霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一四章 (こゑ)在所(ありか)〔六五九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第19巻 如意宝珠 午の巻 篇:第4篇 地異天変 よみ(新仮名遣い):ちいてんぺん
章:第14章 声の在所 よみ(新仮名遣い):こえのありか 通し章番号:659
口述日:1922(大正11)年05月09日(旧04月13日) 口述場所: 筆録者:藤津久子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年2月28日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
どこからともなく、赤子の声が聞こえてくる。幼児の鳴き声は、各人それぞれ違った方角から聞こえてきて、ばらばらの方角に探しに出たが、見つからない。
気がつくと、四人は天狗岩の根元に寝ていた。四人は山を駆け下りるが、その途中で玉照彦を抱いて上がってくる言照姫に出くわした。テルヂーと谷丸は、それぞれ自分たちの陣営に玉照彦を賜るように、と言照姫に懇願した。
言照姫は、互いに玉照彦の手を引っ張り合い、勝った方に玉照彦をやろう、と提案する。二人は玉照彦の手を引いて両側から引っ張り合うが、玉照彦が悲鳴をあげると、テルヂーは驚いて手を放してしまった。
谷丸は勝利を宣言するが、玉照彦本人が口を利いて、自分が痛がっているのに手を引き続けたバラモン教に行くのはいやだ、と言い出した。谷丸は言照姫に審判を仰ごうとするが、言照姫の姿は消えてしまっていた。
玉照彦は、こうなった以上は自分はどちらへ行くこともやめましょう、その代わり三五教の松姫という者が迎えに来るから、そちらに行くことにした、と語った。
そこへ松姫がやってきて、玉照彦に背を差し出し、背負って帰ろうとした。ウラル教とバラモン教の四人は目配せをすると、松姫に襲い掛かって打ちすえ、玉照彦を奪って逃げてしまった。
松姫はその場に気絶していたが、息を吹き返すと、そこには二柱の女神が立っていた。女神たちは、松姫に高熊山に行って玉照彦を奉迎するように、と言う。松姫が、玉照彦はウラル教とバラモン教に奪われてしまった、と言うと、女神たちは、彼らは貪欲に駆られて、石を玉照彦だと思い込んで運んでいったのだ、と明かした。
松姫はすっかり暮れた夜道を高熊山に向かって進んで行き、来勿止の関所までやってきた。松姫は通してくれるように頼むが、門番の勝公と竹公は門を開けない。そこへ来勿止神がやってきた。
松姫は平伏すると、来勿止神は、女神の報せによって、松姫が来るのを待っていたのだ、と伝えた。勝公は門を開いて松姫を通した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-04-12 17:00:26 OBC :rm1914
愛善世界社版:238頁 八幡書店版:第4輯 118頁 修補版: 校定版:242頁 普及版:111頁 初版: ページ備考:
001 谷丸(たにまる)002鬼丸(おにまる)003テルヂー、004コロンボの()(にん)堺峠(さかひたうげ)天狗岩(てんぐいは)(あと)にし(なが)ら、005山麓(さんろく)老松(らうしよう)根元(ねもと)()え、006玉照彦(たまてるひこ)幼児(えうじ)(かく)場所(ばしよ)(はし)()いた。007谷丸(たにまる)は、008()(まる)くして、009此処(ここ)彼処(かしこ)(さが)(まは)し、010(さん)(にん)吾一(われいち)功名(こうみやう)せむと、011血眼(ちまなこ)になつて、012谷丸(たにまる)()(あと)(したが)ひ、013捜索(そうさく)(はじ)めた。014(たちま)(きこ)ゆる赤児(あかご)()(ごゑ)015谷丸(たにまる)立止(たちど)まり、016(うで)()み、017()(ごゑ)(いづ)れより(きた)るかを(かんが)へて()る。
