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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第36巻(亥の巻)
序文
総説
第1篇 天意か人意か
第1章 二教対立
第2章 川辺の館
第3章 反間苦肉
第4章 無法人
第5章 バリーの館
第6章 意外な答
第7章 蒙塵
第8章 悪現霊
第2篇 松浦の岩窟
第9章 濃霧の途
第10章 岩隠れ
第11章 泥酔
第12章 無住居士
第13章 恵の花
第14章 歎願
第3篇 神地の暗雲
第15章 眩代思潮
第16章 門雀
第17章 一目翁
第18章 心の天国
第19章 紅蓮の舌
第4篇 言霊神軍
第20章 岩窟の邂逅
第21章 火の洗礼
第22章 春の雪
第23章 雪達磨
第24章 三六合
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海洋万里(第25~36巻)
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第36巻(亥の巻)
> 第4篇 言霊神軍 > 第22章 春の雪
<<< 火の洗礼
(B)
(N)
雪達磨 >>>
第二二章
春
(
はる
)
の
雪
(
ゆき
)
〔一〇一〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第36巻 海洋万里 亥の巻
篇:
第4篇 言霊神軍
よみ(新仮名遣い):
ことたましんぐん
章:
第22章 春の雪
よみ(新仮名遣い):
はるのゆき
通し章番号:
1010
口述日:
1922(大正11)年09月24日(旧08月4日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年12月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
神地の城は天恵的に火の洗礼を施され、すべての建造物は焼け落ちたが浄化された。また人々はその身にまったく傷を負うこともなかった。人々はサガレン王派も竜雲にしたがっていた者も、一同神徳に感謝した。
そして天の目一つの神の導師のもとに、国治立大神、塩長彦大神、大国彦大神を祀る祭壇を作り、天津祝詞を奏上して感謝と悔い改めの祈願をこらした。敵味方、宗教の異動も忘却してひたすら神恩を感謝し、たちまち地上の天国は築かれた。
サガレン王がもしもの時のための用意に造っていた河森川の向こう岸の八尋殿は、火災に遭わずに残っていた。王は一同を率いて新しい八尋殿に入り、天の目一つの神、君子姫、清子姫を主賓として感謝慰労の宴会を開いた。
竜雲とケールス姫も、この宴の片隅に息を殺してかしこまっていた。悪霊が脱出した竜雲は、依然と打って変わってその身は委縮し、以前のような気品や勢いがなくあわれな姿になってしまった。
人は守護する神の如何によってその身魂を向上したり向下したりするものであり、善悪正邪の行動を行うものである。
また悪魔は、常に悪相をもって顕現するものではなく、善の仮面をかぶって人の眼をくらませ、悪を敢行しようとするものである。逆に悪魔のごとく恐ろしく見える人々の中にも、かえって誠の神の身魂の活動をなし、善事善行をなす者のたくさんある。
ゆえに人間の弱い眼力ではとうてい人の善悪正邪は判別しえるものではない。人を裁く権力を有し給うのは、ただ神様だけなのである。みだりに人を裁くのは神の権限を冒すものであり、大きな罪なのである。
悪霊が脱出して委縮した竜雲も、再び正義公道に立ち返って信仰を重ね、神の恩寵に浴すれば、以前に勝る身魂を授けられるのである。ケールス姫は一足先に改心をなしたため、比較的泰然としてこの場に会った。
竜雲とケールス姫は懺悔の歌を歌い、恥ずかしげに片隅に身をひそめてうずくまっている姿は、人々の同情を誘うほどであった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-10-14 12:44:56
OBC :
rm3622
愛善世界社版:
247頁
八幡書店版:
第6輯 670頁
修補版:
校定版:
257頁
普及版:
108頁
初版:
ページ備考:
001
神地
(
かうぢ
)
の
城
(
しろ
)
は、
002
天恵
(
てんけい
)
的
(
てき
)
に
火
(
ひ
)
の
洗礼
(
せんれい
)
を
施
(
ほどこ
)
され、
003
城内
(
じやうない
)
の
悪魔
(
あくま
)
は
残
(
のこ
)
らず
退散
(
たいさん
)
し、
004
すべての
建造物
(
けんざうぶつ
)
は
烏有
(
ういう
)
に
帰
(
き
)
し、
005
天
(
てん
)
清
(
きよ
)
く
風
(
かぜ
)
爽
(
さはや
)
かに、
006
土
(
つち
)
また
総
(
すべ
)
ての
塵芥
(
ぢんかい
)
を
焼
(
や
)
き
尽
(
つく
)
し、
007
天清浄
(
てんしやうじやう
)
、
008
地清浄
(
ちしやうじやう
)
、
009
人清浄
(
じんしやうじやう
)
、
010
六根
(
ろくこん
)
清浄
(
しやうじやう
)
の
娑婆
(
しやば
)
即
(
そく
)
寂光土
(
じやくくわうど
)
を
現出
(
げんしゆつ
)
した。
011
サガレン
王
(
わう
)
の
率
(
ひき
)
ゐ
来
(
きた
)
れる
正義
(
せいぎ
)
の
人々
(
ひとびと
)
をはじめ、
012
城内
(
じやうない
)
に
止
(
とど
)
まりて
竜雲
(
りううん
)
の
頤使
(
いし
)
に
甘
(
あま
)
んじ、
013
知
(
し
)
らず
知
(
し
)
らず
邪道
(
じやだう
)
に
陥
(
おちい
)
り
居
(
ゐ
)
たる
数多
(
あまた
)
の
人々
(
ひとびと
)
も
残
(
のこ
)
らず
目
(
め
)
を
醒
(
さま
)
し、
014
広
(
ひろ
)
き
城
(
しろ
)
の
