霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第六章 和合(わがふ)謝罪(しやざい)〔六五一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第19巻 如意宝珠 午の巻 篇:第2篇 意外の意外 よみ(新仮名遣い):いがいのいがい
章:第6章 和合と謝罪 よみ(新仮名遣い):わごうとしゃざい 通し章番号:651
口述日:1922(大正11)年05月07日(旧04月11日) 口述場所: 筆録者:藤津久子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年2月28日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高姫、黒姫、高山彦は、ウラナイ教の凋落を話し合っている。蠑螈別も本山を去ってどこかに行ってしまったという。そのうちに高姫と黒姫は、言い争いになってしまう。高姫は怒って部屋に閉じこもってしまった。
高山彦は黒姫をたしなめるが、逆に黒姫の怒りに触れてしまう。しかし高山彦の言霊で逆に機嫌を直し、高山彦は高姫と黒姫の仲を取り持つ役を担うことになった。
高山彦は、またもや巧みな言説で高姫の機嫌を取ると、黒姫の居間に戻ってきた。黒姫は高姫のところに行って、仲直りをした。
そして、今のうちに魔窟ケ原を引き払って本山に迎え取ろうと画策した。そのために鶴公と亀公を魔窟ケ原に遣わした。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-04-02 17:58:45 OBC :rm1906
愛善世界社版:88頁 八幡書店版:第4輯 62頁 修補版: 校定版:91頁 普及版:40頁 初版: ページ備考:
001 一葉(いちえふ)()ちて天下(てんか)(あき)()るとかや。002(かみ)(をしへ)不相応(ふさは)ぬフサの(くに)003北山村(きたやまむら)本山(ほんざん)ウラナイ(けう)頭株(あたまかぶ)004(こころ)(おご)高姫(たかひめ)が、005執着心(しふちやくしん)(むね)(やみ)006鼻高(はなたか)山彦(やまひこ)黒姫(くろひめ)は、007(おく)一間(ひとま)()()もり、008ウラナイ(けう)前途(ぜんと)()いて、009コソコソ協議(けふぎ)()らし()る。
010高姫(たかひめ)栄枯(ゑいこ)盛衰(せいすゐ)011会者(ゑしや)定離(ぢやうり)人生(じんせい)(つね)とは()(なが)ら、012よくも(これ)だけウラナイ(けう)は、013庭先(にはさき)紅葉(もみぢ)(かぜ)()(ごと)凋落(てうらく)したものだ。014()(ほど)熱心(ねつしん)活動(くわつどう)して()つた蠑螈別(いもりわけ)(けぶり)(ごと)(この)本山(ほんざん)から()えて(しま)ひ、015数多(あまた)部下(ぶか)信徒(しんと)四方(しはう)散乱(さんらん)し、016(まる)(かに)手足(てあし)もがれた(やう)敗残(はいざん)のウラナイ(けう)017(なん)とか回復(くわいふく)(みち)(かう)ぜねばなりますまいよ』
018黒姫(くろひめ)()出神(でのかみ)さまも(この)(さい)019ちつとどうかして()らつしやるのではありますまいかなア』
020高姫(たかひめ)()出神(でのかみ)(さま)外国(ぐわいこく)での()守護(しゆご)021世界(せかい)隅々(すみずみ)(まで)調(しら)べに()つて御座(ござ)るのだから(いま)はお留守(るす)だ。022(いづ)れお(かへ)りになれば、023()()守護(しゆご)になるのは(きま)つて()りますが、024さうだと()つて(この)(まま)放任(はうにん)して()けば(この)本山(ほんざん)は、025孤城(こじやう)落日(らくじつ)026土崩(どほう)瓦解(ぐわかい)憂目(うきめ)(あは)ねばなりませぬワ。027それよりも黒姫(くろひめ)さま、028竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(さま)(この)(ごろ)はどうして御座(ござ)るのでせう。029随分(ずゐぶん)()()かぬ(かみ)(さま)ですねエ。030コンナ(とき)()活動(くわつどう)(くだ)されば(よろ)しいのに』