018谷丸(たにまる)(たしか)此処(ここ)に、019()かせ(まを)して()いた(はず)だ、020それに形跡(けいせき)だに(のこ)つてゐないのみならず、021()(こゑ)(きこ)えて()るがトント方角(はうがく)(わか)らない。022(ひがし)(きこ)える(やう)でもあるし、023西(にし)(やう)でもあるし、024西(にし)かと(おも)へば(みなみ)(きこ)えるし、025(みなみ)かと(おも)へば、026(きた)(きこ)える(やう)だし、027ハテナ、028こいつは、029(きつね)(やつ)030玉照彦(たまてるひこ)(さま)(くは)へて、031其処中(そこらぢう)迂路(うろ)ついて()やがるのだな、032オイ(おれ)(ひがし)(さが)すから、033鬼丸(おにまる)034貴様(きさま)西(にし)(はう)(さが)して()れ。035そして、036テルヂー、037コロンボ二人(ふたり)は、038(みなみ)039(きた)手分(てわ)けして捜索(そうさく)して(くだ)さい。040(その)(かは)(たれ)見付(みつ)けても共有(きよういう)だから(その)()もりで(ねが)ひますよ』
041テルヂー『(その)約束(やくそく)間違(まちが)ひありませぬなア。042イヤ面白(おもしろ)い。043さあコロンボ、044貴様(きさま)(みなみ)()け、045(おれ)(きた)(はう)(さが)して()る』
046 不思議(ふしぎ)にも、047幼児(えうじ)泣声(なきごゑ)は、048谷丸(たにまる)(みみ)には(ひがし)(もつと)(たか)(きこ)えて()る。049鬼丸(おにまる)には西(にし)(はう)(きこ)える。050コロンボの(みみ)には(みなみ)(きこ)える。051テルヂーの(みみ)には(たしか)(きた)(はう)から(きこ)えて()る。
052 ()(にん)東西(とうざい)南北(なんぼく)に、053(あはただ)しく、054(こゑ)(たづ)ねて()()した。055()(にん)(みみ)(きこ)ゆる猛烈(まうれつ)()(ごゑ)056各自(かくじ)前後(ぜんご)左右(さいう)より(ひび)いて()る。057()(にん)(その)(こゑ)に、058(みみ)引張(ひつぱ)られる(やう)に、059(からだ)をキリキリ()ひさせ、060()(まは)して()(にん)(とも)061バタリと(たふ)れた。062一時(いつとき)(ばか)()(にん)()(こゑ)も、063(かぜ)(おと)(しづ)まり閑寂(かんじやく)(まく)()ろされた。064()はそろそろと()(はな)れ、065(ひがし)(そら)(くも)()()けて(のぼ)(たま)天津(あまつ)()御影(みかげ)(てら)され、066(おのおの)一度(いちど)()(さま)せば、067(あに)(はか)らむや、068()(にん)天狗岩(てんぐいは)根元(ねもと)にヅブ()れになつて(ねむ)りゐたりき。
069谷丸(たにまる)『アヽ(なん)だ、070(ゆめ)()()たのか、071矢張(やつぱり)天狗岩(てんぐいは)(そば)だから鼻高(はなだか)(やつ)072(おれ)(たち)一寸(ちよつと)チヨロマカしやがつたのだな。073それにしても、074肝腎(かんじん)の、075玉照彦(たまてるひこ)(さま)何処(どこ)にお()でになつたのだらう。076アヽ此処(ここ)御座(ござ)つた、077有難(ありがた)有難(ありがた)い、078玉照彦(たまてるひこ)(さま)どうぞ(ゆる)して(くだ)さいませ。079貴方(あなた)一人(ひとり)をこんな(いは)(うへ)に、080()()かし(まを)し、081吾々(われわれ)前後(ぜんご)()らず寝込(ねこ)んで(しま)ひました』
082()ひつつ(そば)()り、083()()げむとしたるに、084玉照彦(たまてるひこ)全身(ぜんしん)冷切(ひえき)つて(こほり)(ごと)くに(つめ)たくなつて()る。
085谷丸(たにまる)『オイ鬼丸(おにまる)086玉照彦(たまてるひこ)(さま)(つめ)たくなつて()らつしやる、087こりやマア()うしたら()からうかなア』
088鬼丸(おにまる)『そりや(ゆめ)(なか)()(とほ)(いし)ぢやありませぬか』
089谷丸(たにまる)『ヤア如何(いか)にも、090此奴(こいつ)(ゆめ)(とほ)矢張(やつぱり)(いし)だつた』
091 テルヂー、092コロンボ一度(いちど)に、
093テ、094コ『アハヽヽヽ、095(まこと)(まこと)に、096()挨拶(あいさつ)仕様(しやう)御座(ござ)いませぬ、097もう()うなつた以上(いじやう)何程(なにほど)()いても(くや)んでも(いし)(もの)()(ためし)御座(ござ)いませぬ、098どうぞ鄭重(ていちよう)(とむら)うて()げて(くだ)さい。099さあコロンボ、100(ゆめ)(ところ)()くのだ』
