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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第36巻(亥の巻)
序文
総説
第1篇 天意か人意か
第1章 二教対立
第2章 川辺の館
第3章 反間苦肉
第4章 無法人
第5章 バリーの館
第6章 意外な答
第7章 蒙塵
第8章 悪現霊
第2篇 松浦の岩窟
第9章 濃霧の途
第10章 岩隠れ
第11章 泥酔
第12章 無住居士
第13章 恵の花
第14章 歎願
第3篇 神地の暗雲
第15章 眩代思潮
第16章 門雀
第17章 一目翁
第18章 心の天国
第19章 紅蓮の舌
第4篇 言霊神軍
第20章 岩窟の邂逅
第21章 火の洗礼
第22章 春の雪
第23章 雪達磨
第24章 三六合
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霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
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第36巻(亥の巻)
> 第3篇 神地の暗雲 > 第18章 心の天国
<<< 一目翁
(B)
(N)
紅蓮の舌 >>>
第一八章
心
(
こころ
)
の
天国
(
てんごく
)
〔一〇〇六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第36巻 海洋万里 亥の巻
篇:
第3篇 神地の暗雲
よみ(新仮名遣い):
こうじのあんうん
章:
第18章 心の天国
よみ(新仮名遣い):
こころのてんごく
通し章番号:
1006
口述日:
1922(大正11)年09月23日(旧08月3日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年12月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
アナン、セール、ユーズ、シルレングたちは先の攻城戦で捕えられ、牢獄に投ぜられていた。四人はひそびそとサガレン王の身の上を案じつつささやきあっていた。
アナンは弱音を吐きかけるが、ユーズは人間の本尊である霊魂を活殺できるのは神様だけであり、たとえ牢獄につながれていようとも、竜雲のような悪魔にこびへつらって仕えているケリヤたちの心情の方が憐みを催すと元気をつけている。
シルレングらもユーズの言に心が晴れた心持になった。そこへ牢番頭のベールがやってきて、静かにするようにと四人を叱責した。ユーズは自分たちにとってはここが天国浄土であり、娑婆の欲に捉われているお前たちこそ牢獄にいるのだと逆にベールを叱責する。
ベールは怒って、ユーズを苦しめて殺してやろうと脅し嘲った。ユーズは意に介さず、ベールこそ天地に反逆する罪人であり、暴言の罪とがで懲らしめられるのだとあざ笑う。
ベールはユーズの態度にあきれる。ベールは、実は四人には赦免の命令が下っていたのだが、減らず口をたたくユーズはこのまま牢獄につないでおくと言い、アナンたち残りの三人に牢を出るようにと申し渡した。
しかしアナンは、竜雲のような罪人の赦しは受けないと言い、そう竜雲に伝えるようにと言いかえした。セールとシルレングも竜雲たちの罪を数え立てて、自分たちは悪人の情けは受けないと言い張る。
アナンたち四人は、竜雲たちの悪行を責める歌を歌い、自分たちの志を明かした。ベールは途方に暮れてしまったが、四人の詞にいつとはなしに釣り込まれて牢獄の中に入ってしまい、戸を閉めた途端に牢の錠が下りてしまった。
四人は竜雲に与する裏切り者として、ベールを四方から囲んで打ちこらした。ベールの悲鳴を聞いて、牢番が慌ただしく駆け付けた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-10-12 14:20:17
OBC :
rm3618
愛善世界社版:
191頁
八幡書店版:
第6輯 651頁
修補版:
校定版:
197頁
普及版:
85頁
初版:
ページ備考:
001
アナン、
002
セール、
003
ユーズ、
004
シルレングの
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は、
005
兵
(
へい
)
を
起
(
おこ
)
して
夜襲
(
やしふ
)
を
試
(
こころ
)
み、
006
神地城
(
かうぢじやう
)
の
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
に
軽進
(
けいしん
)
して、
007
遂
(
つひ
)
に
臨時
(
りんじ
)
作
(
づく
)
りの
陥穽
(
かんせい
)
に
墜落
(
つゐらく
)
し、
008
捉
(
とら
)
へられて
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
一緒
(
いつしよ
)
に
牢獄
(
らうごく
)
に
投
(
とう
)
ぜられ、
009
ヒソビソとサガレン
王
(
わう
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
に
付
(
つ
)
き、
010
案
(
あん
)
じ
過
(
すご
)
して
囁
(
ささや
)
いてゐる。
011
アナンは
小声
(
こごゑ
)
になつて、
012
アナン
『とうとう
竜雲
(
りううん
)
の
曲神
(
まがかみ
)
が
陥穽
(
おとしあな
)
に
深
(
ふか
)
くおち
込
(
こ
)
み、
013
こんなザマになつて
了
(
しま
)
つた。
014
モウ
斯
(
か
)
うなる
上
(
うへ
)
は
何時
(
いつ
)
解放
(
かいはう
)
されるかも
分
(
わか
)
りやしないし、
015
活殺
(
くわつさつ
)
の
権
(
けん
)
は
竜雲
(
りううん
)
が
握
(
にぎ
)
つてゐるのだから、
016
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
一同
(
いちどう
)
の
生命
(
いのち
)
は、
017
丸
(
まる
)
で
暴風
(
ばうふう
)
の
前
(
まへ
)
の
桜
(
さくら
)
の
様
(
やう
)
なものぢやないか。
018
バラモンの
大神
(
おほかみ
)
さまも
余
(
あま
)
り
聞
(
きこ
)
えぬぢやないか。
019
悪人
(
あくにん
)
は
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
白昼
(
はくちう
)
に
横行
(
わうかう
)
濶歩
(
くわつぽ
)
し、
020
吾々
(
われわれ
)
如
(
ごと
)
き
至誠
(
しせい
)
至実
(
しじつ
)
の
人間
(
にんげん
)
は
