霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 言照姫(ことてるひめ)〔六五七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第19巻 如意宝珠 午の巻 篇:第3篇 至誠通神 よみ(新仮名遣い):しせいつうしん
章:第12章 言照姫 よみ(新仮名遣い):ことてるひめ 通し章番号:657
口述日:1922(大正11)年05月08日(旧04月12日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年2月28日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
門番長の竜若も、四人の姿を見て、自分も四足で這いながら奥へと入っていった。五人は松姫の庭前に現れると、動物のように唸り始めた。
松姫とお節は五人に話しかけるが、唸るだけで返事がない。松姫は神前に祈願するが、五人は獣のようになって一行に治る気配がない。自分も四つ這いになって罪滅ぼしをしようか、という松姫に対して、お節は人間に生まれながら畜生の真似をしてはならない、と諌めた。
お節の強い言葉に、松姫はお節に神前でお詫びを上げていただくようにお願いした。お節は天津祝詞を上げ、戻ってきて五人に呼びかけると、やっと五人は立ち上がって話すことができるようになった。
竜若は、馬公、鹿公への仕打ちに対するお詫びのつもりで四つ這いになったが、そうしたところ立つことも話すこともできなくなってしまった、と畜生道に堕ちた恐ろしさを語った。
松姫は、罪滅ぼしの心を褒めつつも、自愛の戒めを述べた。そして、実はすでに高姫、黒姫も三五教への改心を決めていたのだが、部下への示しのために、自分はウラナイ教を堅く守っていたのだ、と明かした。
しかし、こうしてお節や馬公、鹿公が誠を表して神様の戒めを実地に見せてくれたことで、帰順することができた、と感謝を表した。
そして、自分はこれから身魂磨きの修行に出ると宣言し、お節をこの館の主と定めると、庭先の草履を履いて外に飛び出し、夕闇に紛れて姿を消してしまった。
熊彦と虎彦は、慌てて松姫を連れ戻そうとするが、竜若はそれを戒めた。熊彦と虎彦は、これまでの松姫の恩を思えば見殺しにすることはできない、と怒って、竜若に殴りかかろうとする。
馬公と鹿公は、慌てて熊彦と虎彦を止めて、諌めるが、竜若は熊彦と虎彦の師匠を思う気持ちが嬉しいと、平伏する。お節も熊彦と虎彦に乱暴を止めるようにと平伏した。
するとどこからともなく喨々と音楽が聞こえ、一人のエンゼルが現れた。エンゼルは、神素盞嗚大神の使い・言照姫命を名乗ると、松姫の改心によって高姫、黒姫の罪は赦されたことを告げた。そして、松姫は神の守護によって神界に抜群の巧妙を表した後に、当館に戻ってくるであろう、と予言をなした。
エンゼルは、お節に玉能姫、竜若に竜国別、馬公に駒彦、鹿公に秋彦、熊彦に千代彦、虎彦に春彦と神名を授けた。一同に、お節=玉能姫を師として神業に全力を尽くすようにと言い渡すと、消えてしまった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-04-04 18:30:04 OBC :rm1912
愛善世界社版:193頁 八幡書店版:第4輯 101頁 修補版: 校定版:196頁 普及版:89頁 初版: ページ備考:
001 松姫館(まつひめやかた)表門(おもてもん)(つかさ)()ねたる受付役(うけつけやく)竜若(たつわか)は、002両手(もろて)()(ふか)思案(しあん)(しづ)折柄(をりから)003(くぐ)(もん)(くぐ)つてノタノタ()()()(にん)姿(すがた)(なが)めて()(おどろ)いた。004女神姿(めがみすがた)二人(ふたり)宣伝使(せんでんし)門外(もんぐわい)(けぶり)(ごと)姿(すがた)()した。
005 竜若(たつわか)(あや)しき()(にん)姿(すがた)()て、
006竜若『オイ其処(そこ)()くのは、007(くま)(とら)ぢやないか。008ヤー馬公(うまこう)鹿公(しかこう)009この(つめ)たい地上(ちじやう)四這(よつば)ひになつて(とほ)るとは、010こりや(また)()うした理由(わけ)だ』
011熊彦(くまひこ)(くま)012(とら)(ほん)守護神(しゆごじん)顕現(けんげん)だよ』