101駆出(かけだ)す。102谷丸(たにまる)103鬼丸(おにまる)(つづ)いて駆出(かけだ)したり。
104 (さか)中程(なかほど)(まで)(くだ)(きた)(をり)しも、105(みづ)(したた)(ごと)一人(ひとり)美人(びじん)106玉照彦(たまてるひこ)()いて(のぼ)(きた)るに出会(であ)つた。
107テルヂー『モシモシ、108貴方(あなた)言照姫(ことてるひめ)(さま)では御座(ござ)いませぬか』
109美人(びじん)『ハイ左様(さやう)御座(ござ)います。110(いま)玉照彦(たまてるひこ)(かみ)(さま)保護(ほご)して此処迄(ここまで)(まゐ)りました』
111テルヂー『(へん)(こと)(まを)しますが、112何卒(どうぞ)ウラル(けう)(かみ)(さま)として大切(たいせつ)(いた)しますから、113吾々(われわれ)(くだ)さいますまいか』
114言照姫(ことてるひめ)『ハイ何誰(どなた)かに(もら)つて(もら)はねばならないのですから、115(のぞ)みとあれば、116()うとも(いた)しませう』
117 ()かる(ところ)へ、118谷丸(たにまる)119鬼丸(おにまる)(おつ)かけ(きた)り、
120(たに)121(おに)『ヤア玉照彦(たまてるひこ)(さま)御座(ござ)いましたか、122大変(たいへん)にお(した)(まを)(さが)して()りました。123サアサア何卒(どうぞ)谷丸(たにまる)へお()(くだ)さいませ。124(わたくし)()いて()げませう』
125言照姫(ことてるひめ)『お(まへ)は、126谷丸(たにまる)さまぢやないか。127(わたくし)不在中(ふざいちゆう)に、128岩窟(いはや)(なか)から(ぬす)()し、129大切(たいせつ)にする(こと)か、130あのやうな茨室(いばらむろ)(みの)()いて、131捨子(すてご)同様(どうやう)にして()きなさつたぢやないか。132どうして貴方(あなた)に、133(この)(たふと)玉照彦(たまてるひこ)(さま)安心(あんしん)してお(あづ)(まを)(こと)出来(でき)ませうか』
134谷丸(たにまる)『イヤ(まこと)()みませぬ。135(なに)()つても、136ウラル(けう)のテルヂーが(ねら)つて()るのですから、137()られちや大変(たいへん)と、138(いばら)(なか)とは()らず、139朧月夜(おぼろづきよ)(こと)とて間違(まちが)ひ、140()かせ(まを)したのです。141どうぞ(わたくし)(くだ)さいませ』
142言照姫(ことてるひめ)()両方(りやうはう)から懇望(こんもう)されては、143一方(いつぱう)()てれば一方(いつぱう)()まず、144処置(しよち)(こま)ります。145そんなら()(いた)しませう。146玉照彦(たまてるひこ)(さま)()(うま)(あそ)ばしてからまだ(ひやく)(にち)にもなりませぬが、147ちよいちよい(もの)仰有(おつしや)る、148立歩(たちあゆ)みもなさいますから、149ウラル(けう)のテルヂーとバラモン(けう)谷丸(たにまる)とお二人(ふたり)両方(りやうはう)()(にぎ)つて、150玉照彦(たまてるひこ)(さま)引張合(ひつぱりあ)ひして(くだ)さい。151引張(ひつぱ)つて()(はう)()げませう』
152 ()(にん)一度(いちど)に、
153四人『さう(ねが)へば公平(こうへい)結構(けつこう)です』
154 言照姫(ことてるひめ)玉照彦(たまてるひこ)坂道(さかみち)真中(まんなか)()ろした。155玉照彦(たまてるひこ)左右(さいう)()両方(りやうはう)()()ばし、
156玉照彦(たまてるひこ)『サア(ぼん)()引張(ひつぱ)つて(くだ)さい。157()つたお(かた)(はう)(まゐ)ります。158(しか)しソツと()いて(くだ)さいや』
159谷丸、テルヂー承知(しようち)(いた)しました』
160谷丸(たにまる)161テルヂーの二人(ふたり)は、162左右(さいう)()(あら)はれ、163(こし)(かが)めて、164()(ひく)玉照彦(たまてるひこ)()をグツト(にぎ)(ちから)(きは)めて、
165谷丸、テルヂー『サア玉照彦(たまてるひこ)(さま)166(わたくし)(はう)()(くだ)さい』