馬場
(
ばんば
)
に
集
(
あつ
)
まつて、
015
何
(
いづ
)
れも
身
(
み
)
に
微傷
(
びしやう
)
だにも
負
(
お
)
はざりし
神徳
(
しんとく
)
に
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
しつつ、
016
天
(
あめ
)
の
目一
(
まひと
)
つの
神
(
かみ
)
の
導師
(
だうし
)
の
下
(
もと
)
に、
017
国治立
(
くにはるたちの
)
大神
(
おほかみ
)
、
018
塩長彦
(
しほながひこの
)
大神
(
おほかみ
)
、
019
大国彦
(
おほくにひこの
)
大神
(
おほかみ
)
を
斎
(
いつ
)
くべく、
020
俄作
(
にはかづく
)
りの
祭壇
(
さいだん
)
の
前
(
まへ
)
に、
021
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
022
神徳
(
しんとく
)
を
讃美
(
さんび
)
し、
023
悔
(
く
)
い
改
(
あらた
)
めの
祈願
(
きぐわん
)
を
凝
(
こ
)
らし、
024
敵
(
てき
)
と
味方
(
みかた
)
の
障壁
(
しやうへき
)
もなく、
025
宗教
(
しうけう
)
の
異同
(
いどう
)
も
忘却
(
ばうきやく
)
して
只管
(
ひたすら
)
神恩
(
しんおん
)
を
感謝
(
かんしや
)
するのみにして
忽
(
たちま
)
ち
地上
(
ちじやう
)
の
天国
(
てんごく
)
は
築
(
きづ
)
かれけり。
026
神地
(
かうぢ
)
の
城
(
しろ
)
は
火
(
ひ
)
の
洗礼
(
せんれい
)
によりて、
027
地上
(
ちじやう
)
に
一物
(
いちもつ
)
も
止
(
とど
)
めず
烏有
(
ういう
)
に
帰
(
き
)
したれども、
028
サガレン
王
(
わう
)
がまさかの
時
(
とき
)
の
用意
(
ようい
)
にと、
029
新
(
あらた
)
に
造
(
つく
)
り
置
(
お
)
きたる
河森川
(
かうもりがは
)
の
向岸
(
むかふぎし
)
の
八尋殿
(
やひろどの
)
は、
030
未
(
いま
)
だ
一人
(
ひとり
)
の
住込
(
すみこ
)
みたるものもなきままに、
031
完全
(
くわんぜん
)
に
残
(
のこ
)
されありしかば、
032
サガレン
王
(
わう
)
は
一同
(
いちどう
)
の
人々
(
ひとびと
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
新
(
あたら
)
しき
八尋殿
(
やひろどの
)
に
立入
(
たちい
)
り、
033
都下
(
とか
)
の
人々
(
ひとびと
)
が
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
うて、
034
火事
(
くわじ
)
見舞
(
みまひ
)
として
奉
(
たてまつ
)
りたる
諸々
(
もろもろ
)
の
飲食
(
おんじき
)
を
並
(
なら
)
べ
一同
(
いちどう
)
を
饗応
(
きやうおう
)
し、
035
且
(
か
)
つ
天
(
あめ
)
の
目一
(
まひと
)
つの
神
(
かみ
)
、
036
君子姫
(
きみこひめ
)
、
037
清子姫
(
きよこひめ
)
を
主賓
(
しゆひん
)
として、
038
感謝
(
かんしや
)
慰労
(
ゐらう
)
の
宴会
(
えんくわい
)
を
開
(
ひら
)
く
事
(
こと
)
とはなりぬ。
039
ケールス
姫
(
ひめ
)
も
竜雲
(
りううん
)
も
亦
(
また
)
悄然
(
せうぜん
)
として、
040
此
(
この
)
席
(
せき
)
に
恥
(
はづ
)
かしげに
小
(
ちひ
)
さくなつて
片隅
(
かたすみ
)
に
控
(
ひか
)
へ
居
(
ゐ
)
る。
041
人
(
ひと
)
の
性
(
せい
)
は
善
(
ぜん
)
なりとは
宜
(
むべ
)
なるかな、
042
ケールス
姫
(
ひめ
)
は
一
(
いち
)
時
(
じ
)
、
043
妖邪
(
えうじや
)
の
気
(
き
)
に
迷
(
まよ
)
はされ、
044
心
(
こころ
)
汚
(
きたな
)
き
竜雲
(
りううん
)
が
計略
(
けいりやく
)
の
罠
(
わな
)
に
陥
(
おちい
)
り、
045
恐
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
くもわが
夫
(
をつと
)
たり
君
(
きみ
)
たる
国別彦
(
くにわけひこ
)
の
神司
(
かむつかさ
)
を
無視
(
むし
)
し、
046
且
(
か
)
つ
放逐
(
はうちく
)
したる
其
(
その
)
悪業
(
あくげふ
)
を
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
悔
(
く
)
い、
047
身
(
み
)
も
世
(
よ
)
もあられぬ
思
(
おも
)
ひにて、
048
良心
(
りやうしん
)
に
責
(
せ
)
められながら、
049
つつましやかに
片隅
(
かたすみ
)
に
息
(
いき
)
を
殺
(
ころ
)
して
畏
(
かしこ
)
まり
居
(
ゐ
)
る。
050
又
(
また
)
竜雲
(
りううん
)
も
一
(
いち
)
時
(
じ
)
の
欲
(
よく
)
に
搦
(
から
)
まれ、
051
悪鬼
(
あくき
)
邪神
(
じやしん
)
の
捕虜
(
ほりよ
)
となり、
052
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
むだう
)
の
醜業
(
しこわざ
)
を
繰返
(
くりかへ
)
したることを
深
(
ふか
)
く
悔
(
く