013竜若(たつわか)貴様(きさま)馬公(うまこう)014鹿公(しかこう)威喝(ゐかつ)殴打(おうだ)(いた)した罪人(ざいにん)だから、015当然(たうぜん)()()きだが、016馬公(うまこう)鹿公(しかこう)(また)()うしたものだ』
017馬公(うまこう)『ハイ(わたくし)(ほん)守護神(しゆごじん)(あら)はれました。018どうぞ(しり)でも(たた)いて()()んで(くだ)さい』
019竜若(たつわか)『ハテな』
020暫時(しばし)思案(しあん)(のち)自分(じぶん)(また)四這(よつば)ひになつて()いて()く、021()(にん)姿(すがた)(やかた)奥深(おくふか)()()んだ。022(おく)には松姫(まつひめ)023(せつ)両人(りやうにん)024(きり)丸火鉢(まるひばち)(はさ)んで(しき)りに()蔭話(かげばなし)(うつつ)()かしてゐる。025(こけ)()庭前(ていぜん)にノコノコ(あら)はれた()(にん)四這(よつば)姿(すがた)026二人(ふたり)(はなし)()()り、027(すこ)しも()珍姿(ちんし)怪体(くわいたい)()()かなかつた。028(けもの)になつた()(にん)人語(じんご)(はつ)すること(あた)はず、029二人(ふたり)自然(しぜん)()(そそ)ぐのをもどかしげに(まち)てゐる。030(まち)あぐんでか、031熊公(くまこう)(くま)(やう)に、
032熊彦(くまひこ)『ウン ウーン』
033一声(いつせい)(うな)る。034(つづ)いて虎公(とらこう)は、
035虎公『ウワー ウワアー』
036一生(いつしやう)懸命(けんめい)(うな)()てる。037馬公(うまこう)は、
038馬公『ヒン ヒン ヒン』
039(さけ)ぶ。040鹿公(しかこう)は、
041鹿公『カイロー カイロー』
042()く。043竜若(たつわか)沈黙(ちんもく)(まも)つてゐる。044()(こゑ)(おどろ)いて二人(ふたり)庭前(ていぜん)()やれば四這(よつば)ひになつた()(にん)(をとこ)045松姫(まつひめ)は、
046松姫『アーいやらしいこと、047(なん)でせうなア、048(せつ)さま』
049()()つて()げようとする。
050(せつ)『モシモシ松姫(まつひめ)さま、051さう(おどろ)くには(およ)びませぬ。052なんでもありませぬ、053竜若(たつわか)さまに熊彦(くまひこ)054虎彦(とらひこ)両人(りやうにん)さま、055それに三五教(あななひけう)馬公(うまこう)鹿公(しかこう)さまですよ。056ホヽヽヽヽ、057あのマアよう似合(にあ)ひますこと』
058 松姫(まつひめ)はやつと安心(あんしん)面色(おももち)にて、
059松姫『コレコレ竜若(たつわか)060熊彦(くまひこ)061虎彦(とらひこ)062冗談(ぜうだん)もよい加減(かげん)にしなさい。063女主人(をんなあるじ)だと(おも)つて(ひと)嘲弄(てうろう)するのかい。064なんだ()つともない。065(かみ)(さま)御用(ごよう)をする()であり(なが)ら、066(けが)らはしい(けだもの)真似(まね)をしたり、067(なん)(ざま)だ。068ちと(たしな)みなさらぬか』
069虎彦(とらひこ)『ウワー ウワー』
070熊彦(くまひこ)『ウー ウー』
071松姫(まつひめ)『アーア(こま)つたことになつて()た。072(たれ)()()(ちが)つたのだらうか。073これお(せつ)さま、074如何(どう)しませう』
075(せつ)『サア(こま)つたことですな、076()うしようと()つたところで仕方(しかた)()いぢやありませぬか。077コレコレ馬公(うまこう)078鹿公(しかこう)079(せつ)ですよ。080あまり()無礼(ぶれい)ぢやありませぬか』
081馬公(うまこう)『ヒンヒンヒン』
082鹿公(しかこう)『カイローカイロー』
083(せつ)『アヽ(かたみ)(うら)みの()いやうに、084両方(りやうはう)(とも)怪体(けつたい)なことになりましたな』