167と、168一生(いつしやう)懸命(けんめい)169(うで)()ける(ほど)引張(ひつぱ)る。
170玉照彦(たまてるひこ)『アヽ(いた)(いた)い、171(いた)いわいなア』
172(かほ)(しか)()()す。173テルヂーは(この)(こゑ)(おどろ)いて、174(おも)はず()(はな)した。
175谷丸(たにまる)『サア(いよいよ)こちらの(もの)ぢや。176玉照彦(たまてるひこ)(さま)177()苦労(くらう)(なが)ら、178今日(けふ)から、179バラモン(けう)(かみ)(さま)になつて(くだ)さい』
180 玉照彦(たまてるひこ)181(かぶり)()り、
182玉照彦(たまてるひこ)『イヤイヤ テルヂーの(はう)()世話(せわ)になります』
183谷丸(たにまる)『そりやあ約束(やくそく)(ちが)ふぢやありませぬか』
184玉照彦(たまてるひこ)貴方(あなた)は、185(わたくし)悲鳴(ひめい)()げて(いた)がつて()るのに、186(かま)はずに引張(ひつぱ)つたぢやありませぬか、187あの(とき)にテルヂーが(はな)して(くだ)さらなかつたら、188(わたし)(からだ)(ふた)つに千切(ちぎ)れて()るのです。189愛情(あいじやう)(ふか)いテルヂーに()世話(せわ)になります』
190谷丸(たにまる)小難(こむつ)かしい(こと)(おつ)しやいますなア、191チト(くらゐ)辛抱(しんばう)して(くだ)さつても()いぢやありませぬか。192モシモシ言照姫(ことてるひめ)(さま)193どうぞ()みの()(かあ)(さま)貴方(あなた)からよく()つて(くだ)さいな』
194()()()れば、195こは如何(いか)に、196言照姫(ことてるひめ)姿(すがた)最早(もはや)(かげ)(かたち)もない。
197玉照彦(たまてるひこ)(わたし)()()うなる以上(いじやう)は、198どちらへも(まゐ)(こと)()めませう。199(いま)ウラナイ(けう)松姫(まつひめ)さまが、200(むか)へに()(くだ)さるから、201そちらへ()きます』
202 (この)(とき)トボトボと(さか)(のぼ)つて()一人(ひとり)(をんな)がありしが、203玉照彦(たまてるひこ)(うれ)しさうに、
204玉照彦『ヤア、205其方(そなた)松姫(まつひめ)か、206よう(むか)へに()()れた。207サアサア()れて()つておくれ』
208松姫(まつひめ)『これはこれは玉照彦(たまてるひこ)(さま)209(こが)(した)うて(まゐ)りました。210サア(わたくし)(おん)()して(しん)ぜませう』
211背中(せなか)()()す。212()(にん)()()見合(みあは)(なが)ら、213松姫(まつひめ)前後(ぜんご)左右(さいう)より()()き、214鉄拳(てつけん)(もつ)(たた)きつけ、215悲鳴(ひめい)()げて(たふ)れるのを見済(みす)まし、216玉照彦(たまてるひこ)引攫(ひつさら)へ、217()(にん)(はやし)(しげ)みに姿(すがた)(かく)したり。
218 松姫(まつひめ)暴漢(ばうかん)乱打(らんだ)され(たちま)気絶(きぜつ)して坂道(さかみち)(たふ)()たりしが、219(その)()夕暮(ゆふぐれ)(ごろ)フト(いき)()(かへ)し、220四辺(あたり)()れば、221(うるは)しき二柱(ふたはしら)女神(めがみ)222儼然(げんぜん)として(その)(まへ)()(たま)ふ。
223女神(めがみ)一『(そなた)高城山(たかしろやま)松姫(まつひめ)であらう。224サア、225(わらは)(したが)つて(これ)より、226高熊山(たかくまやま)岩窟(いはや)(まゐ)りませう』
227松姫(まつひめ)(いづ)れの(かみ)(さま)(ぞん)じませぬが、228ようマア(たす)けて(くだ)さいました。229(わたくし)悪者(わるもの)(しひた)げられ気絶(きぜつ)をして、230(とほ)(とほ)()()旅行(りよかう)をやつて()ました。231(ところ)二人(ふたり)女神(めがみ)(さま)(あら)はれて、232コレ松姫(まつひめ)233此処(ここ)(なん)心得(こころえ)()る、234幽界(いうかい)入口(いりぐち)であるぞや。235(なんぢ)はまだまだ幽界(いうかい)()()(とき)でない、236サアサア(わらは)(おく)つてやるから、237仰有(おつしや)つたと(おも)へば()()きました。238()れば幽界(いうかい)()女神(めがみ)(さま)と、239寸分(すんぶん)間違(まちが)ひのない()二方(ふたかた)(さま)240(かげ)(いのち)(たす)けて(いただ)きました』