)
い、
053
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
犯
(
おか
)
せし
罪
(
つみ
)
の
恐
(
おそ
)
ろしく
心
(
こころ
)
の
呵責
(
かしやく
)
に
身
(
み
)
の
置
(
お
)
き
処
(
どころ
)
もなく、
054
人々
(
ひとびと
)
に
顔
(
かほ
)
を
向
(
む
)
ける
勇気
(
ゆうき
)
もなく、
055
頭
(
かしら
)
を
下
(
さ
)
げて
片隅
(
かたすみ
)
に
縮
(
ちぢ
)
こまり
居
(
ゐ
)
る。
056
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
竜雲
(
りううん
)
は
大兵
(
たいひやう
)
肥満
(
ひまん
)
にして、
057
一見
(
いつけん
)
温良
(
おんりやう
)
の
神人
(
しんじん
)
の
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
え
居
(
ゐ
)
たりしが、
058
己
(
おのれ
)
が
悪事
(
あくじ
)
を
悔悟
(
くわいご
)
すると
共
(
とも
)
に、
059
深
(
ふか
)
く
身魂
(
しんこん
)
に
浸
(
し
)
み
渡
(
わた
)
り
居
(
ゐ
)
たる
曲神
(
まがかみ
)
の、
060
身内
(
しんない
)
より
脱出
(
だつしゆつ
)
し
終
(
をは
)
りたる
彼
(
かれ
)
の
身
(
み
)
は、
061
忽
(
たちま
)
ち
縮小
(
しゆくせう
)
し、
062
萎微
(
ゐび
)
し、
063
以前
(
いぜん
)
の
如
(
ごと
)
き
気品
(
きひん
)
もなければ、
064
打
(
う
)
つて
変
(
かは
)
つた
痩坊主
(
やせばうず
)
の
見
(
み
)
るもいぶせき
姿
(
すがた
)
となりしぞ
憐
(
あは
)
れなり。
065
これを
思
(
おも
)
へば、
066
総
(
すべ
)
ての
人
(
ひと
)
は
憑霊
(
ひようれい
)
の
如何
(
いかん
)
によつて
其
(
その
)
身魂
(
しんこん
)
を
向上
(
かうじやう
)
せしめ、
067
或
(
あるひ
)
は
向下
(
かうか
)
せしめ、
068
善悪
(
ぜんあく
)
正邪
(
せいじや
)
、
069
種々
(
しゆじゆ
)
雑多
(
ざつた
)
の
行動
(
かうどう
)
を
知
(
し
)
らず
知
(
し
)
らずに
行
(
おこな
)
ふものなるを
悟
(
さと
)
らるるなり。
070
神諭
(
しんゆ
)
にも、
071
『
善
(
ぜん
)
の
神
(
かみ
)
が
守護
(
しゆご
)
致
(
いた
)
せば
善
(
ぜん
)
の
行
(
おこな
)
ひのみをなし、
072
悪
(
あく
)
の
霊
(
みたま
)
が
其
(
その
)
肉体
(
にくたい
)
を
守護
(
しゆご
)
すれば
悪
(
あく
)
の
行
(
おこな
)
ひをなすものだ』
073
と
示
(
しめ
)
されてあるは
宜
(
うべ
)
なりと
謂
(
い
)
ふべし。
074
又
(
また
)
悪魔
(
あくま
)
は
決
(
けつ
)
して
悪相
(
あくさう
)
をもつて
顕現
(
けんげん
)
するものではなく、
075
必
(
かなら
)
ず
善
(
ぜん
)
の
仮面
(
かめん
)
を
被
(
かぶ
)
りて
人
(
ひと
)
の
眼
(
まなこ
)
を
眩
(
くら
)
ませ、
076
悪
(
あく
)
を
敢行
(
かんかう
)
せむとするものである。
077
一見
(
いつけん
)
して
至正
(
しせい
)
至直
(
しちよく
)
の
君子人
(
くんしじん
)
と
見
(
み
)
え、
078
温良
(
おんりやう
)
慈悲
(
じひ
)
の
聖者
(
せいじや
)
と
見
(
み
)
ゆる
人々
(
ひとびと
)
にも、
079
また
柔順
(
じうじゆん
)
にして
女
(
をんな
)
の
如
(
ごと
)
く
淑
(
しと
)
やかに
見
(
み
)
ゆる
男子
(
だんし
)
の
中
(
なか
)
にも、
080
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
むだう
)
の
行
(
おこな
)
ひをなすものがあるのは、
081
要
(
えう
)
するに
悪神
(
あくがみ
)
の
憑依
(
ひようい
)
して、
082
其
(
その
)
人
(
ひと
)
の
身魂
(
しんこん
)
を
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
使役
(
しえき
)
するからである。
083
又
(
また
)
一見
(
いつけん
)
して
鬼
(
おに
)
の
如
(
ごと
)
く、
084
悪魔
(
あくま
)
の
如
(
ごと
)
く
恐
(
おそ
)
ろしく
見
(
み
)
ゆる
人々
(
ひとびと
)
の
中
(
なか
)
に、
085
却
(
かへつ
)
て
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
身魂
(
みたま
)
活動
(
くわつどう
)
し、
086
善事
(
ぜんじ
)
善行
(
ぜんかう
)
をなすものも
非常
(
ひじやう
)
に
沢山
(
たくさん
)
あるものである。
087
故
(
ゆゑ
)
に
人間
(
にんげん
)
の
弱
(
よわ
)
き
眼力
(
がんりき
)
にては
到底
(
たうてい
)
人
(
ひと
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
正邪
(
せいじや
)
は
判別
(
はんべつ
)
し
得
(
え
)
らるるものでない。
088
人
(
ひと
)
を
裁
(
さば
)
くは