031黒姫(くろひめ)竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(さま)貴方(あなた)もお筆先(ふでさき)御存(ごぞん)じの(とほ)り、032()出神(でのかみ)(さま)引添(ひつそ)うて一所(いつしよ)外国(ぐわいこく)()守護(しゆご)して()られるに(きま)つて()るぢやありませぬか。033高姫(たかひめ)(さま)は、034玉照姫(たまてるひめ)一件(いつけん)から何処(どこ)ともなしに、035ボーとなさいましたなア』
036高姫(たかひめ)黒姫(くろひめ)さまも()同様(どうやう)ぢやありませぬか。037貴女(あなた)は、038高山彦(たかやまひこ)さまが、039あちらにお()でになつてから、040日増(ひまし)に、041ボンヤリなされましたさうですよ。042()自分(じぶん)(こと)()自分(じぶん)には(わか)りますまいが、043寅若(とらわか)がそう()つてましたぞえ』
044黒姫(くろひめ)(なに)仰有(おつしや)います。045そう(ひと)見損(みそこ)なつて(もら)つては(こま)ります。046高山(たかやま)さまがお()でになつて以来(いらい)といふものは、047層一層(そういつそう)活動(くわつどう)しました。048それよりも高姫(たかひめ)さま、049()()うとお()(さは)るか()れませぬが、050蠑螈別(いもりわけ)さまが(この)本山(ほんざん)から姿(すがた)(かく)されてより、051層一層(そういつそう)気抜(きぬ)けがなさつた(やう)な、052(かん)ざましの(さけ)十日(とほか)()つて()いて()みた(やう)塩梅(あんばい)(しき)ですよ。053(たがひ)()取直(とりなほ)して(しつか)りと仕様(しやう)ではありませぬか。054あの三五教(あななひけう)御覧(ごらん)なさい。055旭日(きよくじつ)昇天(しようてん)(いきほひ)056まるでウラナイ(けう)なぞとは比較物(くらべもの)になりませぬワ』
057高姫(たかひめ)(にく)まれ()()覇張(はば)る、058()つて、059(あく)(さか)える()(なか)だ、060その(あく)()(さか)ゆる(をしへ)だから大概(たいがい)(わか)つて()りますよ。061(しか)九分(くぶ)九厘(くりん)(まで)(あく)身魂(みたま)()覇張(はば)る、062(ぜん)身魂(みたま)()ちて()ても一厘(いちりん)でグレンと(かへ)ると()出神(でのかみ)(さま)仰有(おつしや)る。063三五教(あななひけう)何程(なにほど)沢山(たくさん)(あつ)まつて()ても烏合(うがふ)(しう)ですよ。064(いづ)内裏(うちうら)から内閣(ないかく)瓦解(ぐわかい)運命(うんめい)(きざ)しかけて()ります。065ウラナイ(けう)少数(せうすう)でも、066善一筋(ぜんひとすぢ)(まこと)生粋(きつすゐ)大和(やまと)(だましひ)堅実(けんじつ)信仰(しんかう)団体(だんたい)だ。067万卒(ばんそつ)得易(えやす)一将(いつしやう)得難(えがた)しと()つてな、068少数(せうすう)なのは結構(けつこう)ですよ。069(あんま)瓦落多(がらくた)人足(にんそく)がガラガラ()つて()ると、070(つひ)(むし)わきまして水晶(すゐしやう)(みづ)(くさ)くなり、071孑孑(ぼうふり)わい鼻持(はなも)ちならぬ(にほひ)がし()し、072終局(しまひ)には(この)孑孑(ぼうふり)(はね)()えて飛散(ひさん)し、073(つひ)には(ひと)(あたま)()まつて生血(いきち)(しぼ)(やう)になります(わい)074(かなら)(かなら)()心配(しんぱい)なさいますな。075()()守護(しゆご)になれば一度(いちど)にグレンと(かへ)るお仕組(しぐみ)がして御座(ござ)います』