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
惨酷
(
みじめ
)
な
縲絏
(
るいせつ
)
の
辱
(
はづかしめ
)
を
受
(
う
)
け、
021
鉄窓
(
てつさう
)
の
下
(
もと
)
に
昼夜
(
ちうや
)
呻吟
(
しんぎん
)
せなくてはならぬとは、
022
何
(
なん
)
とした
事
(
こと
)
だらう』
023
と
少
(
すこ
)
しく
弱音
(
よわね
)
を
吹
(
ふ
)
きかけるを、
024
セールはニヤリと
打笑
(
うちわら
)
ひ、
025
セール
『
日頃
(
ひごろ
)
剛胆
(
がうたん
)
なアナンにも
似
(
に
)
ず、
026
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
弱音
(
よわね
)
を
吹
(
ふ
)
くのだい。
027
お
前
(
まへ
)
が
吾々
(
われわれ
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
内
(
うち
)
では
最
(
もつと
)
も
先輩
(
せんぱい
)
だ。
028
そして
此
(
この
)
中
(
なか
)
でも
智勇
(
ちゆう
)
兼備
(
けんび
)
の
大将
(
たいしやう
)
と
仰
(
あふ
)
がれてゐる
身分
(
みぶん
)
ぢやないか。
029
今日
(
けふ
)
は
又
(
また
)
なぜそんな
心
(
こころ
)
淋
(
さび
)
しい
事
(
こと
)
をいつてくれるのだ』
030
アナン『
俺
(
おれ
)
やモウ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
無常
(
むじやう
)
を
感
(
かん
)
じて
来
(
き
)
たのだ。
031
何程
(
なにほど
)
人間
(
にんげん
)
があせつた
所
(
ところ
)
で、
032
吉凶
(
きつきよう
)
禍福
(
くわふく
)
は
到底
(
たうてい
)
吾々
(
われわれ
)
の
左右
(
さいう
)
し
得
(
う
)
べきものでない。
033
何事
(
なにごと
)
も
運命
(
うんめい
)
だと
諦
(
あきら
)
めるより、
034
最早
(
もはや
)
途
(
みち
)
はないからのう』
035
ユーズ『ナーニ、
036
そんな
弱々
(
よわよわ
)
しい
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふものでない。
037
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
は
信仰
(
しんかう
)
が
足
(
た
)
りないのだ。
038
このユーズはナ、
039
斯
(
か
)
うして
肉体
(
にくたい
)
は
束縛
(
そくばく
)
されてゐるが、
040
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
御
(
ご
)
本尊
(
ほんぞん
)
たる
霊魂
(
れいこん
)
は、
041
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
快活
(
くわいくわつ
)
に
宇宙間
(
うちうかん
)
を
逍遥
(
せうえう
)
してゐるのだよ。
042
肉体
(
にくたい
)
は
仮令
(
たとへ
)
殺
(
ころ
)
し
得
(
う
)
るとも、
043
吾々
(
われわれ
)
の
霊魂
(
れいこん
)
迄
(
まで
)
殺
(
ころ
)
す
丈
(
だけ
)
の
力
(
ちから
)
はない。
044
霊魂
(
れいこん
)
も
肉体
(
にくたい
)
もすべて
殺
(
ころ
)
す
力
(
ちから
)
のあるものは
只
(
ただ
)
神
(
かみ
)
さま
丈
(
だけ
)
だ。
045
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
は
俗人輩
(
ぞくじんばら
)
の
自由人
(
じいうじん
)
の
目
(
め
)
から
見
(
み
)
た
時
(
とき
)
は、
046
実
(
じつ
)
に
窮屈
(
きうくつ
)
な
憐
(
あは
)
れな
境遇
(
きやうぐう
)
に
陥
(
おちい
)
つた
者
(
もの
)
だと
思
(
おも
)
ふだらうが、
047
ユーズに
云
(
い
)
はしむれば、
048
却
(
かへつ
)
て
竜雲
(
りううん
)
如
(
ごと
)
き
悪魔
(
あくま
)
に
媚
(
こ
)
び
諂
(
へつ
)
らふケリヤ、
049
ハルマ、
050
ベール
等
(
など
)
の
心情
(
しんじやう
)
が
憐
(
あは
)
れになつて
来
(
く
)
るワ。
051
竜雲
(
りううん
)
だつてヤツパリ
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
だ。
052
彼奴
(
あいつ
)
らは
天
(
てん
)
の
牢獄
(
らうごく
)
につながれてゐるのだ。
053
名位
(
めいゐ
)
だとか
位置
(
ゐち
)
だとか、
054
財産
(
ざいさん
)
だとか、
055
下
(
くだ
)
らぬ
小利
(
せうり
)
小欲
(
せうよく
)
に
魂
(
たま
)
をぬかれ、
056
執着心
(
しふちやくしん
)
といふ
地獄
(
ぢごく
)
の
鬼
(
おに
)
に
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
の
霊魂
(
れいこん
)
を
束縛
(
そくばく
)
されて、
057
呻吟
(
しんぎん
)
してゐる
憐
(
あは
)
れ
至極
(
しごく
)
の
人物
(
じんぶつ
)
だ。
058
ベールだつて
何時
(
いつ
)
も
偉相
(
えらさう
)
に
牢番頭
(
らうばんがしら
)
になつたと
思
(
おも
)
ひ、
059
横柄面
(
わうへいづら
)
をさらして、
060
日
(
ひ
)
に
二三度
(
にさんど
)
此
(
この
)
窓外
(
まどそと
)
をテクつて
居
(
ゐ
)
よるが、
061
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
れば
実
(
じつ
)
に
憐
(
あは
)
れな
代物
(
しろもの
)
だ。
062
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
職務
(
しよくむ
)
大切
(
たいせつ
)
だと
言
(
い
)
つて、
063
行
(
ゆ
)
きたい
所
(
ところ
)
へも
能
(
よ
)
う
行
(
ゆ
)
かず、
064
夜
(
よる
)
は
夜
(
よる
)
でスベタ
嬶
(
かか
)
の
側
(
そば
)
でロクロク
寝
(
ね
)
る