085松姫(まつひめ)()()(とき)には(かみ)(さま)より(ほか)解決(かいけつ)をつけて(くだ)さる(かた)はない、086アーア可憐想(かはゐさう)()(なが)畜生道(ちくしやうだう)()ちたのかいな。087人面(じんめん)獣心(じうしん)()ふことは()いて()るが、088此奴(こいつ)(また)獣体(じうたい)獣心(じうしん)になつた(やう)だ。089やつぱり(この)()にも地獄(ぢごく)もあれば、090餓鬼道(がきだう)091畜生道(ちくしやうだう)もあると()える。092アヽ(おそ)ろしい(おそ)ろしい。093コレコレ(みな)さま、094()つて()なさい。095どうしても()つことが出来(でき)ないのか。096最早(もはや)人間(にんげん)(くらゐ)()くなつたのかいな。097(くらゐ)()()は、098()(ひと)()くが、099此奴(こいつ)(また)完全(くわんぜん)四足(よつあし)ぢや、100アヽ可憐想(かはゐさう)に、101これと()ふのも松姫(まつひめ)()(つよ)いからだ。102ドレドレ(ひと)(かみ)(さま)にお(わび)(いた)しませう。103(せつ)さま、104貴女(あなた)はこの()(にん)(をとこ)看守(みまも)りをして()(くだ)さい。105(わたくし)はこれからお(みづ)でも(いただ)いて一生(いつしやう)懸命(けんめい)()祈念(きねん)(いた)します』
106真青(まつさを)(かほ)をして、107神前(しんぜん)()さして(すす)()る。108()(にん)(こゑ)(かぎ)りに『ウーウー』『ウワー』『ヒンヒン』『カイロカイロ』と(まけ)(おと)らず呶鳴(どな)()ててゐる。
109 (しばら)くあつて松姫(まつひめ)(この)()(あら)はれ、
110松姫『アヽお(せつ)さま、111一生(いつしやう)懸命(けんめい)(ねが)つて()ましたが、112まだ(みな)(しう)(なほ)りませぬかな』
113(せつ)『ハイ依然(いぜん)として最前(さいぜん)(とほ)り、114(には)()しげみへかたまつて()ひつくばうて()られます。115(やうや)(うな)(ごゑ)だけは()まつた(やう)です』
116松姫(まつひめ)『どう(いた)しませう。117(わたくし)仕方(しかた)()い、118罪滅(つみほろぼ)しに四這(よつば)ひになつて()うて()ませうか』
119(せつ)滅相(めつさう)な、120(なに)仰有(おつしや)います。121結構(けつこう)()つて(ある)ける人間(にんげん)(うま)(なが)ら、122(かみ)(さま)生宮(いきみや)軽蔑(けいべつ)し、123四足(よつあし)真似(まね)()さると(いま)()(にん)さまのやうに、124神罰(しんばつ)(あた)つて本当(ほんたう)四足(よつあし)になつて(しま)ひますよ』
125松姫(まつひめ)『それだと()つて(わたくし)責任(せきにん)()まぬぢやありませぬか。126(わたくし)畜生道(ちくしやうだう)()ちても(かま)ひませぬ、127苦楽(くらく)(とも)にするのが本当(ほんたう)です』
128(せつ)結構(けつこう)(かみ)生宮(いきみや)(うま)れて(その)(やう)(けが)らはしい(こと)()さると、129(ほん)守護神(しゆごじん)侮辱(ぶじよく)した(こと)になり、130(ほん)守護神(しゆごじん)愛想(あいさう)をつかして貴方(あなた)肉体(にくたい)脱出(だつしゆつ)し、131(ふく)守護神(しゆごじん)ばかりになつて(しま)ひます。132さうすればあのやうな浅猿(あさま)しいさまにならねばなりますまい。133人間(にんげん)(かみ)(さま)(たい)持身(ぢしん)責任(せきにん)があります。134(わが)()(かろ)んずると()ふことは、135所謂(いはゆる)大神(おほかみ)(さま)(かろ)んずるも同様(どうやう)136これ(くらゐ)(ふか)慢神(まんしん)(つみ)はありませぬ。137どうぞそれ(だけ)(おも)()まつて(くだ)さいませ』
138松姫(まつひめ)『そうだと()つて()惨状(さんじやう)(わたくし)として傍観(ばうくわん)する(こと)出来(でき)ませうか』
139(せつ)()()きなれば仕方(しかた)がありませぬ。140前車(ぜんしや)(くつが)へるは後車(こうしや)(いまし)め、141(かなら)(かなら)ずそんな真似(まね)をなさつてはなりませぬぞ』
142(こゑ)(ちから)()め、143(つね)(かは)つて(やや)気色(けしき)ばみ(しか)りつけるやうに()つた。144松姫(まつひめ)黙念(もくねん)として(かうべ)()れ、145悲歎(ひたん)(なみだ)()れてゐる。