076黒姫(くろひめ)『さうすると(ぜん)(ばか)()()いて、077身魂(みたま)(くも)つた(もの)一人(ひとり)()せないと()(かみ)(さま)()方針(はうしん)ですかな』
078高姫(たかひめ)其処(そこ)惟神(かむながら)ですよ。079無理(むり)引張(ひつぱり)()つた(ところ)()らなきや仕方(しかた)がありませぬワ。080(また)何程(なにほど)引留(ひきと)めたつて(つな)()けて(しば)つて()(わけ)にもゆかず、081脱退(だつたい)する(もの)(これ)惟神(かむながら)(まか)して、082自由(じいう)行動(かうどう)()らして()くのですな。083(きた)(もの)(こば)まず、084()(もの)()はずと()ふのが(かみ)(さま)思召(おぼしめし)だ。085無理(むり)引張(ひつぱ)りに()つて(くだ)さるなよ、086時節(じせつ)(まゐ)りたら(かみ)(まこと)(もの)引寄(ひきよ)せて(まこと)御用(ごよう)をさすぞよ。087仰有(おつしや)るのだから、088そうヤキモキ心配(しんぱい)するには(およ)びませぬ(わい)
089黒姫(くろひめ)『それでも玉照姫(たまてるひめ)さまを無理(むり)引張(ひつぱつ)()いと()命令(めいれい)をなさつたぢやありませぬか』
090高姫(たかひめ)『それはあなたの量見違(りやうけんちがひ)だ。091無理(むり)()つぱらうとするから、092()(にが)したのだ。093(むか)うの(はう)から何卒(どうぞ)玉照姫(たまてるひめ)(さま)をお(あづか)(くだ)さいと()つて()(やう)に、094上手(じやうず)仕向(しむ)けぬから、095そンな(こと)にかけては抜目(ぬけめ)のない素盞嗚(すさのをの)(みこと)(うま)(こと)をやつたぢやないか。096(まへ)さまも随分(ずゐぶん)(かしこ)いお(かた)ぢやが、097千慮(せんりよ)一失(いつしつ)とか()つて、098(この)(たび)あの(けん)(かぎ)つては黒姫(くろひめ)さまの失敗(しつぱい)でしたよ』
099黒姫(くろひめ)『そうだと()つて、100愚図(ぐづ)々々(ぐづ)して()れば三五教(あななひけう)八九分(はちくぶ)()られて(しま)(やう)になつて()たのだから、101ソンナ(まは)(どほ)(こと)をして()つては、102六菖(ろくしやう)十菊(じつきく)()いを(のこ)さねばならぬと(おも)つたから非常(ひじやう)手段(しゆだん)をやつただけの(こと)です。103勝敗(しようはい)(とき)(うん)104(いま)になつて()ンだ()(とし)(かぞ)へたつて仕方(しかた)がありませぬワ。105貴方(あなた)余程(よほど)愚痴(ぐち)つぽくなつて、106取返(とりかへ)しのつかぬ愚痴(ぐち)(こと)()ひなさいますな』
107 高姫(たかひめ)(まゆ)をキリリとつり()げ、108ドシンと四股(しこ)()み、109(たたみ)()らしプリンと(しり)()け、110(つぎ)()姿(すがた)(かく)したり。
111高山彦(たかやまひこ)『コレコレ黒姫(くろひめ)さま、112(まへ)(なん)()()無礼(ぶれい)(こと)仰有(おつしや)るのだい。113大将(たいしやう)師匠(ししやう)無理(むり)()ふものだと(おも)へと何時(いつ)部下(ぶか)(もの)()つて()かせて()(なが)ら、114何故(なぜ)(ひと)(ひと)口答(くちごた)へをしたり、115()()めたりなさるのだ。116(なか)()つた(はしら)(わたし)(なん)とも挨拶(あいさつ)仕様(しやう)()いではないか』
117 黒姫(くろひめ)()(かど)()てて、
