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第五章 神秘の国

インフォメーション
題名:第5章 神秘の国 著者:出口王仁三郎
ページ:303 目次メモ:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-04-20 03:33:49 OBC :B121801c38
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]『東北日記』第8巻(昭和3年11月7日)
 神典や宗教や言霊学の方面から考へて見ると、古代日本の思想や文化の程度は、其の時代時代に於ける世界の文化よりは非常に早く進んで居たものである、そして又種々の思想や宗教や丈化が移入されて居るが、世界の宗主国と云はるる丈けあつて、凡ての物を抱擁して之を能く消化し日本化し、攻伐征戦の厄を見すして行はれたる事は、世界の歴史に未だ曾て類例のなき事実である。然も外来の思想や宗教や文化が全然淘汰訂正されて、日本思想となり、日本文化となつて完全に発達を遂げ、今や将に世界思想を指導しつゝある大本運動となつて現れたのである。
 それ計りでなく、美術や文芸史の語る所に於ても、更に近代文明思想の根基となつて居る科学思想を辿つても、古代の日本には既に西欧文化を凌駕する所の科学をもつて居た事は、神典古事記の明文に拠るも明かな事実である。
 現代文明国の進歩に比し、数萬年の昔に於て既に已に超越してゐた。之を立証するには、我国の歴史には余り多きに苦しむ程の証拠があるのである。斯の如く見来る時は、我国は実に神秘荘厳なる天立神国である事が分る。石器時代から昭和の今日に至るまで、一つの民族として惟神的に国是を創建し、国家建設第一日の日の高御座(たかみくら)を現代までそのままに捧持して、国家の元首は現津御神(あきつみかみ)として、一刻たりとも岩戸篭りを遊ばされた事の無い、神秘荘厳の国体である。
 即ち我々の奉侍する天皇は、天照大御神そのまゝの神におはしまし、主師親の三徳を具有し玉ひ、無始無終の高御座(たかみくら)に居らせらるゝのである。斯かる有難き御恩沢に浴して居る萬邦無比の国民は、一国一氏一族であつて、全国主従師弟親子のまゝに、朝日の豊栄(とよさか)昇りと共に、弥栄えに栄え、何等衰頽の事実無く、剛健質実地球の極から極まで発展して、窮りない現津御神(あきつみかみ)の国を建て拡げつつあるのである。
 このやうな神秘が何国の歴史に在らうか、斯の如き荘厳が何国の何処にあるだらうか、斯の如き剛健な民族が地球の何処に在つたであらうかと、吾人は三十年前より誇つて来たのであるが、僅かに歳月を経たる今日の日本の国状を、深夜密かに思ふ時、涙の滂沱として顋辺に伝ふ事度々である。
(昭和三、一一、七 東北日記第八巻)
我国は世界を救ふ神の国人類愛善の徳に靡けむ
支那政府休戦条約蹴破ぶりて懐柔県に(いくさ)を進む
河北省独立せむと支那将領はまたも無謀の事たくみ居り
わが軍は飛行機上より支那軍の撤退すべく注意書をまく
わが注意若し聞かざれば懐柔県の敵に対して爆撃はじめむ
聯盟を脱退したるわが国に対して世界の各国は迫り来
斯くなれば日本は世界に味方なしただ神のみがたよりなりけり
悪神の仕組やうやく完成しわが神国を襲はむと計る
この度は神と学との力くらべ最後は神に兜をぬぐべし
世界中向ふにまはして危険なるわが日の本の現状知らずも
うらやすき神の神苑(みその)に住みながら心にはなれぬ世界の現状
宗教もまた道徳も権威なくよこしまの道ひとりはびこる
シベリヤに独立国を築かずば日満両国あやふかるべし
マツソンは世界の隅ずみおちもなく世を乱さむとたくらみて居り
世の中の万事万端マツソンの計略のわなにおち入りてをり
地の上の国のことごと占有し壊さむとするフリーメーソン
神職は神をさとらず僧侶また仏を知らずあさましの世や
宗教家の数のみ殖えて神聖の宗教ことごとかげうせにけり
政治家も経済学者も教育者もこの国難に目を廻し居り
非常時に直面したる我国の前途を救ふ力は神なり
日地月星描きてたてる青年旗われは押立て御代につくさむ
宗教にあらず政治にあらずしてただわれは行かむ惟神の道
わが行けば到るところに青年旗飜りつゝ秋ふかみかも
(昭和八年十月廿六日)
(「昭和」昭和八年十二月号)
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