241()(あは)感謝(かんしや)(なみだ)にくれて()る。
242女神(めがみ)二『サア松姫(まつひめ)どの、243高熊山(たかくまやま)玉照彦(たまてるひこ)(さま)をお(むか)へに()きませう』
244松姫(まつひめ)『あの玉照彦(たまてるひこ)(さま)はたつた(いま)245悪者(わるもの)(さら)はれて()かれました。246最早(もはや)247高熊山(たかくまやま)には()らつしやいますまい』
248女神(めがみ)一『オホヽヽヽ、249今朝(けさ)ウラル(けう)とバラモン(けう)宣伝使(せんでんし)()たでせう。250(かれ)()貪欲心(どんよくしん)(から)まれ、251(まなこ)(くら)み、252(いし)くれを玉照彦(たまてるひこ)(さま)(おも)(ちが)へ、253(よろこ)んで()(かへ)つたのです。254サアこれから、255貴女(あなた)()()(なほ)し、256単身(たんしん)岩窟(がんくつ)(すす)み、257言照姫(ことてるひめ)にお()ひなされて、258玉照彦(たまてるひこ)(さま)をお()(まを)してお(かへ)りなさい。259(わらは)来勿止(くなどめ)(まで)(おく)つて()げませう。260それから(おく)貴女(あなた)一人(ひとり)のお(はたら)きです。261(わらは)(たち)二柱(ふたはしら)262手伝(てつだ)(まを)すは(やす)(こと)(なが)ら、263それでは貴女(あなた)()手柄(てがら)にはなりませぬから、264(こころ)丈夫(ぢやうぶ)(もつ)てお()でなさいませ』
265松姫(まつひめ)(なに)から(なに)(まで)266有難(ありがた)御座(ござ)います。267言葉(ことば)(あま)へて来勿止(くなどめ)(まで)(おく)つて(いただ)きませうか。268さうして、269貴女(あなた)(さま)()神名(しんめい)(なん)(まを)します』
270 二人(ふたり)女神(めがみ)はニコリと(わら)ひ、
271二人の女神(いづ)(わか)時節(じせつ)(まゐ)りませう。272此処(ここ)では一寸(ちよつと)(まを)()()ねます』
273()()ち、274足早(あしばや)に、275山奥(やまおく)()して(すす)(たま)ふ。276松姫(まつひめ)は、277二女神(にぢよしん)(あと)(したが)ひ、278(こころ)いそいそ(あゆ)()したり。
279二女神(にぢよしん)『もう二三丁(にさんちやう)(さき)が、280来勿止(くなどめ)関所(せきしよ)御座(ござ)います。281吾々(われわれ)此処(ここ)でお(わか)(いた)します。282(いづ)(あらた)めてお()にかかる(こと)御座(ござ)いませう。283左様(さやう)なら』
284()ふかと(おも)へば二女神(にぢよしん)姿(すがた)(たちま)ちかき()(ごと)()えなくなりぬ。285松姫(まつひめ)盲人(めくら)(つゑ)(うしな)つた(ごと)く、286暗夜(あんや)提灯(ちやうちん)()られた(ごと)心地(ここち)して、287(おも)(あし)を、288希望(きばう)(くるま)()せられ、289引摺(ひきず)つて()く。290()(すで)黄昏(たそが)れ、291十七夜(じふしちや)(つき)はまだ(のぼ)(たま)はざる(いち)(くら)(どき)292来勿止(くなどめ)(かみ)関所(せきしよ)()いた。293此処(ここ)厳格(げんかく)関門(くわんもん)(きづ)かれてある。
294松姫(まつひめ)『モシモシ(わたくし)霊山(れいざん)(まゐ)(もの)御座(ござ)います。295何卒(なにとぞ)296(この)(もん)(とほ)(くだ)さいませ』
297 門番(もんばん)一人(ひとり)(かふ)は、298横門(よこもん)()()()(きた)り、
299(かふ)(勝公)何誰(どなた)()りませぬが、300(この)(いち)(やみ)に、301(この)(もん)あけいと()(もの)(ろく)(もの)ぢやありませぬ。302何時(いつ)何時(いつ)(きつね)(たぬき)(なぶ)られて、303馬鹿(ばか)見通(みどほ)しだから、304今日(けふ)(なん)()つても()けませぬ、305(いや)通過(つうくわ)させませぬ。306出直(でなほ)して明日(あす)(あさ)(いで)なさい』