118黒姫『コレお(まへ)さま、119以前(いぜん)由良(ゆら)(かは)(わた)つた(とき)に、120(なん)でも()でも絶対(ぜつたい)服従(ふくじゆう)すると()つたぢやないか、121草履取(ざうりとり)にでもして()れと()つたではないか。122(いま)()亭主面(ていしゆづら)をして竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(さま)生宮(いきみや)()(こと)一々(いちいち)干渉(かんせう)なさるのか。123(だま)つて引込(ひつこ)みて()なさい、124(まへ)さまが(くび)()()して()しやばる(まく)ぢやないのだ。125(あま)差出口(さしでぐち)をしなさると箝口令(かんこうれい)励行(れいかう)しますぞ』
126高山彦(たかやまひこ)『ハイハイ竜宮(りうぐう)(さま)()逆鱗(げきりん)127もう()れからは沈黙(ちんもく)(まも)りますワイ』
128黒姫(くろひめ)何程(なにほど)黒姫(くろひめ)砲弾(はうだん)発射(はつしや)しても、129高山(たかやま)砲台(はうだい)沈黙(ちんもく)(まも)つて(けつ)して応戦(おうせん)してはなりませぬぞや。130二〇三(にひやくさん)高地(かうち)性念場(しやうねんば)になつて()るのに(はた)から(てき)援軍(ゑんぐん)()(たま)るものか』
131高山彦(たかやまひこ)『ハイハイ仕方(しかた)がありませぬ。132どつか、133渤海湾(ぼつかいわん)海底(かいてい)にでも伏艇(ふくてい)して形勢(けいせい)観望(くわんばう)()かけませう。134(しか)(なが)黒船(くろぶね)敵弾(てきだん)()けて苦戦(くせん)最中(さいちう)()()(わたし)は、135どうしても中立(ちうりつ)(てき)態度(たいど)()れませぬワ。136(なん)とか応援(おうゑん)(いた)()(やう)()(いた)します』
137 黒姫(くろひめ)(やや)機嫌(きげん)(なほ)し、
138黒姫『アヽさうかいなア、139それが真心(まごころ)(あら)はれと()ふものだ。140矢張(やつぱ)()になるかいなア、141夫婦(ふうふ)となれば()にかかると()える。142矢張(やつぱり)黒姫(くろひめ)のハズバンドとして相当(さうたう)資格(しかく)保有(ほいう)して御座(ござ)る。143(もと)(あか)他人(たにん)でも夫婦(ふうふ)愛情(あいじやう)()ふものは(また)格別(かくべつ)なものだ』
144(また)ニコニコ(わら)()すおかしさよ。
145 一天(いつてん)黒雲(くろくも)(みなぎ)暴風(ばうふう)()(おこ)雷鳴(らいめい)(とどろ)くかと(おも)ひきや、146高山彦(たかやまひこ)円滑(ゑんくわつ)なる言霊(ことたま)伊吹(いぶき)によつて黒雲(こくうん)(たちま)四方(しはう)飛散(ひさん)し、147明皎々(めいかうかう)たる満月(まんげつ)(ひかり)148中天(ちうてん)綺羅星(きらぼし)(あら)はれたる(ごと)天候(てんこう)一変(いつぺん)したりける。
149黒姫(くろひめ)『コレコレ高山彦(たかやまひこ)さま、150(まへ)さまは見掛(みか)けに()らぬ親切(しんせつ)(ひと)だつた。151(その)親切(しんせつ)吐露(とろ)して高姫(たかひめ)さまの()機嫌(きげん)(なほ)して()(くだ)さい。152(しか)親切(しんせつ)()くすと()つても程度(ていど)がありますよ』
153高山彦(たかやまひこ)随分(ずゐぶん)(むつ)かしい()註文(ちうもん)ですなア。154(その)程度(ていど)一寸(ちよつと)(わか)りませぬ、155何処迄(どこまで)()制限(せいげん)(あた)へて(くだ)さいな』
156黒姫(くろひめ)『エヽ不粋(ぶすゐ)(ひと)だなア。157そこはそれ、158不離(ふり)不即(ふそく)(あひだ)()つて円満(ゑんまん)解決(かいけつ)(はか)るのだ。159電波(でんぱ)(おく)るなぞは絶対(ぜつたい)禁物(きんもつ)ですからな』
160高山彦(たかやまひこ)(たれ)がアンナ()アさまに電波(でんぱ)(おく)つて(たま)るものか、161安心(あんしん)なさい』