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ず、
065
自分
(
じぶん
)
の
子供
(
こども
)
だつて、
066
碌
(
ろく
)
に
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
る
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ない
憐
(
あは
)
れな
代物
(
しろもの
)
だよ。
067
朝
(
あさ
)
早
(
はや
)
く
暗
(
くら
)
い
内
(
うち
)
から
吾
(
わが
)
家
(
や
)
を
飛出
(
とびだ
)
し、
068
夜
(
よる
)
遅
(
おそ
)
く
吾
(
わが
)
家
(
や
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
行
(
ゆ
)
くのだから、
069
子供
(
こども
)
は
何時
(
いつ
)
も
熟睡
(
じゆくすゐ
)
してゐる。
070
それだからベールの
子供
(
こども
)
は、
071
キツと
父
(
てて
)
なし
子
(
ご
)
だと
思
(
おも
)
つてゐるに
違
(
ちが
)
ひない。
072
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
憐
(
あは
)
れ
至極
(
しごく
)
な
代物
(
しろもの
)
ぢやないか。
073
憂
(
う
)
き
事
(
こと
)
の
品
(
しな
)
こそ
変
(
かは
)
れ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
074
心
(
こころ
)
安
(
やす
)
くて
住
(
す
)
む
人
(
ひと
)
はなし
075
と
云
(
い
)
ふ
古歌
(
こか
)
[
※
第65巻第12章「天恵」にも引用されているが、誰が詠んだ歌かは不明。
]
の
通
(
とほ
)
り、
076
誰
(
たれ
)
だつてこんな
暗黒
(
あんこく
)
無明
(
むみやう
)
の
現世
(
げんせ
)
に
安穏
(
あんをん
)
に
暮
(
くら
)
してゐる
奴
(
やつ
)
ア
一人
(
ひとり
)
だつて、
077
半分
(
はんぶん
)
だつて、
078
ありやアしない。
079
其
(
その
)
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
へば、
080
俺
(
おれ
)
たちは
実
(
じつ
)
に
幸福
(
かうふく
)
な
者
(
もの
)
だ。
081
衣食住
(
いしよくぢゆう
)
の
保証
(
ほしよう
)
はしてくれるなり、
082
仮令
(
たとへ
)
毒刃
(
どくじん
)
にかかつて
斃
(
たふ
)
れた
所
(
ところ
)
で、
083
最早
(
もはや
)
使
(
つか
)
ひ
古
(
ふる
)
した
肉
(
にく
)
の
衣
(
ころも
)
だ。
084
御
(
ご
)
本尊
(
ほんぞん
)
は
如何
(
いかん
)
ともする
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ないのだから、
085
鼎鑊
(
ていくわく
)
甘
(
あま
)
き
事
(
こと
)
飴
(
あめ
)
の
如
(
ごと
)
しといふ
様
(
やう
)
な
気分
(
きぶん
)
だ。
086
何
(
なに
)
も
心配
(
しんぱい
)
する
事
(
こと
)
はない、
087
一切
(
いつさい
)
万事
(
ばんじ
)
を
神
(
かみ
)
さまの
大御心
(
おほみこころ
)
に
任
(
まか
)
しておきさへすれば
極
(
きは
)
めて
安心
(
あんしん
)
だ。
088
過去
(
くわこ
)
を
悔
(
くや
)
むも
最早
(
もはや
)
詮
(
せん
)
なし。
089
未来
(
みらい
)
を
案
(
あん
)
じて
取越
(
とりこし
)
苦労
(
くらう
)
をやつて
見
(
み
)
た
所
(
ところ
)
で、
090
屁
(
へ
)
の
突張
(
つつぱ
)
りにもなるものでない。
091
只今
(
ただいま
)
といふ
此
(
この
)
瞬間
(
しゆんかん
)
こそ、
092
吾々
(
われわれ
)
の
自由
(
じいう
)
意志
(
いし
)
を
発揮
(
はつき
)
し
楽
(
たのし
)
む
所
(
ところ
)
の
権能
(
けんのう
)
を
与
(
あた
)
へられたる
貴重
(
きちよう
)
な
時間
(
じかん
)
だ。
093
刹那
(
せつな
)
々々
(
せつな
)
に
楽
(
たのし
)
んで
行
(
ゆ
)
きさへすれば、
094
刹那
(
せつな
)
は
積
(
つ
)
んで
一時
(
ひととき
)
となり、
095
時
(
とき
)
は
積
(
つ
)
んで
一
(
いち
)
日
(
にち
)
となり、
096
一月
(
ひとつき
)
となり、
097
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
となり、
098
十
(
じふ
)
年
(
ねん
)
百
(
ひやく
)
年
(
ねん
)
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
万
(
まん
)
年
(
ねん
)
となるのだ……
大神
(
おほかみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
にうるほふて、
099
今日
(
けふ
)
も
喜
(
よろこ
)
び
昨日
(
きのふ
)
も
明日
(
あす
)
も
喜
(
よろこ
)
びに
充
(
み
)
つ……といふ
様
(
やう
)
な
心
(
こころ
)
の
持様
(
もちやう
)
一
(
ひと
)
つで、
100
結構
(
けつこう
)
な
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
と
忽
(
たちま
)
ち
立直
(
たちなほ
)
つて
了
(
しま
)
ふのだ。
101
アヽ
有難
(
ありがた
)
い
有難
(
ありがた
)
い、
102
こんな
安楽
(
あんらく
)
な
所
(
ところ
)
が
又
(
また
)
と
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
にあらうかい』
103
と
元気
(
げんき
)
な
顔
(
かほ
)
してはツしやいでゐる。
104
シルレングは
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
問答
(
もんだふ
)
を
聞
(
き
)
いて、
105
片隅
(
かたすみ
)
に
腕
(
うで
)
を
組
(
く
)
み
何
(
なに
)
か
思案
(
しあん
)
にくれてゐたが、
106
シルレング