146(せつ)人間(にんげん)()ふものは(おこな)ひが大切(たいせつ)です。147(ども)りの真似(まね)をすれば自然(しぜん)(ども)りとなり、148(おし)真似(まね)をすれば自然(しぜん)(おし)となり、149(つんぼ)真似(まね)をすれば(たちま)(つんぼ)となり、150(いざり)真似(まね)をすれば天罰(てんばつ)覿面(てきめん)(いざり)になつて(しま)ふのは、151(あらそ)はれぬ天地(てんち)真理(しんり)です。152それに人間(にんげん)(せい)()(なが)如何(いか)なる事情(じじやう)があるにもせよ、153勿体(もつたい)ない、154結構(けつこう)肉体(にくたい)四足(よつあし)真似(まね)をしたりすると()ふことがありますものか。155アレ()なさい()(にん)(かた)段々(だんだん)身体(からだ)様子(やうす)(けもの)らしくなるぢやありませぬか。156それに(また)人間(にんげん)(うま)(なが)(けが)らはしい、157(うま)ぢやの、158鹿(しか)ぢやの、159(くま)160(とら)161(たつ)なぞの(けもの)()をつけるものだから、162(たちま)(その)()(ごと)堕落(だらく)して(しま)ふ。163言霊(ことたま)(さち)はふ(くに)(まを)しますが、164言霊(ことたま)(ばか)りではありませぬ、165(おこな)ひの(さち)はひ(わざはひ)する()(なか)166どうしても人間(にんげん)()(きよ)くし、167(こころ)(きよ)め、168(おこな)ひを(ただ)しくせなくてはなりませぬ。169アヽ可憐想(かはゐさう)(わたくし)(およ)ばず(なが)ら、170言霊(ことたま)(もつ)()(なほ)して()ませう。171さすれば大慈(だいじ)大悲(だいひ)大神(おほかみ)(さま)一度(いちど)()(ゆる)(くだ)さるでせう』
172松姫(まつひめ)本当(ほんたう)(おどろ)きました。173どうぞ貴女(あなた)174(かみ)(さま)にお(わび)して(くだ)さいませ』
175(せつ)(かしこ)まりました』
176とお(せつ)立上(たちあが)り、177神前(しんぜん)(すす)()天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、178(をは)つて(ふたた)(この)()(あら)はれた。
179(せつ)『モシモシ竜若(たつわか)さま、180熊彦(くまひこ)さま、181虎彦(とらひこ)さま、182(かみ)(さま)()(ゆる)(くだ)さいました。183サアお()ちなさいませ。184(ひと)(ふた)()()(いつ)(むゆ)(なな)()(ここの)(たり)(もも)()(よろづ)
185 竜若(たつわか)(たちま)ちムツクと立上(たちあが)り、
186竜若(たつわか)『アヽ有難(ありがた)うございました』
187 (つい)熊彦(くまひこ)188虎彦(とらひこ)189(うま)190鹿(しか)()(にん)191(また)もやスツクと立上(たちあが)り、
192熊虎馬鹿の四人『コレハコレハお(せつ)さま、193よう(たす)けて(くだ)さいました。194エライ心得(こころえ)(ちが)ひを(いた)しました。195モウ今後(こんご)(けつ)して()んな馬鹿(ばか)なことは(いた)しませぬ』
196松姫(まつひめ)『コレ(たつ)197(くま)198(とら)(さん)(にん)さま、199(まへ)()んな馬鹿(ばか)(ざま)をして(わたくし)(こま)らしたのぢやないかいな』
200竜若(たつわか)『イエイエ滅相(めつさう)な、201(わたくし)門番(もんばん)(いた)して()りますと、202(くぐ)(もん)をノタノタ()うて()熊彦(くまひこ)203虎彦(とらひこ)姿(すがた)204こりや不思議(ふしぎ)だとよくよく()れば、205馬公(うまこう)206鹿公(しかこう)()(にん)(そろ)うてノタノタと四這(よつば)ひになつて(おく)(むか)つて(すす)んで()く。207ヤア此奴(こいつ)(くま)208(とら)209最前(さいぜん)無礼(ぶれい)(しや)する(ため)210謙遜(けんそん)(あま)()うてゆくのだな。211それに(つい)ても馬公(うまこう)212鹿公(しかこう)()つて(ある)くにしのびず、213()付合(つきあ)ひに()うてゆかつしやるのだ。214アヽ何方(どちら)(まこと)(まこと)()()ひ、215義理(ぎり)()()ひと感服(かんぷく)(あま)り、216大責任(だいせきにん)()つた(わたし)一人(ひとり)217人間(にんげん)らしう()つて(ある)(わけ)にも()かず、218(あま)(こころ)(はづ)かしさに四這(よつば)ひになつて()いて()ました。219さうした(ところ)二三間(にさんげん)(ある)(うち)本当(ほんたう)四足(よつあし)になつて(しま)ひ、220()つことも出来(でき)ず、221もの()(こと)出来(でき)なくなつたのです。222(じつ)(おそ)ろしいものです。223ナア熊彦(くまひこ)224虎彦(とらひこ)225(まへ)はどうだつた』
226 (くま)227(とら)一度(いちど)に、