到底
(
たうてい
)
人
(
ひと
)
の
力
(
ちから
)
の
能
(
よ
)
くし
能
(
あた
)
はざる
処
(
ところ
)
、
089
これを
裁
(
さば
)
く
権力
(
けんりよく
)
を
享有
(
きやういう
)
し
給
(
たま
)
ふものは、
090
只
(
ただ
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
計
(
ばか
)
りである。
091
故
(
ゆゑ
)
に
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝歌
(
せんでんか
)
にも、
092
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立
(
た
)
て
別
(
わ
)
ける』
093
云々
(
うんぬん
)
と
宣示
(
せんじ
)
されてあるのである。
094
漫
(
みだ
)
りに
人
(
ひと
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
正邪
(
せいじや
)
を
裁
(
さば
)
くは
所謂
(
いはゆる
)
神
(
かみ
)
の
権限
(
けんげん
)
を
冒
(
をか
)
すものであつて、
095
正
(
ただ
)
しき
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
目
(
め
)
よりは
由々
(
ゆゆ
)
しき
大罪人
(
だいざいにん
)
である。
096
又
(
また
)
心魂
(
しんこん
)
の
清
(
きよ
)
く
行
(
おこな
)
ひの
正
(
ただ
)
しき
人
(
ひと
)
が
一見
(
いつけん
)
して
其
(
その
)
心
(
こころ
)
の
儘
(
まま
)
が
現
(
あら
)
はれ、
097
至善
(
しぜん
)
至美
(
しび
)
至直
(
しちよく
)
の
善人
(
ぜんにん
)
と
見
(
み
)
ゆる
事
(
こと
)
もある。
098
又
(
また
)
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
の
曲
(
まが
)
り
汚
(
けが
)
れて
悪事
(
あくじ
)
をなす
人
(
ひと
)
の
肉体
(
にくたい
)
が、
099
一見
(
いつけん
)
して
悪
(
あく
)
に
見
(
み
)
え
卑劣
(
ひれつ
)
に
見
(
み
)
える
事
(
こと
)
もある。
100
総
(
すべ
)
ての
人
(
ひと
)
の
容貌
(
ようばう
)
は
心
(
こころ
)
の
鏡
(
かがみ
)
であるから
諺
(
ことわざ
)
にも
云
(
い
)
ふ
通
(
とほ
)
り、
101
『
思
(
おも
)
ひ
内
(
うち
)
にあれば
色
(
いろ
)
必
(
かなら
)
ず
外
(
そと
)
に
現
(
あら
)
はる』
102
の
箴言
(
しんげん
)
に
漏
(
も
)
れないものも
沢山
(
たくさん
)
にある。
103
然
(
しか
)
るに
凶悪
(
きやうあく
)
獰猛
(
だうまう
)
なる
邪神
(
じやしん
)
は
容易
(
ようい
)
に
其
(
その
)
醜状
(
しうじやう
)
を
憑依
(
ひようい
)
せる
人
(
ひと
)
の
容貌
(
ようばう
)
に
現
(
あら
)
はさず、
104
却
(
かへ
)
つて
聖人
(
せいじん
)
君子
(
くんし
)
の
如
(
ごと
)
き
面貌
(
めんばう
)
を
表
(
あら
)
はし、
105
悪
(
あく
)
を
行
(
おこな
)
ひ
世人
(
せじん
)
を
苦
(
くる
)
しめ、
106
以
(
もつ
)
て
自
(
みづか
)
ら
快
(
こころよ
)
しとする
者
(
もの
)
も
沢山
(
たくさん
)
にある。
107
故
(
ゆゑ
)
に
徒
(
いたづら
)
に
人
(
ひと
)
の
容貌
(
ようばう
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
美醜
(
びしう
)
を
見
(
み
)
て
其
(
その
)
人
(
ひと
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
や
人格
(
じんかく
)
を
品評
(
ひんぺう
)
する
事
(
こと
)
は
到底
(
たうてい
)
不可能
(
ふかのう
)
なる
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へねばならぬ。
108
千変
(
せんぺん
)
万化
(
ばんくわ
)
、
109
変幻
(
へんげん
)
出没
(
しゆつぼつ
)
極
(
きは
)
まりなく、
110
白昼
(
はくちう
)
に
悪事
(
あくじ
)
を
敢行
(
かんかう
)
するは
悪魔
(
あくま
)
の
得意
(
とくい
)
とする
処
(
ところ
)
である。
111
悪魔
(
あくま
)
は
清明
(
せいめい
)
を
嫌
(
きら
)
ひ、
112
暗黒
(
あんこく
)
を
喜
(
よろこ
)
び、
113
暗
(
やみ
)
にかくれて
種々
(
しゆじゆ
)
雑多
(
ざつた
)
の
罪悪
(
ざいあく
)
を
喜
(
よろこ
)
んで
行
(
おこな
)
ふものである。
114
然
(
しか
)
しこれは
一般
(
いつぱん
)
的
(
てき
)
悪魔
(
あくま
)
の
為
(
な
)
すべき
働
(
はたら
)
きである。
115
大悪魔
(
だいあくま
)
に
至
(
いた
)
つては
然
(
しか
)
らず、
116
却
(
かへ
)
つて
清明
(
せいめい
)
なる
天地
(
てんち
)
に
公然
(
こうぜん
)
横行
(
わうかう
)
し、
117
万民
(
ばんみん
)
を
誑惑
(
きやうわく
)
し、
118
白日