『イヤもうユーズの
説
(
せつ
)
には
大賛成
(
だいさんせい
)
だ。
107
俺
(
おれ
)
も
俄
(
にはか
)
に
気
(
き
)
が
晴々
(
はればれ
)
として
来
(
き
)
た。
108
モウ
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
何事
(
なにごと
)
も
思
(
おも
)
ふまい』
109
とシルレングの
元気
(
げんき
)
な
詞
(
ことば
)
に、
110
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
を
忍
(
しの
)
び
足
(
あし
)
に
廻
(
まは
)
つて
来
(
き
)
たのは
牢番頭
(
らうばんがしら
)
の
悪党者
(
あくたうもの
)
のベールである。
111
ベールは、
112
ベール
『オイ、
113
アナン、
114
其
(
その
)
他
(
た
)
の
者共
(
ものども
)
静
(
しづか
)
に
致
(
いた
)
さぬか。
115
ここを
何処
(
どこ
)
と
心得
(
こころえ
)
てゐる』
116
と
威丈高
(
ゐたけだか
)
に
呶鳴
(
どな
)
る。
117
ユーズ『なんだ、
118
貴様
(
きさま
)
はつい
此
(
この
)
間
(
あひだ
)
迄
(
まで
)
此
(
この
)
ユーズの
下役
(
したやく
)
に
使
(
つか
)
つて
居
(
を
)
つたベールぢやないか。
119
ここを
何処
(
どこ
)
と
心得
(
こころえ
)
とるとは
訳
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬ
質問
(
しつもん
)
ぢやないか。
120
余程
(
よほど
)
良
(
よ
)
い
頓馬
(
とんま
)
ぢやのう。
121
分
(
わか
)
らな
云
(
い
)
つて
聞
(
き
)
かしてやらう。
122
ここは
天空
(
てんくう
)
快濶
(
くわいくわつ
)
として、
123
曇
(
くも
)
りもなければ
汚
(
けが
)
れもない、
124
悩
(
なや
)
みもなければ
苦
(
くるし
)
みもない
神霊界
(
しんれいかい
)
の
天国
(
てんごく
)
だ。
125
貴様
(
きさま
)
は
執着心
(
しふちやくしん
)
に
手足
(
てあし
)
を
縛
(
しば
)
られ、
126
魂
(
たま
)
をからまれ、
127
娑婆
(
しやば
)
といふ
牢獄
(
らうごく
)
に
呻吟
(
しんぎん
)
してゐる
気
(
き
)
の
利
(
き
)
かない
馬鹿者
(
ばかもの
)
だろ。
128
さやうな
馬鹿者
(
ばかもの
)
が
此
(
この
)
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
が
見
(
み
)
えないのも
強
(
あなが
)
ち
無理
(
むり
)
もない。
129
咎
(
とが
)
め
立
(
だ
)
てをするのも
可哀相
(
かあいさう
)
だから
許
(
ゆる
)
してやるが、
130
以後
(
いご
)
はキツと
心得
(
こころえ
)
て、
131
只今
(
ただいま
)
の
如
(
ごと
)
き
馬鹿
(
ばか
)
げた
事
(
こと
)
は
言
(
い
)
はぬがよからうぞ』
132
ベールは
声
(
こゑ
)
を
尖
(
とが
)
らせ、
133
ベール
『
汝
(
なんぢ
)
科人
(
とがにん
)
の
分際
(
ぶんざい
)
として、
134
吾
(
われ
)
に
向
(
むか
)
つて
其
(
その
)
暴言
(
ばうげん
)
、
135
聞捨
(
ききすて
)
にならぬぞ。
136
ヨシ
待
(
ま
)
て、
137
今
(
いま
)
に
懲
(
こら
)
してくれむ。
138
其
(
その
)
時
(
とき
)
は
吠面
(
ほえづら
)
かわかぬやうに
致
(
いた
)
せ。
139
水責
(
みづぜめ
)
火
(
ひ
)
ぜめはまだ
愚
(
おろ
)
か、
140
槍
(
やり
)
の
穂先
(
ほさき
)
で
嬲殺
(
なぶりごろし
)
にしてやるから、
141
其
(
その
)
積
(
つも
)
りで
楽
(
たの
)
しんで
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
れ、
142
テモさても
憐
(
あは
)
れな
者
(
もの
)
だワイ、
143
イツヒヽヽヽ』
144
ユーズ
『
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬか
)
すのだ。
145
主客
(
しゆきやく
)
転倒
(
てんたふ
)
も
実
(
じつ
)
に
甚
(
はなは
)
だしいわい。
146
貴様
(
きさま
)
こそ
天地
(
てんち
)
容
(
い
)
れざる
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
むだう
)
の
科人
(
とがにん
)
だ。
147
吾々
(
われわれ
)
は
至誠
(
しせい
)
忠良
(
ちうりやう
)
の
士
(
し
)
だ。
148
決
(
けつ
)
して
天地
(
てんち
)
に
対
(
たい
)
し
一点
(
いつてん
)
の
恥
(
は
)
づる
所
(
ところ
)
もなき
志士
(
しし
)
だ。
149
汝
(
なんぢ
)
科人
(
とがにん
)
の
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
至誠
(
しせい
)
忠実
(
ちうじつ
)
の
吾
(
われ
)
ユーズに
対
(
たい
)
し、
150
暴言
(
ばうげん
)
を
吐
(
は
)
くとは
聞
(
き
)
き
捨
(
ず
)
てならぬ。
151
今
(
いま
)
に
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
を
)
れ。
152
地震
(
ぢしん
)
雷
(
かみなり
)
火事
(
くわじ
)
爺
(
おやじ
)
、
153
火
(
ひ
)
の
雨
(
あめ
)
ふらしてこらしめてくれむに。
154
テもいぢらしい
者
(
もの
)
だのう、
155
イツヒヽヽヽ』
156
ベール
『コリヤ、
157
ユーズ、
158
貴様
(
きさま
)
は
発狂
(
はつきやう
)
致
(
いた
)
したのか。
159
牢獄
(
らうごく
)
へ
捕
(
とら
)
へられながら、
160
自分
(
じぶん
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
も
弁
(
わきま
)
へず、
161
ズケズケと
憎
(
にく
)
まれ
口
(
ぐち
)
を
叩
(
たた
)
く
大
(
おほ
)
馬鹿者
(
ばかもの
)
、
162
貴様
(
きさま
)
の
不利益