228熊彦、虎彦(なん)だか本当(ほんたう)(けもの)になつたやうな心持(こころもち)がし、229(ふたた)()つて(ある)(こと)出来(でき)ないかと心配(しんぱい)してゐました。230(せつ)さまの()かげで畜生道(ちくしやうだう)(くるし)みを(たす)けて(いただ)きました。231有難(ありがた)うございます』
232心底(しんてい)から(うれ)(なみだ)(こぼ)して()る。
233(せつ)『アヽそれは大変(たいへん)(こと)になるとこでした。234今後(こんご)何卒(どうぞ)(つつし)んで(くだ)さいませ。235鹿公(しかこう)236馬公(うまこう)237(まへ)(まで)(なん)とした馬鹿(ばか)真似(まね)をなさるのぢや。238(わたし)大神(おほかみ)(さま)(はづ)かしい』
239馬公、鹿公『イヤどうも申訳(まをしわけ)がありませぬ。240以後(いご)屹度(きつと)心得(こころえ)ます』
241(せつ)馬公(うまこう)242鹿公(しかこう)243貴方(あなた)途中(みち)立派(りつぱ)女神(めがみ)さまにお()ひぢやなかつたか』
244馬公(うまこう)『ハイ()ひました』
245鹿公(しかこう)門前(もんぜん)まで(おく)つて(いただ)きました。246(しか)しそれ()()姿(すがた)がなくなつて(しま)つたのです』
247(せつ)『さうでせう。248貴方(あなた)(みづか)人格(じんかく)(おと)して馬鹿(ばか)真似(まね)()さるものだから、249流石(さすが)慈愛(じあい)(ぶか)女神(めがみ)(さま)もおあきれ(あそ)ばして、250(かへ)りになつたのだ。251(わび)をなさいませ』
252馬公(うまこう)有難(ありがた)うございます』
253鹿公(しかこう)今度(こんど)といふ今度(こんど)種々(いろいろ)(かみ)(さま)から実地(じつち)教育(けういく)(さづ)かりました』
254熊彦(くまひこ)(わたくし)は、255馬公(うまこう)256鹿公(しかこう)(たい)し、257(じつ)()るに()られぬ侮辱(ぶじよく)(あた)へ、258打擲(ちやうちやく)(くは)へました。259(しか)るに忍耐(にんたい)(つよ)きお二人(ふたり)さまは、260チツトも抵抗(ていかう)もなさらず、261(かへつ)(わたくし)(たち)感謝(かんしや)をされました。262智慧(ちゑ)(あさ)(わたくし)(ども)は、263馬鹿(ばか)か、264気違(きちが)ひかと(おも)うて益々(ますます)虐待(ぎやくたい)(いた)しましたので、265(こころ)(そこ)より恥入(はぢい)つて、266アヽ(わたくし)精神(せいしん)四足(よつあし)だつた、267人間(にんげん)らしく、268どうしてお(つち)(うへ)()つて(ある)けようかと、269懺悔(ざんげ)(あま)(ひと)つは謝罪(しやざい)のため四足(よつあし)真似(まね)(いた)しました』
270(なみだ)ぐむ。
271松姫(まつひめ)『アーアさうだつたか、272其処迄(そこまで)改心(かいしん)出来(でき)れば、273()んな結構(けつこう)なことはありませぬ。274(しか)(かみ)(さま)御教(みをしへ)に、275(かみ)(うやま)ひ、276(ひと)(うやま)ひ、277(わが)()(うやま)へと()ふことがあります。278何卒(どうぞ)人間(にんげん)身体(からだ)(かみ)(さま)結構(けつこう)なお(みや)だと(おも)つて、279仮令(たとへ)自分(じぶん)身体(からだ)でも粗末(そまつ)にしてはなりませぬ。280(わたし)もお(せつ)さまがお()(くだ)さらなかつたならば、281(まへ)さま()のやうに畜生道(ちくしやうだう)()ちるとこでございました。282サア(みな)さま、283打揃(うちそろ)つて(かみ)(さま)にお(れい)(まを)しませう。284(じつ)(ところ)はフサの(くに)本山(ほんざん)より、285高姫(たかひめ)(さま)286黒姫(くろひめ)(さま)()命令(めいれい)(くだ)り、287(こころ)(すで)三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)(いた)して()つたのですが、288部下(ぶか)(みな)さま(たち)(にはか)にそんな(こと)()つたところで()いて(くだ)さる道理(だうり)もなし、289どうしたらよからうかと(おも)(わづら)つて()りました。290(しか)るに(かみ)(さま)(なに)から(なに)まで()()なく、291(まこと)手本(てほん)(しめ)して(みな)さまの改心(かいしん)(うなが)して(くだ)さいました。