307松姫(まつひめ)左様(さやう)では御座(ござ)いませうが、308(けつ)して(あや)しい(もの)では御座(ござ)いませぬ。309どうぞ(とほ)して(くだ)さいませ。310玉照彦(たまてるひこ)(さま)()誕生地(たんじやうち)至急(しきふ)(まゐ)らねばなりませぬから』
311 (おつ)(この)(こゑ)()いて、
312(おつ)(竹公)『オイ勝公(かつこう)313(この)(くら)がりに、314アタ(いや)らしい、315そんな(しろ)装束(しやうぞく)()(をんな)相手(あひて)(なに)揶揄(からか)つて()るのか、316(はや)這入(はい)らぬか、317(また)(れい)(やつ)(きま)つて()るぞ』
318勝公(かつこう)『そうだと()つて()(かた)是非(ぜひ)玉照彦(たまてるひこ)(さま)参拝(さんぱい)したいから、319通過(つうくわ)させて()れと、320懇願(こんぐわん)なさるのだもの、321無情(むげ)(ことわ)(わけ)にもゆかぬぢやないか』
322(おつ)(竹公)(なん)だ、323(また)貴様(きさま)324()()(まぎ)れに、325(をんな)(つか)まへて、326愚図(ぐづ)々々(ぐづ)()つて()やがるのだな、327余程(よほど)328勝手(かつて)(やつ)だ。329(をとこ)(たづ)ねて()ると、330何時(いつ)も、331(けん)もほろろに、332()(はな)こすつた(やう)応待(おうたい)をするクセに、333今日(けふ)言葉付(ことばつき)(まで)334(やさ)しく()やがつて、335貴様(きさま)(つら)つたら、336大方(おほかた)崩壊(ほうくわい)して()るのだらう。337暗夜(やみよ)でマア仕合(しあは)せだ。338(ひる)であつて()よ、339()化者(ばけもの)だぞ』
340勝公(かつこう)(おれ)(かほ)化者(ばけもの)なら、341貴様(きさま)(かほ)(なん)だい。342(なまづ)沸茶(にえちや)()ぶせられた(やう)(つら)をしやがつて、343(ひと)さんの()面相(めんさう)(まで)344批評(ひへう)すると()資格(しかく)がどこに()るかい』
345(おつ)(竹公)(なん)()つても貴様(きさま)(をんな)にかけては五月蠅(うるさ)(やつ)だ、346(おれ)()なんだら、347(やさ)しい(こゑ)()しやがつて何々(なになに)を、348何々(なになに)する、349何々(なになに)だつたらう。350エライ邪魔物(じやまもの)()()しまして()みませぬなア、351アハヽヽヽ』
352松姫(まつひめ)『モシモシお二人(ふたり)(さん)353今日(けふ)特別(とくべつ)()憐愍(れんびん)(もつ)てお(とほ)(くだ)さいませ。354どうしても今晩(こんばん)(うち)参拝(さんぱい)(いた)さねばなりませぬから』
355(おつ)(竹公)大胆(だいたん)至極(しごく)な、356(をんな)分際(ぶんざい)として(この)山奥(やまおく)(ただ)一人(ひとり)()()(きた)り、357(この)(おそ)ろしい岩窟(いはや)参詣(さんけい)(やう)なんて、358そんな大野心(だいやしん)(おこ)しても駄目(だめ)ですよ。359屹度(きつと)途中(とちう)で、360(おほかみ)にバリバリとやられて(しま)ふのは請合(うけあひ)だ。361(この)(もん)(くぐ)るや(いな)や、362地獄(ぢごく)八丁目(はつちやうめ)だから、363(わる)(こと)()はぬ。364(まへ)()(ため)ぢや。365いつ(まで)絶対(ぜつたい)(とほ)さないとは(まを)さぬから、366明日(あす)()(くだ)さい』
367松姫(まつひめ)()注意(ちうい)有難(ありがた)御座(ござ)いますが、368(わたくし)(かみ)(さま)何事(なにごと)もお(まか)(まを)した()(うへ)369(いのち)なんかどうなつても(よろ)しいから、370何卒(どうぞ)(こころ)よう(とほ)して(くだ)さいませ』