(
ふりえき
)
になることを
知
(
し
)
らぬか』
163
ユーズ
『アハヽヽヽ、
164
ヤツパリ
貴様
(
きさま
)
は
此
(
この
)
世
(
よ
)
が
恋
(
こひ
)
しいと
見
(
み
)
えるな。
165
汝
(
なんぢ
)
の
小
(
ちひ
)
さき
汚
(
きたな
)
き
心
(
こころ
)
を
以
(
もつ
)
て、
166
吾々
(
われわれ
)
の
英雄
(
えいゆう
)
の
心事
(
しんじ
)
を
忖度
(
そんたく
)
せむとするは、
167
実
(
じつ
)
に
僭越
(
せんゑつ
)
も
甚
(
はなは
)
だしい。
168
其
(
その
)
方
(
はう
)
こそ
社会
(
しやくわい
)
亡者
(
まうじや
)
の
発狂人
(
はつきやうにん
)
だ。
169
チツと
良心
(
りやうしん
)
に
尋
(
たづ
)
ねて
見
(
み
)
よ。
170
どちらが
気違
(
きちがひ
)
か、
171
いかな
頑冥
(
ぐわんめい
)
な
貴様
(
きさま
)
でも
分
(
わか
)
るであらう。
172
悪人
(
あくにん
)
の
蔓
(
はびこ
)
る
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
、
173
貴様
(
きさま
)
たちの
悪
(
あく
)
の
眼
(
め
)
より
吾々
(
われわれ
)
を
見
(
み
)
れば、
174
気違
(
きちがひ
)
と
見
(
み
)
えるであらう。
175
なる
程
(
ほど
)
吾々
(
われわれ
)
は
気違
(
きちがひ
)
には
間違
(
まちがひ
)
ない、
176
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
気
(
き
)
の
違
(
ちが
)
ひ
方
(
かた
)
が
違
(
ちが
)
つて
居
(
ゐ
)
るのだ。
177
気違
(
きちがひ
)
といつても
決
(
けつ
)
して
貴様
(
きさま
)
のやうな
発狂者
(
はつきやうしや
)
ではないから、
178
混線
(
こんせん
)
せないやうに
耳
(
みみ
)
を
浚
(
さら
)
へて
聞
(
き
)
くがよい。
179
今
(
いま
)
の
極悪
(
ごくあく
)
世界
(
せかい
)
の
人間
(
にんげん
)
共
(
ども
)
の
気
(
き
)
に
合
(
あ
)
ふやうにしようと
思
(
おも
)
へば
至粋
(
しすゐ
)
至純
(
しじゆん
)
の
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
御心
(
みこころ
)
に
叶
(
かな
)
はない。
180
俗悪
(
ぞくあく
)
世界
(
せかい
)
の
大気違
(
おほきちがひ
)
共
(
ども
)
の
心
(
こころ
)
に
合
(
あ
)
ふやうにすれば、
181
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
の
御心
(
みこころ
)
に
叶
(
かな
)
はないのだ。
182
人生
(
じんせい
)
僅
(
わづ
)
か
一百
(
いつぴやく
)
年
(
ねん
)
、
183
永
(
なが
)
い
歳月
(
としつき
)
に
比
(
くら
)
ぶれば、
184
夢
(
ゆめ
)
の
断片
(
だんぺん
)
みたやうなものだ。
185
神
(
かみ
)
より
賜
(
たま
)
はつた
吾々
(
われわれ
)
の
生命
(
せいめい
)
は、
186
万劫
(
まんごふ
)
末代
(
まつだい
)
生
(
い
)
き
通
(
とほ
)
しだ。
187
僅
(
わづ
)
か
一百
(
いつぴやく
)
年
(
ねん
)
の
肉体
(
にくたい
)
を
楽
(
たのし
)
まむとして、
188
永遠
(
ゑいゑん
)
無窮
(
むきう
)
の
生命
(
せいめい
)
に
罪
(
つみ
)
を
残
(
のこ
)
すやうな
馬鹿
(
ばか
)
な
事
(
こと
)
は
致
(
いた
)
さない。
189
そこが
吾々
(
われわれ
)
と
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
と
大
(
おほい
)
に
気
(
き
)
の
違
(
ちが
)
つてる
点
(
てん
)
だ。
190
貴様
(
きさま
)
もよい
加減
(
かげん
)
に
改心
(
かいしん
)
を
致
(
いた
)
して、
191
現代
(
げんだい
)
に
於
(
お
)
ける
最善
(
さいぜん
)
と
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
を
行
(
おこな
)
つて、
192
俺
(
わし
)
たちの
様
(
やう
)
にこんな
天国
(
てんごく
)
へ
這入
(
はい
)
つて
来
(
こ
)
い。
193
昔
(
むかし
)
のよしみで
忠告
(
ちうこく
)
してやる。
194
オツホン』
195
ベール
『
益々
(
ますます
)
以
(
もつ
)
て
訳
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬ
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
だ。
196
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
は
今日
(
けふ
)
竜雲殿
(
りううんどの
)
より、
197
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
奴
(
やつ
)
を
放免
(
はうめん
)
せよと
命令
(
めいれい
)
が
下
(
くだ
)
つたのだが、
198
左様
(
さやう
)
なへらず
口
(
ぐち
)
を
叩
(
たた
)
く
奴
(
やつ
)
は、
199
到底
(
たうてい
)
改悛
(
かいしゆん
)
の
状
(
じやう
)
が
現
(
あら
)
はれてゐないから、
200
無制限
(
むせいげん
)
にここに
繋留
(
けいりう
)
しておく。
201
サア、
202
アナン、
203
セール、
204
シルレングの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
、
205
お
許
(
ゆる
)
しが
出
(
で
)
たから、
206
早
(
はや
)
くここを
逃
(
のが
)
れるがよい。
207
誰
(
たれ
)
だつて
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
もこんな
窮屈
(
きうくつ
)
な
所
(
ところ
)
に
居
(
ゐ
)
たい
事
(
こと
)
はあるまい。
208
サア
早
(
はや
)
く
此
(
この
)
戸
(
と
)
をあけるから
出
(
で