292(この)(あひだ)からお(せつ)さまがお()でになり、293いろいろと言葉(ことば)(つく)して三五教(あななひけう)(かへ)るようとお(しめ)(くだ)さつたけれども、294(あま)易々(やすやす)帰順(きじゆん)すればお(せつ)さまの(をつと)(おも)真心(まごころ)(まこと)(あら)はれ(にく)いと(おも)つて、295わざと(こころ)にも()(こと)()うて頑張(ぐわんば)つて()りました。296さうして紫姫(むらさきひめ)(さま)()()(うへ)(あん)じて(たす)けたいと(おも)馬公(うまこう)297鹿公(しかこう)のお二方(ふたかた)(はな)()たしたいばつかりで、298今迄(いままで)頑張(ぐわんば)つて()たのです。299(わたし)(こころ)(そこ)から改心(かいしん)(いた)しましたのは、300大神(おほかみ)(さま)のお慈悲(じひ)(まを)すに(およ)ばずお(せつ)さまのお(ちから)と、301馬公(うまこう)鹿公(しかこう)主人(しゆじん)(おも)真心(まごころ)のお(ちから)でございます。302(わたし)のみかウラナイ(けう)一同(いちどう)(もの)帰順(きじゆん)するやうになりますのも、303(をつと)(おも)ふお(せつ)さまの至誠(しせい)と、304主人(しゆじん)(おも)馬公(うまこう)305鹿公(しかこう)忠義心(ちうぎしん)とのお(ちから)でございます。306(まこと)ほど結構(けつこう)なものは(この)()(なか)にございませぬ。307(わたし)今日(けふ)(かぎ)()(やかた)をあけて(しばら)修業(しうげふ)(まゐ)り、308身魂(みたま)(みが)くつもりでございます。309どうぞお(せつ)さま、310馬公(うまこう)311鹿公(しかこう)(とも)(この)(やかた)をお(まも)(くだ)さつて、312数多(あまた)信者(しんじや)(まこと)(みち)()いてやつて(くだ)さいませ。313貴方(あなた)(がた)(をつと)主人(しゆじん)大切(たいせつ)(おも)はるるのと同様(どうやう)に、314(わたし)師匠(ししやう)高姫(たかひめ)(さま)や、315黒姫(くろひめ)(さま)のために(つく)さねばなりませぬ。316どうぞ宜敷(よろし)くお(ねが)(いた)します。317(たつ)318(くま)319(とら)(その)()一同(いちどう)方々(かたがた)320(せつ)さまを(わたし)代理(だいり)(いな)321(わたし)()師匠(ししやう)さまと(あが)め、322鹿公(しかこう)323馬公(うまこう)高弟(かうてい)(あふ)いで、324仲好(なかよ)くお(みち)のために(つく)して(くだ)さい』
325()()庭先(にはさき)草履(ざうり)穿()くや(いな)や、326(ゆうべ)(やみ)(まぎ)れて何処(どこ)ともなく姿(すがた)(かく)しけり。
327 熊彦(くまひこ)(おどろ)きあわて、
328熊彦『ヤア竜若(たつわか)さま、329松姫(まつひめ)さまは到頭(たうとう)蒙塵(もうぢん)されました。330コラ()うして()られまい。331何処(どこ)までも()()けてお姿(すがた)()つけ()し、332(かへ)つて(もら)はねばなりますまい。333オイ虎彦(とらひこ)334サア足装束(あしごしらへ)をせい』
335竜若(たつわか)『オイ熊彦(くまひこ)336虎彦(とらひこ)337()()て、338()るものは()はず、339(きた)るものは(こば)まずぢや。340何事(なにごと)惟神(かむながら)(まか)して()けばよいのだ』
341熊彦(くまひこ)『オイ竜若(たつわか)342貴様(きさま)人情(にんじやう)()らぬ不徳漢(ふとくかん)だ。343今迄(いままで)師匠(ししやう)(あふ)いだ松姫(まつひめ)さまが、344吾々(われわれ)醜態(しうたい)御覧(ごらん)になつて(はづか)しさに()へかね、345結構(けつこう)(やかた)()てて何一(なにひと)()たず、346()()されたぢやないか。347春秋(しゆんじう)筆法(ひつぱふ)(もつ)()ふならば、348竜若(たつわか)349松姫(まつひめ)追放(つゐはう)すと()ふことになるぞ。350今迄(いままで)上役(うはやく)(かさ)着居(きを)つて(えら)さうに、351(くま)だの、352(とら)だのと(あご)(おれ)使(つか)()つたが、353(なん)ぢや、354()んな(とき)平然(へいぜん)として(かま)へて()(やつ)何処(どこ)にあるか。355モウ今日(けふ)(かぎ)上官(じやうくわん)でも兄弟子(あにでし)でも、356(なん)でも()いワ。357不徳(ふとく)(こら)すために、358コラ柔道(じうだう)百段(ひやくだん)鉄拳(てつけん)をお見舞(みま)(まを)さうか、359返答(へんたふ)如何(どう)だ』