(
はくじつ
)
の
下
(
もと
)
正々
(
せいせい
)
堂々
(
だうだう
)
と
其
(
その
)
悪事
(
あくじ
)
を
敢行
(
かんかう
)
し、
119
却
(
かへ
)
つて
心
(
こころ
)
暗
(
くら
)
き
人々
(
ひとびと
)
より、
120
聖人
(
せいじん
)
君子
(
くんし
)
英雄
(
えいゆう
)
豪傑
(
がうけつ
)
の
尊称
(
そんしよう
)
を
与
(
あた
)
へられ、
121
得々
(
とくとく
)
として
誇
(
ほこ
)
り、
122
世人
(
せじん
)
与
(
くみ
)
し
易
(
やす
)
しと
蔭
(
かげ
)
に
廻
(
まは
)
つて、
123
そつと
舌
(
した
)
を
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
す
者
(
もの
)
も
沢山
(
たくさん
)
ないとは
云
(
い
)
へない
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
である。
124
一旦
(
いつたん
)
悪魔
(
あくま
)
の
容器
(
ようき
)
となつて
縦横
(
じうわう
)
無尽
(
むじん
)
に
暴威
(
ばうゐ
)
を
振
(
ふる
)
ひ、
125
旭日
(
きよくじつ
)
昇天
(
しようてん
)
の
勢
(
いきほひ
)
を
以
(
もつ
)
て
数多
(
あまた
)
の
部下
(
ぶか
)
に
臨
(
のぞ
)
みたる
竜雲
(
りううん
)
も、
126
悪霊
(
あくれい
)
の
神威
(
しんゐ
)
に
恐
(
おそ
)
れて
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
脱出
(
だつしゆつ
)
したるより、
127
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
威風
(
ゐふう
)
堂々
(
だうだう
)
たりし
彼
(
かれ
)
も
今
(
いま
)
は
全
(
まつた
)
く
別人
(
べつじん
)
の
如
(
ごと
)
く、
128
身体
(
しんたい
)
の
各部
(
かくぶ
)
に
変異
(
へんい
)
を
来
(
きた
)
し、
129
非力
(
ひりき
)
下劣
(
げれつ
)
の
生
(
うま
)
れながらの
劣等
(
れつとう
)
人格者
(
じんかくしや
)
となつてしまつた。
130
されどもこの
竜雲
(
りううん
)
にして、
131
再
(
ふたた
)
び
正義
(
せいぎ
)
公道
(
こうどう
)
を
踏
(
ふ
)
み、
132
信仰
(
しんかう
)
を
重
(
かさ
)
ね、
133
神
(
かみ
)
の
恩寵
(
おんちやう
)
に
浴
(
よく
)
しなば、
134
以前
(
いぜん
)
に
勝
(
まさ
)
る
聖人
(
せいじん
)
君子
(
くんし
)
の
身魂
(
しんこん
)
を
授
(
さづ
)
けられ、
135
温厚
(
をんこう
)
篤実
(
とくじつ
)
の
君子人
(
くんしじん
)
と
改造
(
かいざう
)
さるるは
当然
(
たうぜん
)
である。
136
ケールス
姫
(
ひめ
)
は
竜雲
(
りううん
)
に
一歩
(
いつぽ
)
先
(
さき
)
んじて
心
(
こころ
)
の
妖雲
(
えううん
)
を
払
(
はら
)
ひ、
137
心魂
(
しんこん
)
に
真如
(
しんによ
)
の
日月
(
じつげつ
)
を
輝
(
かがや
)
かし、
138
前非
(
ぜんぴ
)
を
悔
(
く
)
ゆるに
至
(
いた
)
りしかば、
139
今
(
いま
)
此
(
この
)
場
(
ば
)
になつても
比較
(
ひかく
)
的
(
てき
)
身魂
(
しんこん
)
を
動揺
(
どうえう
)
せしめず、
140
自若
(
じじやく
)
として
神
(
かみ
)
に
一身
(
いつしん
)
を
任
(
まか
)
せつつあつた。
141
竜雲
(
りううん
)
は
恥
(
はづ
)
かしげに
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
り
一同
(
いちどう
)
に
向
(
むか
)
つて
懺悔
(
ざんげ
)
の
歌
(
うた
)
を
謡
(
うた
)
ひ、
142
天地
(
てんち
)
の
神明
(
しんめい
)
に
謝罪
(
しやざい
)
の
誠
(
まこと
)
を
尽
(
つく
)
した。
143
其
(
その
)
歌
(
うた
)
、
144
竜雲
『
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
とは
古
(
いにしへ
)
の
145
無限
(
むげん
)
絶対
(
ぜつたい
)
無始
(
むし
)
無終
(
むしう
)
146
神徳
(
しんとく
)
無辺
(
むへん
)
の
大神
(
おほかみ
)
が
147
陰
(
いん
)
と
陽
(
やう
)
との
息
(
いき
)
をもて
148
造
(
つく
)
り
固
(
かた
)
めし
御国
(
みくに
)
なり
149
国治立
(
くにはるたちの
)
大神
(
おほかみ
)
は
150
天津
(
あまつ
)
御神
(
みかみ
)
の
勅
(
みこと
)
もて
151
尊
(
たふと
)
き
御
(
おん
)
身
(
み
)
を
顧
(
かへり
)
みず
152
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
瑞穂国
(
みづほくに
)
153
下津
(
したつ
)
岩根
(
いはね
)
にあもりまし
154
大海原
(
おほうなばら
)
に
漂
(
ただよ
)
へる
155
島
(
しま
)
の
八十島
(
やそしま
)
八十国
(
やそくに
)
を
156
完美
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