371(おつ)(竹公)『イヤイヤ、372(いのち)()しくない(やう)な、373転婆(てんば)(とほ)(こと)(いよいよ)(もつ)てなりませぬ(わい)374来勿止(くなどめ)(かみ)(さま)(また)どんなお小言(こごと)頂戴(ちやうだい)するか()れやしない。375(この)(ごろ)(この)門番(もんばん)失策(しつさく)だらけで、376薩張(さつぱ)(はな)べちや威勢(ゐせい)(あが)らない。377それと()ふのも、378勝公(かつこう)(こころ)(しま)りがないものだから、379いつでも(おれ)(たち)巻添(まきぞ)へを()ふのだ。380オイ勝公(かつこう)381サアこんな(いのち)()らずの強者(したたかもの)相手(あひて)にせずと、382トツトと(おく)這入(はい)つてそれから(もん)()めて、383警戒(けいかい)厳重(げんぢう)にせなくちやならぬぞ。384サア這入(はい)らう這入(はい)らう』
385勝公(かつこう)『それだと()つてこれ(ほど)熱心(ねつしん)に、386(たの)みなさるのに、387どうして()()ける(わけ)にゆくものか。388貴様(きさま)這入(はい)りたければ、389勝手(かつて)這入(はい)つて勝手(かつて)()めたが()からう。390(おれ)仕方(しかた)がないから、391日頃(ひごろ)(おぼ)えた、392ぬけ(みち)(つた)うて(この)()(かた)背中(せなか)背負(せお)つて()げるのだ』
393(おつ)(竹公)『とうとう尻尾(しつぽ)(あら)はしやがつたな、394アハヽヽヽ、395随分(ずゐぶん)(をんな)にかけては腰抜(こしぬ)けなものだ』
396勝公(かつこう)『エヽ竹公(たけこう)唐変木(たうへんぼく)()397貴様(きさま)(をんな)(わか)つて(たま)るかい。398(をんな)苦労(くらう)して()(もの)でないと女人(によにん)心理(しんり)(わか)らないぞ。399さう毒々(どくどく)しく無情(むじやう)(こと)()ふものぢやないワ。400人間(にんげん)(かた)(ばか)りが(のう)ぢやない。401(くだ)ける(とき)(くだ)けて、402()(なか)人々(ひとびと)(ため)便利(べんり)(はか)るのが人間(にんげん)(つと)めだ。403()して(この)(やかた)()めて()れと仰有(おつしや)るのでもなし、404(とほ)してさへ()げれば()いのぢやないか』
405竹公(たけこう)貴様(きさま)(なん)()つても、406一旦(いつたん)(をとこ)(くち)から、407(とほ)さぬと()つたら(とほ)さぬのだ』
408勝公(かつこう)『モシモシお女中(ぢよちう)409(いま)()きの(とほ)同僚役(あひぼうやく)があの(とほ)りの頑固者(ぐわんこもの)ですから、410無理(むり)にお(とほ)(まを)しても、411(あと)でどんな難題(なんだい)吾々(われわれ)両人(りやうにん)にふきかけるやら(わか)りませぬ。412さうすればお(たがひ)迷惑(めいわく)ですから、413どうぞ貴方(あなた)折角(せつかく)此処迄(ここまで)()でになつたのですから、414()(どく)(たま)りませぬが、415今晩(こんばん)一旦(いつたん)416引返(ひきかへ)して(くだ)さいませぬか』
417松姫(まつひめ)『どうぞ、418方角(はうがく)だけなつと(をし)へて(くだ)さいませ。419(おく)つて(もら)つては大変(たいへん)な、420貴方(あなた)()迷惑(めいわく)になつては()みませぬから』
421勝公(かつこう)(じつ)(ところ)は、422これだけ(きび)しく門番(もんばん)今迄(いままで)()はなかつたのですが、423二三(にさん)日前(にちまへ)に、424バラモン(けう)の、425(たに)とか(おに)とか()(やつ)がやつて()て、426来勿止(くなどめの)(かみ)(さま)(はじ)め、427吾々(われわれ)をチヨロまかし、428トウトウ大切(たいせつ)な、429玉照彦(たまてるひこ)(さま)(ぬす)んで(かへ)つたものですから、430(その)()()ふものは大変(たいへん)警戒(けいかい)(きび)しくなつて、431暮六(くれむ)(さが)れば、432老若(らうにやく)男女(なんによ)にかかはらず、433一切(いつさい)(とほ)してはならぬと()ふ、434来勿止(くなどめの)(かみ)(さま)(きび)しき()命令(めいれい)御座(ござ)います。435それ(ゆゑ)436(いま)(をとこ)があんな無情(むじやう)(こと)()うたのですが、437(しか)しあゝ()えても彼奴(あいつ)(きは)めて平常(ふだん)から親切(しんせつ)(をとこ)ですよ。438言葉(ことば)つきこそ、439(きたな)御座(ござ)いますが、440それはそれは(こころ)(うつく)しい(をとこ)ですよ。441屹度(きつと)(はら)(なか)では(なみだ)をこぼして()たに(ちが)ひありませぬ。442どうぞ、443竹公(たけこう)無情(むじやう)(やつ)だと(うら)んでやつては(くだ)さいますな』
