
、
118
伊佐彦
(
いさひこ
)
は
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
地位
(
ちゐ
)
と
爵位
(
しやくゐ
)
を
抛
(
なげう
)
ち、
119
衆生
(
しゆじやう
)
の
前
(
まへ
)
に
丸裸
(
まるはだか
)
となつて
罪
(
つみ
)
を
謝
(
しや
)
した。
120
之
(
これ
)
より
国照別
(
くにてるわけ
)
、
121
春乃姫
(
はるのひめ
)
、
122
愛州
(
あいしう
)
の
国愛別
(
くにちかわけ
)
、
123
岩公
(
いはこう
)
の
岩治別
(
いははるわけ
)
は
評定所
(
ひやうぢやうしよ
)
に
入
(
い
)
つて、
124
政治
(
せいぢ
)
の
改革
(
かいかく
)
を
断行
(
だんかう
)
する
事
(
こと
)
となり、
125
国依別
(
くによりわけ
)
、
126
末子姫
(
すゑこひめ
)
を
玉照山
(
たまてるやま
)
より
迎
(
むか
)
へ
還
(
かへ
)
し、
127
ヒルの
国
(
くに
)
同様
(
どうやう
)
の
神政
(
しんせい
)
を
行
(
おこな
)
ひ、
128
愛州
(
あいしう
)
の
国愛別
(
くにちかわけ
)
を
妹
(
いもうと
)
の
春乃姫
(
はるのひめ
)
に
娶合
(
めあ
)
はし、
129
民衆
(
みんしう
)
に
推戴
(
すいたい
)
されて
国愛別
(
くにちかわけ
)
は
大王
(
だいわう
)
となり、
130
貧富
(
ひんぷ
)
の
懸隔
(
けんかく
)
を
打破
(
だは
)
し、
131
国民
(
こくみん
)
上下
(
しやうか
)
の
待遇
(
たいぐう
)
を
改善
(
かいぜん
)
し、
132
世
(
よ
)
は
平安
(
へいあん
)
無事
(
ぶじ
)
に
永遠
(
えいゑん
)
無窮
(
むきう
)
に
治
(
をさ
)
まつた。
133
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
134
○
135
珍
(
うづ
)
の
野
(
の
)
に
村雲
(
むらくも
)
起
(
おこ
)
り
月
(
つき
)
も
日
(
ひ
)
も
136
玉照山
(
たまてるやま
)
にかくれけるかな。
137
国愛別
(
くにちかわけ
)
神
(
かみ
)
の
誠
(
まこと
)
の
現
(
あら
)
はれて
138
醜
(
しこ
)
の
荒
(
すさ
)
びも
静
(
しづ
)
まりにけり。
139
霜
(
しも
)
の
朝
(
あさ
)
雪
(
ゆき
)
の
夕
(
ゆふべ
)
を
凌
(
しの
)
ぎつつ
140
春乃
(
はるの
)
の
姫
(
ひめ
)
の
御代
(
みよ
)
に
会
(
あ
)
ふかな。
141
高砂
(
たかさご
)
の
珍
(
うづ
)
の
御国
(
みくに
)
の
御柱
(
みはしら
)
と
142
現
(
あら
)
はれたてる
松
(
まつ
)
の
常磐木
(
ときはぎ
)
。
143
常磐姫
(
ときはひめ
)
松
(
まつ
)
の
操
(
みさを
)
のなかりせば
144
珍
(
うづ
)
の
御国
(
みくに
)
は
栄
(
さか
)
えざらまし。
145
岩治別
(
いははるわけ
)
司
(
つかさ
)
の
君
(
きみ
)
の
真心
(
まごころ
)
に
146
岩
(
いは
)
より
堅
(
かた
)
き
国
(
くに
)
は
立
(
た
)
ちぬる。
147
国照別
(
くにてるわけ
)
雲
(
くも
)
押
(
おし
)
分
(
わ
)
けて
下
(
くだ
)
りまし
148
月日
(
つきひ
)
輝
(
かがや
)
く
御代
(
みよ
)
となしぬる。
149
大老
(
たいらう
)
の
松若彦
(
まつわかひこ
)
も
魂
(
たましひ
)
を
150
やき
直
(
なほ
)
しつつ
鄙
(
ひな
)
に
下
(
くだ
)
りぬ。
151
伊佐彦
(
いさひこ
)
の
古
(
ふる
)
い
頭
(
あたま
)
も
衆生
(
しうじやう
)
の
152
烈
(
はげ
)
しき
声
(
こゑ
)
に
眼
(
まなこ
)
さめけり。
153
国愛別
(
くにちかわけ
)
珍
(
うづ
)
の
真人
(
まびと
)
は
高砂
(
たかさご
)
の
154
城
(
しろ
)
の
主
(
あるじ
)
となりにけるかな。
155
春乃姫
(
はるのひめ
)
国愛別
(
くにちかわけ
)
にあひ
添
(
そ
)
ひて
156
珍
(
うづ
)
の
御国
(
みくに
)
の
花
(
はな
)
となりぬる。
157
松依別
(
まつよりわけ
)
父
(
ちち
)
の
宝
(
たから
)
をあし
原
(
はら
)
の
158
醜草村
(
しこぐさむら
)
に
撒
(
ま
)
きすてにけり。
159
樽乃姫
(
たるのひめ
)
サデスムスをば
患
(
わづら
)
ひて
160
牢屋
(
ひとや
)
の
中
(
なか
)
に
斃
(
たふ
)
れけるかな。
161
国依別
(
くによりわけ
)
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
は
玉照
(
たまてる
)
の
162
神
(
かみ
)
の
御山
(
みやま
)
に
永久
(
とは
)
に
仕
(
つか
)
へし。
163
惟神
(
かむながら
)
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
の
現
(
あら
)
はれて
164
五六七
(
みろく
)
の
御代
(
みよ
)
は
豊
(
ゆた
)
かに
立
(
た
)
ちぬ。
165
此
(
この
)
話
(
はなし
)
高砂島
(
たかさごじま
)
の
事
(
こと
)
のみか
166
其
(
その
)
他
(
た
)
の
国
(
くに
)
にもありさうなこと。
167
天地
(
あめつち
)
のゆり
動
(
うご
)
くなる
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
は
168
心
(
こころ
)
許
(
ゆる
)
すな
何
(
いづ
)
れの
国
(
くに
)
も。
169
伊予
(
いよ
)
の
温泉
(
ゆ
)
に
病
(
やまひ
)
養
(
やしな
)
ふ
其
(
その
)
暇
(
ひま
)
に
170
成
(
な
)
りにけるかな
此
(
この
)
物語
(
ものがたり
)
。
171
此
(
この
)
書
(
ふみ
)
の
世
(
よ
)
に
出
(
い
)
づる
日
(
ひ
)
を
松村
(
まつむら
)
の
172
握
(
にぎ
)
りしペンの
勇
(
いさ
)
ましきかな。
173
世
(
よ
)
に
弘
(
ひろ
)
く
伝
(
つた
)
へむとして
物語
(
ものがた
)
りぬ
174
高砂洲
(
たかさごじま
)
の
雲
(
くも
)
の
往来
(
ゆきき
)
を。
175
(
大正一三・一・二五
旧一二・一二・二〇
伊予 於山口氏邸、
松村真澄
録)
176
(昭和一〇・六・二三 王仁校正)
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