造
(
つく
)
り
終
(
を
)
へ
157
百
(
もも
)
の
神人
(
かみびと
)
悉
(
ことごと
)
く
158
守
(
まも
)
らせたまふ
有難
(
ありがた
)
さ
159
神世
(
かみよ
)
はやすく
平
(
たいら
)
けく
160
治
(
をさ
)
まりまして
吹
(
ふ
)
き
荒
(
すさ
)
ぶ
161
醜
(
しこ
)
の
魔風
(
まかぜ
)
の
跡
(
あと
)
もなく
162
罪
(
つみ
)
も
汚
(
けが
)
れも
無
(
な
)
かりしが
163
神
(
かみ
)
の
御息
(
みいき
)
に
生
(
うま
)
れたる
164
蒼生
(
あをひとぐさ
)
の
親
(
おや
)
とます
165
天足
(
あだる
)
の
彦
(
ひこ
)
や
胞場姫
(
えばひめ
)
の
166
天地
(
てんち
)
の
道
(
みち
)
を
踏
(
ふ
)
み
外
(
はづ
)
し
167
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御心
(
みこころ
)
に
168
背
(
そむ
)
きたるより
天ケ下
(
あめがした
)
169
四方
(
よも
)
の
国
(
くに
)
には
汚
(
けが
)
れたる
170
妖邪
(
えうじや
)
の
息
(
いき
)
は
充満
(
じうまん
)
し
171
其
(
その
)
息
(
いき
)
凝
(
こ
)
りて
鬼
(
おに
)
となり
172
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
や
醜狐
(
しこぎつね
)
173
醜女
(
しこめ
)
探女
(
さぐめ
)
を
発生
(
はつせい
)
し
174
世
(
よ
)
は
常闇
(
とこやみ
)
となりにけり
175
それより
漸
(
やうや
)
く
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
176
悪魔
(
あくま
)
は
盛
(
さかん
)
に
蔓
(
はびこ
)
りて
177
天地
(
てんち
)
曇
(
くも
)
らせ
現身
(
うつそみ
)
の
178
世人
(
よびと
)
の
身魂
(
みたま
)
を
蹂躙
(
じうりん
)
し
179
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
と
180
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でたる
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
を
181
いつとはなしに
曲神
(
まがかみ
)
の
182
珍
(
うづ
)
の
住家
(
すみか
)
となし
終
(
を
)
へぬ
183
吾
(
われ
)
も
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
184
恵
(
めぐみ
)
に
漏
(
も
)
れぬ
身
(
み
)
なれども
185
いつとはなしに
曲神
(
まがかみ
)
に
186
つけ
狙
(
ねら
)
はれて
由々
(
ゆゆ
)
しくも
187
天地
(
てんち
)
容
(
い
)
れざる
大罪
(
だいざい
)
を
188
重
(
かさ
)
ね
来
(
きた
)
りし
恐
(
おそ
)
ろしさ
189
至仁
(
しじん
)
至愛
(
しあい
)
の
大神
(
おほかみ
)
は
190
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
汚
(
きたな
)
き
行
(
おこな
)
ひを
191
憐
(
あはれ
)
みたまひて
忽
(
たちま
)
ちに
192
各自
(
てんで
)
に
洗礼
(
せんれい
)
与
(
あた
)
へまし
193
心
(
こころ
)
に
潜
(
ひそ
)
む
曲神
(
まがかみ
)
を
194
苦
(
く
)
もなく
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
し
給
(
たま
)
ひけり
195
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
196
御霊
(
みたま
)
幸倍
(
さちはへ
)
ましまして
197
サガレン
王
(
わう
)
に
背
(
そむ
)
きたる
198
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
が
罪
(
つみ
)
を
許
(
ゆる
)
させよ
199
ケールス
姫
(
ひめ
)
を
朝夕
(
あさゆふ
)
に
200
汚
(
けが
)
しまつりし
醜業
(
しこわざ
)
は
201
天地
(
てんち
)
容
(
い
)
れざる
罪
(
つみ
)
なれど
202
神
(
かみ
)
の
尊
(
たふと
)
き
御心
(
みこころ
)
に
203
清
(
きよ
)
く
見直
(
みなほ
)
し
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
し
204
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
しませ
天地
(
あめつち
)
の
205
尊
(
たふと
)
き
百
(
もも
)
の
神
(
かみ
)
の
前
(
まへ
)
206
罪
(
つみ
)
に
沈
(
しづ
)
みし
竜雲
(
りううん
)
が
207
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
犯
(
おか
)
せし
罪
(
つみ
)
を
悔
(
く
)
い
208
心
(
こころ
)
を
清
(
きよ
)
めて
大前
(
おほまへ
)
に
209
慎
(
つつし
)
み
敬