360竜若(たつわか)『アハヽヽヽ、361(また)鍍金(めつき)()げかけたぞ。362(いま)のことを(わす)れたか。363また四足(よつあし)還元(くわんげん)したら如何(どう)するのだ』
364熊彦(くまひこ)『エー四足(よつあし)になつたつて(かま)ふものか。365国家(こくか)興亡(こうばう)旦夕(たんせき)(せま)()一刹那(いちせつな)366愚図(ぐづ)々々(ぐづ)して()場合(ばあひ)でないぞ。367間髪(かんぱつ)()れずとは()(こと)だ。368オイ竜若(たつわか)369貴様(きさま)今迄(いままで)松姫(まつひめ)(さま)殊恩(しゆおん)(よく)した代物(しろもの)だ、370()()場合(ばあひ)赤誠(せきせい)(あら)はし、371師弟(してい)(みち)(つく)すと()義侠心(ぎけふしん)はないか』
372虎彦(とらひこ)『コラ竜若(たつわか)野郎(やらう)373(なに)()()ぢとしてゐるのだ。374松姫(まつひめ)(さま)見殺(みごろ)しにする量見(りやうけん)か』
375竜若(たつわか)(やかま)しい()ふない。376貴様(きさま)のやうな慌者(あわてもの)()るから、377ウラナイ(けう)発達(はつたつ)せないのだ。
 
378(きみ)ならで(たれ)かは()らむ(わが)(こころ)
 
379松姫(まつひめ)(さま)(おれ)千万(せんばん)無量(むりやう)心中(しんちう)をよくお(さつ)(あそ)ばしてござるのだぞ。380貴様(きさま)のやうにうろたへ(さわ)いで(なん)になるか。381それだから平素(へいそ)から臍下(さいか)丹田(たんでん)心魂(しんこん)(しづ)めよと()うてあるぢやないか』
382熊彦(くまひこ)『アカンアカン、383そんな()口上(こうじやう)()つたつて、384(たれ)承諾(しようだく)するものかい。385卑怯者(ひけふもの)()が、386不徳漢(ふとくかん)()が』
387竜若(たつわか)『オイ、388それ(ほど)松姫(まつひめ)(さま)神業(しんげふ)邪魔(じやま)がしたければ、389(おれ)(かま)はずトツトと()け。390間誤(まご)々々(まご)して()るとお姿(すがた)紛失(ふんしつ)して(しま)ふぞ』
391熊彦(くまひこ)『エー忌々(いまいま)しい、392禄盗人(ろくぬすびと)()393サア虎彦(とらひこ)394首途(かどで)血祭(ちまつり)に、395仮令(たとへ)(くま)(とら)還元(くわんげん)したつて(かま)ふものか。396此奴(こいつ)(ひと)打撲(ぶんなぐ)つて(いさぎよ)出発(しゆつぱつ)しようぢやないか』
397虎彦(とらひこ)『ヨシヨシ合点(がつてん)だ』
398(はや)くも拳骨(げんこつ)(かた)前後(ぜんご)より(うち)かからむとする。399馬公(うまこう)400鹿公(しかこう)両人(りやうにん)利腕(ききうで)をグツと(にぎ)り、
401馬公、鹿公『ヤア()つた()つた』
402熊彦、虎彦()てと()つたつて(これ)()うして()たれるものか。403エー邪魔(じやま)して()れな、404(はな)(はな)せ』
405馬公(うまこう)『お(まへ)さまの(あせ)るのは(もつと)もだ。406(しか)(なが)松姫(まつひめ)(さま)をそれだけ(おも)真心(まごころ)は、407(じつ)感心(かんしん)だが、408贔屓(ひいき)引倒(ひきだふ)しとなつては、409(かへ)つて()まないぞ。410一生(いつしやう)懸命(けんめい)松姫(まつひめ)(さま)のお(ため)だと(おも)つてやつたことが、411(かへつ)師匠(ししやう)泥溝(どろつぼ)(おと)すことになるのだ。412マア冷静(れいせい)(かんが)へて()よ。413(あま)(ねつ)した(とき)公平(こうへい)判断(はんだん)出来(でき)ぬものだ。414此処(ここ)鎮魂(ちんこん)必要(ひつえう)(ところ)だ。415マアマア(おれ)(たち)(めん)じて(おも)(とど)まつて()れ。416屹度(きつと)松姫(まつひめ)(さま)(かみ)(さま)(たす)けられ、417立派(りつぱ)手柄(てがら)(あそ)ばすのだから』
418熊彦(くまひこ)馬公(うまこう)419そんな気休(きやす)めを()うて()れな』