444松姫(まつひめ)『イエイエ(けつ)して(けつ)して(なん)(うら)みませう。445役目(やくめ)大切(たいせつ)にお(まも)りなさる(ところ)を、446(わたくし)()無理(むり)(まを)しますのですから、447(なん)仰有(おつしや)られても是非(ぜひ)はありませぬ。448(しか)(いま)貴方(あなた)のお言葉(ことば)によれば、449玉照彦(たまてるひこ)(さま)はバラモン(けう)(かた)(ぬす)んで(かへ)つたと仰有(おつしや)いましたが、450それは事実(じじつ)ですか』
451勝公(かつこう)(ぬす)んで(かへ)つたのは事実(じじつ)ですが、452(しか)(なが)()神徳(しんとく)(たか)高熊(たかくま)霊山(れいざん)453不思議(ふしぎ)(こと)には(ぬす)まれたと(おも)つた玉照彦(たまてるひこ)(さま)は、454依然(いぜん)として()機嫌(きげん)(うる)はしく、455言照姫(ことてるひめ)(さま)()かれて()られます。456本当(ほんたう)(めう)(こと)があつたものです』
457松姫(まつひめ)『それ()いて安心(あんしん)(いた)しました。458(わたくし)にも成程(なるほど)(うなづ)かれる(てん)御座(ござ)います』
459 ()(はな)(をり)しも(いし)本門(ほんもん)はガラリと()いた。460灯火(ともしび)をとぼし、461(あら)はれ(きた)る、462白髪(はくはつ)異様(いやう)老人(らうじん)姿(すがた)が、463松明(たいまつ)(てら)されて、464明瞭(はつきり)松姫(まつひめ)()(うつ)つた。
465 松姫(まつひめ)(おも)はず、466ハツと()平伏(へいふく)した。
467勝公(かつこう)『これはこれは来勿止(くなどめの)(かみ)(さま)468何処(どこ)へお()ましになります』
469来勿止(くなどめの)(かみ)『ヤアお(まへ)(かつ)ぢやなア。470此処(ここ)一人(ひとり)(をんな)()(はず)ぢや。471()()()ないかな』
472勝公(かつこう)『ハイ、473それは(なん)()(かた)ですか。474松姫(まつひめ)ぢや御座(ござ)いませぬか』
475来勿止(くなどめの)(かみ)『アヽさうぢや、476(その)松姫(まつひめ)()(はず)だ。477二時(ふたとき)ばかり以前(いぜん)に、478玉照彦(たまてるひこ)(さま)よりお使(つかい)()えて、479此処(ここ)松姫(まつひめ)()(をんな)一人(ひとり)()(はず)だから、480夜分(やぶん)でも(かま)はぬ(ゆゑ)481(とほ)してやつて()れとの()命令(めいれい)であつた』
482勝公(かつこう)『その(かた)なら、483(いま)此処(ここ)()られます。484サア松姫(まつひめ)(さま)485()心配(しんぱい)なさいますな。486(いま)()きの(とほ)りですから』
487 松姫(まつひめ)(かしら)()げ、
488松姫(まつひめ)(かつ)さまとやら、489()親切(しんせつ)有難(ありがた)御座(ござ)いました。490して貴方(あなた)来勿止(くなどめの)(かみ)(さま)御座(ござ)いましたか。491(つみ)(ふか)(わらは)なれど、492どうぞ(この)御門(ごもん)(とほ)して(くだ)さいませ』
493来勿止(くなどめの)(かみ)『サアサア遠慮(ゑんりよ)()りませぬ、494ズツとお(とほ)(くだ)さいませ。495貴女(あなた)のお(のぼ)りを、496岩窟(いはや)大神(おほかみ)(さま)大変(たいへん)()()(あそ)ばして()られます。497サアサアこちらへ』
498松姫(まつひめ)()()門内(もんない)(みちび)()れたり。
499大正一一・五・九 旧四・一三 藤津久子録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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