)
たがよからう』
209
と
錠
(
ぢやう
)
をガタリと
外
(
はづ
)
し、
210
入口
(
いりぐち
)
の
鉄戸
(
かなど
)
をパツと
開
(
ひら
)
く。
211
アナン『
竜雲
(
りううん
)
の
赦
(
ゆる
)
しならば
決
(
けつ
)
して
俺
(
おれ
)
は
出
(
で
)
ないよ。
212
あんな
奴
(
やつ
)
が
許
(
ゆる
)
すといふ
資格
(
しかく
)
がどこにあるか。
213
畏
(
おそれおほ
)
くもサガレン
王
(
わう
)
さまに
対
(
たい
)
し、
214
刃向
(
はむか
)
ひまつつた
大罪人
(
だいざいにん
)
、
215
吾々
(
われわれ
)
如
(
ごと
)
き
誠忠
(
せいちう
)
の
士
(
し
)
を、
216
罪人
(
ざいにん
)
の
分際
(
ぶんざい
)
として
許
(
ゆる
)
すとは
以
(
もつ
)
ての
外
(
ほか
)
だ。
217
左様
(
さやう
)
な
不都合
(
ふつがふ
)
な
事
(
こと
)
を
申
(
まを
)
すと、
218
アナンが
承知
(
しようち
)
致
(
いた
)
さぬと、
219
竜雲
(
りううん
)
の
奴
(
やつ
)
に
伝達
(
でんたつ
)
致
(
いた
)
せ、
220
アハヽヽヽ』
221
ベール
『アーア、
222
どれもこれも
皆
(
みな
)
逆上
(
ぎやくじやう
)
して
了
(
しま
)
ひよつたと
見
(
み
)
えるわい。
223
それも
無理
(
むり
)
はない。
224
こんな
暗
(
くら
)
い
所
(
ところ
)
へ
突込
(
つつこ
)
まれて
居
(
を
)
つちや、
225
誰
(
たれ
)
だつて
気
(
き
)
の
狂
(
くる
)
はぬ
訳
(
わけ
)
に
行
(
ゆ
)
くまい。
226
アーア
可哀相
(
かあいさう
)
な
代物
(
しろもの
)
だなア。
227
そんならセール、
228
お
前
(
まへ
)
は
出
(
で
)
るのは
嬉
(
うれ
)
しいだろ。
229
早
(
はや
)
く
出
(
で
)
たがよからうぞ』
230
セール『コラ、
231
ベール、
232
随分
(
ずゐぶん
)
能
(
よ
)
くサーベール
男
(
をとこ
)
だなア。
233
蛇
(
へび
)
のやうな
舌
(
した
)
の
先
(
さき
)
でベールベールと
竜雲
(
りううん
)
にこび
諂
(
へつ
)
らひ、
234
エンヤラヤツと
見
(
み
)
つともない、
235
男
(
をとこ
)
らしくもない、
236
牢番頭
(
らうばんがしら
)
に
選抜
(
せんばつ
)
して
貰
(
もら
)
つて、
237
無上
(
むじやう
)
の
光栄
(
くわうえい
)
と
思
(
おも
)
つて、
238
ホクホクしてゐる
代物
(
しろもの
)
だから、
239
到底
(
たうてい
)
吾々
(
われわれ
)
の
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
の
快楽
(
くわいらく
)
は
味
(
あぢ
)
はふ
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
まい。
240
ホンに
憐
(
あは
)
れな
代物
(
しろもの
)
だ。
241
俺
(
おれ
)
は
決
(
けつ
)
して
牢獄
(
らうごく
)
へは
這入
(
はい
)
つてゐない。
242
貴様
(
きさま
)
こそ
無間
(
むげん
)
地獄
(
ぢごく
)
の
牢獄
(
らうごく
)
に
捕
(
とら
)
へられて
苦
(
くるし
)
んでゐる
憐
(
あは
)
れ
至極
(
しごく
)
な
代物
(
しろもの
)
だ。
243
如何
(
どう
)
かして
解放
(
かいはう
)
してやりたいと
思
(
おも
)
つてゐるが、
244
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
つても
随分
(
ずゐぶん
)
貴様
(
きさま
)
は
罪
(
つみ
)
が
重
(
おも
)
いから、
245
容易
(
ようい
)
に
放免
(
はうめん
)
してやる
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
かぬ。
246
誠
(
まこと
)
に
以
(
もつ
)
て
憫然
(
びんぜん
)
の
至
(
いた
)
りだ』
247
ベールは
首
(
くび
)
を
傾
(
かたむ
)
け、
248
不審顔
(
ふしんがほ
)
、
249
ベール
『アーア
又
(
また
)
此処
(
こいつ
)
も
駄目
(
だめ
)
だ。
250
沢山
(
たくさん
)
な
気違
(
きちがひ
)
が
簇生
(
ぞくせい
)
したものだ。
251
此
(
この
)
様
(
やう
)
な
暗黒
(
あんこく
)
な
苦
(
くる
)
しい
牢獄
(
らうごく
)
を
無上
(
むじやう
)
の
楽園地
(
らくゑんち
)
のやうに
思
(
おも
)
つてゐるのだから
仕方
(
しかた
)
がない。
252
到底
(
たうてい
)
此奴
(
こいつ
)
は
魂
(
たま
)
から
焼
(
や
)
き
直
(
なほ
)
さねば
元々
(
もともと
)
にはなるまい。
253
オイ、
254
シルレング、
255
貴様
(
きさま
)
だけはチツと
正気
(
しやうき
)
があるだらう。
256
サア
早
(
はや
)
くここを
出
(
で
)
たり
出
(
で
)
たり』
257
シルレング
『オイ、
258
ベール、
259
やめとかうかい。
260
出
(
で
)
た
所
(
ところ
)
で
又
(
また
)
もや
何
(
なん
)
とか
彼
(
か
)
とか、
261
難
(
なん
)
くせをつけ、
262
風向
(
かざなみ
)
が
悪
(
わる
)
いと、
263
又
(
また
)
もや
引捕
(
ひきとら
)
へてブチ
込
(
こ
)
まれると、
264
何
(
なん
)
にもならない。
265
面倒
(
めんだう
)
臭
(
くさ
)
いから、
266
此処
(
ここ
)
に
永遠
(
ゑいゑん
)
無窮
(
むきう
)
に
鎮座
(
ちんざ
)
まします
考
(
かんが
)
へだ。
267
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
は
有難
(
ありがた
)
いが、
268
却
(
かへつ
)
て
吾々
(
われわれ
)
の
為
(
ため
)
に
迷惑
(
めいわく
)
となる。
269
どうぞそんな
事
(
こと
)
は
断念
(
だんねん
)
したがよからうぞ。
270
人
(
ひと
)
の
疝気
(
せんき
)
を
頭痛
(
づつう
)
にやむよりも、
271
一刻
(
いつこく
)
の
間
(
ま
)
も
時間
(
じかん
)
を
大切
(
たいせつ
)
にして、
272