162黒姫(くろひめ)()アさまに電波(でんぱ)(おく)らぬと仰有(おつしや)つたが、163高姫(たかひめ)さまが()アさまなら、164(わたし)はもう(ひと)()アさまだ、165そうするとお(まへ)余程(よほど)険呑(けんのん)(ひと)だナア。166これだから折角(せつかく)()()たお(たみ)を、167(うま)(こと)()つて高城山(たかしろやま)(まで)(はう)()したのだ。168コレ高山(たかやま)さま、169ソンナ(こと)()()のある(やう)な、170素人(しろうと)とは(ちが)ひますよ。171(この)(みち)にかけたら、172世界一(せかいいち)経験者(けいけんしや)だから、173(まへ)(やう)雛子(ひよつこ)とは(ちが)ひますよ、174(しつか)りとやつて()なさい。175これからは()アと()(こと)()つて(もら)ひますまい。176(とし)()つても(こころ)二八(にはち)花盛(はなざか)り、177霊主(れいしゆ)体従(たいじう)仕組(しぐみ)()つて(こころ)(おも)きを()くのだよ』
178高山彦(たかやまひこ)(おな)じ、179()アどつこい、180(むかし)(むすめ)でも貴方(あなた)(また)格別(かくべつ)ぢや、181どことは()しに、182()(ところ)があります(わい)
183黒姫(くろひめ)『それはそうだらう、184(しち)(しやく)男子(だんし)手鞠(てまり)(やう)飜弄(ほんろう)すると()黒姫(くろひめ)腕前(うでまへ)だから、185何程(なにほど)高山(たかやま)さまが、186地団太(ぢだんだ)()んだつて、187足許(あしもと)へも()()けるものか。188(しか)(なが)ら、189()()()けて、190(むかし)(むすめ)高姫(たかひめ)さまに(うま)()()つて()機嫌(きげん)回復(くわいふく)して()るのだ。191()()れも(おく)つてはなりませぬぞや』
192 高山彦(たかやまひこ)迷惑相(めいわくさう)顔付(かほつき)高姫(たかひめ)居間(ゐま)(おとづ)れた。193高姫(たかひめ)は、194夜着(よぎ)(あたま)(まで)グツスリ(かぶ)つて、195捨鉢(すてばち)気味(ぎみ)になつて(よこ)たはつて()る。
196高山彦(たかやまひこ)『モシモシ高姫(たかひめ)さま、197高山(たかやま)御座(ござ)います』
198高姫(たかひめ)『コレお(まへ)さま、199戸惑(とまど)ひをして()るのかな、200(わたし)黒姫(くろひめ)さまぢやありませぬよ。201貴方(あなた)のお()でになる(ところ)方角違(はうがくちがひ)ですよ。202サアサア トツトとあつちへ()つて(くだ)さい、203黒姫(くろひめ)さまに(いた)くも()(はら)(さぐ)られちやお(たがひ)迷惑(めいわく)だからなア』
204高山彦(たかやまひこ)『イエイエ(けつ)して(けつ)して()心配(しんぱい)(くだ)さいますな。205(やま)(かみ)(さま)公然(こうぜん)認可(にんか)()(まゐ)りました。206(じつ)(ところ)207黒姫(くろひめ)がお(わび)(まゐ)りますので御座(ござ)いますが、208どうも(あま)失礼(しつれい)(こと)(もの)(はづみ)申上(まをしあ)げ、209貴方(あなた)(あは)(かほ)がないところから、210(わたし)(かは)つて(うま)()機嫌(きげん)をドツコイ、211十分(じふぶん)()得心(とくしん)()(やう)にお(わび)をして()いと仰有(おつしや)いました。212何卒(どうぞ)黒姫(くろひめ)さまの脱線振(だつせんぶ)りは、213神直日(かむなほひ)大直日(おほなほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)不調法(ぶてうはふ)()(なほ)して()げて(くだ)さいませ』
214高姫(たかひめ)『コレコレお(まへ)さまは、215何時(いつ)()にやら下鶏(したどり)になつて(しま)つた。216何故(なぜ)それ(ほど)主人(しゆじん)のクセに奥様(おくさま)敬語(けいご)使(つか)ふのだい』
217高山彦(たかやまひこ)『ハイハイこれには、218(いは)因縁(いんねん)御座(ござ)います』