420馬公(うまこう)『ナニ(けつ)して気休(きやす)めぢやない。421正真(しやうしん)正銘(しやうめい)(いつは)らざる(おれ)忠告(ちうこく)だ。422屹度(きつと)(まへ)のためにならぬやうなことはせないよ』
423熊彦(くまひこ)(おれ)はどうなつても(かま)はぬ。424松姫(まつひめ)(さま)見捨(みす)てる(わけ)にはいかない。425どうぞ(たの)みだから(はな)して()れ』
426虎彦(とらひこ)『オイ鹿公(しかこう)427どうぞ今度(こんど)(ばか)りは見遁(みのが)して()れ。428二人(ふたり)のものに自由(じいう)行動(かうどう)()らして(くだ)さい。429これが一生(いつしやう)(たの)みだ』
430竜若(たつわか)馬公(うまこう)431鹿公(しかこう)432(かま)うて(くだ)さるな。433これだけ貴方(あなた)親切(しんせつ)()つて(くだ)さつても、434(わたし)(なん)()つても(つう)じないやうな没分暁漢(わからずや)だから、435二人(ふたり)自由(じいう)(まか)して()きませう。436(しか)(なが)二人(ふたり)とも(じつ)(うる)はしい(あか)()全身(ぜんしん)(みなぎ)つて()る。437ヤア(くま)438(とら)439ようそこ(まで)師匠(ししやう)(おも)うて()れる。440(おれ)(なに)()はぬ、441(ただ)もうこの(とほ)りだ』
442()(あは)す。
443(せつ)『コレコレ熊公(くまこう)444虎公(とらこう)445どうぞ(おも)(とど)まつて(くだ)さい。446(せつ)がこの(とほ)りお(ねが)(いた)します』
447跣足(はだし)(まま)庭先(にはさき)()()り、448大地(だいち)にペタリと平伏(へいふく)し、449両手(りやうて)(あは)して(なみだ)(とも)(たの)みいる。
450 どこともなく嚠喨(りうりやう)たる音楽(おんがく)(ひびき)451一同(いちどう)はハツと(おどろ)(そら)見上(みあ)ぐる途端(とたん)(あら)はれた一人(ひとり)のエンゼル、452(こゑ)(すず)しく、
453エンゼル『われこそは(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)(おん)使(つかひ)言照姫(ことてるひめの)(みこと)なり。454松姫(まつひめ)改心(かいしん)()り、455ウラナイ(けう)教主(けうしゆ)高姫(たかひめ)456副教主(ふくけうしゆ)黒姫(くろひめ)(つみ)(ゆる)された。457(また)松姫(まつひめ)(かみ)守護(しゆご)(いた)し、458神界(しんかい)のために抜群(ばつぐん)功名(こうみやう)(あら)はし、459()ならず当館(たうやかた)(かへ)(きた)るべし。460(この)(うへ)はお(せつ)(たい)し、461玉能姫(たまのひめ)()神名(しんめい)(たま)ふ。462竜若(たつわか)(いま)より竜国別(たつくにわけ)463馬公(うまこう)駒彦(こまひこ)464鹿公(しかこう)には秋彦(あきひこ)465熊彦(くまひこ)には千代彦(ちよひこ)466虎彦(とらひこ)には春彦(はるひこ)神名(しんめい)(たま)ふ。467(なんぢ)()玉能姫(たまのひめ)()(あふ)協心(けふしん)戮力(りくりよく)神界(しんかい)のために全力(ぜんりよく)(つく)せ。468(かみ)(なんぢ)心魂(しんこん)守護(しゆご)天地(てんち)(かは)大業(たいげふ)万世(ばんせい)()てさせむ。469ゆめゆめ(うたが)ふこと(なか)れ』
470()(をは)り、471崇高(すうかう)なるエンゼルの姿(すがた)(けぶり)(ごと)()()せたまひぬ。
472 一塊(いつくわい)紫雲(しうん)室内(しつない)より戸外(こぐわい)(むか)つて(なが)()で、473中空(ちうくう)(たか)()(あが)る。474(ほし)満天(まんてん)燦然(さんぜん)として(かがや)(わた)り、475(ひがし)(やま)()三五(さんご)明月(めいげつ)皎々(かうかう)として(かがや)(はじ)め、476(かん)ばしき(かぜ)颯々(さつさつ)として()(きた)り、477一同(いちどう)心胆(しんたん)(あら)ふ。
478 アヽ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
479大正一一・五・八 旧四・一二 外山豊二録)
480(昭和一〇・六・三 王仁校正)
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