厳重
(
げんぢゆう
)
に
無実
(
むじつ
)
の
科人
(
とがにん
)
を
逃
(
のが
)
さない
様
(
やう
)
に
努
(
つと
)
める
方
(
はう
)
が、
273
貴様
(
きさま
)
の
後生
(
ごしやう
)
の
為
(
ため
)
だ。
274
何
(
なに
)
もかも
大
(
だい
)
の
字
(
じ
)
逆
(
さか
)
さまの
現代
(
げんだい
)
だから、
275
石
(
いし
)
が
流
(
なが
)
れて
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
が
沈
(
しづ
)
む、
276
親爺
(
おやぢ
)
が
女郎
(
ぢよらう
)
買
(
か
)
ふ、
277
子
(
こ
)
が
念仏
(
ねんぶつ
)
三昧
(
ざんまい
)
に
入
(
い
)
ると
云
(
い
)
ふ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だ。
278
貴様
(
きさま
)
も
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
、
279
矛盾
(
むじゆん
)
撞着
(
どうちやく
)
のあらむ
限
(
かぎ
)
りを
尽
(
つく
)
して、
280
天
(
てん
)
の
牢獄
(
らうごく
)
に
投
(
とう
)
ぜらるるのを
楽
(
たの
)
しんで
待
(
ま
)
つがよからう、
281
ウフヽヽヽ……
282
身
(
み
)
はたとへ
牢獄
(
ひとや
)
の
中
(
うち
)
にひそむとも
283
心
(
こころ
)
は
神
(
かみ
)
の
神苑
(
みその
)
に
遊
(
あそ
)
べり
284
欲
(
よく
)
と
云
(
い
)
ふ
百
(
もも
)
の
魔神
(
まがみ
)
に
捉
(
とら
)
へられ
285
苦
(
くるし
)
むベールの
憐
(
あは
)
れなるかも
286
曇
(
くも
)
りたる
曲
(
まが
)
のベールの
心
(
こころ
)
には
287
牢獄
(
ひとや
)
を
地獄
(
ぢごく
)
と
思
(
おも
)
ひそめけむ
288
日月
(
じつげつ
)
の
光
(
ひかり
)
かがやく
心
(
こころ
)
には
289
鬼
(
おに
)
もなければ
牢獄
(
らうごく
)
もなし
290
六
(
ろく
)
尺
(
しやく
)
の
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
をば
縛
(
しば
)
るとも
291
心
(
こころ
)
は
高
(
たか
)
く
大空
(
おほぞら
)
に
舞
(
ま
)
ふ
292
ヤイ、ベール
早
(
はや
)
く
心
(
こころ
)
を
立直
(
たてなほ
)
し
293
牢獄
(
ひとや
)
に
来
(
きた
)
れ
誠
(
まこと
)
を
聞
(
き
)
かさむ
294
われよりも
貴様
(
きさま
)
の
方
(
はう
)
が
辛
(
つら
)
からう
295
夜昼
(
よるひる
)
寝
(
ね
)
ずにテクテクとして』
296
ユーズは
又
(
また
)
中
(
なか
)
より、
297
ユーズ
『ユーズこそ
神
(
かみ
)
の
誠
(
まこと
)
の
宮代
(
みやしろ
)
よ
298
鬼
(
おに
)
や
悪魔
(
あくま
)
も
襲
(
おそ
)
ひ
得
(
え
)
ざれば
299
竜雲
(
りううん
)
やケールス
姫
(
ひめ
)
の
曲業
(
まがわざ
)
を
300
いかでか
神
(
かみ
)
は
憎
(
にく
)
まざらまし
301
憎
(
にく
)
むより
神
(
かみ
)
は
憐
(
あは
)
れと
思
(
おぼ
)
すらむ
302
自
(
みづか
)
らおつる
地獄
(
ぢごく
)
餓鬼道
(
がきだう
)
303
サガレンの
王
(
きみ
)
の
命
(
みこと
)
は
惟神
(
かむながら
)
304
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りに
安
(
やす
)
く
居
(
ゐ
)
まさむ
305
今
(
いま
)
暫
(
しば
)
し
暴風
(
あらし
)
吹
(
ふ
)
けどもやがて
又
(
また
)
306
風
(
かぜ
)
凪
(
な
)
ぎ
渡
(
わた
)
り
栄
(
さか
)
えにあふべし
307
竜巻
(
たつまき
)
の
雲
(
くも
)
の
勢
(
いきほひ
)
強
(
つよ
)
くとも
308
科戸
(
しなど
)
の
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれ
散
(
ち
)
るべし』
309
セールは
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ふ。
310
セール
『
大奥
(
おほおく
)
の
床
(
ゆか
)
まで
穿
(
うが
)
ちブルブルと
311
震
(
ふる
)
ひてくらす
奴
(
やつ
)
ぞ
可笑
(
をか
)
しき
312
誠
(
まこと
)
さへあらば
天地
(
てんち
)
に
何者
(
なにもの
)
も
313
恐
(
おそ
)
るべき
者
(
もの
)
あらざらましを
314
君
(
きみ
)
をすて
誠
(
まこと
)
をすてて
竜雲
(
りううん
)
が
315
やがて
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
生命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
つべし』
316
アナンは
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ふ。
317
アナン
『アナンをば
座敷
(
ざしき
)
の
中
(
なか
)
に
放
(
ほ
)
り
置
(
お
)
いて
318
人
(
ひと
)
を
地底
(
ちそこ
)
へおとし
穴
(
あな
)
掘
(
ほ
)
る
319
ケールスの
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
の
陥穽
(
おとしあな
)
320
知
(
し
)
らず
知
(
し
)
らずに
竜雲
(
りううん
)
落
(
お
)
ちける
321
待
(
ま
)
て
暫
(
しば
)
し
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
322
曲津
(
まがつ
)
の
首
(
くび
)
を
薙
(
な
)
ぎ
放
(
ほ
)
りまさむ
323
竜雲
(
りううん
)
やベールが
歎
(
なげ
)
きて
頼
(
たの
)
むとも
324
いかでか
出
(
い
)
でむこれの
牢獄
(
ひとや
)
を
325
面白
(
おもしろ
)
く
牢獄
(
ひとや
)
の
中
(
なか
)
に
微笑
(
ほほゑ
)