219高姫(たかひめ)因縁(いんねん)があるか(なん)だか()らぬが、220貴方(あなた)がさう()丁寧(ていねい)言霊(ことたま)使(つか)ひなさると、221自然(しぜん)夫婦仲(ふうふなか)()くなつてお目出度(めでた)い。222それだから(かかあ)大明神(だいみやうじん)で、223高山彦(たかやまひこ)さまはお目出度(めでた)いと(ひと)()ひますよ。224ホヽヽヽヽ』
225高山彦(たかやまひこ)(なん)でも結構(けつこう)です。226何卒(どうぞ)貴方(あなた)()機嫌(きげん)(なほ)して(くだ)さい。227さうすれば(この)目出度(めでた)(をとこ)(なほ)目出度(めでた)くなりますから、228和合(わがふ)して(くだ)さい』
229高姫(たかひめ)和合(わがふ)して(くだ)さいとはそれは(なに)()ひなさる。230一方(いつぱう)大将(たいしやう)大将(たいしやう)(いさか)ひを平和(へいわ)にするのは和合(わがふ)だが、231(なん)()つても、232(わたし)黒姫(くろひめ)さまとは師弟(してい)間柄(あひだがら)ぢやないか。233師匠(ししやう)(わたし)和合(わがふ)して()れなぞとチツと僣越(せんえつ)ぢやありませぬか。234今迄(いままで)のお()(さは)つた(ところ)何卒(どうぞ)(ゆる)(くだ)さいませと謝罪(しやざい)するのが当然(たうぜん)だ、235それをソンナ傲慢(ごうまん)不遜(ふそん)態度(たいど)では、236高姫(たかひめ)(はら)(むし)容易(ようい)にチヤキチヤキと承諾(しようだく)(いた)しませぬよ』
237高山彦(たかやまひこ)()(せつ)御尤(ごもつと)も、238夫婦(ふうふ)(なか)師弟(してい)(あひだ)混同(こんどう)して()ました。239これは黒姫(くろひめ)(わたくし)との(あひだ)(もち)ゆる言葉(ことば)御座(ござ)います。240高姫(たかひめ)のチヤチヤ(さま)241何卒(なにとぞ)黒姫(くろひめ)()無礼(ぶれい)242寛大(くわんだい)大御心(おほみこころ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)(ゆる)してやつて(くだ)さいませ』
243高姫(たかひめ)『アヽさうかいな、244さう(もの)()かれば、245(もと)より()のない喧嘩(けんくわ)だ。246どちらも(かみ)(おも)ひお(みち)(おも)うての(いさか)ひなのだから、247私人(しじん)としての(うら)みはチツとも()いのだ。248どうぞ黒姫(くろひめ)さまに(はや)此処(ここ)()(もら)つて(くだ)さい』
249高山彦(たかやまひこ)承知(しようち)(いた)しました。250黒姫(くろひめ)さまも(さぞ)(よろこ)びになる(こと)御座(ござ)いませう』
251高姫(たかひめ)『ソレ又々(またまた)252貴方(あなた)(おく)さまに(たい)して敬語(けいご)使(つか)ひなさる。253(あま)()つともよくない、254(つつし)みなさいや』
255高山彦(たかやまひこ)『ハイハイ以後(いご)(つつし)みます』
256(この)()()ち、
257高山彦『アヽ敬語(けいご)使(つか)はねば、258黒姫(くろひめ)さまには(しか)られるなり、259(こま)つた(こと)だ』
260(つぶや)きつつ黒姫(くろひめ)居間(ゐま)(かへ)(きた)り、261高山彦(たかやまひこ)(こわ)さうに、262(ふすま)をスーツと(ひら)き、263半分(はんぶん)()(ごし)になつて、264(かほ)(ばか)突出(つきだ)し、265形勢(けいせい)観望(くわんばう)態度(たいど)()つて()る。266黒姫(くろひめ)目敏(めざと)くこれを(なが)めて、
267黒姫『コレコレお(まへ)高山(たかやま)さまぢやないか。268(その)態度(たいど)一体(いつたい)どうしたのだい』
269(ふる)(ごゑ)呶鳴(どな)()けた。
270高山彦『ハイ、271ドドドーモ(いた)しませぬ』
272()ひつつびつくりして(しきゐ)(そと)にドスンと尻餅(しりもち)()きアイタヽヽヽ、
273黒姫(くろひめ)『コレ高山(たかやま)さま、274(なに)をしとるのだい。275這入(はい)つて()(はや)注進(ちうしん)なさらぬかい』