(
うやま
)
ひ
詫
(
わ
)
びまつる
210
天
(
あめ
)
の
目一
(
まひと
)
つ
神司
(
かむつかさ
)
211
君子
(
きみこ
)
の
姫
(
ひめ
)
や
清子姫
(
きよこひめ
)
212
其
(
その
)
外
(
ほか
)
百
(
もも
)
の
人々
(
ひとびと
)
の
213
尊
(
たふと
)
き
今日
(
けふ
)
の
働
(
はたら
)
きを
214
喜
(
よろこ
)
びゐやまひ
心
(
こころ
)
より
215
慎
(
つつし
)
み
讃美
(
さんび
)
し
奉
(
たてまつ
)
る
216
斯
(
か
)
くなる
上
(
うへ
)
は
竜雲
(
りううん
)
が
217
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
悩
(
なや
)
みし
村肝
(
むらきも
)
の
218
胸
(
むね
)
の
曇
(
くも
)
りも
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
り
219
黒雲
(
くろくも
)
遠
(
とほ
)
く
吹
(
ふ
)
き
散
(
ち
)
りて
220
大空
(
おほぞら
)
渡
(
わた
)
る
日月
(
じつげつ
)
の
221
光
(
ひかり
)
を
拝
(
をが
)
む
心地
(
ここち
)
よさ
222
国別彦
(
くにわけひこ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
よ
223
ケールス
姫
(
ひめ
)
よ
竜雲
(
りううん
)
が
224
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
汝
(
なれ
)
に
加
(
くは
)
へたる
225
きたなき
罪
(
つみ
)
や
曲業
(
まがわざ
)
を
226
広
(
ひろ
)
き
心
(
こころ
)
に
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
し
227
許
(
ゆる
)
させ
給
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
228
神
(
かみ
)
に
誓
(
ちか
)
ひて
将来
(
ゆくすゑ
)
の
229
わが
改心
(
かいしん
)
を
開陳
(
かいちん
)
し
230
身
(
み
)
を
退
(
しりぞ
)
きて
天
(
あめ
)
の
下
(
した
)
231
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
駆廻
(
かけめぐ
)
り
232
命
(
いのち
)
の
限
(
かぎ
)
り
身
(
み
)
の
限
(
かぎ
)
り
233
世人
(
よびと
)
を
救
(
すく
)
ひ
身
(
み
)
の
罪
(
つみ
)
を
234
亡
(
ほろ
)
ぼしまつるわが
覚悟
(
かくご
)
235
安
(
やす
)
く
諾
(
うべな
)
ひたまへかし
236
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
237
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
願
(
ね
)
ぎまつる』
238
ケールス
姫
(
ひめ
)
は
又
(
また
)
謡
(
うた
)
ふ。
239
ケールス姫
『
醜
(
しこ
)
の
魔神
(
まがみ
)
に
迷
(
まよ
)
はされ
240
神
(
かみ
)
の
末裔
(
みすゑ
)
と
現
(
あ
)
れませる
241
国別彦
(
くにわけひこ
)
の
神司
(
かむつかさ
)
242
わが
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
に
相背
(
あひそむ
)
き
243
曲
(
まが
)
のかかりし
醜人
(
しこびと
)
に
244
心
(
こころ
)
の
限
(
かぎ
)
り
身
(
み
)
の
限
(
かぎ
)
り
245
媚
(
こ
)
び
諂
(
へつら
)
ひて
何時
(
いつ
)
となく
246
罪
(
つみ
)
の
淵
(
ふち
)
へと
沈淪
(
ちんりん
)
し
247
あらむかぎりの
罪悪
(
ざいあく
)
を
248
尽
(
つく
)
し
来
(
きた
)
りし
恐
(
おそ
)
ろしさ
249
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
250
霊
(
みたま
)
の
光
(
ひか
)
りに
照
(
て
)
らされて
251
曇
(
くも
)
りし
胸
(
むね
)
も
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
り
252
眩
(
くら
)
みし
眼
(
まなこ
)
も
明
(
あきら
)
かに
253
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
りて
身
(
み
)
の
罪
(
つみ
)
を
254
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
し
255
顧
(
かへり
)
みすれば
恐
(
おそ
)
ろしや
256
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
の
許
(
ゆる
)
さざる
257
重
(
おも
)
き
罪
(
つみ
)
をば
知
(
し
)
らずして
258
重
(
かさ
)
ね
来
(
きた
)
りしうたてさよ
259
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
260
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