みて
326
曲津
(
まがつ
)
の
手振
(
てぶり
)
眺
(
なが
)
めくらさむ』
327
ベールは
途方
(
とはう
)
に
暮
(
く
)
れ、
328
自分
(
じぶん
)
も
亦
(
また
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
詞
(
ことば
)
に
何時
(
いつ
)
とはなしに
釣
(
つ
)
り
込
(
こ
)
まれて、
329
知
(
し
)
らぬ
間
(
ま
)
に
牢獄
(
らうごく
)
の
中
(
なか
)
に
這入
(
はい
)
つて
了
(
しま
)
ひ、
330
中
(
なか
)
からピシヤリと
戸
(
と
)
を
閉
(
し
)
めた
途端
(
とたん
)
に、
331
錠
(
ぢやう
)
はガタリとおりた。
332
肝腎
(
かんじん
)
の
鍵
(
かぎ
)
は
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
に
黙
(
だま
)
つて
横
(
よこ
)
たはつてゐる。
333
ユーズ『オイ、
334
ベール、
335
とうとう
貴様
(
きさま
)
も
改心
(
かいしん
)
しよつたな。
336
サアもう
斯
(
か
)
うなる
以上
(
いじやう
)
は、
337
活殺
(
くわつさつ
)
の
権
(
けん
)
はユーズ
外
(
ほか
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
握
(
にぎ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのだ。
338
どうだ、
339
俺
(
おれ
)
の
言霊
(
ことたま
)
には
降服
(
かうふく
)
致
(
いた
)
したか』
340
ベールは
初
(
はじ
)
めて
気
(
き
)
が
付
(
つ
)
き、
341
ベール
『ヤア
此奴
(
こいつ
)
ア
失敗
(
しま
)
つた!
取返
(
とりかへ
)
しのならぬ
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
たわい』
342
アナン『マアさうお
急
(
せ
)
きになるにも
及
(
およ
)
びませぬ。
343
折角
(
せつかく
)
はるばると
御
(
ご
)
訪問
(
はうもん
)
下
(
くだ
)
さいまして、
344
吾々
(
われわれ
)
一同
(
いちどう
)
は
実
(
じつ
)
に
感謝
(
かんしや
)
に
堪
(
た
)
へませぬ。
345
お
茶
(
ちや
)
なつと
差上
(
さしあ
)
げたきは
山々
(
やまやま
)
なれど、
346
御存
(
ごぞん
)
じの
通
(
とほ
)
りお
館
(
やかた
)
が
貧乏
(
びんばふ
)
ですから、
347
碌
(
ろく
)
なお
茶
(
ちや
)
も
御座
(
ござ
)
いませぬ。
348
ここにアナンの
魔法瓶
(
まはふびん
)
が
御座
(
ござ
)
います。
349
これなら
少
(
すこ
)
しは
温
(
あたた
)
かいでせうから、
350
御
(
ご
)
遠慮
(
ゑんりよ
)
なうおあがり
下
(
くだ
)
さい』
351
と
前
(
まへ
)
をまくらうとする。
352
ベールは
慌
(
あわ
)
てて
首
(
くび
)
をふり、
353
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せながら、
354
ベール
『イヤもう、
355
お
構
(
かま
)
ひ
下
(
くだ
)
さいますな。
356
茶
(
ちや
)
は
実
(
じつ
)
は
飲
(
の
)
まないのです。
357
盤古
(
ばんこ
)
神王
(
しんわう
)
さまに
茶断
(
ちやだ
)
ちを
致
(
いた
)
しましたから………』
358
ユーズ『
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
もあれ、
359
ユーズの
家内
(
かない
)
が
一人
(
ひとり
)
殖
(
ふ
)
ゑたのだから、
360
お
目出度
(
めでた
)
い。
361
どうぞ
御
(
ご
)
入魂
(
じつこん
)
に
願
(
ねが
)
ひますよ。
362
同
(
おな
)
じ
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
さまの
分霊
(
わけみたま
)
、
363
四海
(
しかい
)
同胞
(
どうはう
)
だから、
364
互
(
たがひ
)
に
相親
(
あひした
)
しみ
相愛
(
あひあい
)
し、
365
この
天国
(
てんごく
)
の
春
(
はる
)
を
楽
(
たのし
)
む
事
(
こと
)
に
致
(
いた
)
しませうかい』
366
セール『
折角
(
せつかく
)
のベールさまの
御
(
ご
)
入来
(
じゆらい
)
だから、
367
何
(
なん
)
ぞお
愛想
(
あいさう
)
に
上
(
あ
)
げたいものだ。
368
オウ
幸
(
さいは
)
ひ、
369
此処
(
ここ
)
にセール
親譲
(
おやゆづ
)
りの
蠑螺
(
さざえ
)
の
壺焼
(
つぼやき
)
がある。
370
之
(
これ
)
を
進
(
しん
)
ぜうかい』
371
と
目配
(
めくば
)
せした。
372
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
を
固
(
かた
)
めながら、
373
四人(アナン、セール、ユーズ、シルレング)
『
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
むだう
)
の
竜雲
(
りううん
)
に
与
(
くみ
)
するベール、
374
思
(
おも
)
ひ
知
(
し
)
れよ!』
375
と
四方
(
しはう
)
より
拳骨
(
げんこつ
)
の
雨
(
あめ
)
を
叩
(
たた
)
きつけられ、
376
ベールは
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りの
悲鳴
(
ひめい
)
をあげて
救
(
すく
)
ひを
呼
(
よ
)
ぶ。
377
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
き
付
(
つ
)
けて
一人
(
ひとり
)
の
牢番
(
らうばん
)
はあわただしく
駆
(
か
)
けつけ
来
(
きた
)
る。
378
(
大正一一・九・二三
旧八・三
松村真澄
録)
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【第18章 心の天国|第36巻|海洋万里|霊界物語|/rm3618】
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