276 高山彦(たかやまひこ)はもぢもぢし(なが)ら、277()(にく)さうに、
278高山彦高姫(たかひめ)さまがそれはそれは()機嫌(きげん)(うる)はしく、279和合(わがふ)和合(わがふ)280謝罪(しやざい)謝罪(しやざい)281そこで和謝(わしや)(なに)()中立(ちうりつ)合罪(がふざい)
282黒姫(なん)だか歯切(はぎ)れのせぬ返事(へんじ)だな。283(なに)()もあれ、284高姫(たかひめ)さまのお居間(ゐま)にお(うかが)ひしよう、285何時迄(いつまで)兄弟(けいてい)(かき)(せめ)(やう)内輪(うちわ)喧嘩(げんくわ)継続(けいぞく)して()ても、286(たがひ)不利益(ふりえき)だ。287どれ、288これから和合(わがふ)して()ませう』
289高山彦(たかやまひこ)『モシモシ黒姫(くろひめ)さま、290和合(わがふ)はいけませぬよ』
291黒姫(なに)292和合(わがふ)不可(いかん)と、293喧嘩(けんくわ)をせいと()ひなさるのか』
294 高山彦(たかやまひこ)周章(あわて)気味(ぎみ)で、
295高山彦『イエ高姫(たかひめ)さまが、296喧嘩(けんくわ)株式(かぶしき)会社(くわいしや)創立(さうりつ)なさつて、297株券(かぶけん)募集(ぼしふ)したり、298社債(しやさい)謝罪(しやざい))を(おこ)したりするとか(なん)とか()つてましたよ。299(なん)でも些細(ささい)間違(まちが)ひで、300いつ(まで)蝸牛(くわぎう)角上(かくじやう)争闘(そうとう)(つづ)けて()るのは、301国家(こくか)内乱(ないらん)同様(どうやう)だから可成(なるべ)平和(へいわ)解決(かいけつ)(いた)します』
302 黒姫(くろひめ)委細(ゐさい)かまはず、303ドスンドスンと(ゆか)(ひび)かせ(なが)ら、304高姫(たかひめ)居間(ゐま)をさして(すす)()り、
305黒姫高姫(たかひめ)(さま)306()機嫌(きげん)如何(いかが)御座(ござ)います。307()無礼(ぶれい)(だん)(ひら)にお(わび)(いた)します』
308高姫『イヤ()無礼(ぶれい)はお(たがひ)(さま)で、309何卒(どうぞ)これからは感情(かんじやう)衝突(しようとつ)一掃(いつさう)(くるま)両輪(りやうりん)となつて、310神国(しんこく)成就(じやうじゆ)()めに活動(くわつどう)(いた)さうぢやありませぬか』
311黒姫有難(ありがた)御座(ござ)います。312何分(なにぶん)(よろ)しく()(ねが)(いた)します』
313高姫(とき)黒姫(くろひめ)さま、314自転倒(おのころ)(じま)魔窟(まくつ)(はら)(のこ)してある梅公(うめこう)315(その)()宣伝使(せんでんし)方々(かたがた)は、316愚図(ぐづ)々々(ぐづ)して()ると、317(また)もや三五教(あななひけう)に、318青彦(あをひこ)常彦(つねひこ)319夏彦(なつひこ)(やう)沈没(ちんぼつ)すると(こま)りますから、320(いま)(うち)本山(ほんざん)(むか)()つたらどうでせうか』
321黒姫『ハア()意見(いけん)(どほ)り、322黒姫(くろひめ)賛成(さんせい)(いた)します。323飛行船(ひかうせん)二艘(にそう)(ばか)り、324(つる)325(かめ)両人(りやうにん)操縦(さうじう)さして(むか)へて(かへ)つてはどうでせうか』
326高姫『それは至極(しごく)適任(てきにん)でせう。327コレコレ鶴公(つるこう)328亀公(かめこう)
329高姫(たかひめ)金切声(かなきりごゑ)()して()()()る。330(やが)(つる)331(かめ)二人(ふたり)は、332二艘(にそう)飛行船(ひかうせん)操縦(さうじう)して四五(しご)随員(ずゐゐん)(とも)天空(てんくう)(とどろ)かして(すす)()く。
333大正一一・五・七 旧四・一一 藤津久子録)

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