261
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
や
木
(
こ
)
の
花
(
はな
)
の
262
咲耶姫
(
さくやのひめ
)
の
神言
(
みこと
)
もて
263
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
が
264
世人
(
よびと
)
を
普
(
あまね
)
く
救
(
すく
)
はむと
265
三五教
(
あななひけう
)
の
御
(
おん
)
道
(
みち
)
を
266
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
島々
(
しまじま
)
に
267
開
(
ひら
)
かせ
給
(
たま
)
ふ
神司
(
かむつかさ
)
268
数
(
かず
)
ある
中
(
なか
)
に
取
(
と
)
りわけて
269
清
(
きよ
)
き
尊
(
たふと
)
き
北光
(
きたてる
)
の
270
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
や
君子姫
(
きみこひめ
)
271
清子
(
きよこ
)
の
姫
(
ひめ
)
を
下
(
くだ
)
しまし
272
火
(
ひ
)
の
洗礼
(
せんれい
)
を
施
(
ほどこ
)
して
273
神地
(
かうぢ
)
の
都
(
みやこ
)
に
蟠
(
わだか
)
まる
274
醜
(
しこ
)
の
魔神
(
まがみ
)
を
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ひ
275
清
(
きよ
)
めたまひし
尊
(
たふと
)
さよ
276
心
(
こころ
)
の
闇
(
やみ
)
は
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
り
277
元
(
もと
)
つ
御霊
(
みたま
)
に
嬉
(
うれ
)
しくも
278
立
(
た
)
ち
帰
(
かへ
)
りたる
吾
(
われ
)
なれど
279
一度
(
ひとたび
)
魔神
(
まがみ
)
に
汚
(
けが
)
されし
280
吾
(
わが
)
身体
(
からたま
)
を
如何
(
いか
)
にせむ
281
寄辺渚
(
よるべなぎさ
)
の
捨小舟
(
すてをぶね
)
282
取
(
と
)
りつく
島
(
しま
)
もなく
涙
(
なみだ
)
283
いづれに
向
(
むか
)
つて
吐却
(
ときやく
)
せむ
284
サガレン
王
(
わう
)
の
御心
(
みこころ
)
は
285
仮令
(
たとへ
)
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
許
(
ゆる
)
すとも
286
重
(
かさ
)
ねし
罪
(
つみ
)
の
吾
(
わ
)
が
体
(
からだ
)
287
如何
(
いか
)
でか
元
(
もと
)
に
帰
(
かへ
)
るべき
288
妾
(
わらは
)
は
是
(
これ
)
より
聖城
(
せいじやう
)
を
289
後
(
あと
)
に
眺
(
なが
)
めて
葦原
(
あしはら
)
の
290
瑞穂
(
みづほ
)
の
国
(
くに
)
を
隈
(
くま
)
もなく
291
風雲
(
ふううん
)
雷雨
(
らいう
)
をしのぎつつ
292
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
293
開
(
ひら
)
きて
世人
(
よびと
)
を
善道
(
ぜんだう
)
に
294
導
(
みちび
)
きまつり
皇神
(
すめかみ
)
の
295
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
の
万分一
(
まんぶいち
)
296
報
(
むく
)
いまつらむ
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
297
許
(
ゆる
)
させたまへ
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
298
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
達
(
たち
)
八百万
(
やほよろづ
)
299
国魂神
(
くにたまがみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
300
ケールス
姫
(
ひめ
)
が
誠心
(
まごころ
)
を
301
誓
(
ちか
)
ひて
願
(
ねが
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る
302
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
303
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
304
と
謡
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
305
恥
(
はづ
)
かしげに
片隅
(
かたすみ
)
に
身
(
み
)
を
潜
(
ひそ
)
めて
蹲
(
うづく
)
まり
居
(
を
)
る
様
(
さま
)
、
306
人
(
ひと
)
の
見
(
み
)
る
目
(
め
)
も
哀
(
あは
)
れげに
感
(
かん
)
ぜられ、
307
一同
(
いちどう
)
は
期
(
き
)
せずして
同情
(
どうじやう
)
の
涙
(
なみだ
)
にかき
暮
(
く
)
れにける。
308
(
大正一一・九・二四
旧八・四
加藤明子
録)
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